クリエイティブRPG

死の大地に眠る物【最終話】

リアクション公開中!

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死の大地に眠る物【最終話】
基本情報

マスター:森乃ゴリラ
ワールド:アーク
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年02月14日公開!

シナリオガイド

仇敵を討ち、コーデリア領に栄光を。

シナリオ名:死の大地に眠る物【最終話】 / 担当マスター:森乃ゴリラ



 特異者の活躍により『死の大地』にある駐屯基地は順調に発展していきました。
 街のように建物が並び、よその領から商船もやってくる具合です。まだまだ実績はありませんが騎士団も常駐しており、何もかもが前向きに動いている、そんな時でした。

 突如現れたのは超巨大なバルバロイです。
 一見すれば山が動いているかのようにも見えます。
 巨体のせいか移動はゆっくりですが真っ直ぐとこちらに向かっているようでした。バルバロイが動く度に砂嵐が引き起こされ、背後の景色を茶色一色に染め上げています。

「商船には避難命令を!! 戦う術を持たぬ者は空いているスタンドガレオンに乗せて下さい!!」
 オーフェデリアは走りながら命令を飛ばします。
 誰も彼もが悲鳴や叫び声を上げ、駐屯基地は混乱に陥っていました。

「若葉、出撃の準備はどうですか」
「行けます、機体の整備も全て完了しています」
「バルバロイの速度は」
「およそ20ノット、進路は未だ変わりません」
「……このままだと駐屯基地にぶつかりますね」
 速度は遅く、一定ですが真っ直ぐ向かっているのであれば避けようがありません。数時間後には駐屯基地へ辿り着いてしまう。そんな状況でした。
「避難は間もなく終わります。ですが、ここはきっと……」
 全てが水の泡になってしまうでしょう。あれほど大きなバルバロイが来るのであれば、通過されるだけでも甚大な被害を被ります。
 今まで作り上げた建物も、みなと協力して調整した畑も、そして様々な事業が無かった事にされてしまう。オーフェデリアは足に力が入らなくなり、その場に座り込もうとします。
 ですが、若葉はそれを許しませんでした。オーフェデリアの腕を掴み、無理矢理立ち上がらせます。
「やる前から諦めちゃ駄目ですよ、オーフェデリア様。こういう時こそ前向きに行きましょう」
「前向き……ですか?」
「ええ、だってあのバルバロイの甲殻は全て未知の金属……コーデリウムなんですから。倒せさえすればいっぱい手に入ります!! まあ、倒しちゃったら定期的な産出は難しくなるでしょうが……あのデカさなら暫くは安泰ですし、駐屯基地が無事なら地質の研究も続けられますから」
 研究が進めばコーデリア領はまた別の切り札を所持する事ができます。
「だから泣かないで下さい。私も居ます、騎士団だっているんですから。……それに、私は有能なので先んじて援軍要請を出しておきました!! 追加報酬、期待してもいいですよね?」
 若葉はにっこりと微笑みましたがその声は震えています。
 彼女だって逃げたい思いはあるはずです。それを出さないように努力しているのは、全てオーフェデリアの為でした。
「あとは、そうですね……この戦いが終わったら、私も暫くの間は騎士団に正式加入しましょう」
「……本当ですか?」
 騎士団を立ち上げた時、若葉は加入を辞退していました。
 彼女の目標は兄を探すことでした。この地が落ち着くまでは……と騎士団に加入しているふりを続けてオーフェデリアの手伝いをしていましたが、契約上は今もただの傭兵です。
 傭兵の身であれば逃げる事も、契約の反古だってできるのに、こうしてオーフェデリアに付き添っているのは頑張っている彼女を応援したいからに他なりません。
 若葉はオーフェデリアの体勢を整え、彼女の涙をそっと拭います。
「諦める貴女は見たくありません。さあ、しゃんとしてください、我らが大隊長なんですから!!」
「若葉……ええ、そうですね。私は諦めません、全てはシャングリラの為に、そして我が領地であるコーデリア領を守るためにも……あのバルバロイを討伐いたします!!」

◇◆◇


 若葉とオーフェデリアは簡単な作戦を立て始めました。
 その最中、オーフェデリアに通信が届きます。通信の主はエルフィガ・コーデリア。彼女がそれを取ると、向こうから慌ただしい声が響きました。

