クリエイティブRPG

悲しみの紅い魔女

リアクション公開中!

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悲しみの紅い魔女
基本情報

マスター:来栖彰
ワールド:アトラ
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2023年03月20日公開!

シナリオガイド

塾生を守るため、怪鳥インプンドゥルと紅い魔女を討伐せよ!

シナリオ名:悲しみの紅い魔女 / 担当マスター:来栖彰


 かつて、コスモスアカデミーで共に学んだ君は、いつだって人の事を想って行動していたね。
 
「ファースト・クライシスで親を亡くした子がね、コスモスアカデミーに入れなかったんだって」
「へえ……適性が無かったんだね」
「でもね、自分と同じように親を亡くした人の為に、コスモス機関の役に立ちたいって言ってたの」
「そっか……」
「だから私ね、いつかコスモス機関を外部から支えるような、研究所みたいな……私塾っていうの?そういう場所を作りたいんだ」
「……君はいつだって人の事を想って行動しているよね。ボク、君のそういうところ尊敬しているよ」
「応援、してくれる?」
「もちろんだよ!」

 君はいつだって、人の為に、愛を持って行動していたね。
 
 
 あんな事故が無ければ、きっと今、この塾の塾長は君だったんだろう。
 あんな事故が無ければ、この子達は、君に怯えるのではなく、君を尊敬していたのだろう。

 あんな事故が無ければ――
 

□■□



 7年前、小さな私設研究所で、その事故は起こった。
 研究所内には“緊急事態”を知らせるためのサイレンがけたたましく響いていた。

「ダメだ、研究用の滅亡因子の流出が抑えられない!」
「外に流出させるわけには行かないわ。私が中に残って復旧作業をするから、あなたは逃げて!」
「そんな、ここは男のボクが……!」
「もともとは私のミスが原因なのよ、君に任せるわけには行かない。私だって、研究者の端くれなんだから……自分が起こした事故は自分で始末をつけるわ」
「でも……一緒に作業すれば……」
「君はもしもの時に備えて、外にいる人をここから遠ざけて。早く!時間が無い!」
「……わかった」

 背を向け、研究用の滅亡因子が保管されている大きな機械の復旧に臨みながら君は言った。
「必ず復旧させて見せるわ、安心して」
「……うん、必ず帰って来てくれ」

 赤いサイレンに照らされながら、機械と向き合う君を見て、絶対に帰って来てくれるってボクは確信していた。
 
 でも、“君”は帰って来なかった。
 
 代わりに、ボクの前に現れたのは……“魔女”となった君だった。
 

□■□



 ――新東京特区内 某所にある私塾『ベータ』

「うわああん!先生ー!」
「どうした!?」
 5歳くらいの女の子が、白衣を纏ったボサボサ頭の男性に泣きながら飛びついた。
「また“吸血鬼”に襲われたの!血を吸われちゃったの!」
「大丈夫か?どこを怪我した?」
「大きな鳥みたいなのに、首から吸われたの……怖かったよぉ……」

 少女の首元にできた傷を治療しながら、ベータの塾長である男性は切ない顔をする。
「先生、大丈夫?」
「ん?ああ、ボクは大丈夫だよ。それより……」

 塾長は、塾の部屋で一生懸命勉強に励む子供達を集め、話を始めた。
「みんな、いつも滅亡因子の勉強と研究を頑張ってくれてありがとう。コスモスアカデミーに入る事ができなくても、このベータ塾は外部からコスモス機関を支えるのに大いに役立っているはずだよ」
 塾長の言葉に、子供達は顔をぱあっと明るくさせる。
「僕らの研究で助かる人がいるって、なんだか嬉しいね」
「ね!わたし、今度のコスモスアカデミーでのプレゼン楽しみ!」

 塾長は子供達の期待に輝く瞳を見て、胸を痛めながらも言った。
「今度のコスモスアカデミーでの滅亡因子研究結果のプレゼンだが……君達がアカデミーまで行くのははっきり言って危険だ。残念だが、プレゼンは諦めよう」

