皆様初めまして、或いはお久しぶりです。当シナリオのマスターを務めます、東雲東と申します。
今回のシナリオは、前回に引き続き小世界「常夜ノ国」を舞台としたシリーズシナリオです。
時系列的には、第一章の終わりから一月程度経過した状態となり、その間に現地のNPCたちが次に向けての準備を整えていたという状況になります。
なお、前回参加されなかった方でも問題なく参加出来ますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
▼これまでの物語
・序章 常夜ノ国
・第一章 不穏の影
また、前回に引き続きワールドガイドを添えておきます。こちらは私の個人ページに掲載されている物と同じ物で、前回のシナリオガイドに掲載された物から内容が更新されております。
既に把握されている方は読み飛ばして下さって大丈夫です。
■ ■ ■ ワールドガイド ■ ■ ■
●世界観
日本の江戸時代初期程度の文明レベルの和風ファンタジーな世界です。
地理や地名、風習などは日本に近しいものがありますが、完全には一致せずやはり地球とは異なる世界だと感じるでしょう。
一番の違いは、常に夜の世界であり、人・妖怪・幽霊などが共存するという点です。(※現地の住民は月明かりの強弱で昼夜を定義しています)
また、大きな争いや世界を滅ぼすような厄災もなく、現時点では比較的平和な世界となっているようです。
大和近郊に新たに生まれた小世界ですが、三千界が裏世界と繋がった事で神州扶桑国の力も流入し、大和及び神州扶桑国の装備や能力が十全に機能します。
それ以外の世界の力については、基本的に従来の世界で別世界の装備を使うのと同様の制限を受けますが、機械文明の発達した世界の装備や能力には特に強い制限が掛かります。
具体的には、メインアバターが大和もしくは神州扶桑国のものだった場合、或いは使用予定の装備やスキルが全世界共通で扱えるものだった場合でも、”「からくり仕掛け」の範疇を超え、個人で携行出来ないような機械”や、”科学技術に由来し広範囲に影響を及ぼす大規模な特殊能力”は、機能不全を起こしてしまうことになります。
乗り物で言えば、バイク程度ならぎりぎり動きます(最速でも一般人の全力疾走程度かつ、燃費も悪い)が、乗用車より大きい物は起動さえ出来なくなります。
●地理
・武蔵
常夜ノ国の首都。政治などの中心であり、人口も最も多いです。
天帝によって統治され、様々な場所から多くの人や物が集まってくるため、非常に賑わっています。
・出雲
武蔵から遠く、西にある大きな都市です。
霊脈の集合地であるため、土地そのものの持つ霊力が非常に強い地域で、信仰の中心地となっています。
朝廷の統治下にはなく、姫巫女を象徴とする”大社”による自治が認められています。
・摂津
出雲からやや南東に位置する都市です。
土地は狭いですが海に面しており、海運を始めとした交易の中心地として商業が発達しているため、活気は武蔵や出雲に負けていません。
天帝によって任命された領主が統治を行っていますが、特に大きな幾つかの商店が強い発言力を持っています。
・山富(やまと)
摂津のすぐ東に位置する地域です。
桜の名所としても知られ、春には花見客で賑わう事になります。平時は邪妖の棲息域となっており立ち入り禁止となっていますが、その時期だけは有志によって邪妖の掃討が行われ、一般人も安全に過ごすことが出来ます。
・霊峰「常磐」
常夜ノ国で最も標高の高い山です。
出雲と武蔵の中間ほどの位置にあり、山頂は出雲以上に強い霊力を宿すため、霊験あらたかな聖域とされています。
山頂には「月の社」と呼ばれる神殿があり、月巫女が守護しています。
・月の社
霊峰「常磐」の山頂にある神殿です。
次代への引き継ぎを済ませた姫巫女が、月巫女と役職を変えて守護しています。
古くから伝わる「特別な物」が納められているらしいですが、一般には公開されていないため詳細は不明です。
※月の社を訪れた特異者には、基本的には”月の割符”が発行されます。そのため、一度でも月の社に訪れていれば、リアクション中や個別コメントでの言及がなくとも、月の割符を持っているものとして行動可能です。
●用語
・人類
