クリエイティブRPG

<スカイドレイクII>ゼンマイ仕掛けのショーグネイト

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<スカイドレイクII>ゼンマイ仕掛けのショーグネイト
基本情報

マスター:るう
ワールド:ガイア
 
 

料金

MC参加:150ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2020年05月01日公開!

シナリオガイド

汽人の民の新空島

シナリオ名:<スカイドレイクII>ゼンマイ仕掛けのショーグネイト / 担当マスター:るう


 “灰色の世界”ガイアの小世界、“雲龍世界”スカイドレイク
 “騎竜帝国”オルド・ハンの侵略に対抗するため、“熱砂の島”ワハート・ジャディーダ“神秘の島”ナヴァアーラヤ“魔窟の島”新龍(シンロン)と旅してきた特異者たち五島連合の特使艦隊は、ついに東の果て“発条の島”新空島(にいそらじま)へとたどり着いたのでした。



 その外見は、まるで石龍島が丸ごと巨大な天守閣に覆われたかのようにも見えました。
 実に、スカイドレイクの常識を覆す光景です……というのも、島全体を建物で覆ってしまうということは、島内で農業を行なえなことを意味するからです。では、この島も新龍島と同じように、食糧供給を太歳に頼っているのでしょうか……? その答えは、すぐに判明するのですが。

 新空島からやって来た水先案内人に促されるままに、天守閣下層の船着場からしばらく辺りを観察してみれば、特異者たちを含む特使艦隊の面々は、通りをゆき交う町人たち『全て』が非常に精巧に作られた汽人であることに気づくのでした。
「この島に“生身の人間”はいねぇのかって? べらぼうめ、俺らからすりゃぁ“生身”ってのは木と金属で出来てるってことで、骨と肉で出来てるおめぇさんらのほうが妙なのよ……おっとと、今のは幕府批判のつもりじゃねぇんで堪忍してくれよ」
 失言に気づいて慌てて口を押さえた町人によれば、この島にいる汽人ではない人間は、数少ない外国人を除けば征西大将軍坂上 桂雲(さかのうえ けいうん)と、その一族である御三家の家系だけとのことでした。船着場に近く、他の島の住民と接触する機会のあった者たちを除けば、この島の多くの汽人たちの認識は、“骨と肉でできた人間”とは坂上将軍家に準ずる者を指す、というものであったことでしょう。
 それが原因なのかどうかは定かでないながら、新空島の人々はおおむね、来訪者たちに非常に友好的に接してくれます……そしてそのことは、当の坂上将軍家の者たちも例外ではありませんでした。



「苦しゅうない。面を上げよ」
 その言葉に特使艦隊からの使者たちが顔を上げると、四十路ほどであろう桂雲は、まるで少年のように好奇心に満ちた表情で、来訪者たちを迎えたのでした。
「その方がらオルド・ハン国の動向を危惧し、我が新空に参ったという報告、老中より聞いておるが相違ないか?」
 将軍は自ら対オルド・ハン同盟に加わることを希望して、新空島はその日のうちに各国との国交樹立と同盟条約への調印を済ませることになります。ところが彼らはオルド・ハン国の脅威を削ぐために惜しみない協力を約束してくれた一方で……その協力をはたしてどのような形で行なえばいいのかまでは、彼ら自身にもよく解ってはいないのです。
 そこで将軍は使者たちに向けて、このような宣告を行なったのでした。

「その方らが新龍に参ったと申すのであれば、新空がオルドの軍勢を退けたことも知っているやもしれぬな。
 しかしながらその実際は……新空の危機に際した時にのみ発揮できる最終手段に他ならぬ。その方らの力とすることは残念ながらできぬ。
 そこで余は老中の阿部 宗観(あべ そうかん)を大老に任命し、互いに何を為すべきかを模索させようと思う。その方らにも忌憚なき意見を求めたい。もしも望むのであれば、城下を見て回るのも良かろう。必要であれば整備通路などにも入れるように手配しようぞ」

 忠実な汽人たちに常に囲まれていたためか、桂雲は使者たちを疑うような素振りも見せず、気前よく許可を出したのでした……が、汽人の民は無条件に将軍に忠誠を尽くし、将軍は無条件に民を信頼するという新空島の社会構造は、悪意ある者たちにとっては格好の餌食でもあったのです。



