クリエイティブRPG

転空の世界、ユグドラシル。

世界の根幹をなす宇宙樹が逆転したこの世界で、
人々は空の彼方にある、地上への帰還を悲願としていました。

そしてユグドラシルの第３層の殆どを支配する英霊王ジグムントは、アースガルド探索と共に地上への探査を開始。

しかしそれは巨人たちに察知され、襲撃を受けたのです。
それは、後に樹冠戦争と呼ばれる戦いの始まりでした。



ユグドラシル第３層、樹冠都市ヴェステロス。
ジグムント王の居城の会議室。

「この状況。……危機と見るべきか、好機と見るべきか」

ジグムント王は意外な言葉を口にしました。
今回の巨人の襲撃は凌げたものの、
今後も襲撃は予測されているのです。

「悠長ではございませんか？　ただの巨人ではありません。
……翼の生えた巨人です。その脅威を前に好機とは」

言葉に詰まる側近の英霊ダーヴィドを前に、
ジグムントは笑います。

「我らが無策ではないように、巨人にもまた策があるだけだ。
……ヴェルンド、高射砲の準備は？」

ヴェルンドと呼ばれた職人風の男は、頷きました。

「樹脂からの砲身の削り出しと、組み立ては終わっている。
実験も兼ねて実戦投入も可能じゃ」

「よかろう、ならば――」

と作戦を語ろうとした時です。一人のノルンが会議室に入ってきました。

「英霊王よ、危険です。
……悪しき宿命が多数、地上よりこの第３層に！」

ノルンは新たな敵の存在を察知したのです。

「運命の巫女よ、悪しき宿命――巨人の種類はわかるか？」

「トロウル……それにヨトゥン」

ヨトゥンとは鎧に身を包んだ巨人であり、
トロウルとは比べ物にならない力を秘めた巨人の中核をなす種族です。

そして脅威はそれだけではなかったのです。



「偽りの英霊王よ……貴様の命もここまでだ！」

ヴェステロスと同盟を結んでいた、樹冠都市リメリックが巨人側に付き、
ジグムントに反旗を翻したのです。

リメリックの王の名は、アルブレヒト。
若くしてエインヘリアルとなった美しき王です。

彼はリンドヴルムに乗った英霊と戦乙女の軍勢を伴って、
ヴェステロスに進軍を開始しました。

……巨人の襲撃と同盟都市の裏切り。ヴェステロスは包囲されたのです。
しかし。

「巨人には香を使え。分散させて各個撃破するのだ。

結果、こちらに来る数が少なくなれば、
ヴェステロスの防備で対抗できる。

アルブレヒトは私が相手をしよう。
勘違いしているようだからな」

ジグムントは落ち着き払っていました。
ワールドホライゾンはジグムント王に密かに協力する事にし、
ヴェステロスにはたくさんの特異者たちが集まってきました。

その最中、悲劇は起きたのです。



ワールド・ホライゾン。

「殺人事件！？」

ホライゾンの市長、紫藤明夜は声を上げました。
ヴェステロスに向かった特異者、
白幡啓治（しらはた　あきはる）が
遺体となって発見されたというのです。

これまで特に目立つこともなく、
またそつなく任務をこなしていた白幡の死。

そして彼の遺体を検分した所、手に装備していた
ＡＴＤ（アバタートランスフォーメーションデバイス）が
剥がされていたのです。

「ＡＴＤは仮に奪われてもセキュリティはやぶれない。
……なのに、なぜ」

それは、この世界に潜む何かが見えた瞬間でした。

トリガーシナリオ『樹冠戦争　前編』をお送りします。


本シナリオはユグドラシルのトリガークエスト「転空のユグドラシル第６話」直後からのジグムント王側の展開となります。
ユグドラシルで２つ目のトリガーシナリオとなり、全３回の予定となります。

最低限の情報については本ガイドにも記載しておりますが、
上記トリガークエストやワールドガイドなどもご覧の上ご参加頂けると幸いです。

以下、今回のシナリオについて説明します。

■基本的な状況
ジグムント王は第３層の実質的な王であり、
アースガルドへの探索や地上への探査船団の派遣など地上奪還を前提として様々な計画を進行させています。
巨人の王、ウートガルザ・ロキはそれを察知し、
新たに誕生した空飛ぶ巨人フライングトロウルと黒いヴァルキュリアのヒルドにヴェステロスに襲撃させました。
しかし、それは前哨戦にすぎませんでした。
ウートガルザ・ロキはすかさずヴェステロスにフライングトロウルの群れとトロウルより強力な巨人であるヨトゥンを送り込みました。
また、ジグムントト同盟を結んでいたはずの樹冠都市リメリックも巨人側につき、
リメリックの王アルブレヒト自身が500のリンドヴルムとヴァルキュリアを率いて襲ってきています。
ワールドホライゾンではユグドラシルの調査にジグムント王の協力が不可欠と考え、この戦いに協力する事にしました。
しかし、そうしてヴェステロスに赴いた特異者の一人、白幡啓治が死んでしまったのです。
またその遺体からはＡＴＤが奪われており、この殺人が特異者に関連した事件である可能性が濃厚と考えられています。