「知性を持ち、言語による会話が出来る者」が人類と認められています。条件に外見が含まれていないため、条件さえ満たしていれば人面犬のような存在でも人類の仲間です。
常夜ノ国に生きる人々は、言葉を交わさずともほぼ100%の確率で直感的に人類か邪妖かを見分けることが出来るので、多少の例外はありますが基本的に誤解などは起きません。この直感は、常夜ノ国に訪れた時点で皆様にも備わるものですので、特にアクションなどに記載する必要はありません。
また、非常に夜目が効くため、月の輝きが強い時間帯は月明かりだけでも昼間と同じように活動可能です。
ヒト・妖怪・幽霊などが存在するため、種族や外見を理由とした差別はありません。
また、温厚で暴力を好まない性格の者が多いですが、自衛や邪妖討伐のために戦闘技術を持つ者もいます。
夜しかない世界に生まれたため、太陽光(紫外線)を浴びると火傷してしまいます。
・邪妖
瘴気が集まって生まれた悪しき存在で、本能のままに人を喰らい糧とします。
他世界における「モンスター」や「魔物」という概念に相当します。
妖怪や幽霊とは別の存在であり、彼らを邪妖のように扱うことは最大級の侮辱に当たるので注意してください。
生命体ではないので倒すと瘴気となって霧散しますが、時間が経つと再び邪妖となるため、倒した際は霧散した瘴気を浄化することが推奨されています。
・結界石と邪妖避け
武蔵、出雲、摂津といった都市は、”大社”によって作成された巨大な結界石が街のどこかにあります。
これは、地下に流れる大きな霊脈から霊力を汲み上げ、石に刻まれた術式によって結界へと変換する仕組みで、都市への邪妖侵入を防ぐことが出来ます。
ただし、巨大な霊脈が無ければ使えない、要石の持ち運びが困難など、強力な分だけ制約も多いです。
また、結界の強度が安定するまでは数十年単位の時間を要するため、設置直後であれば強力な邪妖に通過されてしまう可能性があります。
邪妖避けは、結界石と同じように地下から霊力を組み上げる仕組みですが、石の大きさは人頭大程度まで縮小され、刻まれた術式も微妙に異なります。
設置型で起動に儀式が必要なことは変わらないため、持ち運んでいる間は効力を発揮せず、交戦中などには使う事は出来ません。
石を中心に一定範囲が常に浄化されることで。邪妖に近寄りたくないと感じさせる効果があり、起動直後から安定した効果を発揮します。
・五行
常夜ノ国における属性の相性で、陰陽道の五行思想に由来するものです。
通常の邪妖は闇の属性を持ちますが、その土地の持つ属性が大きく偏っている場合は、それに合わせて属性を獲得する傾向にあり、強力な個体は属性に合わせた特殊な能力を持っていることがあります。
なお、物理属性は金、風属性は木として扱われます。また、光属性と闇属性は本来五行には含まれませんが、互いに有効打を与えられ、同属性に対して耐性を持つものとします。
一般に扱われる相性の良し悪しは以下の通りです。
相生:火は土を生み(=効きにくい)、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生み、木は火を生む。
相剋:火は金に強く、金は木に強く、木は土に強く、土は水に強く、水は火に強い。
(※比和や相侮など他の相性については、システムが複雑化してしまうため、発生しないものとします)
(※「火属性の物理攻撃」といった攻撃の場合は火属性として扱い、金属性は持たないものとします)
例:攻撃が火属性の場合。金属性の相手には有効打となるが、土には通じにくく、他に対しては有利も不利もない。
(※PC様がスキルなどを用いずに直接防御する側の場合、ステータスシート上の属性耐性に従います)
●主要人物
・姫巫女 ”梓” (14)
出雲において最も身分の高く、信仰の象徴となる人物です。梓とは役職に付随する名前であるため、本名は別にあります。
相応の立場にある人物ではありますが、まだ若いためにお勤めに飽きると、たまに抜け出しては街をぶらりと歩いています。
本人は完璧に変装して抜け出しているつもりですが、実は側近たちや街の人々にはバレバレで、息抜きになるならと黙認されています。
