クリエイティブRPG

死の大地に眠る物【第1話/全3話】

リアクション公開中!

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死の大地に眠る物【第1話/全3話】
基本情報

マスター:森乃ゴリラ
ワールド:アーク
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2021年12月23日公開!

シナリオガイド

小型の浮遊大陸『死の大地』へ向かい、調査せよ。

シナリオ名:死の大地に眠る物【第1話/全3話】 / 担当マスター:森乃ゴリラ


 乾いた砂の匂い、血の臭い、硝煙の香り。
 そして忍び寄るは死への手招き――。

 シャングリラからほど近い小型の浮遊大陸『死の大地』は惨憺たる有様でした。

「誰か居ないの、返事して!!」
 声を荒げたのはドラグーンアーマーに搭乗している少女、相馬若葉でした。
 割れたコックピットから入り込む砂嵐に目を細め、辺りの様子を窺いながら仲間に通信を飛ばしていましたが……それに応える者は誰一人いませんでした。

「全滅した……? それすらも分からないとは……砂塵が機体に入り込んだ……? いや、違う。おそらくは天候のせいね」
 辺り一面、恐ろしいほどの砂嵐が吹き荒び、搭載されたレーダーもジャミングされているのか点灯を繰り返しています。

 視界と聴覚を狂わせる嵐の中、探索を続けていた若葉はドラグーンアーマーの足元に何かを見つけました。
 半分程度砂に埋もれてしまっていますが、見慣れた形をしています。

「これは……スタンドガレオン!! 誰かいる!? お願い返事をして!!」
 若葉が通信を飛ばすと、音の嵐に紛れ、か細い女性の声が返ってきました。
「――こちら、オーフェデリア……」
 声の主はオーフェデリアです。彼女は死の大地に調査へ来た地質学者であり、同時にこの浮遊大陸を所有する領主の娘でした。

「オーフェデリア様、よくぞご無事で!!」
 若葉は半壊したスタンドガレオンのトラップをこじ開け、ドラグーンアーマーの手にオーフェデリアを乗せました。砂嵐から庇うようにアーマーの手でそっと包み込むと、オーフェデリアは携帯タイプの無線で若葉に通信を飛ばします。

「若葉!! 無事だったのですね、他の方は?」
「生憎なことに他は分からずじまいですが……先の戦いの具合からして相当の死者は覚悟してください。とにかく、我々だけでも駐屯基地へ戻りましょう」
「ですが……皆様を放っておくわけには!!」
「大丈夫ですよ。我々は傭兵ですからタダじゃあ死にません。それよりも、早くここを離れなければ私達まで砂に埋もれてしまいます」
「……分かりました。戻り次第、お父様に通信を送ります」

◇◆◇


「――さま、お父様!!」
 領地コーデリア。その中央に位置する領主の館に、悲痛な声が響き渡りました。
 声は通信機から届けられており、その前には身なりの良い老人がこめかみをトントンと叩きながら眉を寄せています。

「聞こえておる、オーフェデリア……」
 男はこの地の領主、エルフィガという男です。
 落ち窪んだ目を伏せ、何やら考え事をしている様子でした。

「先発の調査隊はバルバロイの群れによって壊滅に追い込まれました。確認できる生存者は私を含め二名のみ……おそらく死者もいるでしょう。ですが、取り残された者達はまだ助かるかもしれません。迅速な救助を――」
「喚くな。貴族の娘が見苦しい声を出すんじゃない、誰かに聞かれたらどうする」
 早口で捲し立てるオーフェデリアとは違い、エルフィガは紅茶でも楽しんでいそうなほどゆったりとした口調で彼女の嘆願を遮りました。