「無事か!?」
 第一声は父親らしい発言でした。今までの関係を考慮すれば、信じられないような気遣いです。
「ええ、幸いな事に多少猶予はあります。このまま――」
「避難用のスタンドガレオンを向かわせた、お前も早く逃げなさい。交易品などは時間が許せば積み込むといい」
 既にエルフィガの中には避難という考えがあるようです。その準備をしてくれたことにオーフェデリアは喜びましたが、やんわりとした口調でそれを否定します。
「いえ、お父様。……私は戦います」
「戦う? そんな馬鹿な事を言っている場合じゃないだろうに!!」
 エルフィガは声を荒らげます。対するオーフェデリアは落ち着いており、まるで最初の時とは立場が逆転してしまったかのようです。
「私はなんとしてでもあのバルバロイを倒します。放っておけばシャングリラにまで影響が出るかもしれませんし……何よりもここを守りたいのです」
 ここを守り抜けば明るい未来が待っているでしょう。勿論、多数の犠牲が出るかもしれません。
 ですがバルバロイから逃げたとしても、敵がシャングリラを襲わないという保証はありませんでした。
「お父様は王国に連絡を。援軍要請と避難者の受け入れ体制を整え、吉報をお待ちください」
 オーフェデリアはエルフィガが何かを言う前に通信を切りました。
「今後、お父様からの通信は補佐役に回すことにします、あの分では反対しかしないでしょうから」
「……分かりました、そう伝えておきます」
「おや、貴女なら『エルフィガ様ともう少しお話をしては?』と、言いそうなのに止めないのですね」
 オーフェデリアが若葉の声真似をすると、若葉は小さく吹き出しました。
「言いませんよ、今生の別れじゃないんですから」
 ここで死ぬつもりはない、若葉はそのような意味を持たせて返しました。

「……貴女、やっぱり騎士団に来ませんか? 暫くなどと仰らずに、ずっと居てくれても良いんですよ」
「これが終わったら一時的には入りますよ、一時的にはね。ずっとは無理でーす、兄に会いにいかないといけないので」
 若葉が茶化したように笑えば、オーフェデリアもそれにつられて笑いました。
 

担当マスターより

▼担当マスター:森乃ゴリラ

マスターコメント

 シナリオガイドの閲覧ありがとうございます。
 今回は全三回を予定している連続シナリオとなっております。

※味方の足を引っ張るような行為、またはGMに「良い感じに立ち回る」等のお任せ度合いが強いプレイングはこちらで調整させて頂きます。
 とはいえ、私の方でも出来る限りマスタリングなり判定は致しますので、お気軽にご参加下されば幸いです。

◆今までのお話

1話目  死の大地に眠る物【第1話/全3話】
2話目  死の大地に眠る物【第2話/全3話】

 超巨大なバルバロイが攻めてきました。
 全長はおおよそ300メートルほど。一見すれば山が動いているようにも見えるでしょう。
 逃げてしまえば全てが台無しになる。オーフェデリアは覚悟を決め、仇敵を討つ事を決めます。
 
 というところから今回のシナリオがスタートします。
 一番大事なのはめっちゃでかいバルバロイをみんなで倒すぞ~!! コーデリア領の為に頑張るぞ~!! ってことだけです。
 大きさもおよそなので、めっちゃでかいくらいの認識で大丈夫です。

 援軍要請はエルフィガ、オーフェデリア、若葉の三名が出しています。誰から受けても構いませんし、王国から受けたことにしても構いません。
 是非、お気軽にご参加ください。

◆地形と天候

・小型浮遊大陸『死の大地』

 コーデリア領が王国より賜った新たなる領土の一つです。
 シャングリラからほど近い場所にありますが、降り立たずとも分かるほど、砂と岩しか見えない浮遊大陸です。
 植物や生き物などの姿はなく、気紛れのように異常気象として砂嵐が引き起こされています。平時は風すらない不気味な場所です。
 調査を進めていった結果、この大地全体が肥沃な土質を持ち、植物を肥大化させる効果があるのでは? という事が分かりました。
 その研究を進めるためにも、件のバルバロイは必ず倒さねばいけません。

・駐屯基地

 死の大地に設置された拠点です。現在は改築や強化がされており、ちょっとした街のようになっています。
 畑や宿泊施設、交易所なども整備され不自由なく暮らせるでしょう。
 ドラグーンアーマーやスタンドガレオンの整備も問題無く行えます。
 

・コーデリア領

 シャングリラにある領の一つです。あまり裕福ではなく、商家の先祖が成り上がりで賜った爵位を継いできたので、王国内での地位は低いです。
 領主はエルフィガ、その一人娘にオーフェデリアがいます。貧乏貴族のようなものをイメージして頂ければ幸いです。
 父と娘の関係は少々複雑なものでしたが、特異者たちのお陰でそれも改善されていきました。まだまだぎこちなさは残りますが、それでも以前のような言い合いは見られません。


◆NPC

・領主 エルフィガ・コーデリア 50歳

 地方の領主。野心が高く、領民以外は物として認識していました。
 以前のような傲慢さはなく、娘の活躍や研究者としての立ち振る舞いを見て、考え方を改めつつあります。
 現在は花侯騎士団の騎士団長です。
「避難しろと言うたのに……強情さは『あれ』譲りだな」とぼやきつつ、王国や特異者達へ援軍要請を出します。


・地質学者 オーフェデリア・コーデリア 22歳

 地方領主の一人娘。野心はあるが、父ほどではありません。
 若葉の渇を受け、バルバロイと立ち向かうことを決めます。
 現在は花侯騎士団の大隊長として死の大地の総指揮をしています。
「全てはコーデリア領……いえ、シャングリラのためです。私も腹を括りましょう」と俄然やる気です。
 若葉が暫くの間、騎士団に入ってくれるというので、なんとかしてその期間を延ばせないかも考えています。