実は特異者であることが判明しました。異世界を観測したり世界を出る術が存在しなかったので、特異者が訪れるまでは本人も気付いていなかったようです。
・月巫女 ”榊” (31)
梓の母親です。梓と同様に、榊とは役職に付随する名前であるため、本名は別にあります。
現在は出雲を梓に任せて、自身は霊峰「常磐」の山頂にある「月の社」にいます。
月の社から離れられませんが、定期的に梓とは連絡を取り合っており親子仲は良好です。
実は特異者であることが判明しました。異世界を観測したり世界を出る術が存在しなかったので、特異者が訪れるまでは本人も気付いていなかったようです。
・天帝 (82)
武蔵で行政の最高権力者として政治を取り仕切っている老人です。
民の生活を第一に考える善政を敷いており、民からの信頼は篤いです。
かなりの高齢ではありますが、本人はまだまだ壮健であると言っており、事実として合気道の達人でもあります。
また、年齢相応の老獪さも持っています。
・柳生 宗永 (49)
北部地域遠征軍の隊長として、隊の総指揮を務める武人です。
牛頭鬼という妖怪で、巨大な斧を使った力任せな戦いを得意としますが、隊長となるだけあって相応の技量も併せ持ちます。
・柴田 兼友 (28)
北部地域遠征軍の副隊長として、宗永の補佐をしている武人です。
見た目・年齢ともに若いですが、幽霊のため死亡時の状態で固定されていおり、実年齢はもっと上です。生前収めた武術も使えますが、幽霊となってからは陰陽術や巫術の道に進み、今では武術よりも得意となっています。
・近江屋 (65)
摂津にて薬問屋を営む、長身痩躯の男です。
商人の町である摂津の中でも特に規模が大きく、商人たちによる会合でも絶大な発言権を有します。
なお、所詮は中小の寄せ集めと、和泉屋やその商人仲間たちを見下しています。
山富の調査においては、危ない橋を渡る必要はないとして協力を断っています。
・播磨屋 (53)
摂津にて傭兵稼業を営む、筋骨隆々な大男です。
摂津及び出雲周辺の傭兵たちの頭領であり、自身も優れた武勇で前線に立つこともあります。
権謀術数渦巻く摂津商人たちの中でも数少ない中立派で、誰と誰が争っていようとも、金で雇われるか直接火の粉が降りかからない限りは静観を決め込んでいます。
山富の調査においては、手勢を率いて調査に協力してくれることを約束してくれました。
・和泉屋 (60)
摂津にて金物屋を営む、小柄で肥満な男です。
店の規模は中程度と言ったところで、単身では近江屋や播磨屋には遠く及ばないため、同じく中小程度の他店と連合を組み、大店に負けない発言権を持っています。
なお、見下してくる近江屋とは反目しあっています。
山富の調査においては、商人仲間たちと共に物資の調達などで後方支援を行ってくれます。
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続いて各パートに関する解説です。
各項目にある情報精度とは、パート解説の正確さを表します。
壱級:秘匿情報などはなく、予め設定されている正しい情報が全て開示されている状態。全ての情報を信用してよい。
弐級:一部未開示の物もあるが、概ね情報が開示されている状態。出ている情報は信用できる。
参級:未開示の情報が多く、また真偽不明や誤情報なども紛れている可能性がある。信用できない情報が多い。
といった目安になっております。
【1】北部遠征に参加
情報精度:壱級
民間からの希望者を募り、遊撃部隊の編成を終えた遠征軍は、一路北へ向けて進軍を開始しました。上野、越後を経て、最終的な目的地は出羽となります。
第二章は上野から出発し、越後に拠点を設営するまでの行軍を予定していますが、リアクション中にて描写されるのは基本的に越後に入ってからです。
こちらに参加された皆様は、遊撃部隊の一員として戦闘などに参加して頂きます。遊撃部隊に期待される役割は主に
・進軍中の周囲の索敵
・拠点予定地以北の先行偵察
・正規兵が苦戦している場所での戦力的な穴埋め
となります。
序章・第一章に参加されなかった方でも、「実は試験を受けて合格していた」という事で、こちらに参加することが可能ですが、部隊長になることは出来ません。
