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死の大地に眠る物【第2話/全3話】

リアクション公開中!

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死の大地に眠る物【第2話/全3話】
基本情報

マスター:森乃ゴリラ
ワールド:アーク
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年01月20日公開!

シナリオガイド

小型の浮遊大陸『死の大地』へ向かい、調査せよ。

シナリオ名:死の大地に眠る物【第2話/全3話】 / 担当マスター:森乃ゴリラ



「――以上、オーフェデリア・コーデリアを大隊長と任命す」
 通信機から父親でもあり領主でもあるエルフィガ・コーデリアの声が通信から届きました。
 それを拝聴しているのはオーフェデリア・コーデリア。実の娘であり、地質学者でもある彼女は新たなる騎士団の大隊長に任命されました。

「畏まりました。全ての民のため、出来うる限り事を行って行きます。……ところでお父様、騎士団のお名前はお決まりですか?」
「うむ、花侯騎士団と名付けた」
「花侯……ですか、それはまた……お父様らしからぬお名前ですね」
 オーフェデリアが驚いたような声を上げると、エルフィガはやや間を置いて咳払いをしました。
「事業が花開くように、と……」
「なるほど、お父様らしい名付けです」
 オーフェデリアが小さく笑えば、エルフィガは言葉を詰まらせました。
 二人の間を静寂が支配します。重苦しいというよりは、お互いになんと声を掛けて良いのか悩んでいる。そのような雰囲気です。

「……では、また――」
「――そういえばお父様、庭園の花をいくつか母の元へ届けては頂けませんか」
 オーフェデリアは通信を終わらせようとしたエルフィガの言葉を遮り、言葉を口にしました。

「ああ、もうそんな時期だったか……お前が持っていってやればいいだろうに」
「私はこちらでの仕事もあります。それに……いつ帰れるかもわかりませんからね」
 先の一件を考えれば、今後同じような事が起きないとは言えません。再び同じようにバルバロイと砂嵐に翻弄され、命を落とす事だってあるかもしれないのですから。
 オーフェデリアが暗にそのような事を伝えれば、エルフィガは再び口を紡ぎました。

「分かった……お前が戻ってきたら、共にいこう」
「そうですね、私が一人で――え、お父様。今なんて仰って」
「それよりも未知の金属を頼む、あれがあれば我が領が飢えることもないだろう。領の維持には定期的な収入が必要となるのだからな」
「いえお父様、そんなことより一緒にって言いました? ねえ、お父様、お父様!? ……切りましたわね、全く自分勝手な人です」
 オーフェデリアは力強く通信機を置きました。

「……いや、仲良しじゃないですか」
 傍に控えていた相馬若葉が呆れた顔で呟きました。
「仲が良いものですか。私は絶対に許しませんよ、他領のものを人扱いしない領主だなんて、絶対に許しません。ああ、今思い出しても腹立たしい……確かにソロバンを叩くのは一番お上手ですが、絶対に許しませんよ」 
「3回も言った……。そういえばオーフェデリア様のお母さんって別の所に住まれているんですか?」
 若葉が問うと、オーフェデリアは静かに答えます。
「いえ、母とは死別しております。あれは墓前に添える花を頼もうとしたのですが……」
「それは……なんかすみません、聞いたらマズい話だったんですね」
「大丈夫ですよ。亡くなって暫く経ちますし、今の話を聞けば誰でも気になる事でしょう。それよりも、どうして今になって一緒に行くと……?」
 今まではお誘いしても頑なに行かなかったのに、とオーフェデリアは呟き、思案します。
 それを眺めていた若葉ですが、こうなっては何を聞いても答えてはくれないと悟り、目の前の書類に目を向けます。

「少なからず心配しているって事なんじゃないかなあ……分かりづらい態度だし、金勘定が一番の人だけど領民の事はちゃんと考えてるし……」
 若葉は呟きましたが、オーフェデリアには聞こえなかったようです。
 彼女はうんうんとうなったまま、何も無い死の大地へ視線を向けました。