 新空島内、某所――。

「栄誉あるオルド戦士の我々が、このような屈辱的な任務に就かねばならぬとは……」
「蛮族どもの装いに身を窶し、機械人形を騙して得られる勝利なんぞでは、俺の戦いへの欲望は満たされん」
「両人とも、そのように腐るものではない。大カーンは公明正大な方だ。以前のような大敗をくり返さぬためならば、きっとどのような手段であれお認めくださる……あの阿漕な商人どもでさえ、大カーンは利用の道を選んだのだからな」
 物陰で声を潜めて不穏な会話を行なう一団は、見た目こそ新空風の着物に身を包んでこそいましたが、極秘裏にオルド・ハン国から派遣されていた工作員でした。彼らが密かに抱えているのは……幕府の決定を民に広く知らしめるための触れ書きを、精巧に偽造した木板です。
「良いか?」
 指揮官らしき男は他の工作員らに対し、よく聞かせるかのように語りました。
「以前のハン国の敗北は、力なき民のようにしか見えなかった人形どもが一斉に戦闘形態に変化して、我々を奇襲したからだろう? 我々は決して“戦”に負けたわけではなく、“卑劣な罠”に負けたのだ。
 確かに、偽の触れ書きにより同士討ちを誘発し、混乱に乗じて本国の軍を招くと表現すれば人聞きは悪い……だが戦士たちよ、これは“あらかじめ罠を踏みつぶしている”だけの話。決して諸君と先祖らの栄光に泥を塗るものではないのだと心せよ――」
担当マスターより

▼担当マスター:るう

マスターコメント

 皆様、本シナリオガイドをご覧くださり、ありがとうございます。
 本シナリオは、全5回を予定している小世界シリーズ<スカイドレイクII>の、第4話となります。本シナリオは第3回『<スカイドレイクII>混沌の坩堝』終了からしばらくの後の状況から始まりますが、お楽しみいただくにあたり前回をご存知である必要はございません。

 未知の島々との国交樹立を求めて東方の空に旅立った特使艦隊は、今まで2つの島との国交を結び、“魔窟の島”新龍(シンロン)に反オルド・ハンの種を撒いた後、“発条の島”新空島(にいそらじま)にたどり着きました。ATDの力で言語の壁を越えた外交交渉ができる特異者たちは、この島と国交を結ぶ上でも、きっと力となることでしょう。
 この新空島は、スカイドレイクには珍しく完全な汽人がいる――正確には、ほとんど汽人しかいない島のようです。彼らは将軍家をはじめとした生身の人間に忠誠を誓っているようですが……問題は、その忠誠心が彼らを害しようと目論むオルド・ハン国の工作員らにも向いてしまうということです。



▼“雲龍世界”スカイドレイクについて

 スカイドレイクは、約300年前の大沈降と呼ばれる天変地異により地上が全て雲に覆われて、人類の版図が石龍島と呼ばれる空中島に限られてしまった世界です。
 特異者の皆様が最初に接触した地域は、星導技術の発展したスカイドレイク西方諸島、五島連合でした。しかし東方より“騎竜帝国”オルド・ハンの軍勢が襲来したことにより、東方に異なる文明を持った島々が存在することが明らかとなりました。

 石龍島は「ドラゴンが石化した」と伝えられるだけあって、それ自体が巨大な高純度マナストーンの塊です。五島連合の人々は高空に浮かぶ石龍島で生存し文明を発展させるため、これを採掘し、星導技術を発展させ、マナのエネルギーで空を飛ぶ船飛空船を建造して新たな石龍島を探す冒険を行なっていました。
 そのような冒険者たち――新たな石龍島を発見して一攫千金を手にすることを夢見て、激しい雷雨が続く雲や、その中に潜む飛行モンスターなどの危険を省みない飛空船乗りドラゴンシーカーたちは、東方の島々と国交を結びオルド・ハン国の脅威に対抗すべく、特使艦隊として未知なる空に旅立ったのです。

 特異者の皆様も、基本的に、ドラゴンシーカーとしてこの特使艦隊に加わったこととなります。
 艦隊には小~中型飛空船を操る現地人のドラゴンシーカーも多数おり、脅威と遭遇した際には護衛として空中戦を行ないます。皆様は彼らの船に同乗させてもらうこともできますが、お望みであれば中古のオンボロ小型飛空船(Lサイズ・2人乗り)の貸し出しを受けていることにしてくださってもかまいません。
 また、必ずしも価値ある結果に繋がるとは限りませんが、現在皆様が到達可能な範囲を起点として、スカイドレイク世界のどこでもパートを無視して冒険することも可能です。もちろん、情報不足のまま冒険を敢行すれば危険に陥り、逆に慎重になりすぎれば冒険に出ることもままならなくなってしまいますが、皆様の行動次第では今後の展開に大きな影響を及ぼすこともある……かもしれません。

