クリエイティブRPG

【テスタメント】”天秤”の論理

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【テスタメント】”天秤”の論理
基本情報

マスター:相田紘一
ワールド:テルス
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:150ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年06月21日公開!

シナリオガイド

特異者達は巨大戦略打撃潜水艦による大量虐殺を防げるのか?

シナリオ名:【テスタメント】”天秤”の論理 / 担当マスター:相田紘一



 神なき世界、テスタメント

 創造神が去り、神の理が失われたことで、世界を束ねる法則が消え去った世界。

 そこでヒトは、ヒトの理を作り、神の代わりに世界を束ねる法則を作り上げて、その安定のもとに、文明を構築・発展させてきました。

 しかし、増えすぎたヒトは多様な価値観を持ち、それにより旧来のヒトの理を否定するものも現れました。

 このままでは、世界を束ねる法則が破綻し、世界は無数の欠片に砕け散ってしまいます。

 それを恐れたヒトたちは、従来のヒトの理を破却し、新たなる神を創造することで世界を束ねる法則を委ねようとしました。

 ですが――新たなる神を作り出すということは、その創造者が神に最も近いものとして世界に君臨することを意味していると受け止めるものもいました。多様化したヒトは、そのような画一的独裁に恐怖し、神造りを妨害しました。

 多くの血が流れたテロの後、それでもなお神を作ろうとするヒトたちと、それに反対するヒトたちは鋭く対立し、前者はフリートラント共和国、後者はポラニア連合王国に別れて相争い、世界の破綻は身近に迫っていました。



「先に脱走し、行方不明となっていた戦略打撃潜水艦”グロム”の目的がわかった」

 ポラニア王冠領軍司令官、アレクサンドラ・フィグネル中将は開口一番そう告げました。

「艦長、マティウ・トレスキ大佐の声明だ。まずはこれを聞いて欲しい」

 アレクサンドラがコンソールを操作すると、ブリーフィングルームのプロジェクターに精悍な顔立ちの、しかし眼には狂気を宿した人物が写りました。彼はおもむろに話し始めます。

「フリートラント共和国、ポラニア連合王国の全国民に告げる。私は戦略打撃潜水艦”グロム”艦長、マティウ・トレスキ大佐だ。私はここに、フリートラントが建設している軌道エレベータ”ピラー”と、人工神格レーゲルの破壊を宣言する」

 ブリーフィングルームはざわつき始めますが、トレスキ大佐は言葉を継ぎます。

「これは神意を騙る冒涜者への一撃であり、私自身の復讐であり、そしてこれ以上の罪なき人々の虐殺を止めるための唯一の手段だ。私の家族はレーゲルの軍事利用により殺害された。他の大勢の人々とともに。私は、この残虐行為が神意を騙ってなされたことが赦せない。私は私の息子や娘がウランカ戦線で殺されたことを赦せない。そして、これから先ますます多くの人々が犠牲になることを赦せない。ゆえに、軌道エレベータ”ピラー”と人工神格レーゲルを破壊する」

 ブリーフィングルームの喧騒はますます激しくなります。それを一括し、アレクサンドラが凛とした口調で告げました。

「戦略打撃潜水艦”グロム”には、時空振動弾頭”ネメシス”を発射可能な巨大レールガンが装備されている。これを使えば、たしかに軌道エレベータと人工神格を破壊できるだろう。しかしそれにより、軌道エレベータは倒壊し、ポラニア、フリートラント合わせて1千万の犠牲者が出ると推定される。私はこれを、戦争による付帯的被害と認めない。これは虐殺だ。だから、彼を止める」

 しかしどうやって止めるのかと、ひとりの特異者が質問しました。

 アレクサンドラが答えます。

「”グロム”のおおよその位置を特定できた。これを、ポラニア王冠領軍により撃沈もしくは拿捕する。しかし時間はさほどない。ネメシス”の発射最適位置に”グロム”が移動するまでおよそ24時間と推定される。それまでに、”グロム”の正確な位置を突き止め、攻撃を行い、”グロム”を無力化しなければならない」

 そしてアレクサンドラはこうも言うのです。

「これまで困難な作戦を2度に渡り成功させてきた諸君なら、必ずや今回も成功させてくれると期待する。作戦名は”ガーリザント”。最善の健闘を祈る」



 一方、首都リーガでは大混乱が起こっていました。

「リーガ・ダムに出現したイレギュラーが、リーガに向かって前進中? その数およそ1万!?」

 イレギュラーとは時空震により生ずるこの世界のバグで、異型の獣の形をしています。その殆どは人間サイズですが、中にはメッククラスの大型種もいます。殺傷能力は極めて高く、ヒトでは熟練の兵士でも太刀打ちできません。メックによる殲滅が最適解でしょう。イレギュラーに首都リーガが襲われれば、多数の死傷者が出ることは確実です。なんとしても食い止めなければなりません。

