クリエイティブRPG

■今期の最新トレンドは地球から？　パトリアから？　

「ち、地球の皆様こんばんは。私はパトリアという世界に住んでいます、ミイレンと申します」

　水や氷、オーロラを連想させるような神秘的で透明感のある美しさを持った「セピアナ」の少女ミイレンがＴＶカメラに向かって緊張気味に笑いかけます。
　小世界パトリア――この場所に今日、聖歌庁の許可を得た地球のＴＶ局がとあるイベントの取材にやってきました。
　彼らは小世界からでも生中継が可能な特別な通信機材を聖歌庁から借り受けているようです。

「今回は地球のファッションデザイナーの皆様が私達の世界で、イベントを開催してくださることになりました。
　地球の皆様にとってはまだまだ未知の世界であるパトリアにインスピレーションを感じ、新しいブランドの衣装やステージで活躍できるライブ衣装を生み出してくださったようです。
　まずは私から、イベントに登場するブランドとデザイナー様を紹介させていただきます」

　ミイレンがそう言うと、画面が切り替わり地球からの映像が映し出されました。
　ファッションブランドLANTECA（ランテカ）のチーフデザイナー赤猫真巳（あかねこまおみ）が画面越しに現れます。

『LANTECAではブランドコンセプトを「空想と現実の私を遊ぶ」とし、木の実、鳥、お花などの自然モチーフを活かしたナチュラルなデザインを中心に扱っています。
　今回のショーでは光栄なことに、「恥」の楽巫トリオナリス様にもパトリアの自然をモチーフにした衣装を着ていただけることになりました』
「あ、あの……こういうの初めてなので恥ずかしいんだけど、せっかくライブ衣装作ってもえるなら……私も参加しようかなって」

　再びカメラがパトリアに戻り、可愛らしい小鳥のモチーフのついた衣装のトリオナリスが恥ずかしそうに目を伏せました。
　音楽に共鳴するガラテアで構成された世界であるパトリアは今、長い戦いからの復興段階にありますが、ライブで大いに盛り上がる事で世界全体が大きな力を得られる世界です。
　ファッションイベントによる盛り上がりがパトリアに新たな変化をもたらすかもしれない――そう考え、今回のイベントにはパトリアで尊敬を集める８人の楽巫（がくふ）達も参加するようです。

「アタシはQUATA（クァータ）の衣装でライブするのよ。見て見て。これぞチーフデザイナー山黄草乃（さんのうくさの）の真骨頂じゃない？」
『ふふふ、ヴェントス様のワガママ、ぜーんぶ聞いちゃったわ。本番のライブが楽しみね♪』

　赤と黒を基調としたセクシーでハードな衣装を身に着けた「怒り」」の楽巫ヴェントスはカメラの前で誇らしげにポーズをとり、画面越しの草乃も自信ありげに微笑みます。
　ブランドコンセプトに「誘惑するカジュアルエレガンス」を掲げる草乃と「怒り」を昇華させたライブを行うヴェントスは互いにインスピレーションを刺激されているようです。
　カメラは２つの世界の中継を繋ぎ、地球にいるデザイナーとパトリアにいるショーへの出演者を交互に映します。

「チーフデザイナー青海響弥（あおみきょうや）がどうしてもというから参加させてもらったが、どうだろう……私が GULOS（グーロス）のモデルとして登場していいのかいささか不安なのだが」
『オリエムにしか出せない魅力というものを俺は感じたのさ。ウチのブランドコンセプトは「協奏する現在・過去・未来」。あんたのステージに刺激される同年代もきっと多いはずだぜ？』

　気後れしている様子のオリエムに対し、響弥はそう言って笑って見せます。
　歴戦の老騎士を思わせるシックで威厳のある衣装を着た「不安」のオリエムに加え、GULOSのモデルとして「驚き」の楽巫ウェスタもステージに立つようです。

「はっはっは！　俺の衣装のテーマが『勇者』とは驚きだね！　いやそれよりも驚きなのはメリディムかな？　なかなか新鮮な格好をしているじゃないか！」
「のっけから大笑いとは悲しいな、ウェスタ。まさか KALAN　 KALAN（カラン　カラン）の衣装が俺に似合っていないとでも？」

　「悲しみ」の楽巫メリディムが上目遣いでウェスタを睨みました。
　メリディムは今回、弟の「喜び（興奮）」の楽巫メリディスと共に、「ときめきと夢可愛いを着こなす」をブランドコンセプトにしたチーフデザイナー白光心吾（しろみつしんご）の衣装を着るようです。

「いいじゃんいいじゃん♪　確かに、いつもの兄さんのファッションとは違うけど、すっごく似合ってるよ♪　ねぇ、心吾？」
『メリディスの言うとおりだよ、２人ともすっごくかわいい♪　ミイレン、ほらほら見て！　２人の衣装はパトリアのお菓子『白いもちふわ』をイメージしてるんだ！』
「ええ、とてもかわいいですし、なんだか美味しそうですね。では次のブランドも紹介させていただきましょう」

