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竜へ捧げる鎮魂歌【第一話/全三話】

リアクション公開中!

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竜へ捧げる鎮魂歌【第一話/全三話】
基本情報

マスター:森乃ゴリラ
ワールド:アーク
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年04月05日公開!

シナリオガイド

『渡り人』となり、復活しようとしている邪竜を再び封印しよう。

シナリオ名:竜へ捧げる鎮魂歌【第一話/全三話】 / 担当マスター:森乃ゴリラ



「……こんな所に洞穴があったのか」
 そう呟いたのは流離いのドラグナー・相馬桔平です。
 彼は最近、定職に就いた妹に会いに行く途中でしたが……その道中でバルバロイたちの襲撃を受けてしまいました。
 多勢に無勢。適当なところで戦線離脱を図り、バルバロイを撒きながら荒野を駆けること幾ばくか。休憩がてらに立ち寄ったのがこの洞穴でした。

 入り口はドラグーンアーマーが入れるほど高く、スタンドガレオンが入るにはちょっと狭い具合です。奥は真っ暗で何も見えず、それなりに長い事がわかります。
 もしかしたらバルバロイの住処なのでは? そう考えもしましたが、搭載されたレーダーに生体反応はありませんでした。
「ちっとばかし休憩がてら探索するのも悪かねぇか?」
 探索がてら遺跡を発見出来たのならば儲けもの。そうでなくとも冒険者というものに憧れている桔平にとって、この洞穴はとても魅力的なものでした。
「まー、とりあえず行ってみっか」

 洞窟の内部は薄暗く、人が採掘をした形跡などもありません。しかしながら自然に出来上がったとも、獣が作ったとも思えぬほど穴の大きさは一定のまま続いています。
 桔平が暫く突き進んでいくと、突如開けた場所に出ました。そこに広がっていたのは先程のような土壁ではなく、美しく整えられた石材の壁です。
 その最奥にはドラグーンアーマーに乗っても尚大きいと思えるような扉が一つありました。
 扉の模様は細かく、ツタや葉などが沢山描かれています。中心部には架空の生物である竜と人が手を取り合うような模様が刻まれていました。

「ドラゴンと人……?」
 桔平はドラグーンアーマーを進ませ、扉に手を掛けました。しかしいくら力を掛けても、バーニアの力を借りても、扉はうんともすんとも言いません。
 それならば壁の材質やサンプルだけでも入手し、持ち帰ってみようか。そう考えた桔平はドラグーンアーマーから降り、扉に近づきました。
 一体何のために作られたのか、誰が作ったのか。
 桔平はそんな事を考えつつ、無意識に扉へと触れます。
 するとどうでしょう。扉は歪な音を立ててゆっくりと開き始めたのです。
「トラップか!?」
 人にのみ反応するように作られていたのか、あるいは何かきっかけがあったのか。どちらにせよ、良い展開ではありません。桔平はすぐさま飛び退こうとしますが、それよりも早く扉は開き、目を覆いたくなるような光と風を生み出します。
 目映い光は温かく、そしてどこか懐かしさを気取らせるような優しいものでした。対する風はというと、荒々しく、桔平の身体を乱暴に持ち上げて扉の中へたぐり寄せようとします。
「うおぉ!?」
 桔平はドラグーンアーマーの方へ腕を伸ばしましたが、彼の抵抗空しく、扉の中へと引きずり込まれてしまいました。
 それどころか扉は徐々に閉まりつつあります。
「んなアホな事で死んでたまるか!!」
 彼は扉が閉まる間際、頼み綱である緊急通信を飛ばしました。
「誰か来てくれ、座標は――!!」

◇◆◇


 光と風の奔流に呑み込まれた桔平でしたが、気がつけばそこは洞窟でも目映い光の中でもありませんんでした。
 広がっていたのは石造りの柱が立ち並ぶ神殿のような場所です。後ろには先程通った扉と同じものがあり、目の前には見知らぬ人々と――大勢の竜がこちらを見つめていました。