 本シナリオでは、無謀または非常に危険な行為に対してはアバター死亡判定が行なわれます。以降、スカイドレイク世界を舞台としたシナリオでは、死亡アバターと同一アバターでの参加はできなくなりますのでご注意ください。また、行動次第では他にも特殊な行動制限が課せられる可能性がございます。



▼スカイドレイクとアバター

 スカイドレイクのアバターはガイアのアバターと共通ですが、一部、ガイアとは設定や社会的地位に違いがあります:

・バウンティハンター
 特に違いはありません。せいぜい、所属がギアーズ・ギルドではなくドラゴンシーカー・ギルドになる程度です。
 新空島では、廻り方同心と呼ばれる警察機構の関係者のうち、故障した汽人などに対抗する武力を持つ者たちがバウンティハンターに相当します。

・セージ
 人体の一部をギア化した星者は、星導技術の発展した五島連合に特有のアバターです。新空島ではそもそも『人間』がほぼいないため、当然ながらギア化された人間もいません。

 一方で、五島連合でさえほとんど知られていない完全な汽人が、新空島では住民のほとんどを占めます……彼らはほとんど人間と変わらぬ外見をしており、機械的な姿の汽人を見つけると逆に驚くほどです。

・アーティフィサー
 バウンティハンターと同様です。
 新空島では、からくり技術者たちがアーティフィサーに相当します。彼らの中には住民たちの道具や住民たち自身を修繕する者たちもいれば、廻り方同心として島そのもののからくりを点検する者たちもいます。

・ピースメーカー
 五島連合ではかつて彗星による世界滅亡を食いとめた英雄たちがこう呼ばれています。
 新空島にはそのような意味でのピースメーカーは存在しませんが、将軍家が同様の存在として敬意を集めています。

・ストレンジャー
 石龍島の濃密なマナは、一部の人類を変質させ、過酷な環境に適応させました。スカイドレイクにおけるストレンジャーは、全てそのような人物かその子孫です。
 人間がほとんどいない新空島では、当然ながらストレンジャーも生まれません……が、大沈降以前から伝わる昔話の中に妖怪変化という名で登場し、芸術等のモチーフとして愛されています。

・マージナル
 五島連合でも新空島でも存在を知られていません。これまた、昔話の中くらいには登場します。

 なお、いずれのアバターであっても、ガイアのウィザード・ライセンスはスカイドレイクでは通用しません。とはいえアクション中に階級のアピールがあれば、GMが皆様の実力を判断する際の一助にはいたします。



【1】新空島に関して調査する 難易度:1

 新空島は、かつて独力でオルド・ハン国の侵攻を退けたことで知られています。これは汽人たちに防衛機能が備わっており、有事には全員が戦闘形態に移行できるからなのですが……この能力は新空島防衛にしか使用できません。
 ……が、ならば特使艦隊がこの島にやって来たことが無駄足だったのかと問われれば、決してそのようなことはありません。人と違わぬ精巧な汽人たちを作れるということは、それだけの高度な技術がこの島に備わっているからです。
 この島でからくりと呼ばれている技術は至るところに使われており、島全体が変形して巨大ロボットになるとまで言うものもいるほどです。

 それは流石に冗談としても、この島には秘密の通路や隠し施設が無数に存在し、巨大な忍者屋敷のようになっています。普通に町を散策して観光したりオルド・ハン国への逆侵攻を支えてくれそうな技師などを探したりしてもいいですが、何も見つからない可能性も覚悟しつつ秘密通路に足を踏みいれてみるのもいいかもしれません。



【2】オルド・ハン国の工作員に対処する 難易度:4

 現在の新空島には、汽人たちが自分たち生身の人間に逆らいにくいことを悪用し、汽人たちに同士討ちをさせようと目論む工作員のグループが密入国して潜んでいます。
 彼らの策略は、隣接する2つの地域に『もう一方の地域の住民たちがオルド・ハン国の傀儡になってしまったので討つべし』という偽のお触れを伝えることにより内紛を勃発させ、新空島の戦力を削ろう、というものです。

 工作員が偽のお触れを掲示する前に捕縛なり討伐なりすることが、本パートの目的です。工作員の中には正面から迎撃を企てる者もいますが、偽の触れ書きを抱えて秘密通路に逃げようとする者もいるかもしれません。直接的な戦闘力も当然必要ですが、事前に秘密通路の行く先を調べて待ちかまえたり、偽の触れ書きの存在を周知することで内紛を未然に防止したり、といった行動も役に立つでしょう。