◇◆◇

「しかし……やる事が多いですね」
 オーフェデリアのため息が響き渡りました。彼女の周りには壁のように書類が積まれています。
 先の一件、無事に解決へと至ったものの、その傷跡はとても深いものです。何をするのにも人手が足りない。というのが死の大地を統括する彼女の現状でした。

「調査隊も騎士団に生まれ変わって補助やら何やらもらえたのは良かったですね」
 若葉は分厚い書類に目を通し、何やら署名をしている最中です。
「ええ、ですが課題は山積みです。若葉、今の私たちに必要なもの……分かりますか?」
「全部ですかね」
「今後身も蓋もない返答は禁止致します。コホン……幸いな事に先発隊の救助も終え、近場のバルバロイの討伐、居住区の整備も終わりました。そろそろ調査を再開しようかと思います」
「まー、そうですね。動くなら今でしょう、でも、うーん……」
「何か気がかりなことが?」
「色々整っては来ましたが、バルバロイとの戦いを見据えるのであればもう少し調整が必要となります。例えば……地質の調査をするにも人手が必要ですし、人員の育成も然り。それに、拠点だって満足な状況ではありません」
 先の一件を終えたものの、それはあくまで応急手当のようなものです。
 今後を考え、動くのであれば様々な準備が必要でした。

「……困りましたね、ではどうすれば」
「また、募集を掛けてみたらいいんじゃないでしょうか。求ム、開拓者!! みたいな感じで、沢山の人を呼び込んじゃったらいいんじゃないですか?」
 幸いな事に支援金などはそれなりにあります。再び特異者の力を借りるのも悪い案ではありません。
 何せ、手が足りないのは事実です。
 新設した騎士団の騎士は戦う事に慣れたベテランばかりではありませんし、拠点基地の更なる強化や、地質の調査。一番の目的である未知の金属の発見と、やる事は沢山あるのですから。

「ですが、土いじりなど好む人がいるでしょうか」
 オーフェデリアが揶揄したように言えば、若葉は憂いを払拭するような穏やかな笑みを浮かべました。

「まー、その心配もありますが……でも『オーフェデリア大隊長』が活躍するには、万全の準備が必要ですよね?」
「ええ、役職を頂いてしまった以上は、ご期待に応えられるように致しますが……」
 オーフェデリアは前を見据え、表情を和らげました。
「……そうだ、若葉。貴方にも何かさし上げましょうか? コーデリア領の爵位でもいかがですか」
「え、いらない……というか、以前も断りましたよねそれ」
「遠慮せずに」
「いや本当にいらないんですけど……まあ、また援軍要請の知らせを出しておきますね!!」

担当マスターより

▼担当マスター:森乃ゴリラ

マスターコメント

 シナリオガイドの閲覧ありがとうございます。
 今回は全三回を予定している連続シナリオ、その二話目となります。

※味方の足を引っ張るような行為、またはGMに「良い感じに立ち回る」等のお任せ度合いが強いプレイングはこちらで調整させて頂きます。
 とはいえ、私の方でも出来る限りマスタリングなり判定は致しますので、お気軽にご参加下されば幸いです。

◆さっくりあらすじ

 前回のシナリオは こちら です。

 小型の浮遊大陸『死の大地』――。
 それはコーデリア領が王家より賜った土地の一つでした。

 その大地は砂と岩しか見えぬ不毛な土地であり、バルバロイ以外の生物が見当たらない場所です。
 地質学者であるオーフェデリアは、領主であり父親でもあるエルフィガによって死の大地の調査を任されました。
 傭兵と共にやってきて、数日後……彼女らは稀少な金属を発見します。
 それは現存するどの金属よりも強固で軽量、そして加工もしやすい金属でした。

 領主エルフィガは稀少金属の定期的な産出を目論見、調査を続行させました。
 ですが、死の大地特有の気候である砂嵐と、バルバロイの襲撃により調査隊は壊滅に追い込まれ、生き残りはオーフェデリアと相馬若葉2名のみとなってしまいます。
 残る先発隊は砂嵐の中に閉じ込められたまま。救助へ向かおうにも手負いのドラグナーと学者が一人のみ。
 どうしようもなくなった二人と、追加の傭兵を補充しようとしたエルフィガは特異者達に援軍要請を出しました。