「やはり神話は……いえ、ようこそ世界を渡る者」
 人々の前に立っていた一人の男がそう述べました。その隣には一匹の黒竜が付き従っています。
「……あんたは?」
「私の名はメルゲン。このブランダーバス王国を治める王です。隣の竜はダイル・ウスン」
 メルゲンがそう言うと、隣にいた竜もまた恭しく礼をしました。
「竜……? いや、ブランダーバスとは聞いた事がねえな、そもそも王国とは――」
「貴方がどこぞより参ったかは知りません。ですが、そうですね……ここは一つ話を聞いては頂けないでしょうか」
 メルゲンはそう言うと、この国に伝わっている神話を教えてくれました。

 この世界の名はハイラハン。様々な国が点在している世界だというのです。
 その中の一つとして存在しているのがブランダーバスという王国であり、彼の国には一つの神話が伝わっていました。

 神話の始まりは四匹の竜です。

 太陽神バトゥカン。
 月神セオラ。
 天竜アマラ。
 地竜ムンフツェツェグ。

 この四匹の竜が世界を作ったと言われ、四匹の竜――四大神竜は世界を作った後、長らく地上を見守っていました。
 後よりやってきた人間は四大神竜の加護を受け、営みを重ねて四大神竜に信仰を抱くようになります。
 同時に、四大神竜の子らである沢山の竜たちも、人々の良き友として平和を共にしてきました。

 しかしブイルクカンと呼ばれる邪竜が現れた事により、人と竜の安寧が打ち破られてしまいます。
 二種族は友誼の契りを結び、悪しき竜を退治しようと戦いに身を投じました。
 戦争は長引き、人も竜も疲弊していきます。豊かであった大地の一部もその姿を変え、その大半は荒れ地となってしまいました。これ以上の被害を受ければこの地に住まう事自体が難しくなります。邪竜をなんとかしない限り、この地に平穏は訪れません。

 そんな状況を変えたのは、扉よりやってきた『渡り人』と呼ばれる存在でした。
 渡り人は四大神竜の加護を受け、また外の世界より齎された類い希なる力をもって邪竜を弱らせ、邪竜を嘆きの谷底へと落とし、封印する事に成功しました。
 そうしてブランダーバスには平和がもたらされ、渡り人もその功績により王位につきました。

 ――というのがこの地に伝わる神話です。

「ですので、今一度わたしたちに力を貸して頂けないでしょうか。このままでは邪竜によってこの地は滅んでしまいます」
 急な申し出を受け、桔平は慌てふためきます。しかも先程の内容は明確に『神話』と言い切られていました。
「いや、でもさっきアンタは神話って言ったよな?」
「ええ、ですが……邪竜が復活しつつあるのは誠です」
 ここ数年、谷底の封印が綻び始め、人や竜が耐えられぬほどの瘴気を放出していると教えてくれました。
 また、空の覇権を握るためにも、邪竜は自ら生み出した眷属達をほうぼうへ仕向けているといいます。
 既にブランダーバスの村や町はいくつか滅んでおり、メルゲンは藁にも縋る思いで家臣を引き連れ、扉のある神殿へとやってきたのだというのです。
 そこに現れたのが神話と同じく扉を潜った異世界の者――渡り人である桔平だったのでした。

「だからこそ、我が国にお力を――」
 メルゲンが言葉を紡ぐのと同時に、耳を劈くような咆哮がそれを阻みました。
 神殿の屋根、ステンドグラスの向こう側に見えたのは黒々としたオーラを放つドラゴン達です。

「話はあとにしましょう。とにかく、邪竜の眷属を退ける手伝いをしてもらえませんか。扉をくぐりし者であれば加護を授かっている筈です」
「つったって、一人じゃ厳しいものが――」
 桔平が狼狽えつつも答えようとすると、扉が再び開きました。
 重苦しい開閉音、そして目映い光と共に現れたのは特異者――いえ、この地に導かれた『渡り人』である貴方たちです。

担当マスターより

▼担当マスター:森乃ゴリラ

マスターコメント

 今回は小世界『ハイラハン』にある、ブランダーバスという国のお話となります。
 全三話のシナリオです。独自のルールがございますので、ご興味がありましたら、是非ご参加下さい。