　ミイレンはカメラをさらにもう１つの参加ブランド、乱花万花（ランカバンカ）のチーフデザイナー黒柳言彦（くろやなぎことひこ）へと促します。
　ブランドのモデルとして、パトリアでは花嫁衣裳を思わせる華やかな色打掛に袖を通した「愛情（信頼）」の楽巫ザウシータがスタンバイしていました。

「まぁ、ザウシータ様！　なんてお美しいのでしょう！　これが地球のキモノなのですね……！」
「ありがとう、ミイレンさん。言彦さんのブランドコンセプト『森羅万象と語り合う和の世界』は私達の世界にはないものだけど、そう言ってもらえると嬉しいわ」

　カメラがザウシータの衣装の豪華な刺繍や髪飾りを映していると、そこへ乱花万花の別の衣装を着た「嫌悪」の楽巫セプタティオが現れました。
　赤い翼を持った「ピスキル」のセプタティオは今回、言彦がデザインした「戦国武将」をイメージさせるダークで神秘的な衣装でライブを行うようです。

「ライブも衣装一つでまた違った可能性が広がるからな。今日は言彦の望む世界観を表現できるように精一杯やらせてもらうとしよう」
『今回は本当に、楽巫の皆さんにもアイドルの皆さんにも、そしてこのパトリアという世界にもたくさんのインスピレーションをもらいました。いいイベントになるように期待してます』

　地球にいる言彦もそう言って頷きます。
　最後にカメラはパトリアのファッションショー会場に設置された「ランウェイ」と、そこに立つ赤い翼を持った「ピスキル」の少女プラジアを映しました。

「ファッションショーはこのランウェイを歩いて、観客席に一番近い場所で立ち止まって衣装アピールして戻る、って感じなんだね！　こういう地球のファッション文化を体験できるのも楽しみだなぁ♪」
「そうですねプラジア様。そして今回は地球にもこちらと同じ規模のライブ会場が設置され、パトリアの観客の皆さんも大画面で地球の様子を見ることができるようです。地球の皆さん！　今夜はよろしくお願いします！」

　ミイレンがカメラに手を振り、映像は地球からの中継に切り替わりました。
　ライトアップされたライブ会場が沸き立ち、大勢の観客がペンライトを振る様子がパトリアのライブ会場に設置された画面へと映し出されます。
　初めて見るその光景に、異世界を知らない人々は驚きの声を上げました。

　世界をまたにかける最新のトレンドがこの夜、発信されるかもしれない――
　そんな注目が、会場に集まったパトリアの観客、そして地球の視聴者からも集まっていました。

　このシナリオはヒロイックゾングス！　の小世界「パトリア」、そして地球のライブ会場を舞台にしたシナリオです。
　今回はパトリアの世界に触発された地球のデザイナー達の発案により、「ファッション」と「音楽」をテーマにしたイベントがパトリアと地球を中継で繋いだ形で行われます。
　星の輝く夜のパトリア、もしくは小世界の人々にとっては未知の世界である地球のステージにてライブやランウェイでの活躍を目指してください！

■こんな感じでご参加ください

１．【１】地球のステージに立つ、【２】パトリアのステージに立つのどちらかを選ぶ
２．以下の「登場ブランド」から【A】～【F】のうち１つを選ぶ
３．「どんな服を着たいか」「どんなイメージの衣装がいいか」（デザイナーにどんなライブ衣装を用意してもらいたいか）を考える
４．「ステージでライブをする」、「モデルとしてランウェイを歩く」などどのようにファッションをアピールするか考える

　何人かのグループで参加する方は、GAやMC／LCでメンバーそれぞれの衣装のブランドが違っても大丈夫です（例：MCが「LANTECA」を着て、LCが「乱花万花」を着て一緒にランウェイを歩く）
　
・登場ブランド

【A】QUATA（クァータ）
　・若い男女向けのアパレルブランド
　・ブランドコンセプトは「誘惑するカジュアルエレガンス」
　・夜遊びしたくなるようなセクシーで大人っぽいデザインのアイテムが特徴

【B】GULOS（グーロス）
　・２０代～６０代の男女向けのアパレルブランド
　・ブランドコンセプトは「協奏する現在・過去・未来」
　・古代の文化や民族衣装にインスパイアされたデザインや色使いのアイテムが特徴

【C】LANTECA（ランテカ）
　・０歳～９０代の男女向けアパレルブランド
　・ブランドコンセプトは「空想と現実の私を遊ぶ」
　・木の実、鳥、お花などの自然モチーフを活かしたナチュラルなデザインのアイテムが特徴

