シナリオガイド
解放軍の一員となり機械の国を救おう
シナリオ名:終焉解放オーバーチュア【二曲目/全三曲】 / 担当マスター:森乃ゴリラ
「ここが、拠点……」
F05-2898と共に解放軍の拠点へと訪れたオーフェデリア・コーデリアは困惑した表情を浮かべました。
それもそのはず。辿り着いた場は拠点とはいえぬほど整ってはいなかったのですから。
解放軍の拠点は、王国軍から隠れるようにして深い深い森の奥、大きな洞の中にありました。
剥き出しの岩盤、そこら中に張り巡らされたケーブル。灯りらしき者は暖かな光などではなく、作動している機械が生み出す青色の光。それらが照らしているのはここに住んでいる機械生命体や機体、そしてスクラップたちの山です。
「街のような場所は王国軍の侵攻を受けて殆どが滅んでいます。ここは逃げ延びた者が集まって出来た即席の街だとお考えください」
F05-2898の言葉を受け、オーフェデリアは改めて周囲を見回しました。
スクラップの山はよく見れば向こう側に窓がいくつも見え、岩盤の合間には扉のようなものが見えます。どうやら逃げ延びた者達で協力し、最低限生活が行えるように整えているようですが、オーフェデリアからすれば野営以下の環境に思えてなりません。一応……否……正式に……彼女はこれでも、こう見えても、紛うことなき貴族のお嬢様(貧乏)ですので。
そんな心情を悟ったのでしょう。F05-2898は困ったように微笑んでから言葉を紡ぎます。
「決して豊かとはいえませんが……それでもここは我々の居住地なのです。王国軍を退け、マザーを倒すことができればより良い未来も訪れましょう」
F05-2898は前を、未来を見据えて言いました。
機械の頭部では目にあたる器官がどこにあるのかは不明ですが、少なくともオーフェデリアにはそう見えます。
「わたくしも出来うる限り手伝います、残った者らで立て直していきましょう。……となると、やるべきことは多いですね……」
オーフェデリアはやるべきことを指折り数えていきます。
まず大事なのはこの地で動きやすくするために機体の整備でした。若葉が持ち込んだドラグーンアーマーは本来の性能を発揮することができていません。おそらくは構成している鉱石や磁場などの影響があるのでしょう。そこをクリアすることができれば、この地の機体以外でも動けることになります。そのためにはプラネットⅢの金属を調査し、持ち込んだ機体に活かせないかの開発・研究が必要となります。
次にやるべきことは殿や囮を務め、拠点に戻ってきた者達のケアです。
あの場で行えたのは緊急処置、取り除いた部位の交換をしてあげなければ動く事も侭ならないでしょう。パーツの交換、調整、そして死を覚悟した者らの心を落ち着かせなければこれからに差し支えます。
「あとはこの場の環境も整えておきたいところです。どう動くにせよ、わたくし達も利用いたしますし……よろしいですか?」
オーフェデリアが問えば、F05-2898は頷きます。
「改善に手を貸していただけるのであれば嬉しい限りです。それとは別に、私からもお願いがあります。……採掘場の制圧を手伝ってほしいのです」
F05-2898が採掘場と呼んでいるのは様々な眠っている鉱脈です。
機体や機械生命体たちのパーツに必要なものや燃料などが大概揃うので、何かと重宝していました。しかし、王国軍により制圧されてしまった今となっては資源の入手が困難になってしまったと言います。
「確かに資源がなければ儘なりませんね。燃料の確保もそちらで?」
「ええ、特定の鉱石から抽出できます。今現在、動く分には問題ありませんが……長期間の戦闘を考えるのであれば確保しなければならないでしょう」
「でしたら、そちらも必須ですね。機体の研究のためにもそちらに人を割かねばなりませんし……そうですね、そちらの制圧には若葉に向かっていただきましょう。さあ、やることはたくさんあります……わたくしたちに出来る事をしてまいりましょう!!」
担当マスターより
『終焉解放オーバーチュア【二曲目】』シナリオガイドの閲覧ありがとうございます。
世界観や特殊アバターについては『一曲目(前回)』に書いてありますので、お困りの際はそちらをご覧いただけますと幸いです。
