クリエイティブRPG

【テスタメント】”神”なき世界に迷える羊

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【テスタメント】”神”なき世界に迷える羊
基本情報

マスター:相田紘一
ワールド:テルス
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:150ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年02月07日公開!

シナリオガイド

混迷の世界に滅びゆく国を救え!

シナリオ名:【テスタメント】”神”なき世界に迷える羊 / 担当マスター:相田紘一



 神なき世界、テスタメント

 創造神が去り、神の理が失われたことで、世界を束ねる法則が消え去った世界。

 そこでヒトは、ヒトの理を作り、神の代わりに世界を束ねる法則を作り上げて、その安定のもとに、文明を構築・発展させてきました。

 しかし、増えすぎたヒトは多様な価値観を持ち、それにより旧来のヒトの理を否定するものも現れました。

 このままでは、世界を束ねる法則が破綻し、世界は無数の欠片に砕け散ってしまいます。

 それを恐れたヒトたちは、従来のヒトの理を破却し、新たなる神を創造することで世界を束ねる法則を委ねようとしました。

 ですが――新たなる神を作り出すということは、その創造者が神に最も近いものとして世界に君臨することを意味していると受け止めるものもいました。多様化したヒトは、そのような画一的独裁に恐怖し、神造りを妨害しました。

 多くの血が流れたテロの後、それでもなお神を作ろうとするヒトたちと、それに反対するヒトたちは鋭く対立し、前者はフリートラント共和国、後者はポラニア連合王国に別れ、世界の破綻は身近に迫っていました。



「あれ?」

 ポラニア連合王国最大の都市圏、ウランカ大都市圏の雑踏の中、ひとりの少年が摩天楼の隙間の狭い空を見上げました。

「母さん、空にお船が浮かんでいるよ?」

 つられて空を見上げた母親が見たのは、戦列を組んだエアロシップの艦隊と、そこから降下してくるメックの大群でした。

「一体どうして……」

 次の瞬間、疑問は爆発によって燃え尽きました。メックとエアロシップから放たれる砲撃が、親子を始めとする無数の人々を消し炭に変えたからです。

 これが、フリートラント共和国によるポラニアへの奇襲攻撃――「統一戦争」の幕開けでした。



「ウランカ大都市圏の占領に成功! 我が方の被害は軽微!」
「国境方面でも、我が軍は圧倒的勝利を収め、追撃戦に入りました!」

 次々に届く戦況報告を、精悍な風貌の壮年の男――フリートラント共和国総統、カール・フリードマンは物憂げに聴いていました。

「本来ならば、するべくもなかった戦争なのだがな」

 彼は内心、この決断を下すまで、ポラニアが妥協に応じるという期待を捨てきれませんでした。しかしポラニアは新たなる神、人工神格レーゲルの共同開発を頑なに拒否し、ヒトの理であるポラニア正教にしがみついていたのです。だから、彼は人工神格の創造に必要な巨大な国力を欲し、敵対者であるポラニアの打倒を欲し、戦争を決意したのです。

 総統はふと、執務机から壁に描かれている巨大な壁画に目を移しました。人々が手を取り合い、輪になって踊る、ロマン主義風の絵画。それは、かつての盟友より送られた、ポラニア正教の理想を掲げた宗教画でした。

 ややあって、彼はつぶやきます。

「今さらヒトの想いを束ねることなどできん。ならば新たなる神が理をもたらすことが世界を救う道と、何故わからんのか」

 総統は憂いを深くし、この戦争がせめて短期間で終わり、世界が早く修復されることを希望しました。



「フリートラントの侵略は、ヒトとヒトとの調和と協同を脅かし、世界を破滅に追いやるものです。これに対し、我がポラニア連合王国は、自衛の権利を行使します。ポラニア正教の教えに従い、共に手を取り合い、団結し、心をひとつにして、フリートラントの侵攻を食い止めましょう」

 少女の面影を残した女性――ポラニア連合王国議会王、エカチェリーナ・ピウスツカ・ソビエツキは国民に向けてこのように演説しました。しかし内心では葛藤があります。

 ――今のポラニアでは、フリートラントに勝てない。今のポラニア正教では、ヒトの心をひとつにまとめられない。

 それは彼女にとっては明瞭な真実であり、にもかかわらず、いやそれだからこそ、国内の輿論をまとめきれず、フリートラントと戦争になったことを悔やんでいました。

「ヒトが本当に心をひとつにすることは、果たして可能なのでしょうか……」

 演説後、私室でひとりになった彼女は、深く思い悩みます。そして、かたわらのポートレートに目を移します。

「父さん……今私は、間違ったことをしているのでしょうか?」

 そこには、彼女の父とフリートラント総統、そして幼き日の自身が写っていました。彼女の父は、かつて人工神格レーゲルの創造に同意した政治的同志であったのです。しかし彼は、ポラニア内部の政争によりテロで命を落としました。そのため、エカチェリーナ自身も、父の思いを受け継がなければならないという思いと、今侵略してきているフリートラントに対抗しなければならないという思いに引き裂かれそうになっていました。