 その結果、援軍要請を聞き、訪れてくれた特異者の活躍により、救助者の七割は生還。
 更には王国より支援物資を賜り、拠点基地の強化をする事ができたのです。
 
 しかし、目的である稀少金属は発見できていません。
 オーフェデリアと若葉、ならびに領主エルフィガは再び人を集め、稀少金属の発見をするための下準備を始めました。
 設立した騎士団の戦力強化、地質の調査、衣食住の更なる向上を目指して――。

 というところから今回の、シナリオがスタートします。


◆地形と天候

・小型浮遊大陸『死の大地』

 コーデリア領が王国より賜った新たなる領土の一つです。
 シャングリラからほど近い場所にありますが、降り立たずとも分かるほど、砂と岩しか見えない浮遊大陸です。
 植物や生き物などの姿はなく、気紛れのように異常気象として砂嵐が引き起こされています。平時は風すらない不気味な場所です。
 足場がかなり悪く、ぬかるみのように沈む箇所が多いです。

・異常気象

 死の大地では時折、酷い砂嵐が生み出されます。
 今回はどこも無風となっていますので、砂嵐への対策は不要です。
 しかし、機体との相性が悪い砂塵は至る所にあります。ご注意ください。

・駐屯基地

 現在はプレハブが複数設置されており、小さな村のようになっています。
 現状ではスタンドガレオンやドラグナーといった機体の修理は、大破以外であればある程度行えます。
 ここには地質学者であるオーフェデリアがシャングリラより持ち込んだ草花が植えられていたり、畑なども設置されています。
 多少不便を強いられる事もありますが、それなりには暮らせます。

・コーデリア領

 シャングリラにある領の一つです。あまり裕福ではなく、商家の先祖が成り上がりで賜った爵位を継いできたので、王国内での地位は低いです。
 領主はエルフィガ、その一人娘にオーフェデリアがいます。貧乏貴族のようなものをイメージして頂ければ幸いです。
 現在、この領は死の大地を探索するにあたり、王国より許可を頂き騎士団を設立しました。
 騎士団の名前は『花侯騎士団』、騎士団にエルフィガ、大隊長にオーフェデリア。先発隊の生き残りや、因子を持っている領民で構成されています。

◆NPC

・領主 エルフィガ・コーデリア 50歳

 地方の領主ではありますが、商いの才能があり損得勘定で物事を考えています。
 先発隊の被害も「手駒が減った、金がかかる」程度、なんとかして金を稼ぎ、領が豊かになってくれるように動いています。
 また、娘が優秀なせいで領主交代への恐れを抱き、彼女を調査隊に編成した張本人ですが……前回、特異者の活躍やオーフェデリアの奮闘もあり、諸々の考え方を変えつつあります。
 相変わらず横柄な態度ではありますが、娘や領民以外の事を毛嫌いしている様子はみられないでしょう。

 前回、特異者の助言を受け、騎士団の設立を行いました。
 騎士団の名前は『花侯騎士団』、調査隊となんら代わりはありませんが、エルフィガが騎士団長に就任しています。

・地質学者 オーフェデリア・コーデリア 22歳

 地方領主の一人娘。野心はあるが、父ほどではない。
 それよりも楽園シャングリラが豊かになり、王国が栄える方に重きを置いています。
 父より調査隊に任命されたことは特に恨んでおらず、国のためになるのであればと、前向きに参加していました。
 物腰は穏やかですが、先発隊に混じるあたり若干じゃじゃ馬気質です。
 商いの才能はありませんが、指揮能力はエルフィガよりも上です。
 エルフィガの態度が柔らかくなった事により、多少戸惑っています。もしかしたらあの頃のように戻れるのかもしれない、という淡い期待があるようです。