◆小世界について
『ブランダーバス王国』は『小世界ハイラハン』に存在している国の一つです。
 今回はアークに存在しているとある洞穴、その中にあった遺跡のような扉から行く事が出来ます。

 特異者の方々には相馬桔平より援軍要請を受け、駆けつけた所を同じように吸い込まれてしまった、あるいは同じようにたまたま洞穴を調べたら巻き込まれた。など、それっぽい理由であれば経緯はお任せします。


◆独自ルール

●竜信仰
 ブランダーバスでは『竜信仰』が根付いています。
 かつて神話の時代がそうであったように、人と竜との間には絆があり、助け合っていくべきだというもの。そして豊かな自然に寄り添うことを何よりの美徳としていますので『機械類』に関しては上手く作動してくれません。
 スタンドガレオン、ドラグーンアーマー、イダテンといったアーク世界における騎乗物は勿論の事、機械的な物は扉を潜ることができません。勿論、他世界のものでも同じです。
 あの扉は機械は通さず、人のみを吸い寄せるものです、お気を付け下さい。(ですが機械の身体や義手といったものは人と判定して通してくれます。ご安心ください)

●四大神竜の加護とは
 このシリーズでは扉を潜り抜けた者は異世界より招かれし『渡り人』となります。
 その際、四大神竜より独自のジョブに対応した『加護』を授かることができ、そのうち一つを選択することになります。
 元々、神話の時代では竜と人は契りをもって魂同士を結びつけていたそうですが、現代では形式的な誓いを立て加護を授かっているのが現状です。その契りも結ぶことは難しく、長い時間を掛けて会得していくものでした。
 しかし、渡り人達は扉を潜る事で四大神竜からの加護を授かり、誓いを立てずともドラゴンと意思疎通が可能であったり、様々なスキル・アイテムを使用できるようになります。

●メインアバター/サブアバターについて
『ブランダーバス』シリーズでは独自ジョブ(アバター)で物語が進んでいきます。
 皆様のメインアバターやサブアバターに関しては、今シリーズではフレーバー程度に留まります。
 つまり何のアバターでご参加頂いても、修正値以外はアクションやリアクションには反映されないものとします。
 ですが「さっきまで○○だったのに……!!」といったRPに関してはアクションに書いて頂いても構いません。
 あくまでリアクションの執筆を行う際、アバターによって成功率が変わるような参考の仕方はしない、といった感じです。


●独自ジョブ一覧

注意

 独自ジョブをお決めになられましたらアクションの最初に

 ドラグーンであれば【ドラグーン】【竜騎兵】【ド】

 といった風に、何のジョブを選択したかが分かるようにお書きください。
 記載していない場合は加護無し・あるいは民間人とみなし、それぞれマスタリングさせて頂きます。(書き忘れっぽいな~って場合はこれだろうというジョブでリアクションに反映する事もありますが、違っても恨まないで下さいね)
 尚、ジョブチェンジはシナリオ1話ごとに変更できるものとします。1シナリオ内でころころ変える事はできませんが、1話目は民間人、2話目からはドラグーンなどは可能です。逆も然りです。


★【竜騎兵/ドラグーン】 天竜アマラの加護
 ドラゴンに騎乗し、空を駆る者の総称でもあります。
 ブランダーバスの民はドラグーンになるのが夢の一つであり、名誉です。子供に将来なりたいものを問えば、元気よくドラグーンと返ってくるでしょう。
 主に翼竜と呼ばれるドラゴンに乗る事も多いですが、人や活動場所によっては翼を持たないドラゴンなどにも騎乗するようです。
 この国の者はドラゴンとの間に誓いを立てる事により騎乗が可能となります。しかし扉を潜ったものであれば加護を授かることができ、誓いがなくともすぐに騎乗が可能です。
 空の覇権を握ろうとする『邪竜の眷属』に立ち向かうのであれば、空を駆るドラグーンは必須となるでしょう。