「そのような事を言っている場合ですか!!」
「先発隊は金に群がってきた傭兵どもだ。危険など承知の上で此度の調査に乗り出しただろうに。何を慌てる必要がある」
「傭兵であろうとなかろうと、彼らはアーケディア王国の民ではないですか!!」
「そうだな。……だが我々の統括するコーデリアの民ではない」
 領主エルフィガは小さなため息を落としました。
 聞き分けのない子に接するように言葉を続けます。

「冷静におなり、我が娘よ。そんな事より”アレ”は見つかったか?」
「そんな事……?」
「見つかったのかと聞いているんだ。あの、希少金属が見つかったのかどうかを――」


◇◆◇



「お父様の分からずや……いえ、人でなし!!」
 オーフェデリアは通信の途絶えた通信機を握りしめ、憤怒の表情を浮かべました。
 自領の民でない者への扱い方や、人の命よりも己の利益を心配するような言い方がどうしても許せず、噛みしめた唇は色が変わってしまうほどでした。

「オーフェデリア様……」
 オーフェデリアを気遣うように寄り添ったのは、先程共に基地へ戻ってきた若葉です。
 彼女は痛む身体を押さえながら、オーフェデリアから通信機を取り上げました。それに合わせ、止血用に巻いていた包帯からは血液がしみ出してしまいます。

「若葉……!! あなた傷が!!」
「問題ないですよ。生きてはいるので……まあ、エルフィガ様の仰ることも一理あります。今は楽園シャングリラに辿り着いたばかりですし……コーデリア領の維持で頭がいっぱいなのでしょう」
 アーケディア王国は楽園シャングリラを第二の故郷として基板を整えている最中でした。
 バルバロイとの戦いが勝利で終わったとはいえ、その傷跡はとても深いものです。
 更にはシャングリラの開墾という任務まで仰せつかっているこの現状、資金を含めた何もかもが足りない、というのがコーデリア領の現状でした。

「だからこそ、この大陸の調査が必要なんですよね?」
 若葉は辺りを見回します。
 辺り一面、全てが砂と岩に覆われている赤土色の世界でした。
 シャングリラとは何もかもが違うこの場所は、コーデリア領が所有している浮遊大陸の一つです。
 それの調査に訪れたのがつい先日、偶然発見した希少金属の流通を確保するため、先発隊は大陸の奥地へと目指していましたが……道中、バルバロイの襲撃と、酷い砂嵐によって壊滅させられてしまったのです。

「ええ、この浮遊大陸……『死の大地』で発見された希少金属、それが定期的に産出できるのであれば、コーデリア領は今よりもっと……いえ、王宮より勲章を賜る事だって可能でしょう」
「その金属ってどんなものなのですか?」
「未知の金属ですが、軽量で加工がしやすく、とても丈夫な金属です。……おそらく、現存しているどの金属よりも高性能でしょう」
「なるほど、それが沢山採れればコーデリア領は安泰、と」
 エルフィガの物言いも理解ができる、と若葉は大きく頷きました。

「ともかく、私達も後発の隊を集めましょう。お父様も希少金属を逃したくはないでしょうし、人を集めてはくれると思いますが……若葉も外法の者らへ声を掛けて頂けませんか」
「ええ、私の方も通信で声は掛けてみます。一時とは言え、隊を組んだ仲間たちの安否も気がかりですからね。出来うる限りの事はします」

「ありがとう、若葉。全てはコーデリア領……いえ、アーケディア王国の為です」
 オーフェデリアは立ち上がり、砂嵐の方角へ視線を移しました。

担当マスターより

▼担当マスター:森乃ゴリラ

マスターコメント

 シナリオガイドの閲覧ありがとうございます。
 今回は全三回を予定している連続シナリオとなっております。

※味方の足を引っ張るような行為、またはGMに「良い感じに立ち回る」等のお任せ度合いが強いプレイングはこちらで調整させて頂きます。
 とはいえ、私の方でも出来る限りマスタリングなり判定は致しますので、お気軽にご参加下されば幸いです。