 ですが、リーガ・ダムと首都リーガはポラニア王冠領軍の管轄地域です。ポラニア王冠領軍とその指揮下の”ポラニア親衛騎士団”は、”グロム”の脅威とイレギュラーの脅威、両方に対処しなければいけなくなりました。

「遺憾ながら戦力を2分する。”グロム”無力化とイレギュラー殲滅にだ。ポラニア親衛騎士団各員はいずれに当たるのをも自由とする。しかしどちらも失敗は許されない。相応の覚悟をもって、事態に当たられたい」

 アレクサンドラは特異者たちにそう告げました。



 しかし、このような事態をフリートラントも見過ごしませんでした。

 暗い部屋の中、数名の老人のホログラムと対峙するのはフリートラントいちのエース、先の戦功で少将に昇進したテオドール・ティンメルマンです。

「人工神格レーゲルとピラーの破壊は絶対に阻止されなければならない」

「狂人の手によって我らが計画が破綻するなどあってはならない」

「”グロム”を無力化し、可能なれば拿捕せよ」

「頼んだぞ、ティンメルマン、我らが神子よ」

 テオドールは薄く笑って応えました。

「ご老人方の意のままに」

 そしてホログラムは消え、部屋が明るくなります。テオドールは薄い笑みのまま、ひとり呟きました。

「老人達が焦るさまを見るのは楽しいものだが、今回ばかりは同感だ」

 果たして彼は、一体何を考えているのでしょうか?



 ――神なき世界においては、ヒトの意志が試されます。

 ――あなたたち特異者は、この世界を救えるのでしょうか?

 ――あなたたち特異者は、ヒトの愚かさを赦せるのでしょうか?

担当マスターより

▼担当マスター:相田紘一

マスターコメント

 マスターの相田紘一です。このシナリオは、テルスの小世界【テスタメント】のキャンペーン第3回に当たります。
 召喚された特異者たちは、2度に渡る活躍から、ポラニアの救世主とまで呼ばれるようになりました。
 しかし救世主にふさわしく、世界の危機が目前に迫っています。ピラーの破壊は1千万の犠牲を呼び、人工神格レーゲルの破壊は世界の修復を不可能にしてしまいます。そしてイレギュラーを止めなければ、首都リーガは数百万の人々とともに滅びてしまうでしょう。
 このような危機を乗り越え、”グロム”を無力化し、イレギュラーを殲滅し、ポラニア、ひいてはテスタメントの危機を救うことが今回の目的です。

 それでは、今回のアクションの各選択肢について説明します。

【1】”グロム”を撃沈もしくは拿捕する:難易度8

 脱走し人工神格レーゲルと軌道エレベータ”ピラー”の破壊を企てるマティウ・トレスキ大佐が率いる戦略打撃潜水艦”グロム”の撃沈あるいは拿捕を行います。”グロム”はレーベンス大陸南方海に潜伏していますが、ポラニア海軍によってある程度の位置は判明しています。しかしそこから先は、ポラニア親衛騎士団のエアロシップとメックによる緻密な探索が必要です。”グロム”は水中あるいは水上に存在しますので、メックによる攻撃や拿捕を試みる際は水中行動可能装備が必要となります。
 また、”グロム”は巨大な船体に戦略打撃兵器の他無人小型潜水艇や魚雷など多数の防御兵器を備えています。これとの戦闘も予想されますので十分にお気をつけください。
 さらには、”グロム”の無力化を命じられたティンメルマン少将率いるフリートラント軍との交戦も予想されます。様々なシチュエーションがありえますので、PLの皆さんでよく話し合って統一方針を決めてくださると何かとはかどるでしょう。

【2】首都リーガに迫りくるイレギュラーを殲滅する:難易度5

 リーガ・ダム近辺で起きた時空震に伴い現れたイレギュラーを殲滅します。イレギュラーの数は1万ですが、メックに匹敵する能力を持つイレギュラーは数十体に過ぎませんし、テルスのハイエンドメックとハイレベルPCと伍する力はありません。しかし放置していれば、首都リーガはイレギュラーに蹂躙され滅ぶでしょう。必要最小限の戦力で対処することをおすすめします。