 そこへ、彼女の盟友であるポラニア王冠領ヘトマン――すなわち近衛軍司令官である妙齢の女性、アレクサンドラ・フィグネルが現れました。彼女はエカチェリーナに対して告げます。

「エカチェリーナ様。あなたは正しいことをしています。ウランカを焼いたフリートラントの蛮行は、彼らが大義に取り憑かれ、ヒトとしての正義を忘れていることを示します。そのような者たちに、新たなる神など作れようはずがありません。それは偽神です。あなたは、あなたの大道を見つけ、そして進んでください。不肖私めも、あなたの剣として盾として、その身をお守りいたします」

「――ありがとう」

 エカチェリーナはアレクサンドラの言葉に励まされ、目尻に浮いた涙を拭くのでした。

 そのふたりの背景には、壁に描かれている巨大な壁画――奇しくもフリートラント総統執務室に飾られているものと対になるそれがありました。



 そしてアレクサンドラは、首都リーガ大都市圏へと迫りくる敵軍に敗退したポラニア軍をまとめ、首都の水源地であるリーガ・ダムの奪回により、首都への水供給を回復し、首都の無条件降伏を押し止める作戦を決行しようとしていました。戦力を陽動部隊と奇襲部隊に分け、陽動部隊でフリートラント軍の予備をひきつけ、手薄になったリーガ・ダムを精鋭奇襲部隊で奪回するのが、彼女のプランでした。

 そこに、あなたたち特異者が、ゲートをくぐって現れたのです。

 エカチェリーナは言います。

「人々の平和と明日のために、皆様の力を貸してください」

 アレクサンドラは言います。

「諸君らは私と共に闘い、この国を守ってほしい」

 あなたたちはそれを、どう受け止めるのでしょうか?



 ――神なき世界においては、ヒトの意志が試されます。

 ――あなたたち特異者は、この世界を救えるのでしょうか?

 ――あなたたち特異者は、ヒトの愚かさを赦せるのでしょうか?

担当マスターより

▼担当マスター:相田紘一

マスターコメント

 マスターの相田紘一です。このシナリオは、テルスの小世界【テスタメント】のキャンペーン第1回に当たります。
 召喚された特異者たちは、ポラニアとフリートラントという国家間の戦争に巻き込まれながら、ポラニアの側に付き、世界を救うため戦うこととなります。
(キャンペーン中の特例を除き、フリートラントの側につくことはできません。為念)
 特異者たちを召喚したポラニアは決して善ではなく、敵対するフリートラントも悪ではありませんが、それぞれに大義と愚かさを併せ持ちます。
 彼らの対立を解消し、崩壊しつつある世界に安定をもたらすことが、このキャンペーンの一応の目的となります。
 そのための手段としては、軍事的窮地に立っているポラニアを救うため闘うこと、フリートラントとの和平工作を行うことなどが挙げられます。

 それでは、今回のアクションの各選択肢について説明します。

【1】リーガ・ダム攻撃の陽動作戦を行う:難易度4

 リーガ・ダム周辺に布陣している敵守備兵力をひきつけ、リーガ・ダムの電撃的奪回を試みるポラニア軍主力を援護するのが目的となります。この任務にはポラニア軍メック部隊が協力してくれます。成功すれば、選択肢【2】の難易度が1つ下がります。

【2】リーガ・ダムを直接奇襲攻撃する:難易度7

 リーガ・ダムに布陣している敵部隊を奇襲し、リーガ・ダムを奪還します。敵は個々の性能に劣るとはいえ大軍であり、排除はそれなりに困難です。ただし、陽動に成功した場合、難易度は最大5まで下がります。戦場は山岳地形のため、ローラーダッシュは使えません。

【3】対フリートラントパルチザンとの連携を図る:難易度3

 フリートラントに国土の大半を占領されたポラニアですが、戦線後方の占領地には組織だったパルチザンが潜伏しています。これらと連絡を取り、フリートラントの後方連絡線に圧力を掛けたり、戦略情報を入手したりします。この選択肢でも、行動によっては選択肢【2】の難易度が1つ下がります。