 ベータ塾は、外部からコスモス機関を支える力がある事を証明するために、コスモスアカデミーで滅亡因子について独自の研究結果をプレゼンする事になっていた。

「そ、そんな……」
「せっかく一生懸命資料をまとめたのに、無駄になっちゃうの?」

 塾生達に無念を味わわせたくはない。
 だが、ベータ塾はどうしても見過ごせない事案を抱えていた。
「ボクは“紅の魔女”と言うヤクシャに狙われている。彼女は、ボク達のプレゼンを邪魔しようとしているんだ。その上、最近ちまたではインプンドゥルと言う混沌の獣に襲われる事件が多発している」
 塾生達は顔を曇らせながらも、塾長の話を真剣に聞く。
「ボクは君達を守りたい。どうか分かって欲しい」

 紅の魔女――
 それは、かつてコスモスアカデミーで共に学んだあの子の今の姿。
 あの私設研究所の事故によって滅亡因子を浴びてヤクシャになりかかっているあの子は、たった一人助かった塾長を恨んでいた。
 塾長の前に幾度と現れ、長い管を使って彼の血を吸いつくそうと襲ってきていたのだ。

 その上、新東京特区では人々の血液を狙う混沌の獣・インプンドゥルによる事件も多発している。
 インプンドゥルに襲われる可能性と、紅の魔女の怒りの矛先が子供達に向く可能性――
 この2つの問題を抱えている今、子供達をコスモスアカデミーへ向かわせるのはあまりにも危険だ。

(この子達は皆、親を亡くしている。ボクが守らないと――)

「嫌だよ先生!」
「!」
「僕達、滅亡因子の謎を解明して、みんなを助けたいんだ!でも、コスモスアカデミーに入るための適性は無いんだ……」
「そうだよ!あたし達がみんなの力になるには、ベータがコスモス機関に認められるしかないのに、負けたくないよ!」
「みんな……」

 ベータに集う子供達は皆、セカンド・クライシスによって親を亡くしていた。
 だからこそ塾長が守らなければと思っていたが……彼等が望むのは守られる事ではなく、戦う事のようだ。
 同じように滅亡因子の出現で平和を奪われた人達を助けるため、紅の魔女にもインプンドゥルにも負けたくない。
 そんな子供達の意志の強さに、塾長は感動を覚えた。

(こんなに小さな子供達が、必死に現実と戦っているのに……ボクが彼女から逃げてどうする!)

「分かった。プレゼンは予定通り行おう。コスモスアカデミーに無事辿り着けるよう、ボクが策を練ってみるよ」

 プレゼンまでもう時間が無い。
 それでも、この子達のために最後まで諦めない。
 
 あの子と向き合う時がやって来たんだ。
 
(せめて生きていて欲しいと願っていた……今でもその想いは変わらない。けど、もう、決着を着けなくてはいけないね)
担当マスターより

▼担当マスター:来栖彰

マスターコメント

 こんにちは! 来栖彰です。
 今回は初のアトラでのシナリオとなります。
 
 コスモスアカデミーに入る適性は無くても、コスモス機関の役に立ちたいと願っている子供達がいます。
 彼等は『ベータ』と言う私塾で勉強しながら滅亡因子の研究を続けており、その研究結果をコスモスアカデミーでプレゼンする予定です。
 
 しかし、塾長の事を恨んでいる『紅の魔女』によってプレゼンが邪魔されそうです。
 ベータの塾生達を守り、無事コスモスアカデミーに送り届けて下さい。
 
 また、塾生を襲った怪鳥・インプンドゥルの心臓を手に入れて研究に役立てたいと塾長は考えています。
 最近、新東京特区ではインプンドゥルと言う鳥のような混沌の獣が人々を襲う事件が多発しています。
 インプンドゥルの心臓を使って研究に役立てれば、コスモス機関からベータ塾への評価が上がると言う算段です。
 心臓を手に入れるためにインプンドゥルを討伐すれば、子供達を守る事にも繋がります。
 
 そして、塾長が長い事向き合えなかった、かつての同級生『紅の魔女』を、完全にヤクシャになる前に葬って欲しいのです。
 滅亡因子が抱える数々の問題を解決するために共に勉強してきた同級生が、滅亡因子によって自我を失って行く事が塾長は耐えられません。
 彼女が完全に自我を失う前に、人としてこの世を旅立たせてあげて下さい。
 