○ アクションパート
【1】オーフェデリアと共に研究を進める
現状では扉の外の鉱石とプラネットⅢは相性が悪いということが分かっています。
それらを解決するには回路を探るか、あるいは鉱石同士の相性を探していくのも良いかなと思いますが、これは森乃ゴリラが考えた解決策のひとつですので、他にも相性の解決に至れそうなものであればじゃんじゃん出していただいて大丈夫です。解決に繋がりそうであれば都度判定いたします。
たとえばレーダーをもっと強化したいとか、搭乗人数を増やせないか研究を進めるなど、具体的な案を『ひとつ』研究していただく形になります。
複数研究を進める場合は進捗が芳しくなくなったり、時間を取られたりしてしまうかもしれないのでご注意ください。
シナリオガイド本文に記載した通り、今回の舞台は街らしい街ではなく、でっかい洞窟の中に築かれた洞の街といった感じです。分厚い岩盤、運び込まれた機材、暮らすのに必要な機器やスクラップなどが集まっている場所となります。
そこから調査を進めても良いですし、拠点にいる機械生命体に話を聞いても構いませんし、彼らの機体を使って研究を進めても構いません。機械生命体はあなた方のお手伝いを快くしてくれるでしょう。
もちろん、あなたが持ち込んだ機体から研究を進めても問題ありません。
長々と書きましたが、割と自由度が高いアクションとなっております。
これをしてみたいけれど、何をしたら良いのかな……? と悩んだら、オーフェデリアや機械生命体に相談してみるのも良いでしょう。GMが良い感じに汲み取って判定いたします。
諸々の解析・研究が進めば、機体を様々な面で強化できるかもしれませんし、お気に入りの愛機を重鎧機体や地獣機体のようなプラネットⅢ仕様にカスタマイズできるかもしれません。
【2】採掘場の制圧へ乗り出す
解放軍が採掘場として扱っていた場所は、現在王国軍が陣取っています。
内部にある鉱石を解放軍に採らせないのが一番の目的であり、彼らもまた機体のために採掘を続けている状態でもあります。
ここを取り返すことができれば、解放軍は鉱石採掘を再開できるようになりますし、王国軍への供給も一時的に止めることができるでしょう。
軽傷だった機械生命体の一部も共に進軍してくださるそうです。
採掘場に居る王国軍は一話目の編成と変わりませんが、天鳥機体などの一部は坑道内ではなく外で見張りのように飛び回っています。もちろん、そちらを対処しても問題ありません。そちらの方が広いので暴れ回るには打って付けです。
・採掘場
とても巨大な洞で、四方八方に坑道が続いています。
機体に搭載されているレーダーで方角を見失うことはありませんが、大まかな位置関係だけ把握できる状態です。詳細な地図は存在していませんが、支援機体にマッピングスキルやアイテムを搭載することでかなり詳細な地図を作製することができます。
以前はロープを機体につけて坑道の目印にしていたらしいので、地図を作製すればとても喜ばれることでしょう。
最低限の灯りは点っていますが、より先を見通すのであれば機体にライトや暗視系の装備を持ち込まないと厳しいでしょう。
また、以前解放軍が採掘していた時、王国軍に攻め入られた名残として機体も転がっている状況でもあります。流石に生存者はいませんが、使えそうな部品なんかは残されているかもしれません。
坑道の広さは、中で戦闘できる余裕がありますが、ある程度に留まります。
空鳥機体については普段よりかなり低いところを飛ぶことになりますので、交戦の際はお気を付けください。油断すれば重鎧機体の攻撃も届いてしまいます。
しかし、それはこちらも同じこと。ジャンプスキルや踏み台スキルなどがあれば敵の天鳥機体に攻撃が届くようになります。
こちらのパートが成功すれば、鉱山を再び利用できるようになるでしょう。
物資が豊かになれば研究も進みやすくなり、恩恵は戦うものたちへと還元されます。
【3】拠点の整備を行う
拠点と呼ばれている場所は、お世辞にも過ごしやすい場所ではありません。
皆、王国軍に追われ、少ない物資で転がり込んできたため、諸々に手が回っていない状況となります。
