クリエイティブRPG

【アルカナ】神に捧げる聖殺

リアクション公開中!

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【アルカナ】神に捧げる聖殺
基本情報

マスター:寺岡志乃
ワールド:セフィロト
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年06月02日公開!

シナリオガイド

凶信王の目的はリュクス? 人売りたちから母と子を救い出そう!

シナリオ名:【アルカナ】神に捧げる聖殺 / 担当マスター:寺岡志乃


 
●金羊の尾亭

「現ラスマイル王は、凶信王だ」

 サラマの町の裏通りにある酒場『金羊の尾亭』主人サイードは、特異者たちを前にしばらく押し黙ったのち、重々しくそう口火を切りました。
 厨房の裏は洗い場になっており、表通りで彼の姪がぶつかって汚した服を洗う水音がホールまで響いています。

「凶信王?」
「赤子殺しのムーサと呼ぶ者もいる。ま、それを口にした者は、大抵生きちゃいられないが。
 2年と少し前、光国が滅んだことは知っているな? 星の女王が、ケアティックの王を名乗る男に殺されたときのことだ。それを聞いたムーサ王は小躍りして喜んだ。比喩じゃなく、本当にその場で踊りだしたということだ」

 ラスマイルは、ラーマーヤーラート神を崇める唯一神教・ラーマ神真教を国教とする国です。生き神、現人神と人々から敬われる星の女王という存在は――彼女が自身を神と称したことは一度もないのですが――ムーサ王にとって、神の名を騙る、最も赦しがたい存在でした。
 そしてその憎き仇敵を国ごと一夜で滅ぼしたケイオスこそラーマーヤーラート神の使いと言っていたのですが、その後、緊急世界会議を開いたネット回線に割り込み、各国首脳を前に『星の王』を宣言してその存在を認めさせた彼を見たムーサ王は狂喜し、彼こそがラーマーヤーラート神の顕現した姿であると叫んだのだそうです。

「俺の弟の1人は宮殿で働いてるんだが、ムーサ王は緊急世界会議の後、興奮しきった様子で一日中側近たちに語り、何度も何度も繰り返したそうだ。要約すると、彼はラーマーヤーラート神の化身である。われらがため、仇敵を打ち破ってみせた。忠誠心で他国の者に負けてはならない。神に身も心も捧げよ。われらが忠誠をお見せするのだ、みたいなことだ。
 ムーサ王は、彼が星の子を取り逃がし、捜していると知り、その日のうちに国民に命じた。昨夜生まれた赤子を殺せと」

 正確にはケイオスはあの夜、星の子を手に入れ、わがものにしようとしていたのですが、そういった詳細な事情を知らない者からすれば、星の子は滅亡する国から逃れた仇敵の子に他ならず、ケイオスは後顧の憂いを断とうとしているように映ったのでしょう。
 ムーサ王は、赤子を殺すことが神に対し、己の信仰心を示すことであると力説しました。そして従った者は信者の鏡と褒めたたえて報償を与え、拒む者には親衛隊と兵を派遣して、力ずくで王命を執行させたのです。
 万全を期すということで、当日だけでなくその後3日までに変更され、これにより、3日の間に数万人の赤ん坊が殺されました。

「……俺の妹、シャヒーヤは首都で夫と暮らしていた。赤ん坊を夫に取り上げられそうになって、抵抗してもみ合いになり、反対に夫を殺しちまった。それで娘たち、メレクとサナアを連れて逃げたそうだ」
「彼女の夫を殺したのはサナアだ」

 サイードの言葉を訂正したのはクウハクでした。俯いていた顔を上げて、沈んだ暗い目で自分を振り返った者たちを見返します。

「父が母や自分たちに暴力をふるうのはしょっちゅうで、その夜も、母とワスイム(赤ん坊)が殺されると思ったサナアが隠し持っていたナイフで父親を刺したそうだ。サナアが言っていた」
「どうやらあんたのほうが詳しそうだな。
 メレクから聞いた話では、妹たちは逃げた先でノー・ウェア(どこにもない場所)を仲間たちと結成したそうだが」
「おれもそんなに詳しくはない。おれは……あのとき、ソラシマ(アーキタイプ)にいたはずなのに、目を覚ましたらここ(アルカナ小世界)にいることに驚いて、混乱して……町をさまよっていたところをメレクに拾われたんだ」

