クリエイティブRPG

楽園に至る者達へ

リアクション公開中!

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楽園に至る者達へ
基本情報

マスター:トヨシロ
ワールド:マグメル
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2024年11月03日公開!

【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
シナリオガイド

おいでよ、因習の村(スライム付き)

シナリオ名:楽園に至る者達へ / 担当マスター:トヨシロ

 ――“西部共和国”冒険者ギルド

 夕暮れ時、酒場を営む拠点は依頼を果たした冒険者達の酒盛りで賑わっていました。
 ドンッとテーブルを叩く音が響き渡り、物々しい空気を放つ四人組パーティに視線が集まります。
 テーブルを叩いたのは熊に似た耳と尻尾を持つ獣人の青年でした。
 青年は二人の少女を背中にかばうようにして、対面に立つ学ランを着たヒューマンを睨み付けます。

イサム、お前をパーティから追放します」
「リーダー、どうしてだよ……?」
「勇者に相応しくないからです」
「なんだと!?」

 若いパーティのいざこざにベテラン冒険者が仲裁しようと席を立ち上がります。
 いつもは初めて訪れた新人冒険者の足を引っ掛けるのが趣味の彼もパーティの崩壊は見過ごせません。

「俺の何がいけないっていうんだよっ!」
いや、戦闘中に仲間の装備を溶かすのはダメでしょ

 ベテラン冒険者はすっと座り直しました。
 今日も依頼達成後に飲むお酒が美味しいです。

* * *


「――というのが三ヶ月前にこの場所であった出来事だよ。
 それで本題に入るけど、最近になってボクたちのパーティから追放されたあいつの悪い噂が流れてきたの。
 ここから南にあるウーブレック村で何か企んでいるみたい」

 ハーフハイトの少女――メリアドネは溜息を吐きます。
 パーティを解消済みなので本来は無関係ですが、彼女は責任を感じてギルドに代わって依頼説明を引き受けたのです。

「あいつの天技は本当に厄介だから説明しておくね」

 天技の名前は“素裸為武(スライム)”。
 触れたものに「身にまとうものを溶かす」効果を付与する能力です。
 イサムは効果を付与した粘性の液体を撒き散らすことで、仲間を巻き込んで魔物の装備を溶かしていました。
 装備に使う金や職能を磨く時間をすべて天技に注ぎ込んでいるらしく相当に高いLVを誇っているようです。

「ボクも大切な装備を何度溶かされたことか。身体を傷付けはしないけど裸になるまで溶かされるから本当に注意するんだよ

 メリアドネは自分の体を抱き締めて震え出します。
 怒りと羞恥心で顔が真っ赤になっていました。

「来訪者が悪さをしてるってのは分かったが、こんなに人を集めるほどのことなのか疑問なんだが」
「厄介なことに協力者が現れてしまったのです。『天楽快』という名前に聞き覚えがある方は?」

 ベテラン冒険者の疑問に答えたのは、席を外していたパーティリーダーを務めるアレクでした。
 彼はイサムの所業を聞いてショックで寝込んでいるもう一人の女性メンバーを先程まで看病していたのです。

「それって確か快楽至上主義を掲げている創世神信仰の異端じゃなかったか」
「はい、その通りです。そしてウーブレック村に彼らの信仰は広まっています。この意味が分かりますね?」

 容赦なく丸裸にする天技と快楽至上主義は考えるまでもなく最悪の組み合わせでした。

* * *


 ――ウーブレック村

 調査のために先行していたアレクとメリアドネは村から逃げ出そうと必死に走っていました。
 遠目に観察するだけの予定でしたが、村の様子に違和感を抱いて深入りしてしまったのです。

「初めまして、私の名前はラメーダ。天楽快に名を連ねるしがない信仰者です」

 桃色掛かった法衣をまとう女性型ゴーレムが二人の前に立ち塞がります。
 村は魔物対策で柵に囲われているので、彼女の立つ先にあるのが唯一の出入り口でした。

「ああ、こんなにも良い天気なのに、我らの信仰をお試しになられるのですね、フィルマ様!」

 今にも雨が降り出しそうな曇り空に、ラメーダは両腕を広げます。

「この村で何を企んでいるのですか」
「世界に安寧をもたらすのです」

 アレクの問い掛けに、ラメーダは冷気を帯びた小瓶を懐から取り出します。
 目を爛々と輝かせるラメーダに、メリアドネは怯えながらも目を逸らしません。

「訊かなくても、それがろくでもないものっていうのは分かるわ」
ヘヴンスライム。イサム様と私の祈りによって生み出された救世主です!」

 ラメーダは熱を帯びた手の平で包んでいた小瓶をアレクの足元に転がしました。
 独りでに蓋が外れて中からパステルピンクのスライムが這い出してきます。
 スライムから遠ざかろうとするアレクでしたが、音もなく背後に忍び寄ったイサムの足払いを受けて転んでしまいます。