アクションパート別の注意事項は以下のようになります。

【１】ヴェステロスを巨人から防衛　難易度：３
このパートはヴェステロスを巨人から防衛する戦いとなります。
巨人は「空からのフライングトロウル」と「ヴェステロスの壁に迫るヨトゥン」がいます。
ヨトゥンは迷宮を経由して出現したようで、その数は多くはありませんが一体が非常に強力です。
フライングトロウルは数は多い物の、そこまでは強くはありません。
また、対空飛ぶ巨人用に名工ヴェルンドが樹脂製の高射砲を作り出しました。
この高射砲は巨大なため持ち運びはできませんが、一撃で多数の巨人をたおせる力を秘めている対空装備です。
ベルセルクのアバターであれば、高射砲の射手として、手伝う事が可能です。
また、ヴェステロスの壁側の警備はエインヘリアルのダーヴィドが当たっています。
ヨトゥンは巨人の香と呼ばれるキシリットにおって各地に分散していますが、それでもヴェステロスには１０体ほどが接近しています。
※各地に散ったヨトゥンとの戦いは討伐ミッションで行われます。詳しくは後の項目をご参照ください。

このパートには名工ヴェルンド、ダーヴィドが登場します。

【２】アルブレヒトの軍勢と戦う　難易度：３
樹冠都市リメリックの王、アルブレヒトの軍勢はリンドヴルムに乗ったエインヘリアルとヴァルキュリアから構成され、
空からヴェステロスに接近してきています。アルブレヒトはリンドヴルムスヴァードに騎乗しており、巨大な槍の使い手です。
それを迎え撃つために、ジグムント王はリンドヴルム部隊を展開して待ち受けています。
アルブレヒトはそもそもはジグムント王とかなり仲が良かったはずですが、現在はむしろ憎んでいるようですがその理由は不明です。
このパートは基本的には空中戦を扱うので、空を飛ぶスキルか道具がない限り自由に戦えません。
空を飛ぶ方法がない場合はヴェステロス軍のロングシップに乗船し、そのうえで飛来する敵と戦うことになります。

このパートにはジグムント王、アルブレヒトが登場します。

【３】特異者殺人事件の調査　難易度：１
ヴェステロスにある酒場近くの路地裏で特異者の白幡啓治はなくなっていました。
現在、遺体はワールドホライゾンに回収されていますが、事件の原因調査の協力者が求められています。
現在犯人についての有力な手掛かりはありませんが「ユグドラシルで作られた剣で殺されている」
「ＡＴＤ以外は特に何も奪われていない」「背中から急所を狙って一撃で殺害されている」などが判明しています。
今の所目撃者は見つかっていませんが、周辺は人が多く聞き込みなど行えば有力な手掛かりはでてくる可能性があります。
ただし、単に情報収集ではなく方向性や推論を元に調査した方がより効果てきでしょう。


★関連討伐ミッションとクエストについて
本誌なりに関連して、5月12日（月）にクエスト「竜の巣」が発表されます。
新たなリンドヴルムが登場などもしますので、ぜひお遊び下さい。

5月15日より巨人ヨトゥンの討伐ミッションも開始されます。
こちらのミッションで倒されたヨトゥンの数によって「樹冠戦争　中編」の開始時の展開にも影響を与えます。
また、本シナリオの参加キャラクターごとにもれなく、
討伐ミッションでヨトゥンを呼び出せるアイテム「巨人の香」をプレゼントします。
こちらをご利用の上、ぜひ討伐ミッションもお楽しみください。
また巨人の香は別途クエストでも登場する予定です。
詳しくは後日作成される討伐ミッションの特集ページをご覧ください。


それでは、皆様のご参加をお待ちしております。


【2014年5月29日13:00　変更】リアクション公開予定を　2014年6月6日　に変更させて頂きます。
ご参加のお客様には大変申し訳ございませんが、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。