【4】ポラニア政治の正常化を図る:難易度4

 ポラニアは現状挙国一致体制にありますが、内部では政治的な主導権をめぐる暗闘が繰り広げられています。特に顕著なのが講和派で、ポラニアを無条件降伏させることで自己一身の保身を企てています。また、抗戦派の中にも貴族主義者が存在し、議会王の権威を何とかして失墜させようとしています。これらに対抗し、ポラニアの挙国一致体制を名実ともに確立します。

【5】その他:難易度1

 上記に当てはまらない行動を行います。NPCと触れ合う、商売を行う、一市民として暮らすなどです。

■小世界ローカルルール

 テスタメントでは、魔力が枯渇している代わりに人間の意志が世界法則を改変しうるため(詳しくは「テスタメントにおけるアバター」欄参照のこと)、キャヴァルリィやメタルキャヴァルリィの魔力ドライブ炉の代わりに、人間の意志を用いて世界法則を歪め、無からエネルギーを発生させる「インテンション・ドライブ」という駆動手段を用いることが可能です。
 テスタメントに送り込まれた特異者のキャヴァルリィやメタルキャヴァルリィ、エアロシップや戦闘機など、魔力ドライブ炉で稼働する兵器は全てこのインテンション・ドライブにより置き換えられます。性能などはそのままです。

 また、テスタメントでは、人間の意志が世界法則に干渉しうるため、強い意志を持つ特異者は、不安定な世界法則に干渉し、自分に有利な結果を出すことができます。
 この現象は「ラウム・テスタメント」と呼ばれ、自分に身近で小さなことであれば強力な効果を生みますが、より広く大きなことであればあるほど効果は薄れていきます。
 具体的には、アクション中1回のみ、限定的に望みを叶えることができますが、例えば必中攻撃などを行うなどの小さな望みは成功しやすく、全軍の勝利を望むなどの大きな願いは失敗しやすいです。基本的にはアクション内容で成功失敗を判定します。

■世界設定・地図など

◆テスタメントにおけるアバターの認識について

 テスタメントにおいて、テルスのアバターは以下のように認識されています。
 全体に、テスタメントにおけるテルスのアバターは、神や魔法が存在しない代わりに、その結果としてある不安定な世界法則と曖昧な現実を、意志の力で改変し都合よく捻じ曲げる「法則改変」という形で、魔法同様のことが可能なため、魔法使いや神官は法則改変者とみなされます。法則改変者は強い意志による恣意的な法則改変が可能なため、常に重要人物、そして要注意人物として扱われます。

・トルーパー
 テスタメントでは、トルーパーは最低限の法則改変能力を持つ法則改変者として扱われます。トランスヒューマンやサクセサーの素体として、ふるいにかけられるものも多いでしょう。

・コマンダー
 テスタメントでは、コマンダーは魔法使いではなく、士官としての教育を受けている法則改変者とみなされます。

・オペレーター
 テスタメントでは、オペレーターは神官ではなく、作戦補佐を行う法則改変者とみなされます。

・シビリアン
 テルスのシビリアンと、際立った変化は特にありません。ただし、テルス世界より現代的な生活をしているでしょう。

・センチュリオン
 テスタメントのセンチュリオンは、軍功を上げただけでなく小部隊戦術の教育も受けて折り、それをもとに有効な法則改変を行えるとみなされます。

・トランスヒューマン
 テスタメントでは、トランスヒューマンは神なき世界における新しい人類の姿、優れた法則改変者のエリートとしてみなされます。そのため待遇は良いですが、一方で嫉妬され警戒されることもままあります。

・サクセサー
 テスタメントでは、サクセサーとは、今はなき創造神が去り際に残した「世界の秩序の守護者」またはその後裔です。そのため、サクセサーは人々の模範たるべき存在としてみなされます。そうしている限りにおいては、最大限の厚遇を受けられるでしょう。

ゼネラル
 テスタメントでゼネラルとは、広域に法則改変を展開できる法則改変者であり、なおかつ上級士官としての高等教育を受けているエリートとしてみなされます。

■テスタメント世界設定詳細並びに地図について

 テスタメントの世界設定と地図をマスターページに記述しておきます。アクションのご参考になれば幸いです。

リーガ・ダム攻撃の陽動作戦を行う 【現在のMC参加人数:8】

4

リーガ・ダムを直接奇襲攻撃する 【現在のMC参加人数:10】

7

対フリートラントパルチザンとの連携を図る 【現在のMC参加人数:8】

3

ポラニア政治の正常化を図る 【現在のMC参加人数:1】

4

その他 【現在のMC参加人数:8】

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