「イサム……! このスライムはお前の天技……いや、それだけじゃない!?」
「リーダー、最後まで分かり合えず残念だよ」

 ヘヴンスライムに纏わり付かれたアレクの装備が見る見る内に溶かされていきます。
 冷えた感触は人肌に触れている内に蒸気を出し始めます。そして強烈な催淫効果を引き起こしました。

「メリアドネはギルドに報告を」
「でもっ!」
「ここはオレが引き受けます!」

 決死の覚悟を受け取ったメリアドネは、アヘ顔になりつつあるアレクを置いて駆け出しました。
 村を出る前に最後に見たのは、紙袋を被った村人達がダブルピースで祈りを捧げる狂気的な光景でした。

* * *


 ウーブレック村の近くに待機していた冒険者達は、たった独り戻ってきたメリアドネの報告に震え上がります。
 既に村人は天楽快の教えに染まり切っていたのです。

「見た目はほとんど普通の村……でも、怪しいところが二つあったよ。
 一つは村外れの丘の上にある石造りの建物。この建物にだけ煙突が幾つも取り付けられていたわ
 ほら、ここからでも煙が上がっているのが見える。信徒が出入りしているようだったから、きっと重要な施設よ」

 メリアドネは即席で村の地図を描き込みながら説明を続けます。

もう一つは中心部に近い木々に囲まれた大きな建物。こっちも石造りで丈夫そうだった。それに窓が一つもないの。
 建物から出てきたあいつ……イサムが体を縮こませていたから内部は冷えているのかも。
 武器を持った信徒が出入り口を見張ってた。つまり守る必要がある施設ということね」

 先行した調査隊が見付かったことで村は警戒態勢に入っています。
 関係者を装う潜入や柵を乗り越えての侵入には、相応の準備と作戦が必要になることでしょう。

「……尻拭いをしてもらう形で申し訳ないけど、アレク達の救助をお願いするわ。
 外に連れ出された様子はなかったから、今も村のどこかに囚われている筈よ

 報告を聞き終えた冒険者達は役割分担を行うために話し合いを始めました。
 メリアドネは頼もしい仲間達に安堵を覚えます。
 ふと灰色の空を見上げると、遙か上空を紙袋がふわりふわりと漂っているのが目に入りました。
 不吉な予感を覚える中で、天楽快の計画を阻止する戦いが静かに幕を開けます。
担当マスターより

▼担当マスター:トヨシロ

マスターコメント

【挨拶】
 異世界転移したら因習村だった件について。
 快楽堕ちはハッピーエンド派のトヨシロです。
 初めましての方は誤解しないでください、お久し振りの方は察してください。
 最近(エルフ的時間感覚)はシリアス続きだったので、たまにはこういう依頼もね。

 マグメルの明日がヤベー方向に進まないように頑張りましょう。
 スライムと戯れたい方、変態をしばき倒したい方、因習に興味がある方などなど皆様の参加をお待ちしております。


【概要】
■共通状況
・天気 :曇り(雨が降り出す可能性が高い)
・時間帯:昼頃
 依頼を引き受けた冒険者としてウーブレック村の近くまで来ています。
 ギルドでの説明から現地到着までの間に時間はあるので事前の情報収集や準備は可能です。
 村の周囲は平原であちこちにある小高い丘以外は視界を遮るものはありません。
 魔物対策で高い柵に囲われているため、準備や手段がない限りは正面から出入りすることになります。
 警戒態勢にあるので、村人は余所者を発見すると仲間を呼ぼうとします。また暗がりや死角になる位置にヘヴンスライムが潜んでいるようです。
 村人も天楽快の信者であり敵対状態にありますが、あくまで一般人なので死傷者を出さないように注意しましょう。
 重要施設には天楽快の信徒が滞在しており、彼らは冒険者と戦えるだけの実力を持ちます。また一部の信徒はヘヴンスライムの入った小瓶を所持しているようです。

■ウーブレック村
 “西部共和国”の南部にある村。
 表向きは牧歌的な雰囲気の農村ですが、実態は『天楽快』の活動拠点の一つになっています。

■天楽快(てんらくかい)
 創世神信仰の中で快楽至上主義を掲げている一派。
 一般的な信者は快楽に溺れた者が多く居るので異端扱いを受けています。
 独自の洗礼を受けた正式な信徒は、やり方はともかくヒト種族の救済を本気で目指しているようです。

■ヘヴンスライム
 ウーブレック村周辺に生息していたスライムが独自進化を遂げた特殊個体。
 原種の時点で催淫効果のある粘液を分泌する能力を持っていました。
 催淫効果は微弱であり、野生動物に纏わり付いて表皮に付着した老廃物を食べる際に振り払われないための生物的に真っ当な進化の結果です。
 しかし、天楽快によってヒト種族を狙うようになり、催淫効果がより強力で即効性を持つようになりました。
 彼らにとって身に付けた装備や対外に排出された老廃物こそが食料なのです。
 基本能力はLV1相当の魔物ですが消化能力だけLV5に至っています。