 ノー・ウェアは――まだそのころはこの名前ではありませんでしたが――シャヒーヤたちのように赤ん坊を連れて逃げた女たちの避難場所として誕生しました。そしてその考えに賛同したのは女性だけではありません。戻る家を失った彼女たちの夫、兄弟、息子たちが加わって、彼らを連れ戻そうとしたり彼らごと焼き殺そうとするような過激な者たちと争っているうちに各地で連携が生まれ、いわゆるトップのいない組織運動、ノー・ウェアとなったのでした。

「……おれは……、自分のことで手いっぱいで、あいつらのことまで抱え込むのはごめんだった。シャヒーヤやサナアもそれをわかってたっていうか……おれには関係ないことで、おれはただ、行くあてがなかったから、それができるまでいてもいいみたいな……。ここは避難所だからって、シャヒーヤは言ってた」

 早くソラシマへ戻らないといけない、だけど帰り方がわからない――そんな焦燥と絶望にかられながら、無意味に日々を過ごしていたクウハクを保護活動に引っ張り込んだのはメレクでした。それは彼の気を紛らわせるには最適のものだったのですが……。
 しかし世界のケアティック化が進むにつれて、ノー・ウェアの活動は徐々に危険なものへと変化していきました。
 ノー・ウェアは反政府活動ではありません。あくまで無力な母親や赤ん坊たちに手を差し伸べ、隣国アリ=アフディーラへ逃がすための救出活動です。ですが王であり神官長でもあるムーサ王の邪魔をし、彼いわく『神への献身、奉仕の妨害をしている』のは間違いなく、それはこの国では最も赦されない罪悪なのでした。

「1カ月と少し前、アリ=アフディーラ側から情報が入った。捕まった赤ん坊や母親たちは、殺されずにアル=アフディルへ売られているというものだった。
 王の命令じゃない。官吏が賄賂欲しさに目をつぶり、兵士たちが小遣い稼ぎに人身売買組織へ売ってたんだ。そしてやつらはアル=アフディルの奴隷商人へ売る。……その先がどうなってるかはまではわからない。まあ、大抵は……」

 クウハクは肩をすくめて、「わかるだろ」と、暗に伝えました。
 彼の異母妹ユンも、この国でクウハクを捜している間、何度となく賄賂を要求され、だまされ、命をねらわれてきましたので、理解できました。彼女は特異者なので運良くその手の荒事が起きても逃げられましたが、もし捕まっていたなら彼女たちと同じ運命をたどっていたに違いありません。

「その中には捕まった仲間たちもいるということだった。みんなは救出に行く計画を立てた。おれは……、うさんくさすぎる、罠だから行かないほうがいいと言った。だけどあいつらは聞く耳を持たなかった。おれたちは口論をして……、行くか行かないか迫られて、おれは………………」

 組織は大きくなり過ぎて、中には怒りから過激な思想へ走る者たちもいました。ただ救うだけでは何の解決にもならない、彼らを殺すか捕まえるかして、王に罪をつきつけ、その罪を問い、退位を促すのだと、何度も議論がありました。
 それはクーデターに他ならず、武力による権威収奪です。それ自体をクウハクはとがめる気はありませんでしたが、そこに自分が加わることには違和感がありました。

「おれはサナアに言ったんだ、ここにいるのはヤバい、ノー・ウェアは変質した、3人を連れて離れたほうがいいって。だけど彼女は……、仲間たちといるほうを選んだ」

『仲間を見捨てて、どこへ行くっていうの? 彼らはあたしの同胞、ここはあたしの国。ここで生き、ここで死ぬの。
 あなたは結局よそ者だから。わからないのね。
 自分の国に戻りたいんでしょ。ずっとそう言ってたし。あなたにはそっちが大事。いいわ、帰りなさいよ』

 突然「おまえは違う」と突き放されたその感覚に、クウハクは覚えがありました。結局ソラシマと同じで、ここでも彼は最後まで『よそ者』だったのです。
 そしてクウハクは港で出向直前だった船に衝動的にもぐり込み、あの幽霊船へたどり着いたのでした。

「言っとくけど、情報は本物だった」

 突然裏口がばんっと開き。入ってきたメレクが、いつから盗み聞きしていたのか、つっかかる口調で言いました。

「ただ、場所と日付が違ってただけで」

 その結果、救出作戦に参加した仲間の大半が殺されるか捕まり、サナアが身を挺して護ってくれたおかげでなんとか逃げ延びられたものの、戻ってみれば避難所はテロリストの拠点として軍兵に中にいる人間ごと燃やされて、シャヒーヤとワスイムは生死不明という悲惨な結末となったわけですが、メレクの心は折れていませんでした。