【特性】
 近接武器/近接スキルが得意です。騎乗関連のスキルがあれば、十全の力を発揮することができるでしょう。
 騎乗するドラゴンの1属性をサブの加護に変換することもできます。(火竜ならば火、水竜ならば水のスキルの威力が上がります)つまりドラグーンであれば天竜アマラの加護で『風属性』+『騎乗するドラゴンの属性』分のサポート効果が得られますよ、って感じです。
 ドラゴンに関しては召喚スキルで喚んだ個体でも、この地のドラゴンに力を借りるといった感じでも構いません。
【天竜アマラの加護】
 風属性の恩恵を授けてくれます。その他にも星や雷といった『空に関するもの』の恩恵を受ける事ができるようです。
【騎乗ドラゴンについて】
 基本的な属性は地・水・火・風・光・闇が主であり、見た目は千差万別ですが属性の効果以外は特にありません。
 ですので風竜であっても翼はなくて構いませんし(その場合は空を滑る、あるいは風の魔力によって浮いている)、地竜に翼が生えていてもいいです。

★【吟遊詩人/ミンストレル】 月神セオラの加護
 吟遊詩人です。歌と踊りによって味方を鼓舞する事ができます。
 元々、歌と踊りは『竜と人との友情を示すもの』であり、神話の時代には数多くの歌と踊りが捧げられていました。
 長い年月を経て、それは信仰心へと移り変わり、神聖なものへと昇華します。
 そのお陰でミンストレルの歌と踊りは、邪竜やその眷属達が纏う『瘴気』を祓うこともでき、他の者らの攻撃が届くようにしてくれる重要な役割も担っています。(アークにおける領域中和のようなものです)
 吟遊詩人の名の通り、流れ者が多いですが一カ所に留まる者もそれなりに居ます。剣舞の際には剣や扇を持つこともありますが、人によって踊るときに使うアイテムは違うようです。

【特性】
 歌や楽器といったスキルやアイテムを扱うことができます。人によっては旅の中、情報収集を行うためのスキルや、放浪生活に必要なものも選択肢の一つになるでしょう。
【太陽神バトゥカンの加護】
 火・光属性の恩恵を授けてくれます。その他にも『神秘・聖なる属性』に関するものの恩恵を受けることができます。

★【呪術者/シャーマン】 地竜ムンフツェツェグの加護
 様々な術を扱うことができますが、基本的には『攻撃特化』と『支援特化』どちらかの系統を選ぶ者が多いようです。稀に二つを兼ね備えた呪術師もいますが、負担やリスクが大きいことや戦闘時の切り替えが難しいことから、器用貧乏と揶揄されがちです。
 シャーマンの掟によって、武器は木材でできている物や水晶といった宝石、杖や本タイプといったものが主流で、刃のついた武器を持つことはありません。
 元々は他国で迫害されていた魔術師らが放浪の末にブランダーバスへと辿り着き、受け入れて貰った恩を返すために竜と人の手助けをした事が始まりです。現在ではお祝い事や儀式などで活躍しています。
【特性】
 魔法が得意である一方、薬や錬金術といったものも得意です。
 シャーマンの掟によって剣や槍、ナイフといった殺傷能力のある武器を持つことができません。
【地竜ムンフツェツェグの加護】
 地属性の恩恵を授けてくれます。その他にも『草や岩。占や念』といった一風変わったものの恩恵を受けることができます。

★【調教師/テイマー】 月神セオラの加護
 魔物や獣たちといった人以外の者らと心を通わせたりするのが得意です。しかしながら邪竜やその眷属らと心交わすことはできません。
 人によっては幼竜教育として小さなドラゴンたちの世話をする事もあるようです。
 戦場では獣や魔物を使役するだけではなく、ドラゴンに乗って指示を出したりすることもあります。また、獣たちを纏めてけしかけるといった戦法も得意です。
 元々、テイマーの系譜が狩猟民族であったことから、弓や銃といった遠距離攻撃や、罠などの攻撃を得意とするものが多いです。しかしながらブランダーバスの銃に近代的なものはなく、中世あたりで使われていた旧式の銃しか扱うことができません。
【特性】
 テイマーや召喚、調教スキルなどが得意の一方、後方からの攻撃(弓や銃)や罠といったスキルを扱うことができます。
 騎乗に関係するスキルがあれば十全の力を発揮することができるでしょう。
 後衛だけではなく前衛に転じることもできますが、機動と火力はやや落ちるようです。
 動物や魔物の種類に関してはよくあるファンタジー世界のものならばお好きなので構いません。しかし、あまりにも強大な魔物の力を得ようとするのであれば、それなりのリスクを考えなければならないでしょう。
【月神セオラの加護】
 水・闇属性の恩恵を授けてくれます。その他にも『毒・罠』といった狩猟生活で得たものに関する恩恵を受けられます。