【1】丘の上の建物に向かう 難易度:5
 村外れの丘の上にある石造りの建物に向かいます。
 調査隊の報告によれば他の建物にはない煙突があり現在も煙が上がっています。
 天楽快の正式な信徒が出入りしており、ファイター、メイジ、アコライトの能力を持つ者が数人居ます。
 信徒と戦う場合はLV4以上の装備やスキルがあると良いでしょう。
 こちらの施設には、ラメーダの姿があり彼女と戦闘する場合の難易度は未知数です。
 パート【3】の行動次第で施設に残る戦力が変わります。

【2】木々に囲まれた建物に向かう 難易度:4
 木々に囲まれた大きな石造りの建物に向かいます。
 中心部の近くにあるため気付かれずに近付くのは困難でしょう。
 調査隊の報告によれば窓が一つもなく内部は冷やされている状態のようです。
 出入り口と内部にシーフの能力を持つ信徒の見張りが立っており、LV3以上の装備やスキルがあると良いでしょう。
 施設内には現在、イサムの姿があります。純粋な戦闘能力は高くはないですが強力な天技を持っています。
 メリアドネはこちらのパートでイサムを捕縛しようとしています。
 パート【3】の行動次第で施設に残る戦力が変わります。

【3】調査隊を救出する 難易度:3
 先行した調査隊はメリアドネを残して捕まってしまいました。
 アレクの他にも二名の冒険者が村内で囚われているので探し出して安全を確保しましょう。
 負傷している者、快楽漬けにされている者などできる限り早く助け出す状態にあります。
 囚われている場所が不明のため、村人から訊き出すなど効率的な方法を考える必要があるでしょう。
 村中を動き回る都合上、村人やヘヴンスライムとの遭遇は避けられません。
 こちらのパートの行動次第で、各施設の信徒が持ち場を離れて冒険者を排除しようと動く可能性があります。
 陽動するか、慎重に動くか全体で役割分担や作戦を練ると良いかもしれません。


【登場人物】
■アレク
 獣人の男性。職業はシーフ。
 イサムの元パーティメンバーでリーダーを務めていた。
 外見年齢は十代後半。傷だらけの荒々しい見た目に反して実直で勤勉。
 熊に似た耳と尻尾を持つ。

■メリアドネ
 ハーフハイトの少女。職業はメイジ。職能は占い師。
 イサムの元パーティメンバー。
 何度も装備を溶かされて裸を晒すことになったのでイサムを恨んでいる。

■イサム
 ヒューマンの男性。職業はファイター。職能は武闘家。
 外見年齢は十代後半。来訪者であり、元の世界の学生服を加工して防具にしている。
 すべての装備を溶かし尽くすのは出身世界の価値観によるものと主張している。
・天技『素裸為武(すらいむ)』
 系統は「付加・付与」で対象に「触れたものを溶かす」効果を付与する。

■ラメーダ
 ゴーレムの女性。職業・職能は不明。
 外見年齢は二十代前半。
 天楽快に所属している信徒。創世神フィルマによって地上に遣わされた。






 ※以下の情報は、職能あるいはそれに準じる天技を持つPCのみが活用できます。
 ※PL知識としても目にしたくはない方はご注意ください。


【追加情報】
■【根回し】貴族LV3以上
・ウーブレック村について
 西部共和国の社交界で黒い噂を耳にしました。
 天楽快と繋がりを得る前から、村ではスライムの催淫粘液を利用した媚薬を密かに作られていました。
 どうやらあなたの築いた人脈に顧客となっている“素敵な友人”が居るようです。
 この情報を有効活用すれば、村への潜入などに利用できるかもしれません。

■【裏情報】傭兵LV2以上
・ラメーダの基本能力について
 過去に冒険者とのいざこざで戦う姿を見た者から話を聞けました。
 服装や振る舞いは僧侶ですが、本来の戦闘スタイルはシーフに近いようです。
 戦闘能力は相当に高く何人もの天技持ちの実力者を返り討ちにしています。
 少なくとも他の信徒より強敵であるのは確実です。

■【裏情報】傭兵LV3以上
・ラメーダの天技について
 天楽快の関係者に情報を聞けました。
 彼女の持つ天技は『情動に誠実であれ(パトス・ライジング)』と呼ばれています。
 系統は「未分類」と判明していますが効果の詳細は不明です。

【1】丘の上の建物に向かう 【現在のMC参加人数:5】

5

【2】木々に囲まれた建物に向かう 【現在のMC参加人数:8】

4

【3】調査隊を救出する 【現在のMC参加人数:4】

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