 前回、設立された騎士団の大隊長となりました。
 エルフィガが来る予定はないので、実質ここの最高責任者となります。

・傭兵 相馬若葉 16歳

 元々ホライゾンに属していましたが、アークに来てからはドラグナーとして、または行方知れずとなった兄を探すために流離いの旅をしていました。
 その道中、路銀を稼ぐために今回の先発隊に志願。傷を負ったものの、現在は完治済みで元気いっぱい!!
 困っている人を放っておけず、国のために働いているオーフェデリアの事を好ましく思い、傍で支えています。

 何かと爵位を授けようとしてくるオーフェデリアから逃げ回っています。
 爵位なんかもらったら流れのドラグナーができない!! と言って辞退していますが、それはそれでいいかもしれないな。と、ちょっぴり乗り気です。


◆アクションパートについて

①騎士団を強化する(天候:無風)

 新設された騎士団には救助された先発隊だけではなく、新たに因子持ちのコーデリア領の民も加入しました。
 先発隊の人はある程度戦えますが、加入したばかりの民はそうとも言えません。
 戦闘経験が無かったり、初めてドラグナーやスタンドガレオンに搭乗する者。トルバトールとして詩を紡いだことがない。ジオマンサーとして来たけど不安しかない……、マシーナリーとしての経験が浅くて難しい物の修理は無理!! なんて人もいます。

 座学でも構いませんし、実技でも構いません。
 思い思いの方法で団員の戦力強化をしてあげてください。

 ドラグナー、トルバトール、ジオマンサー、マシーナリー。
 上記のうち、三つの育成に関わって頂けると、次のシナリオが有利になります。
 全部まとめて!! は判定が厳しくなりますのでオススメしません。また、同じ因子を持っている方が成功しやすくなります。

②地質の調査を行う(天候:無風)

 こちらでは地質の調査を行います。主なる募集要項は以下の二つ。
 2-1 オーフェデリアの地質調査の手伝い
 2-2 調査地のバルバロイ討滅
 
 地質調査をする手伝いが前者、戦闘をしたい方向けの後者となっております。
 手伝いに関しては方法は様々です。サポートに徹したり、独自の地質調査を行う。どちらでも構いませんし、それ以外に手伝える事があればそれでもOKです。
 調査の休憩でお茶を振る舞ったり、炊き出しをするなんて事も良いかもしれませんね。

 バルバロイの討伐に関しては調査の邪魔立てをする仇敵を屠り、彼女の調査がスムーズにいくよう計らって頂ければ幸いです。
 今回は砂嵐もなく天候は無風。レーダーの使用が可能となります。

 どちらも内容に制限を設けておりません、オーフェデリアと一緒にこの大地の地質を調べましょう。

 こちらのパートが上手くいけば、最後のシナリオでは地形特有のデバフを無効化する事ができます。
(ぬかるみに足を取られなくなる、砂に埋もれる事が無くなる、砂塵による機体トラブルが起きなくなるといった感じです)
 特に条件はありません、お気軽にご参加ください。

③駐屯基地で働く人々を助ける(天候:無風)

 前回強化したプレハブ造りを、より堅牢なものにしていきます。
 とはいえ、前回のシナリオで建築に携わるNPCや、物資輸送を行うNPCを誘致する事ができましたので、特異者の方に建築や物資輸送をして頂く必要はありません。
 その代わり、この地で働く人達が快適に過ごせるようなサポートをお願いします。

 例としては、駐屯基地に携わる人達に楽しんで貰えるような催しを開いたり、沢山の食事を作って振る舞ったり、働いている人や救助隊の方々に癒やしを与える。楽しませるために何かをする……なんて事も良いかもしれません。
 勿論これ以外の方法でもOK。思い思いの方法で駐屯基地の人々を助けてあげてください。

◆マスターコメント
 連続シナリオ、第二話となります。今回はやや日常よりです。
 ご都合が合えば、是非ご参加下さい。
 皆様のご参加、心よりお待ちしております。

騎士団を強化する(天候:無風) 【現在のMC参加人数:8】

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地質の調査を行う(天候:無風) 【現在のMC参加人数:8】

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駐屯基地で働く人々を助ける(天候:無風) 【現在のMC参加人数:3】

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