◆さっくりあらすじ

 シャングリラを第二の故郷とする事を叶えたアーケディア王国。
 地方領主はこの機会を足がかりに、己の立ち位置を確立しようと躍起になっていました。

 その中でも、人一倍野心があったのがコーデリア領のエルフィガという領主です。
 彼は自分の領土である小型の浮遊大陸『死の大地』の調査を、地質学者でもあり、娘でもあるオーフェデリアと傭兵の先発隊を任せました。
 彼らの活躍によって、先発隊は未知なる希少金属を発見します。
 現存するどの金属よりも優れた性能を持つその金属があれば、コーデリア領はもっと豊かになる。同時に王国内での地位も向上すると踏み、領主のエルフィガは調査を続行させます。

 しかし、その道中。バルバロイの群れと異常気象にかち合ってしまい、先発隊はオーフェデリアと相馬若葉を残して行方知れずとなってしまいます。
 
 領主エルフィガと地質学者オーフェデリア。
 それぞれの考えを胸に、あなた方特異者に援軍要請を、あるいは後発隊の傭兵を集います。

 というところから、シナリオがスタートします。


◆地形と天候

・小型浮遊大陸『死の大地』

 コーデリア領が王国より賜った新たなる領土の一つです。
 シャングリラからほど近い場所にありますが、降り立たずとも分かるほど、砂と岩しか見えない浮遊大陸です。
 植物や生き物などの姿はなく、気紛れのように異常気象として砂嵐が引き起こされています。平時は風すらない不気味な場所です。
 足場がかなり悪く、ぬかるみのように沈む箇所が多いです。

・異常気象

 死の大地では時折、酷い砂嵐が生み出されます。
 この嵐が起きるとレーダーなどの位置特定機能が使えなくなってしまいます。
 視界も悪いのですが、こちらは全く見えないという訳ではありません。
 また、砂嵐のせいで音が届きにくくなっています。領域中和のために星詩を紡ぐのであれば、味方と至近距離での連携が必須となるでしょう。

 更に、長時間砂嵐の圏内に留まっていると、砂によって身体が埋もれていきます。
 足場に柔らかい砂がドンドンと積もっていくので、ぬかるみのように足を取られてしまう可能性もあります。ご注意下さい。

・駐屯基地

 死の大地に設置された名ばかりの拠点です。砂嵐をそれなりに防げるテントがいくつか設置されている程度で、物資や設備などは整っていません。
 現状ではスタンドガレオンやドラグナーといった機体の修理も最低限しか行えず、若葉のドラグーンアーマーも今回は出陣できません。
 ここには地質学者であるオーフェデリアがシャングリラより持ち込んだ草花が植えられ、地質の調査を行うための研究所でもあります。

・コーデリア領

 シャングリラにある領の一つです。あまり裕福ではなく、商家の先祖が成り上がりで賜った爵位を継いできたので、王国内での地位は低いです。
 領主はエルフィガ、その一人娘にオーフェデリアがいます。貧乏貴族のようなものをイメージして頂ければ幸いです。


◆NPC

・領主 エルフィガ・コーデリア 50歳

 地方の領主。野心が高く、領民以外は物として認識しています。
 先発隊の被害も「手駒が減った、金がかかる」程度です。
 なんとかして金を稼ぎ、今の地位を脱したいと考えています。
 また、娘が優秀なせいで領主交代への恐れを抱き、彼女を調査隊に編成した張本人。
 特異者への態度も横柄で高圧的ですが、報酬はきちんとくれます。

・地質学者 オーフェデリア・コーデリア 22歳

 地方領主の一人娘。野心はあるが、父ほどではない。
 それよりも楽園シャングリラが豊かになり、王国が栄える方に重きを置いています。
 父より調査隊に任命されたことは特に恨んでおらず、国のためになるのであればと、前向きに参加していました。
 物腰は穏やかですが、先発隊に混じるあたり若干じゃじゃ馬気質です。