【3】政治活動を行う:難易度5

 フリートラント共和国との和平予備交渉、議会王派と貴族派との調整、統合参謀本部の設立など、様々な政治関連活動がこの選択肢に入ります。難易度は仮に5としていますが、行動次第で1から12まで可変します。あくまで目安とお考え下さい。

【4】ポラニアにはびこる陰謀の調査を行う:難易度5

 ポラニア国内では前回のビトム大公の叛乱や軍事結社”レナトゥス”などの動きが見て取れます。更にその背後にある陰謀も。今のところ断片的な情報しか出していませんが、それらをつなぎ合わせることで自ずと取るべきアクションは見えてくると思います。

【5】その他:難易度1

 上記に当てはまらない行動を取ります。難易度は1から12まで可変します。

■小世界ローカルルール

 テスタメントでは、魔力が枯渇している代わりに人間の意志が世界法則を改変しうるため(詳しくは「テスタメントにおけるアバター」欄参照のこと)、キャヴァルリィやメタルキャヴァルリィの魔力ドライブ炉の代わりに、人間の意志を用いて世界法則を歪め、無からエネルギーを発生させる「インテンション・ドライブ」という駆動手段を用いることが可能です。
 テスタメントに送り込まれた特異者のキャヴァルリィやメタルキャヴァルリィ、エアロシップや戦闘機など、魔力ドライブ炉で稼働する兵器は全てこのインテンション・ドライブにより置き換えられます。性能などはそのままです。

 また、テスタメントでは、人間の意志が世界法則に干渉しうるため、強い意志を持つ特異者は、不安定な世界法則に干渉し、自分に有利な結果を出すことができます。
 この現象は「ラウム・テスタメント」と呼ばれ、自分に身近で小さなことであれば強力な効果を生みますが、より広く大きなことであればあるほど効果は薄れていきます。
 具体的には、アクション中1回のみ、限定的に望みを叶えることができますが、例えば必中攻撃などを行うなどの小さな望みは成功しやすく、全軍の勝利を望むなどの大きな願いは失敗しやすいです。基本的にはアクション内容で成功失敗を判定します。

◆テスタメントにおけるアバターの認識について

 テスタメントにおいて、テルスのアバターは以下のように認識されています。
 全体に、テスタメントにおけるテルスのアバターは、神や魔法が存在しない代わりに、その結果としてある不安定な世界法則と曖昧な現実を、意志の力で改変し都合よく捻じ曲げる「法則改変」という形で、魔法同様のことが可能なため、魔法使いや神官は法則改変者とみなされます。法則改変者は強い意志による恣意的な法則改変が可能なため、常に重要人物、そして要注意人物として扱われます。

・トルーパー
 テスタメントでは、トルーパーは最低限の法則改変能力を持つ法則改変者として扱われます。トランスヒューマンやサクセサーの素体として、ふるいにかけられるものも多いでしょう。

・コマンダー
 テスタメントでは、コマンダーは魔法使いではなく、士官としての教育を受けている法則改変者とみなされます。

・オペレーター
 テスタメントでは、オペレーターは神官ではなく、作戦補佐を行う法則改変者とみなされます。

・シビリアン
 テルスのシビリアンと、際立った変化は特にありません。ただし、テルス世界より現代的な生活をしているでしょう。

・センチュリオン
 テスタメントのセンチュリオンは、軍功を上げただけでなく小部隊戦術の教育も受けて折り、それをもとに有効な法則改変を行えるとみなされます。

・トランスヒューマン
 テスタメントでは、トランスヒューマンは神なき世界における新しい人類の姿、優れた法則改変者のエリートとしてみなされます。そのため待遇は良いですが、一方で嫉妬され警戒されることもままあります。

・サクセサー
 テスタメントでは、サクセサーとは、今はなき創造神が去り際に残した「世界の秩序の守護者」またはその後裔です。そのため、サクセサーは人々の模範たるべき存在としてみなされます。そうしている限りにおいては、最大限の厚遇を受けられるでしょう。

ゼネラル
 テスタメントでゼネラルとは、広域に法則改変を展開できる法則改変者であり、なおかつ上級士官としての高等教育を受けているエリートとしてみなされます。

■テスタメント世界設定詳細並びに地図について

 テスタメントの世界設定と地図をマスターページに記述しておきます。アクションのご参考になれば幸いです。

”グロム”を撃沈もしくは拿捕する 【現在のMC参加人数:11】

8

首都リーガに迫りくるイレギュラーを殲滅する 【現在のMC参加人数:7】

5

政治活動を行う 【現在のMC参加人数:7】

5

ポラニアにはびこる陰謀の調査を行う 【現在のMC参加人数:4】

5

その他 【現在のMC参加人数:16】

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