・傭兵 相馬若葉 16歳

 元々ホライゾンに属していましたが、アークに来てからはドラグナーとして、または行方知れずとなった兄を探すために流離いの旅をしていましたが……なんやかんやあってオーフェデリアの傍にいます。
「今頑張らないと全てが無駄になりますし、シャングリラが危険になるかもしれませんからね。平和の為にがんばりますよー!!」といった感じでポジティブに援軍要請を出しますが、本当は怖くて震えそうです。


◆巨大なバルバロイ

 現れたのは山のように大きなバルバロイです。全長はおよ300メートルほど。
 高さもそれなりにありますが、ムカデ型なので胴体が長いと思ってもらえると助かります。大きさはおおよそとして『ワォ!! めっちゃでかい!!』くらいの認識でOKです。
 甲殻はオーフェデリアが求めていた未知の金属・コーデリウムで構成されています。
 こちらは非常に硬く、普通に斬り伏せただけでは傷がつかないでしょう。その代わり、加工前なので熱に滅法弱いです。ある程度の高温であれば、柔らかくする事ができるでしょう。


◆今までの成功によって解放されたサポート

 前回、前々回のパートによって様々な強化がなされました。

【騎士団の強化】
 ・ドラグナーの育成により、回数制限のあるスキルが二倍使えるようになります。
 ・マシーナリーの育成により、個数制限のあるアイテムが二倍使えるようになります。
 ・トルバドールの育成により、戦闘中であればどこにいても領域中和の恩恵を得られるようになります。
 ・ジオマンサー育成により、砂嵐の中でも視界不良が緩和されます。

 人によっては教えた人間が加勢してくれる。みたいな展開もあるかもしれませんね。

【地質調査・駐屯基地強化の成果】
 ・地質調査のおかげで、この地での戦い方が有利になります。
  ぬかるみに足をとられなくなる、砂に埋もれる事が無くなる、砂塵による機体トラブルを無効化できます。
 ・駐屯基地が強化されたことにより、機体に砂塵用のコーティングが施されます。
  こちらは砂嵐の中でも砂によるトラブルを全て無効化する事が出来ます。
  また、損傷した機体の修理も迅速に行えます。ちょっぴり無茶をしても修理体制が整っているので、気兼ねなくボスと戦えるでしょう。

【バルバロイ討伐の成果】
 ・近隣の安全が確保されていますので、雑魚戦がなくなりました。
  残りは大型のバルバロイのみです、ゴーゴー!!
 

◆アクションパートについて

・今回はバルバロイ戦しかありません。その代わり、各アクションパートが敵の部位ごとに割り振られています。
 各部位には『コア』がありますので、それを全て破壊しない限りは活動停止しません。
 全てを破壊できなければ、コアを頼りに復活してしまいますのでご注意ください。


①胴体を狙う(天候:砂嵐)
 長く、幅の広い胴体です。ほとんどがコーデリウムの甲殻で覆われています。
 コーデリウムは加工しやすい金属でもありますので、熱を利用しても良いでしょう。
 足の数は多く、ガサガサと忙しなく動いている状態です。
 コアは胴節ごとに露出しています。(数がたくさんあるな~くらいに思って頂ければ幸いです)
 それぞれのコアは胴節から生えている足とリンクしていますので、コアを破壊すればそのコア周囲の足は動かなくなります。
 バルバロイは拠点基地へ移動し続けているので、時間稼ぎを狙うのであればこちらがオススメです。

②後ろ側を狙う(天候:砂嵐)
 曳航肢と呼ばれる最も長い足が沢山生えています。それらが暴れ、周囲に砂嵐を生み出しているのが現状です。
 強化されたNPC新人ジオマンサー達のお陰で砂嵐は緩和されていますが、それも時間が経てばどうなるかはわかりません。
 コアは曳航肢の付け根にあります。破壊すれば曳航肢は崩れ落ち、砂嵐の発生が抑えられます。

③頭部を狙う(天候:無風)
 大きな顎が幾重にも重なっており、目のような器官もいくつかあります。長い触角は鞭のようにしなりますのでご注意ください。
 コアは頭部の奥側にありますが、頭部を守るようにして硬いコーデリウムの甲殻があります。
 コーデリウムは加工しやすい金属でもありますので、熱を利用しても良いでしょう。
 囮になる者、甲殻をなんとかする者、目潰しを狙う者、コアを狙うもの……等々、役割はたくさんあると思います。
 コアばかりに人が集まっても成功は難しいので、色々な手段で弱体化やサポートを考えておくと戦闘が有利になるでしょう。


◆マスターコメント
 皆様のおかげで最終話となりました。
 ご都合が合えば、是非ご参加下さい。皆様のご参加、心よりお待ちしております。

胴体を狙う(天候:砂嵐) 【現在のMC参加人数:8】

5

後ろ側を狙う(天候:砂嵐) 【現在のMC参加人数:5】

5

頭部を狙う(天候:無風) 【現在のMC参加人数:7】

5