クリエイティブRPG

語れぬ指:約則のひと

リアクション公開中!

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語れぬ指:約則のひと
基本情報

マスター:保坂紫子
ワールド:ローランド
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2021年09月24日公開!

シナリオガイド

偶然は、世に数えるほどしかない。

シナリオ名:語れぬ指:約則のひと / 担当マスター:保坂紫子


※※本シナリオはMC参加ポイント「200ポイント」のプライベートスペシャルシナリオです。※※




 ローランドのある辺境の地。

「放浪者よ。行くのか?」
「はい。出かけようと思います」
「そうか……」
「鱗の君、麗しき貴女よ。私が居なくなると寂しくなるようになったのですか?」
「……リーラレストよ」
「その名前で呼ばないでください」
「……」
「すみません。レジストに呼び出されたのが思ったより不快だったみたいです。貴女に当たるつもりはありませんでした」
「もう日が暮れる。夜は一層と魔物が徘徊しているぞ? 最近は……」
「そうですね。最近は山賊がこのあたりに出没していると聞いています。道中出くわせば厄介でしょう」
「日の出を待って……出立は遅らせられぬか?」
「至急と届いていますからそれはできません。それに私より鱗の君よ、貴女自身の事をまずは考えなさい。山賊が徘徊しているのです。村が襲われるのも時間の問題でしょう」
「何者がいつ来ようが対応は変わらぬよ。知っていよう? 小細工は苦手じゃ」
「そうですか。気は保てますかと案じてあげられない私を許してください」
「心にもないことを言うでない。ただな? これも実験ならば任せよ。おまえとのあの約束の日とは、まこと昨日の事のようで……忘れようもないのだ。おまえが見届けてくれるなら……好きに全うできようぞ」

 それが数日前に交わされた彼と彼女の会話でした。



…※…※…※…




 ローランドに幾つ在る教会のひとつ。
 夜が明けてしばらく経ちますが教会内はまだまだ慌ただしいものでした。
 人員の確認と指示があちらやこちらで間断なく飛び交っています。
 騒がしいのは、魔物絡みの事件が別々の場所でほぼ同時に発生したからです。
 始まりは夜中のことだったようです。
 ひとつは。発見は行商の者で、早馬が辺境の地に魔物とゾンビの群れが出現したのを報せてきました。
 ひとつは。発見も報せもある貴族の主人からのものでした。
 ふたつの事件は関連性は全くありませんが、偶然であるにしても同時に多発したことで教会の対応はとにかく人員を掻き集めることから始まったのです。


 時間はもうすぐ正午になろうかという頃にやっと教会の要請を請けた冒険者達は、それぞれの現場に到着することでしょう。



…※…※…※…




 ローランドのある貴族の屋敷、離れ。

「リーラちゃん。こんな所に居たの。至急ってお願いしたじゃない? おかげで孵化しちゃったわよ。で、なんで足枷つけて地下牢になんか押し込められているの?」
「レジスト……それはすみませんでした。孵化したといいますが、貴方の蟲でしょう? 回収しないのですか? 私は、……山賊に捕まって即日売り飛ばされたんです」
「どこの馬の骨かわかんない女の体(はら)から生まれた子なんて愛せないわー。口に入れるなんていやーよ。 ……奴隷として売られるなんて傑作だわ。リーラちゃんの見かけはただの人間だものね。昔からよく間違われるの、毎回笑えるわ。それよか逃げればいいじゃない」
「……大型の魔物が多くの動く屍と共に出現したという噂を耳にしました」
「あらま話をはぐらかす。そうよ、辺境で大きめの魔物が大量のゾンビと一緒に出たみたい。屋敷(ここ)とその魔物の対応で教会はしっちゃかめっちゃか……なあに、焦ってるの?」
「……、見届けると約束を、して……まして」
「あらま関係者なの。もしかしなくても実験中? でもリーラちゃんは逃げる気ないんでしょ?」
「……奴隷に身をやつしてしまって身動きが取れません」
「天下の魔人様は人間の奴隷になっちゃったから逃げることもできないんですって、わざとらしすぎて聞いて呆れるわ。下手な言い訳ね。困ってないなら助けないわよ? それに仮に助けるとしても先にあたしの用事を片付けてからね? 協力しなさいな?」
「……レジスト。私は――」
「ああ、なるほど。わかったわ? その魔物がリーラちゃんの言ってた鱗の君ね? ――そう、
 『人族を集めて生ける屍に変えて自分の楽園を造ってる』っていう例の竜族の雌!」
「……レジスト」
「なのに逃げないの! 約束までして? ええ、いいわ。気が変わった。任せて? 薄情なリーラちゃんに代わって、あたしが様子を見に行ってあげる」
「レジスト」
「大丈夫よ。リーラちゃんの実験場だものね? 悪いようにはしないわ」
「レジスト」
「ただの魔人風情が、お黙りなさいな」
「……」
「あたしのお願いを蹴ったのはリーラちゃんよ? どっちにしろ獣に堕ちたんだから手遅れ。何もかも手遅れ! だから、 ――あとはわかるわよねぇ?」
「…………ッ!」