「明日、この町から東に10キロ行った所の道を、人身売買組織のやつらのトラックが通る。そのトラックには捕まった仲間たちや母親たちも乗せられてるって聞いた。
 3人は絶対生きてる……だからオレは、3人を救い出す!」


※          ※          ※



●風化の砦

 同日夕刻。
 砦の中庭では、草葉の陰から黒焦げになった死体が見つかっていました。見つけたのはアスター聖騎士団の団員です。
 小柄で女性か子どものように見えますが、ほとんど消し炭状態で燃え尽きている部分も多数あり、死体は焼けると縮むこともあって、大人の男性のものでないとも言い切れません。
 ミミスメメナが駆け戻ってきて報告します。

「団長! 確認してきました!」
「砦の者たちは全員仕事中でした! 1人も行方がわからない者はいません!」

 団長のクリスティアノスは死体を見下ろして考え込み、このことを口外しないように団員たちに命じました。

「埋めたり処分せず、こうして見つかりやすい場所に放置しているということは、犯人は砦の者たちの疑心暗鬼を誘おうとしているのだろう。
 教皇隠者のお二人にはわたしから報告しておく。おまえたちは注意して砦の中の者を見張り、何かあればわたしに知らせろ。特に今日やってきた新参者たちには注意して、目を離すな」
「了解です! 団長!」
「お任せください! きっとこれだって、あの高飛車デカパイ女の審判がからんでるんです! きっとそうです! 今度こそ、ぎったんぎったんにしてやります!
 ねっ、ミミ!」
「えっ? あっ……うん……」

 ミミスは「違うんじゃないかなあ?」という顔をしていましたが、牢でしてやられ、逃亡を阻止できなかったことをしっかり根に持ったメメナは、異論は認めないといった様子です。
 そして禍いは、これだけで終わらなかったのです。



 翌朝。
 使い切ってしまった薬や包帯など、買い出しに朝から町へ出ていたリュクス少年は、町の中を大勢の大人の男性――軍兵らしき者たちが闊歩しているのを見て、体を強ばらせました。
 中には鎖につながれた闇化した獣を何頭も連れている獣使いもいたりと、ものものしい雰囲気です。

(まさか、隠者さまたちを捜しているの?)

 思わず建物の影に身を隠したリュクスを、戸口に立った町の男性が「こっちへ」と手招きします。

「どうしたの? おじさん。何があったの?」
「いいから急いで砦に戻りな。ほら、店の中を通って、裏口から出るといい」
「あいつら、おまえを捜してるんだってよ」
「え!? ぼくを!?」
「ああ。なんか、8~10歳くらいのリュクスって名前の少年だそうだ。ここに来るまでにも何人か捕まえていて、全員首都へ送るらしい。王命だと。神のお告げがきたそうだ」
「逃げて、叔母さんたちとどこかへ隠れるんだ。捕まったらきっと殺される」
「ぼく……」

 リュクスに思いあたるのは1つだけ。砦で、今も泣きながら眠っている、あの小さな少年の姿が頭に浮かびます。
 その姿が、2年前、異邦の地で兄を失って途方に暮れた自分の姿と重なって……リュクスはぎゅっと目を閉じて、決意しました。

(ぼくが逃げて、そのせいで彼らが砦に行ったら、隠者さまたちが見つかってしまう。お二人が逃げる時間も稼がなくちゃ)
「おじさんたち。教えてくれてありがとう。
 お願いがあるんだ。このことを、砦にいる叔母さんに伝えてくれる? 今までありがとう、ぼくのことは心配しないで、って……」

 そして表通りに出て、そこにいる兵たちに向かって言いました。

「ぼ……、ぼくが、リュクス、です。あなたたちの捜している……」
 
担当マスターより

▼担当マスター:寺岡志乃

マスターコメント

 こんにちは、またははじめまして。寺岡志乃といいます。
 このシナリオは「【アルカナ】風と砂と花と水と」の続きとなっていますが、今回のガイド内容だけでアクションをかけることが可能です。よろしくお願いいたします。
※こちらのシリーズでは「扉絵にキャラを登場させよう企画」をしています。詳しくは寺岡のマスターページをご覧ください。