休憩室は土が剥き出しだったり、オイルの匂いが充満していたり、到底休まる環境ではありません。それに、逃げ延びた者達の中には小さな子供型の機械生命体も混ざっています。
環境を整えて安心してもらおうというのがこのパートです。
・怪我人について
現在は殿や囮の方を連れて帰っている状態でもあります。中には応急処置だけされた人もおり、人体のパーツ替えなどを望んでいる方もいます。
こちらのパートで治療してさしあげても問題ありません。自身の知識や技術に不安があるようであれば、拠点の機械生命体にやり方を聞いてみても良いかもしれません。きっと快く教えてくれるでしょう。
戦場での治療とは違い、今回はゆっくりと治療することもできます。(前回より回復の効果が高いよってことです)
機械生命体の治療だけではなく、機体の整備をメインに動くのも良いかもしれません。持ち帰った機体の一部はボコボコのままですので。
・食糧について
食糧も残っているので参加される方の食糧事情は問題ありません。
問題があるとすれば食糧が無味のレーション(砂を噛んでいるような食感)ということくらいです。改善しても構いませんし、そのまま『しおしお顔』で食べても良いです。
機械生命体たちは長らく味覚を使っていませんが、機能自体は備わっています。そういったところから心を満たしてあげても良いかもしれません。
・その他
人が整えば場は潤い、士気も上がってくれます。
士気を高めるために何かをしてあげるのも良いでしょう。
設備の改善だったり、楽しいと思えることを披露してあげたりしてもいいかもしれません。
姿形は違えど彼らは同じく人なのですから、娯楽があれば心安まること間違いなしです。
【4】その他
他にやりたいことがあればこちらをどうぞ。
ただ内容によってはあまり成果が得られなかったり、他のパートに移動する可能性もあったりしますのでよろしくお願いいたします。
○NPC情報
・オーフェデリア・コーデリア【花侯騎士団・大隊長】
一話目にご参加いただいた方はもうお分かりですね、ギャグの人間且つじゃじゃ馬です。
しかし今回は真面目に研究を行うため、拠点に残り様々な研究を進める予定です。
「時間があまり無さそうなことを考えますと、ドラグーンアーマーのパーツをプラネットⅢのものに載せ替えてみるか、あるいは皮膜として鉱石の一部を塗装するあたりが手っ取り早いでしょうか……。いえ、レーダーの強化も気になりますし……悩ましいですが動きやすくなるように研究してまいりましょう。わたくし、D因子ですのに……」
・相馬 若葉【特異者/花侯騎士団】
オーフェデリアが若干アレなので苦労人ポジションです。かわいそう、かわいい。
「オーフェデリア様は研究がお好きですので、拠点に籠もっていてもらえばとりあえずは問題ありませんね!! 指示通り、私は採掘場に向かいましょう。王国軍を退けるために……重鎧機体ですかねぇ。どうせなら大暴れして、注目を集めてもいいかもしれませんね。臨機応変で行きましょう!!」
・F05-2898
プラネットⅢに住まう機械生命体であり、解放軍の一員。
拠点に残り、ケアが必要なものに寄り添ったり、拠点改善のため物資の仕分けなどを行ったりする予定です。
『皆のパーツは……残っていますね。取り替えればきっとまた動けるようになります。ええと、食糧はまだ余裕がありますね……そういえば外の者も食事が必要ですよね。レーションなどをお出しすれば良いでしょうか……? 無味でも栄養が取れれば問題ないとは思うのですが……オーフェデリアさんにお出ししたとき、この世の終わりみたいな表情をしていたのが気になります』
○マスターコメント
シナリオガイドの閲覧ありがとうございます。
終焉解放オーバーチュアの二話目となります。
詳細は一話目に載せておりますので、お気軽にご参加ください。
全体的にアクションパートの自由度が高かったりしていますが、
それほど難しく考えず、機械生命体たちに何かをしてあげよう!!
といったものからくる行動でほとんど問題ありませんので何卒よろしくお願いいたします。
また、前回ご参加いただいた方には招待をお出ししております。
ご都合がよろしければご参加いただけますと幸いです。
空きが出ている場合はお気兼ねなく途中参加していただいて大丈夫です。