★【民間人/シビリアン】 ???の加護
 これといった攻撃ができるタイプではありませんが、その分役割は無限大!!
 救護班や炊き出し、知識をもって政策に携わるなど、戦闘以外で何かしたい人にお勧めのジョブです。人によっては医師や技術者などの職を名乗っても構いません。それ相応のスキルがあればOK
【特性】
 戦闘系のスキルが一切使えません。使えるとしても護身術程度……ですが、その他のスキル制限はありません。縁の下の力持ちです。
 扉を潜ったものの、それらしい加護はドラゴンとの意思疎通や生活スキル全般に関してのみ。
 どうしてそのような加護となっているのか、今の所分かっていません。

・その他の恩恵に関して
 なんとなーく、加護に関連したそれっぽいスキルを選んで頂ければ問題ないです。
 隕石なら空かな!? マグマなら土と火がいるかな!? 地竜ムンフツェツェグなら草や花もいけるのでは……?
 といった感じで構いません。スキルやアイテム説明文にこういった説明があるからこうしてみた、というのも大歓迎です。
 そのへんの判定は割とゆるいです、森乃ゴリラを言いくるめしてみようキャンペーンでもあります。どうぞお手柔らかに。

・ドラゴンに関して
 アクション内で関わる際、望むのであれば名前を聞くorアクションで名前を付けてやったりしても構いません。
 出会った経緯や性格などもお任せしますし、こちらに投げても構いません。
 大きさもお任せしますが、あまりにも大きすぎる場合(明らかに規格外のサイズ感、山くらいとか城よりも大きいと言ったもの)ですと、機動が遅くなる、眷属に狙われやすくなるなどのデメリットが発生します。大きいので有利に動ける、とはなりませんので人と交流できそうなサイズ感に留めて頂ければ幸いです。


◆地形

●『ブランダーバス王国』
 今回の舞台は『独立小世界ハイラハン』に存在する国の一つです。
 文化は中世のレベルであり、そこに魔法とファンタジーが組み込まれた世界観です。

 ブランダーバス王国は巨大な浮遊大陸であり、周囲には小さな群島が同じように浮いています。
 王都はその中でも一番大きな浮遊大陸にあり、人と竜が沢山住んでいるところです。
 地形故にドラゴンによる荷運びが一般的です。馬は乗馬に使ったりとやや趣味やペットの意味合いが強いです。
 ここ数年、邪竜の封印が綻び始めていることから、谷底から瘴気が湧き上がり、他国との交流ができず交易や外交などが滞っている状況です。

●『嘆きの谷底』
 ブランダーバスの王都、その真下にある巨大な亀裂です。
 常に瘴気を出し続けているため、近づける者はいません。獣や植物の姿もなく、不気味な荒れ地が広がっています。
 ここは以前、神話の時代には海や草原がありました。しかし、邪竜との戦いによって見るも無惨な荒れ地へと変貌してしまい、更には封印の綻びによって瘴気が徐々に増えている状況です。
 かなり移動すればよその国へ行く事もできますが……瘴気の荒野を駆け抜けられる者も、竜もいません。


◆登場人物

●【ブランダーバスの王】 メルゲン 28才
 ブランダーバスの王であり、過去に偉業を成し遂げた渡り人の末裔です。
 人と竜、どちらにも優しく接してくれる良き王です。
 渡り人たちの事も神話として、あるいは王家代々に伝えられてきた話として聞いているため友好的です。
 ダイル・ウスンとは幼い頃からの付き合いであり、家族だと思っています。