【今回の目的】
 1.リュクス少年の救出。
 2.人身売買組織から幼児や母親たちを救出する。
 ※砦の潜入者については情報がほぼ無いため、シナリオの成功・失敗条件には入りません。
 注意点としまして、どちらにもケアティックのアルカナがいます。彼らを倒すことが目的ではありませんし、彼らも本気ではありませんが、注意は必要です。


【舞台について】
・ラーゼム首長国連邦
 専制君主制。6つの首長国(ラスマイル、アル=アフディル、アリ=アフディーラ、シャルカジャ、バグバダ、ジネブ)からなる連邦国家。連邦としての首都はラスマイル国の首都・ゼーマヤトゥです。ラーマーヤーラート神を崇める唯一神教・ラーマ神真教を国教としていて、国民の98%が教徒です。
 国土の3分の2が砂に覆われていますが、世界の機巧の動力源である星火石の最大輸出国であることから、富にあふれています。中でもラスマイルは世界でもめずらしい無税国のため、首都や海岸線には世界の金持ちが別荘を連ねたりしています。
 2年前、光国滅亡の際に首長の従兄弟であり外相のアブドラハン・アル・ラジズ・ファルメダが亡くなり、国民は5年の喪に服すことになっていますが、黒衣を身につけ夕方に鎮魂の祈りを捧げることを命じられているくらいです。

・サラマ
 人口3000人足らずの小さな町です。ラスマイルは砂漠の中にこういった村や町が点在していて、よくある町の1つです。
 外で働くのは男性。女性は屋内の仕事と定められているため、屋台や店で働いているのは男性だけです。寡婦だけ、これを免除されています。
 女性は基本的にニカブ(目出し布)で顔を隠し、家族以外の男性とは目を合わせないよう俯いています。信心深い人たちですが、教徒でない観光客や他国人には寛容で、とがめたりはしません。

・砦
 ラスマイルの砂漠にたくさんある、かつての戦争のときに作られた物です。現在では放棄されて無人の物が多く、旅人の休憩所や野盗の拠点になったりしています。
 そのうちの1つをオーダリーのアルカナが潜伏場所として活用しています。


【NPCについて】
・アスター聖騎士団
 数百年前、当時の星の王によって騎士団という存在が「国家」と認められた騎士団です。碧海にあるアスター諸島が本拠地。彼らの拠点の島以外は無人の小さな島(岩礁)で、国際法の領土としての条件を満たしていないけれど、例外的に「領土」と認められています。(とはいえ、そもそもが断崖絶壁の荒れた孤島であるため、騎士団員たちも当番制の常駐者以外おらず、存在が形骸化しています)
 現在彼らを「国家」「国民」と認める者はほぼ皆無です。公式的には一応「主権国家」としての扱いを受けていますが、それも形ばかりです。
 国民は建国時の騎士団員の子孫、子孫と婚姻した者までしか認められていません。そして彼らは戦闘力のある・なしに関わらず、例外なく「騎士団員(国民)」で、現在は100名まで減っています。
 団長のクリスティアノスを筆頭に信義厚く、国家設立時に多大な便宜を図ってもらったことから星の王(現在は星の子)に絶対の忠誠を誓っています。

・クリスティアノス
 豊かな金の巻き毛と、一本気で融通の利かない頑固な性格、2メートル近い岩のような体つきから金獅子の異名を持つ、アスター騎士団団長。戦闘スタイルはパワータイプのタンクです。
 潜入者がこの機に動くのではないかとの懸念から砦にいて目を光らせています。

・ミミス(男)とメメナ(女)
 騎士団の双子の団員。1枚の狐面を2人とも気に入ったので半分こして着けています。かわいい。ミミちゃんとメメちゃん。「むう」が口癖。
 騎士としての腕前はそこそこあり、連携して身軽に動くのが得意。武器は剣のほか、伸縮性のある棒を使います。
 国際問題になるかもという懸念から、騎士団員とばれない服装で他の騎士団員とともにリュクス少年の救出に向かいます。

・セレンスフィア
 愛称セーレ。蒼天を切り取って嵌め込んだような瞳、滝のような長く豊かな銀色の髪をした、外見はクール系美女ですが中身は情に厚く、素直でまっすぐな女性。
 かつてオルダリア光国の秩序の騎士オーダーでした。光国滅亡の夜、仲間全員を失い、星の女王の願いとはいえ護るべき存在を手にかけてしまったことを今も悔いており、星の子を命賭けて護ると誓っています。
 武器は取り回しのいいナイフと拳銃です。
 騎士団員として、リュクス少年の救出に向かいます。

