それは、ある日のこと。
「あーっ、大変です大変ですー!!
工房の周りで酔っ払いの怪魔ノイドが暴れていますー!!」
マジカルデバイス工房の主、
吉田は窓の先を指差しました。
どうやら、窓の向こう側では怪魔ノイドの集団が乱痴気騒ぎを起こしているようです。
「酒だー! 酒をよこせー!! 酒酒酒ー!!」
「ひぃぃ、酔っ払いです!」
魔法少女マジカルベルン(
宇津木 結愛)は、ドン引きしました。
「し、師匠ー!! 助けてください~!!」
マジカルベルンはあなたに助けを求めました。
☆ ☆ ☆
一方、カワゴエシティの地上では……
覇王の間にて、ジャアクドンはまたもやつまらなそうに鼻を鳴らします。
「
キルトロドンが負けたか。しかし、奴は四天王の中でも下っ端。この程度では株式会社ドンケルゴルトは揺るぎはせん」
「ヒョヒョヒョヒョヒョ、その通りでございます!」
側近たる
ブレインタコズは、ジャアクドンに追従します。
「だが、興味は湧いた。新米の魔法少女如きがキルトロドンを退けるとは……少しは面白くなってきたというもの。
四天王の
バルータスを呼べ!」
「ハッ!? バルータスを魔法少女にぶつけるのですか!?」
ブレインタコズは、驚愕しました。
「その通り! バルータスならば魔法少女の実力を測れるだろう!」
「確かに、“治安維持隊長”の異名を持つ
バルータスをぶつければ、魔法少女の力を正確に計測できます。
バルータスは我々の中で最も強き者。やつが魔法少女に敗れることはないでしょうが……」
「戦う前から負けることを考えてどうする。株式会社ドンケルゴルトの社訓を忘れたか!」
「ハハーッ!!
人類を殲滅するまでドンケルゴルトは止まりません!! 早速、バルータスに召集をかけます!」
ブレインタコズは触手を使って、スマート電話機からバルータスに連絡しました。
「あ、もしもし。ドンケルゴルトのブレインタコズですヒョ。バルータスさんにお願いしたいことがありまして……」
『ほう。吾輩の出番か。良かろう。
吾輩の奥義、
まじかる☆クーリングオフが火を噴く時が来たようだな。
くっ、くっ、く。吾輩こそが正義! 魔法少女など正義の邪魔!
この“治安維持隊長”の異名を持つ
バルータスが、魔法少女を蹴散らしてくれる!
それでは、失礼します』
「ハハーッ、こちらこそ時間を取らせてしまい、申し訳ありません!! 失礼します!!」
そして……
スマート電話機の連絡を切った
バルータスは、剣の形をしたマジカルデバイスで素振りをしました。
「吾輩こそが正義。吾輩を邪魔する者は全て悪!!」
一人、口上を述べるバルータス。
バルータスは緑色の風に乗ると、魔法少女を追跡しました。
☆ ☆ ☆
【Terra】のサイタマに危機が迫っています。
今こそ特異者の力が必要です。
――地上で情報収集をするのか。
――怪魔ノイドの乱痴気騒ぎに巻き込まれたマジカルデバイス工房を守るのか。
――それとも、迫り来る四天王の一人バルータスを倒し、サイタマ県の平和を地道に取り戻していくのか。
全ては、あなたの手にかかっています!
さあ、【Terra】のサイタマ県に向かいましょう!