「渡り人、まさか史実であったとは……」と驚きつつも、邪竜封印の兆しを感じ、とても前向きです。邪竜の眷属を倒したい気持ちもありますが、家臣を守るためサポートを努めます。

●【黒竜】 ダイル・ウスン
 メルゲンの側仕えとして生きている黒竜です。
 友好的であり、気さくな態度で接してくれます。王都の竜を統率しているのはこの竜です。
 メルゲンとは竜生(人で言う人生)の中ではそれほど長い付き合い、というわけではありませんがメルゲンの幸せを第一に考えてくれている心優しき竜です。
「永き竜生、そこでメルゲンに出会えたのは僥倖よ。竜と人、それぞれの幸せを一番に願っておるからのう」と満足そうに胸を張っています。
 メルゲンと同じく、サポートに努めます。

●【渡り人】 相馬・桔平 22才 ドラグーン
 たまたま妹の顔を見に行こうとしたら、バルバロイの襲撃に遭うわ、扉に吸い込まれるわと不運続きな特異者。
 過去のシナリオに出てきた相馬良樹・相馬若葉の兄でもあります。言葉遣いは悪いですが、困っている人のために駆け回るお人好しです。
「妹の就職祝いに行こうと思ってたのに……まあ、よくわかんねえがやってやろうじゃねえか!!」と近くに居たドラゴンに助力を乞い、眷属討伐に参加します。

●邪竜ブイルクカン
 神話にも出てきた邪竜です。
 永きに渡り、嘆きの谷底と呼ばれる場所に封印されていました。
 しかしここ最近、封印が綻び始めたのを良いことに瘴気を放ち、谷底への侵入者を防いでいます。
 また、眷属を生み出しブランダーバスへと仕向け、いくつかの街や村を滅ぼしています。

●邪竜の眷属(総称)
 邪竜ブイルクカンの眷属は瘴気により生み出された竜です。
 知能は持たず、ただただ暴れ狂うだけの存在です。瘴気が元になっているため、普通の攻撃くらいならば容易く弾いてきます。しかしミンストレルの紡ぐ歌や踊りがあれば、領域中和のように攻撃が通ります。


◆アクションについて

 扉が開いた事を察知した邪竜ブイルクカンが扉を破壊するために眷属を仕向けてきました。
 それを迎え撃つか、あるいはサポートや救護に回って頂きます。

 扉の場所は屋内ですが、戦うのであれば屋外へと出ることになるでしょう。
 外は自然豊かな森に囲まれており、近くに街や村もありませんのでご安心ください。
 尚、NPCに関してはいつも通りご自由にどうぞ、関わらずとも特に問題はありません。

【1】邪竜の眷属を迎え撃つ

 ドラグーンかビーストテイマーであれば召喚か、あるいは神殿の中に居る竜に力を借りて倒しに行く事になります。
 神官達の中にはミンストレルやシャーマンといった者もおりますので、歌と踊り・あるいは呪術である程度サポートしてくれるものとします。
 眷属の数はそれなりにいます。手始めの雑魚戦だと思って貰えれば幸いです。

 邪竜の見目は黒い瘴気を纏った竜とお考え下さい。サイズも一般的な竜であり、攻撃はかぎ爪や牙、ブレスなど多種多様です。羽ばたいている者もいれば、翼の無いドラゴンなどもいます。

【2】人々や竜、扉を守る

 戦う術を持たぬものや、扉を守るアクションです。
 戦闘よりもサポート(傷を負った仲間や人々の治癒や、バフデバフ要員、あるいは王の護りにつく)が主となるでしょう。
 勿論、これ以外にもやりたい事があればお任せします。
 人によってはお話を聞くのがメインでも問題ありません。

◆マスターコメント
 シナリオガイドの閲覧、ありがとうございます。
 とーーーーっても長くなってしましましたが、新シリーズの開始となります。
 楽しんで頂けると嬉しいです。

邪竜の眷属を迎え撃つ 【現在のMC参加人数:15】

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人々や竜、扉を守る 【現在のMC参加人数:5】

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