・隠者
 妖怪ババアと呼ばれるほど、外見はしわくちゃだけど老いてなお闊達な人。賢者として敬われており、砦で一番の発言権を持つおばあちゃんです。
 砦にいて、不安がるリュクスの叔母や召使いたちをなだめています。

・教皇
 深淵喰いの異名を持つ、精霊使い。いろいろな精霊を手なずけていて、彼らに報酬として与えるために大量の宝石(パワーストーン)がついた宝飾品を常時身に付けています。見えない所にも隠し持っているらしい。
 砦にいて、自身の研究室とその奥の続き部屋を護っていますが、リュクス少年救出の手伝いを頼むこともできます。

・審判
 吸血鬼の女王。ケアティックアルカナ。処刑から逃れて逃亡中。今回出るかは皆さんのアクションによります。

・元節制
 元北海の魔女でもありますが、すでにどちらも継承させたために今はただの人魚族の女性です。攻撃や防御にはウエストポーチに入ったビット等小型機械を使います。
 アルカナでなくなったため、ケアティックに対する免疫がかなり落ちています。そのためケアティックの濃い場に長時間いると徐々に衰弱していきます。
 砦にいて自室で謹慎しています。

・オルトディア
 リュクスを気にかける少女。夢の中で頻繁にリュクスに会ったりしていましたが、リュクスは覚えていません。
 砦のどこかにいるらしい?

・リュクス
 特異者たちと一緒に旅してきた少年。ソラスの血のつながらない弟で隠者、という設定でした。それはオーダリーの作戦だったわけですが、リュクス本人は何も知らず、ずっと眠りながら泣き続けています。何をされてもまだ目覚めません。
 医療室で寝ています。

・リュクス
 リュクスと同じ名前を持つ少年。こっちが少し年上。
 リュクスの身代わりになって、兵たちに捕まりました。護送車に乗っている他の少年たちとともに首都へ送られています。

・クウハク(ツィル)
 アーキタイプのソラシマにいた少年。アルカナ小世界へ飛ばされてから約2年間、ラスマイルにいました。ボロボロだった自分を拾って助けてくれたシャヒーヤたちを助けるため、メレクとともに人身売買組織のトラックを襲撃します。
 水を自在に変えて武器とするフラカンの腕輪を持っています。

・メレク
 外見は少年にしか見えないけど少女。強がりで口が悪いですが、素直です。サナア(姉)と一緒にノー・ウェアとして、赤ん坊とその母親たちを救出する活動をしていました。その一貫で傷だらけのホームレスだったクウハクを拾ってもいます。
 サナアとクウハクのやりとりは一切知らず、クウハクのことは、一番大事なときに自分たちを見捨てて逃げたと思い、そのせいで姉もシャヒーヤ(母)もワスイム(弟)も失ったとして嫌っています。
 姉や母、仲間たちや母子を救出するため、こちらのノー・ウェアの仲間数人とともに人身売買組織のトラックを襲撃する計画でいます。武器はナイフと眠り粉です。

・ミスティック・ミスティ
 海洋国家F.O.G.のオーレアン一家の元女海賊。部下(全員女)に慕われる女傑。大の酒好きの酒豪。
 部下たちと一緒に医療室にいます。治療を受けて休んだため、元気になっています。
 レダ捜索に参加するため、オロノア号と連絡を取っています。(ここは内陸部のため、距離的にまだ戻れません)
 頼めば一緒に戦ってくれるでしょう。

・ユン
 アーキタイプ出身の特異者です。クウハクとは父親が同じですが、別々の地で互いを知らずに育ちました。そのせいかクウハクには妹と認めてもらえていません。しかしめげない。
 今回、クウハクを助けてくれたメレクに感謝し、他の者たちを救出するため動きます。