 利害の一致はされずに、こうして彼は彼と別行動となりました。

担当マスターより

▼担当マスター:保坂紫子

マスターコメント

 はじめましての方もお久しぶりな方も、こんにちは。保坂紫子と申します。
 どうぞよろしくお願い致します。
 当シナリオは出現した大量発生したゾンビの対応と巨大繭に包まれた屋敷から貴族の令嬢を救出するシナリオとなっております。以下はPL情報も含まれておりますのでご注意ください。


■辺境の村ダルマ(現ダルマ村跡地)について。
 古い地図には名前が載っていましたが現在は名前が消されている大昔に消失した村です。
 ですが、ダルマ村について教会に問い合わせればそれが監視され続けている案件だと知ることができます。所在地は特定できず、大まかな範囲が推測されているだけです。
 監視対象とされた事由は、行方不明者が続き、変わったゾンビが出現するという事件が頻発していた土地だったからです。中心地とされているのがダルマ村跡地ですが、直接村があっただろう場所を調査しても手がかりがありませんでした。
 そして、今回、そのダルマ村跡地にて獣堕ちした竜族がゾンビを伴って出現したのでした。


■辺境の地に出現した邪竜とゾンビについて。
 古樹と竜をかけ合わせたような外見で、下半身はほぼほぼ地中に埋まっています。木の根のような触手を操り、襲撃した山賊を撃退したあとは、ゆっくりと大地を巻き込み成長するように増殖している最中です。
 毒性を帯びているようで土や水など周囲に悪い影響を与えています。
 大量に出現しているのは、ゾンビです。生ける屍です。中には存命中かもしれませんが、判断できる差異は無いでしょう。
 頭上に身長と同程度の長さの巨大きのこが生えているという少し変わった外見をしています。
 種族は人族を中心に、ほぼ人族しかいません。
 見境なくやたらと襲いかかってきますが、それは単純な摂食行動です。

■貴族の屋敷について。
 子息の婚約のお披露目を予定し、多くの者が招かれていました。

■貴族の屋敷、本宅の現状について。
 建物の面影はなく外観は完全に繭の形状をしています。繭は適度な強度と粘性を帯びて素手で千切れないくらいは頑強であり、多くの人間を巻き込んで建物を包んでいます。
 建物内部も糸がみっちりと蔓延って迷路化しています。

■赤い石の宝石を身に着けた娘について。
 貴族の息子の婚約者で、別の家の少し高い身分の貴族の令嬢です。用意された首飾りを身に着けたタイミングで宝石内に存在していた魔界の蟲の卵が孵化してしまいました。屋敷の主人はそれも理由で令嬢の救出を教会に要請しています。
 娘自身は中心地で気を失ってるだけですが、彼女の元から伸びる繭糸とは違う別の糸が、確保した周囲の人間をゆっくりと食しています。
 首飾りに細工も繊細にしつらえられていたのは、世に出回ること憚れるそれは美しい赤い石と謳われる巨大な宝石でした。


■NPCについて。
レジスト・レタディー(レディ)
 銀髪赤眼のダークエルフ。褐色の肌に女性的な美貌を持つ青年。現在は邪竜と大量のゾンビで溢れかえっている辺境の地へ嬉々として赴いています。

リーラレスト・クルクゥリ(クゥ)
 黒髪紫眼の魔人。ヒューマンと変わらない容姿の青年。現在は何をするわけでもなく貴族の屋敷離れである使用人用住居の地下で口唇を片手で覆い同房の奴隷達を眺めています。


■アバター死亡とペナルティについて。
 アバター死亡の判定があるシナリオです。アバターが使用できなくなるというペナルティはありませんが、今後リリースされるローランドを舞台とした保坂のプライベートシナリオにおいて、アクションに制限など追加される可能性があります。

辺境の村。 【現在のMC参加人数:7】

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貴族の屋敷。 【現在のMC参加人数:7】

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