また、求められる役割が上記三点に加え、戦闘が得意ではない場合は荷運びなど雑用の手伝いや負傷者の治療といった内容になるため、それ以外での仕事を希望する場合、断られる場合がございます。
地形は湿地帯となっており、ぬかるみに足を取られる可能性があります。また、霧と雨によって見通しも悪いです。
出現する邪妖は、人と変わらぬ背丈の鬼、人の肩ほどまである体高の獣型、大型の猛禽よりさらに一回り大きな鳥型などですが、活性化の影響を受けて特殊な能力を獲得した個体も多くいます。
湿地帯ということもあって、水の属性を持つ個体が多いようですが、それ以外の属性を持つ個体もゼロではありません。
また、数は少ないですが一つ目入道と呼ばれる巨大な人型邪妖の存在も確認されています。他の個体よりも一回り程強い上に、強力な土の属性を持ち、火属性の攻撃が効きにくいようです。
【2】摂津の調査
情報精度:弐級
調査の結果、邪妖活性化の中心は山富にあると判明しました。
そのため、”大社”は播磨屋や和泉屋と協力して、山富の調査に乗り出す事を決めました。一般の有志にも協力を依頼しているため、特異者も調査に参加することが可能です。
山富に入った後、その奥地へと分け入り活性化の原因を探ることになりますが、これには播磨屋の傭兵部隊も同行します。
また、和泉屋とその商人仲間たちがかき集めた物資が届き、糧食や傷薬などがそれぞれに分配されているため、装備アイテムとして持っていなくとも、調査に必要な物はある程度揃っているとして構いません。
一方で、摂津の町の中でも不穏な気配が漂っています。
治療院への放火によって、禁制薬物の中毒患者が全滅してしまった事件も記憶に新しく、住民たちは不安を募らせています。
摂津は出雲や武蔵と同じく結界で守られているため、町の中に邪妖は入り込めない筈ですが、梓はこちらにも何らかの形で邪妖が関わっていると見て、調査をするようにと指示を出しています。
こちらのパートで調査を行う皆様は、山富か摂津のどちらかを選んで調査に参加することになります。
【3】武蔵で調査
情報精度:壱級
武蔵で調査を行います。出来ることは前回とほぼ変わりありません。
首都ということもあって様々な人々が生活しており、土産物屋や見世物小屋など観光客相手の店や施設も豊富にあります。
事前に申請しておけば、天帝のいる武蔵城を一部見学することも可能です。
なお、既に遠征部隊は出発しているため、選抜試験は行われていません。
その他にも”こんな所を見てみたい”とアクションに書いて頂ければ、可能な範囲でそれらしい場所を訪れることが可能です。
(※全ての希望を叶えられるとは限りませんので、予めご了承ください)
【4】出雲で調査
情報精度:壱級
出雲で調査を行います。出来ることは前回とほぼ変わりありません。
多様な寺社仏閣や史跡が存在し、様々な伝承などが残っています。”大社”には一般に開放されている区域もあるので、参拝などに訪れることも可能です。
運が良ければ、街の中を歩いている梓に会えるかもしれませんが、邪妖活性化への対処があるため出会える確率は低くなっています。
また、霊峰「常盤」への登山を行う事も可能です。
常盤の山道は整備こそされてはいますが、月の社のある山頂以外では頻繁に邪妖が出現する、修験者の修行に使われるような場所ですのでお気を付け下さい。
登山に最低限必要な道具(防寒着や食糧など)は出雲で購入したことにして構いません。
登頂に成功した場合、月の社の見学や榊との面会が可能です。
なお、戦闘も含まれるため、登山を行う際の難易度は2~4となり、山頂に近付くほどに手強くなります。
出現する邪妖は、犬型や鴉型といった小型の物から熊程度の大型な物まで様々ですが、総じて野生の獣を基にした形状の物となっております。
一度でも登頂に成功した方は、次回以降に登山部分を省略する事が可能となります。
(※MCが登頂していればLCも省略可能ですが、GAの場合は全員が登頂に成功している必要があります)
その他にも”こんな所を見てみたい”とアクションに書いて頂ければ、可能な範囲でそれらしい場所を訪れることが可能です。
(※全ての希望を叶えられるとは限りませんので、予めご了承ください)
【8月31日 追記】
対応ワールドを正しいものに修正しました。