・松原 ハジメ
 特異者。世界アルカナ保持者です。
 砦に残ります。

※この他にも砦には20人の召使いと騎士団員が16人います。場合によっては吊るされた男も出るかもしれません。


【敵NPCについて】
・アーシア
 ケアティックアルカナです。皮膚の下に生きた影茨を飼っています。光国襲撃に参加し、光城を影茨で破壊しました。影茨は日光に弱く、物影に潜みます。
 今回、リュクス少年たちの護送車の護衛につきます。本人は、こんなあっさり見つかって捕まったことに手応えのなさを感じていて不満に思っています。少年を助けにくる者が現われるのを待っています。
(以下PL情報)
 塔としての力は、反射です。今回初登場の能力です。あらゆる攻撃を同等の攻撃あるいは威力のもので反射させます。反射させる方向は自在です。
 しかし本人は影茨のほうを好んで使います。

・カイ
 ケアティックアルカナ悪魔です。光国襲撃に参加しました。アーシアを気にかけ、血の気の多いアーシアの尻ぬぐいをよくしています。
 今回は人身売買組織のほうの雇われ護衛につきます。といっても命賭けるほどの思い入れはないので、不利となったらさっさと逃げるでしょう。
 腰に二丁拳銃を下げており、銃の腕前は並ぶ者なし。早撃ちの名手で精度も的確です。銃弾で強烈な状態異常をかけます。光国で王政の間で戦ったPCは、彼の能力に見覚えがあるでしょう。

・人身売買組織の者たち
 奴隷商人に売るため、トラック4台でアル=アフディル国へ向かっています。護衛のトラックが前後について、中央2台の柵付き荷台に1~2歳児を抱いた母親や捕まったノー・ウェアの者たちが入れられています。彼らの他にも、首都で誘拐され、売られた子どもや女性たちがいます。
 組織の者は15人ほどいて、全員小型小銃で武装しています。他、雇われ護衛として錬金術師が3名、そしてカイがいます。

・軍兵たち
 ムーサ王の命令で、リュクという名前の10歳前後の少年を各地で連れ去っています。見つけたその場で殺していないので、殺せとの命令は出ていないようです。今回、町で捕まえたリュクス少年がきっと本命だと、一番有力視しています。
 剣や銃で武装した軍兵の他、闇化した大型犬数頭を飼い慣らした獣使いがいます。犬たちは鋼のトゲを体のあちこちに生やしていて、鋼の牙を持ち、炎や氷のブレスを吐き、俊敏です。
 アーシアが護衛についていますが、彼女の目的は救出者を返り討ちにすることです。

・蜘蛛
 砦に潜入した、魔術師の忠実な部下で、小アルカナの諜報です。砦の者に入れ替わって潜伏していると思われます。
 その目的はまだ不明ですが、おそらくオーダリーアルカナや少女に関係しているのでしょう。
 現在、直接接触してはっきりとその存在を認識しているのは西村瑠莉(SAM0051746)さんだけです。
 騎士団の者は死体を発見したことで潜入に気付いていますが、入れ替わった者として新参の特異者たちを一番疑っているため、問われても正直には答えないでしょう。


●注意
1.アルカナではホムンクルスやブーステッド、セラエノ、アウトロー、汽人のような、体に一部でも機械部位のあるアバターは機巧人間と認識されます。耳や尾、角など体の一部に人間にはない生体部位のあるアバター、妖、鬼、パラサイトなどは獣人と認識されます。
2.現在アルカナの世界はケアティックという闇属性に傾いています。祓魔師・錬金術師・民兵・聖騎士はオーダリー属性で、スキルの効力は落ちます。逆に、魔人・半吸血鬼・合成人間はケアティック属性なのでスキルは通常通りかそれ以上の効力を持ちます。他世界のスキルは半減します。
 基本的に光属性の攻撃は弱体化し、闇属性は威力強化、それ以外の風や物理等はそのまま使えます。(ただし、ある条件下において光・闇属性の威力が反転する場合があります)
3.オーダリーの守護騎士・オーダーの称号を付けたPCは額に白い盾の紋様が浮かび、行動に幸運値がプラスされたり、能力が少し強化されたりと、若干オーダリーの加護を得られます。ただし、オーダーであることを知られるとマイナスの反応を受ける場合もあります。一長一短です。
4.ケアティックの影響を受けて動物(植物、人間含む)が変化することを闇化(あんか)といいます。闇化した生物は大抵の場合特殊能力に目覚め、攻撃的です。



それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

売られる母と子を救出する 【現在のMC参加人数:3】

6

リュクスを救出する 【現在のMC参加人数:4】

8

砦に残る 【現在のMC参加人数:5】

3

その他 【現在のMC参加人数:1】

1