【3】西方空域で活動する 難易度:1

 これまでの冒険の結果、オルド・ハン国西方空域ではハン国の支配をうち破るため、さまざまな準備が行なわれてきました。
 具体的には、オルド・ハン国に占領されているワハート・ジャディーダ領内フワーリズム島のレジスタンスへの極秘支援、フワーリズム島奪還のための軍事技術の開発や民兵の訓練、オルド・ハン国内での諜報活動に必要な通行手形の偽造品の製造、などです。
 もっとも現状、オルド・ハン国内の航路は入手できていません(個別コメントにて特別に入手している一部の方を除く)。フワーリズム島からオルド・ハン国の玄関口であるカラ・ハン島までの航路は判明していますが、その先の商人の島サルタクタイ島や首都ボルハン島にたどり着くには、オルド軍や用心深いサルタクタイ商人たちに同行したり尾行したりしなくてはならないのです。

 ただし……今回は航路の入手に躍起になるよりも、既存の地盤を固めてゆくのを重視するほうがいいかもしれません。今回は最終回の1つ手前ですので、今回のうちに最終回の方針を決めておかねばならないためです。せっかく航路情報を入手しても、その航路を活用する方法が見つからなければ宝の持ち腐れになってしまうでしょう。
 その他、ワハート・ジャディーダ、ナヴァアーラヤ周辺で自由行動をなさる場合は、こちらのパートとしてくださってかまいません。

 本パートの難易度は、便宜上のものです。実際の難易度はアクション内容次第で大きく変わりますことをご了承ください。



【4】新龍周辺で活動する 難易度:1

 これまでの冒険の結果、新龍島を実効支配しているオルド・ハン国の新龍総督府の中には、自分たちを新龍に左遷した本国に対する不満が高まっていることが判明しました。
 もしも彼らに対する内応工作に成功すれば、オルド・ハン国の体制を大きく揺るがし、彼らを瓦解するには至らずとも体制転換などをひき起こし、彼らの侵略行動を中止させることができるかもしれません。

 さらに、新龍人たちも反汗復龍の号令の下、ひそかに秘密結社ネットワークを構築してオルド・ハン国への対抗手段を模索しています。彼らに対する支援や、彼らと新龍総督府を和解させ力をオルド・ハン国本国に向けるような活動を行なえれば、効果はより増すなるかもしれません。

 本パートの難易度は、便宜上のものです。実際の難易度はアクション内容次第で大きく変わりますことをご了承ください。



【5】自由行動 難易度:1

 上記【1】~【4】に当てはまらない行動をなさる場合、こちらのパートをお選びください(【1】~【4】と近い内容であれば、そちらをお選びくださってもかまいません)。
 本パートの難易度は、便宜上のものです。実際の難易度はアクション内容次第で大きく変わりますことをご了承ください。



 なお本シナリオでは、『<スカイドレイクII>混沌の坩堝』にて重要な情報や成果を入手なさった方々に招待を行なっております。
 また、今回の参加者の方へも、同様の条件で第4回シナリオへのご招待をさし上げる予定です(同じ方が招待になるとは限りません)。それ以外にも、特別な立場や情報を入手できる可能性もございます。
 皆様のご参加をお待ちしております。



▼参考1:プレイヤー情報の扱いについて

 スカイドレイク世界には、現代ほど安価・高速ではないものの、ある程度発達した交通網と情報網が存在します。このため本シリーズでは、リアクション等で提示された情報は「次のシナリオ開始までに、何らかの方法で共有された」ものとしてくださってかまいません。また、どなたかに個別コメントにてお伝えした情報をプレイヤー的に入手なさった場合も、アクション中で改めて入手アクションを行なう必要はありません。
 もしも皆様が調査結果の共有をお望みではない場合、アクションにその旨をご記載いただければ個別コメントにてお伝えする形式といたします。ただし、調査方法次第では秘匿できず、リアクション本編中に描写されてしまう可能性はありますことをご了承ください。



▼参考2:参加パートの変更について

 以前のシナリオで特定の場所に向かった方が、今回のシナリオで別の場所で参加することは、原則として自由です(たとえば、前回五島連合で行動したのに今回は皆と合流して新龍で活動する、など)。
 ただし、特殊なケース(たとえば『単独行動してどこかに囚われた』等)ではGMより次回参加パートの指示がある場合があります。


【2020年3月16日19:00変更】
サーバトラブル対応のため、リアクション公開予定日を『2020年5月8日』へ変更させていただきました。
ご参加頂いたお客様にはお待たせしてしまい大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

【1】新空島に関して調査する 【現在のMC参加人数:6】

1

【2】オルド・ハン国の工作員に対処する 【現在のMC参加人数:5】

4

【3】西方空域で活動する 【現在のMC参加人数:8】

1

【4】新龍周辺で活動する 【現在のMC参加人数:8】

1

【5】自由行動 【現在のMC参加人数:8】

1