クリエイティブRPG

ワールドホライゾン

<キサナドゥの宴>

リアクション公開中!

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<キサナドゥの宴>
基本情報

マスター:日下智
ワールド:ワールドホライゾン
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:50ポイント
LC/フェロー最大追加数:5
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2024年07月22日公開!

シナリオガイド

あなたの<想い>は、どんな味?

シナリオ名:<キサナドゥの宴> / 担当マスター:日下智



 WH広場の一隅に、ふと気付いたら、常には見慣れぬ路地が開けているということがあるらしい。
 少しく怪しげではあるが、そう深くもないその小路の奥の、古びた扉に示されたるには、<Xanadu(キサナドゥ)> と。
 店名らしきその下に、ぶっ違いでカトラリーが描かれてるところからすれば、おそらく食事処。レストラン……いや、より雑っかけなく「食堂」とか言うべき感じ、でしょうか。
 とまれ、些かならず大仰な名乗りにも関わらずごく小じんまりした、むしろ、どちらかというとみすぼらしいくらいの佇まいでは、あります。
 しかしながら……
 この小路に目に留め、また、何とはなしにこの奥にまで歩を進めてしまった者たちは皆、不思議と誘われるようにも、この扉も潜ってしまうのだ、そうで。


 ***

 この店の主。
 自称して曰く、<コック・ドゥ>

「ま、飲食物を出すシゴトだから肩書き上、<コック>と言っちゃあいるが……手前の腕で食わせてる訳でなし、元より名乗るような名も無いんで、な。<名無しの誰べえ(ジョン・ドゥ)>からの引っ張り、位にでも思っといてくれや」

 で、その胡散臭い口上の如く、言うところの<飲食物の供し方>というのも、尋常ではないのです。
 いや、出てくる物自体は必ずしもゲテモノってワケでもない。むしろ、<客の本当に求めていた物>が出てくる、等とすら言われるのですが……
 何がってそのサーブの仕方が、およそ普通では、ない。


 ***

 とある客が、言いました。
「そうだな……魚で、頼もうか。オレはその辺、ちょっと煩いゼ?」
 食通、というにはやや品がなく、どうにも厄介そうな物言いでは、あります。まあ、三千界を股に掛けて来たベテラン特異者ともなれば、大概はそんなもの。腕っぷしも強ければ経験も豊富で、舌が傲ってるかどうかはともかくも、数多の世界で、色んな物を口にして来てもいるのは確かです。
「アイヨぉ。じゃ、こんなとこで」
 しかし、店主は頓着なく頷くと、徐に冷蔵庫を開き、取り出した材料を客へと示します。
「え……?」
 客、図らずも絶句。
 冷蔵庫から獲れ獲れピチピチの青魚が出てくる、ってえのも大概に異常だが、彼が驚いたのはソコではない。
 彼の、よく見識った魚だったのです。
 別に、名のある高級魚というわけではありません。寧ろ下魚。沢山獲れるが、味は差程でもなく、また足も早い。今や遠い故郷では漁師の小倅だった……でしかなかった彼の、日常食だったモノ。
「何で、コレが……こんな所で出てくるんだよ……」
 元より市場価値も低く、故に流通には乗らない類いの物なのです。知る人も少なく、よし知っていても態々取り寄せるような品でもありません。まして、界を跨いだ彼方のモノとあっては猶更。
「まあ、このハコはソウイウもん、なんだよ。この今、お客さんのココロが求めてる食材が出てくるのさ」
 主は飄々とそんなことを口にします。
 この箱、称して曰く
 <アカシック冷蔵庫>。

 で、主はその未だ銀鱗煌めく青魚を……
 いきなりに傍らの、湯気の沸き立っている大釜へと、突っ込む!
 下拵えも何も無しに、です。
「煮る、のかよ!」
 仮にも魚に煩いと言った男に取っては最早冒涜的なる所業。しかし……
「へい、お待ち」
 一瞬の後、湯気の中から引き出された皿の上に載って居たのは、こんがりとも色目のついた……。
「いや、なんで釜揚げで焼き魚になってんだよッ!!」
 <お伊勢サン>もびっくり、ですが、主と言えば例によって例の如く。
「ま、ソウイウもん、なんだよ」
 この釜、称して曰く、
 <グダグダの大釜>。
 
 そして……
 最早、ツッコミも出てこない男を前に主が言います。
「でもって……仕上げだ」
 徐に客前のテーブル上へと、クロスを投げ掛ける。
 店の名にもなったキーアイテム。
 <キサナドゥのテーブルクロス>
 
 すると……
「え……?」
 再びの絶句。
 けど、今度は食材どころではない。
 彼がいま居るのは、ついさっきまでの食堂ではなかったのです。
 みすぼらしさでは大差ないのかもしれませんが……潮の臭いの色濃くも漂う、苫屋の食卓。
「馬鹿な……もう、何年前だ……」
 場所もともかく、とっくに無くなってしまった筈の、彼の生家の一室。
 そして……
「また、アンタはっ! まったく、モノ食いが悪いったらありゃしない! コレしか無いんだ。さっさとお上がり!」
「……母ちゃん……どうして……」
 とうの昔に鬼籍に入った筈の母親が、それも若い頃のままの姿で……


 ◇
 
 さて……
 ここは、そんなお店。
 あなたが味わうのは、観るのは、
 追憶の情景か、郷愁のあの味か。
 はたまた見果てぬ弥先、一炊の夢。
 何なら物語で見た、アレだって……
 
 いずれなりとも、想いのまま、
 お望みのままに。
 
 どうぞ……
 いらっしゃいませ。
 
 

担当マスターより

▼担当マスター:日下智

マスターコメント

『モノ食う人々!』(挨拶)

 いや……すまない。
 <また>、なんだ。
 
 久しぶりなのに、やっぱりこんなので申し訳ない。
 また今浦島なんで、三千界ナウが全然追い付いてなくて……御赦し賜れ。
 
 さて、方向性は、以前のタロット版と似たような感じ。
 まあ、食べない飲まない人ってぇのも居ませんので、少しばかりインテイクの間口は広い、かな?
 基本、キャラ設定とアクションを素材にしてアレンジさせて頂きます。
 単純に食べたいもの。
 シリアス嗜好、ギャグ風味。
 事細かにストーリーを持ち込んで来て貰ってもいいですし、お任せも可。
 LCとかと、わちゃわちゃと飲食するもよし、独り孤高のグルマンを気取るもヨシ。
 なんせ、表向きは食堂でありますが、出すものも舞台もシチュエーションも、なんでもござれなので、どうぞお望みのままに。
 非才の身ゆえすべてお応えできるかはわかりませんが、せいぜい相務めさせて頂きます。
 どーぞ一席、お立ち寄り下さいませ。


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