 ◆ベータ塾とは?
  ・適正の問題などでコスモスアカデミーに入れなかったが、コスモス機関に協力する事を夢に見ている子供達を教育している私塾
  ・主に科学的な観点からコスモス機関の手助けが出来る人間を育成している
  ・塾生は皆セカンド・クライシスによって親を亡くしており、塾長が親代わりになっている
  ・滅亡因子に関する研究結果をコスモス機関に提出する機会を「塾生全員でアカデミーに来訪しプレゼンテーションする」と言う条件付きで得た
  ・塾長と因縁がある紅の魔女に、塾長と塾生の命が狙われている
  
 ◆紅の魔女とは?
  ・オメガ研究室から流出した滅亡因子の影響によってヤクシャになりかけている女性
  ・ベータの塾長の同級生で、かつて共にコスモス機関を手助けする塾を作ろうと夢見ていた
  ・自分だけがヤクシャになって行く現実が受け入れられず塾長を恨んでいる様子
  ・塾長を恨む気持ちを抱いたのは、ほとんどが滅亡因子の影響であって彼女自身の本心ではない
  ・だんだんと自我が無くなってきているため、見境なくさまざまな人間を襲い始めている
 
 ◆塾長の想い
  ・紅の魔女が完全に自我を失ってヤクシャになる前に、人としてこの世を旅立たせたいと思っている
  ・自我がしっかりしていた頃の紅の魔女の想いを汲んで、インプンドゥルを活用してコスモス機関の研究を助けたい
  ・我が子のように可愛がっている塾生の命も守りたいし、塾生の「コスモス機関の役に立ちたい」と言う願いも叶えたい
 
 
 アクション解説
 
 【1】ベータの塾生の護衛
 
 インプンドゥルに狙われているベータ塾の塾生を、コスモスアカデミーまで護衛して下さい。
 ベータ塾一行はコスモス機関へ滅亡因子の研究結果を提出するため、コスモスアカデミーへプレゼンに行く予定です。
 コスモス機関へのプレゼンは塾生全員が揃っている事も条件となっています。
 
 しかし、コスモスアカデミーへの道中でインプンドゥルからの襲撃に遭う可能性が高いです。

 プレゼンの時間が迫っているため、インプンドゥルと戦う余裕はありません。
 目的はあくまで塾生をコスモスアカデミーへ連れて行く事ですので、戦闘は不要です。
 
 ただし、インプンドゥルになるべく気付かれないよう、またなるべく攻撃を受けないよう移動方法に工夫は必要です。
 塾生達は時間通りに到着できればバラバラに移動する事も可能です。
 上手く塾生達を誘導して下さい。
 
 ◆塾生の特徴
  └1.年齢は7歳~13歳となります
  └2.男女比率は5:5です
  └3.皆インテリ系で運動が苦手です
 
 
 【2】インプンドゥルの心臓確保
 
 新東京特区に住む人々を襲う混沌の魔獣『インプンドゥル』を討伐し、その心臓を手に入れて下さい。
 ベータの塾長がインプンドゥルの心臓を授業や研究で使いたいとの事です。
 
 ◆インプンドゥルの特徴
  └1.吸血攻撃と雷撃で攻撃してきます
  └2.人間の血液が好物です
  └3.牛肉にも目がありません
  └4.毒攻撃が効きます
  └5.複数体存在します
  └6.常に飛行しています
 
 
 【3】紅の魔女討伐
 
 旧市街地に潜む紅の魔女を討伐して下さい。
 塾長は紅の魔女がヤクシャになる前に、人として葬ってやりたいと願っています。
 滅亡因子の影響を受けて少しずつ自我を失っているので、完全に自我を失う前に討伐して下さい。
 
 ◆紅の魔女の特徴
  └1.魔女はロッドを掲げている時だけ飛行します
  └2.長い管を使った吸血攻撃を仕掛けてきます
  └3.“カオステッド・サンダーストーム”と言う広範囲に雷撃を喰らわせる魔法を使ってきます
   └カオステッド・サンダーストームを使う際は少し長い詠唱が必要なようです
 
 ※【2】でインプンドゥルの討伐に失敗している場合、逃したインプンドゥルも参戦する可能性があります。

【1】ベータの塾生の護衛 【現在のMC参加人数:2】

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【2】インプンドゥルの心臓確保 【現在のMC参加人数:3】

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【3】紅の魔女討伐 【現在のMC参加人数:5】

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