・傭兵 相馬若葉 16歳

 元々ホライゾンに属していましたが、アークに来てからはドラグナーとして、または行方知れずとなった兄を探すために流離いの旅をしていました。
 その道中、路銀を稼ぐために今回の先発隊に志願。傷を負ったものの、それなりに頑張る予定。
 困っている人を放っておけず、国のために働いているオーフェデリアの事を好ましく思い、傍で支えています。


◆アクションパートについて

①先発隊の救助に向かう(天候:砂嵐)

 バルバロイと異常気象によって壊滅した先発隊の救助です。
 若葉がメモしたポイントには、ドラグーンアーマーやスタンドガレオンといった機体の残骸が転がっています。
 生存者はバルバロイから逃げ果せて岩場に隠れたり、トラップが壊れてしまった機体の中に閉じ込められたりと様々です。

 参加者の方には『生存者を探し当てる』『救出して手当をする』『壊れたドラグーンアーマーを持ち帰る』
 などなど、ダブルアクションにならない範囲であり、且つ今後の展開に有利となりそうな動き方ならば制限は設けません。上記以外も大丈夫です。

 天候は砂嵐。これは『死の大地』で時々引き起こされる異常気象です。
 視界が悪くなり、砂嵐のせいでレーダー関係は上手く動作してくれません、その辺りの対策はお忘れ無く。

 上手く救出すると生存者の数が増えます。
 あとオーフェデリアからの好感度が上がります。シュイーン。

②バルバロイを殲滅する(天候:砂嵐)

 オーフェデリアと若葉から援軍要請を受けた場合は①の手助けとして。
 エルフィガから援軍要請を受けた場合は鉱石を探すための殲滅要員となります。
 目的は違いますが、やることは一緒。バルバロイの殲滅です。

 砂嵐に紛れているのはムカデを模した小型のバルバロイたち。地中に紛れたり、岩場やドラグーンアーマーの残骸に巻き付いたりしています。
 救助と同じく、異常気象である砂嵐のせいでレーダー関係は上手く動作してくれませんので、対策はお忘れなく。
 星詩での領域中和も、その範囲がぐぐっと狭められてしまいます。

 悪天候の中、上手く数を倒せれば、以後のシナリオがグッと楽になります。

③駐屯基地を強化する(天候:無風)

 心許ないテント造りの駐屯基地を強化していきます。
 強化に必要な物資を運搬をしたり、技術を持つ者を誘致して建物を作ったり、あるいは自分で作成したり……。
 上手くプレイングして頂ければ、テント造りの駐屯基地はプレハブのような簡易拠点にグレードアップすることができます。
 グレードアップできれば、2話目以降、簡易の機体修理や弾薬の補充が可能となります。

 【駐屯基地に必要なものリスト】
  1.建物の作成(テントからプレハブのような簡易拠点に)
  2.物資の運搬(機体の修理に必要なものや、建物の作成に必要なものの運搬)

  上記二つをなんとかできそうなプレイングを頂ければ成功とみなし(人数は関係ありません)、二作目の拠点がグレードアップ致します。
  ここに書かれていなくても、駐屯基地の強化に必要そうな行動であればそれを加味して拠点が変わっていく予定です。
  ただ、現状ではプレハブ程度の簡易拠点が精一杯、とお考え下さい。ビルのような大型の建造物なんかはもうちょっと時間が要りそうです。
  
  ※アーク以外の建造物は直接設置することができませんのでご注意下さい。


◆マスターコメント
 初めての連続シナリオとなります。
 ご都合が合えば、是非ご参加下さい。
 皆様のご参加、心よりお待ちしております。

先発隊の救助に向かう(天候:砂嵐) 【現在のMC参加人数:8】

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バルバロイを殲滅する(天候:砂嵐) 【現在のMC参加人数:8】

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駐屯基地を強化する(天候:無風) 【現在のMC参加人数:4】

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