【D】KALAN　 KALAN（カラン　カラン）
　・かわいいものが好きな男女向けのアパレルブランド
　・ブランドコンセプトは「ときめきと夢可愛いを着こなす」
　・お菓子や化粧品、ぬいぐるみなどをモチーフにしたパステルカラーのアイテムが特徴

【E】乱花万花（ランカバンカ）
　・全年代の男女の現代和装を手掛けるアパレルブランド
　・ブランドコンセプトは「森羅万象と語り合う和の世界」
　・和の伝統を現代のニーズに合わせて独自進化させたデザインのアイテムが特徴

【F】アイドル自身が立ち上げたブランド
　・自分のブランドをお持ちの方は、自分のブランドでも参加できます。
　　今回のシナリオで初発表のブランドでも「自分のブランド〇〇のドレスでライブをする」としてもシナリオに持ち込めます。
　（ブランドはプロフィールの自由設定と同じ扱いになり、衣装に特別な効果や攻撃力等は持たせられません）

【１】地球のステージに立つ

　地球にあるライブ会場でステージに立ち、それぞれのブランドの衣装をアピールします。
　会場には「ライブ用ステージ」と「ファッションショー用ランウェイ」の２つがあり、どちらを使用しても大丈夫です。

　このパートでは山黄草乃（さんのうくさの）、青海響弥（あおみきょうや）、赤猫真巳（あかねこまおみ）、白光心吾（しろみつしんご）、
　黒柳言彦（くろやなぎことひこ）（各ブランドのチーフデザイナー）と交流・共演できます（デザイナーは音楽は専門外ですが、コーラス程度であればライブにも参加できます）

【２】パトリアのステージに立つ　

　パトリアにあるライブ会場でステージに立ち、それぞれのブランドの衣装をアピールします。
　会場には「ライブ用ステージ」と「ファッションショー用ランウェイ」の２つがあり、どちらを使用しても大丈夫です。

　このパートではメリディス、ザウシータ、オリエム、セプタティオ、メリディム、ウェスタ、ヴェントス、
　トリオナリス、プラジア、ミイレンと交流・共演できます。

　
●基本的な状況

　かつてパトリアではダーガンという独裁者が大規模なジェノサイドを行い、武力によって強引に統一帝国を建国しようとしていました。
　それによってパトリア全土が荒れ果て、危機的な状況になっていましたが、アイドル達の活躍によりジェノサイドは阻止され、数々の困難を乗り越えた結果、
　ルーデンサ、ピスキル、セピアナの３種族が仲良く暮らすかつての平和な世界が戻ってきました。
　今、パトリアは戦いで被害を受けた場所の復興とこれからの発展、そして地球や他の小世界との交流に向けて動き出し、プラジアやミイレンも日々力を発揮しています。
　
●「ガラテア」について

　小世界パトリアは「ガラテア」という音楽に呼応する性質を持つ存在によって構成されています。
　そのため、【パトリア】のシナリオでは「インヴォーカー」のアバターで参加することによりガラテアに共鳴でき、ライブにおいてより効果的にパフォーマンスすることができます。
　また、かつてこのガラテアには、ガラテアと繋がれない者を攻撃する性質があり、「インヴォーカー」以外のアバターでパトリアで活動すると、このガラテアから攻撃を受けてしまう場合がありました。
　ですが、「Eight emotions」シリーズのシナリオにおいてパトリア全土のガラテアの性質が変化し、一部の区域（特殊な遺跡など）を除いてこの危険はなくなっています。

●八感の「楽巫（がくふ）」について
　パトリアには「八感学」という音楽に関する学問が存在し、人間の持つ「喜び（興奮）」、「愛情（信頼）」、「不安」、「嫌悪」、「悲しみ」、「驚き」、「怒り」、「恥」はすべて音楽を構成する必要不可欠な要素であると考えられています。
　そのためパトリアではそれらの感情を学ぶ「八感学（はちかんがく）」が確立しており、「楽巫（がくふ）」と呼ばれる音楽に優れ、なおかつその感情を司るのに相応しい者が人々を指導しています。
　今回のシナリオには、彼ら「喜び（興奮）」のメリディス、「愛情（信頼）」のザウシータ、「不安」のオリエム、「嫌悪」のセプタティオ、「悲しみ」のメリディム、
「驚き」のウェスタ、「怒り」のヴェントス、「恥」のトリオナリスの全員の楽巫が参加します。　

●８名の「国王」について

　パトリアでは「Eight emotions」シリーズのシナリオにおいて、参加者の中から東、西、南、北、南東、北東、南西、北西の８地域を統治する王様が選ばれています。
　各地域の王となった方には、該当の地域にガラテアの王城が築かれており、今回のシナリオでは【２】パトリアのステージに立つで参加する場合ライブやファッションショーの会場として使用していただけます。