皆様、本シナリオガイドをご覧くださり、ありがとうございます。
本シナリオは、全5回を予定している小世界シリーズ<スカイドレイクII>の、第3話となります。本シナリオは第2回『
<スカイドレイクII>高空の神島』終了からしばらくの後の状況から始まりますが、お楽しみいただくにあたり前回をご存知である必要はございません。
未知の島々との国交樹立を求めて東方の空に旅立った特使艦隊は、今まで2つの島との国交を結んだ後、
“魔窟の島”新龍(シンロン)へとやって来ました。
ATDの力で言語の壁を越えた外交交渉ができる特異者たちは、これまでは国交樹立のための大きな力となってきたため、新龍でも期待をしたいところですが……すでにオルド・ハン国の属国となっていた新龍を対オルド・ハン同盟に引きいれるには、いくつもの問題が持ちあがっていたのです。
▼“雲龍世界”スカイドレイクについて
スカイドレイクは、約300年前の
大沈降と呼ばれる天変地異により地上が全て雲に覆われて、人類の版図が
石龍島と呼ばれる空中島に限られてしまった世界です。
特異者の皆様が最初に接触した地域は、星導技術の発展したスカイドレイク西方諸島、
五島連合でした。しかし東方より
“騎竜帝国”オルド・ハンの軍勢が襲来したことにより、東方に異なる文明を持った島々が存在することが明らかとなりました。
石龍島は「ドラゴンが石化した」と伝えられるだけあって、それ自体が巨大な高純度マナストーンの塊です。五島連合の人々は高空に浮かぶ石龍島で生存し文明を発展させるため、これを採掘し、星導技術を発展させ、マナのエネルギーで空を飛ぶ船
飛空船を建造して新たな石龍島を探す冒険を行なっていました。
そのような冒険者たち――新たな石龍島を発見して一攫千金を手にすることを夢見て、激しい雷雨が続く雲や、その中に潜む飛行モンスターなどの危険を省みない飛空船乗り
ドラゴンシーカーたちは、東方の島々と国交を結びオルド・ハン国の脅威に対抗すべく、特使艦隊として未知なる空に旅立ったのです。
特異者の皆様も、基本的に、ドラゴンシーカーとしてこの特使艦隊に加わったこととなります。
艦隊には小~中型飛空船を操る現地人のドラゴンシーカーも多数おり、脅威と遭遇した際には護衛として空中戦を行ないます。皆様は彼らの船に同乗させてもらうこともできますが、お望みであれば中古のオンボロ小型飛空船(Lサイズ・2人乗り)の貸し出しを受けていることにしてくださってもかまいません。
また、必ずしも価値ある結果に繋がるとは限りませんが、現在皆様が到達可能な範囲を起点として、スカイドレイク世界のどこにでも自由に冒険することも可能です(※今回から自由行動パートとして独立させました)。もちろん、情報不足のまま冒険を敢行すれば危険に陥り、逆に慎重になりすぎれば冒険に出ることもままならなくなってしまいますが、皆様の行動次第では今後の展開に大きな影響を及ぼすこともある……かもしれません。
本シナリオでは、無謀または非常に危険な行為に対してはアバター死亡判定が行なわれます。以降、スカイドレイク世界を舞台としたシナリオでは、死亡アバターと同一アバターでの参加はできなくなりますのでご注意ください。また、行動次第では他にも特殊な行動制限が課せられる可能性がございます。
▼スカイドレイクとアバター
スカイドレイクのアバターはガイアのアバターと共通ですが、一部、ガイアとは設定や社会的地位に違いがあります:
・バウンティハンター
特に違いはありません。せいぜい、所属がギアーズ・ギルドではなくドラゴンシーカー・ギルドになる程度です。
新龍では、主に犯罪組織や秘密結社で用心棒などの仕事を担う『武侠』と呼ばれる人々が、バウンティハンターに相当します。
・セージ
人体の一部をギア化した星者は、星導技術の発展した五島連合に特有のアバターです。ですが新龍においても未熟ながら星導技術は存在し、身体部位をギアと置換する非合法手術が行なわれています。多くの場合、裏社会との繋がりが深い人物と見なされることでしょう。
完全にギアで作られた汽人は新龍には存在しないため、新龍人にはほぼ全身をギア化した星者だと認識されます。
・アーティフィサー
新龍では『工程師』と呼ばれ、質は悪いながらも安価な星導技術を用いて生計を立てています。よくギアを爆発させます。
犯罪組織や秘密結社に所属する工程師も少なくありませんが、もちろん一般の人々のために腕を振るう者も多くいます。
・ピースメーカー
五島連合ではかつて彗星による世界滅亡を食いとめた英雄たちがこう呼ばれていますが、新龍では「伝説に残るような大武侠」がこのアバターに相当します。
・ストレンジャー
石龍島の濃密なマナは、一部の人類を変質させ、過酷な環境に適応させました。スカイドレイクにおけるストレンジャーは、全てそのような人物かその子孫です。
新龍では特殊な性質のマナが満ちているお蔭かほとんど見かけませんが、まれに生まれ、安い値段で見世物か生薬の材料として売られて死んでゆきます。
・マージナル
五島連合でも新龍でも知られていません。……が、駐留するオルド人の中には武芸でなく魔法に長けた者も多くおり、その中にはマージナルも含まれているかもしれません。
なお、いずれのアバターであっても、ガイアのウィザード・ライセンスはスカイドレイクでは通用しません。とはいえアクション中に階級のアピールがあれば、GMが皆様の実力を判断する際の一助にはいたします。
【1】人買いからアッディーンをとり戻す 難易度:4
食糧等を無限に産生する特殊なマナストーン『
太歳』により食糧不足の心配のないこの島は、非常に多くの人口を抱えています。そのためこの島では、人命は(自分や家族のもの以外)非常に軽いものです。
悪党
厚巾党もそのような倫理観の持ち主で、彼らはワハート・ジャディーダ出身のアッディーン少年が好事家に高く売れると考えて攫ってしまいました。彼らは、アッディーンの後見人たちが赤の他人であると知り、愚かにも手軽に金にできる人物だと判断したのです……特異者たちの実力も知らず。
彼らのアジトは、新龍島の周縁部に発達した巨大スラムの最下層付近にあると目されます。日の光もほとんど差しこまず、常に異臭の漂うスラム最下層は、大小の犯罪組織が群雄割拠する、まさに魔窟です。
アッディーンを追う上では、小紫などの有力者や近隣の犯罪組織と上手く話をつけるなどできると、行動しやすくなるかもしれません。彼らから得た情報次第では、パート
【2】【3】の難易度も低下する可能性がございます。
【2】李宗帝と反汗復龍運動について調査する 難易度:2
オルド・ハン国の圧力に屈し、すっかり暗君扱いされるようになってしまった
李宗帝ではありますが、宮殿等のある中央区画をドーナツ状にとり巻く巨大スラムで密かに反攻の機会を窺っているとも噂されます。もしこの噂が本当であれば、帝はわざと暗君を装うことで
新龍総督府の目を欺きながら、スラムの各地で起こりはじめている
反汗復龍運動――オルド・ハン国に抵抗し新龍人の統治をとり戻そうという活動に協力していることになります。
反汗復龍を標榜する組織は新龍内に幾つもありますが、基本的には武芸に優れた荒くれ者や犯罪者の集まりです。中には厚巾党のように、標語を免罪符にして狼藉を働いてばかりの、完全な犯罪組織もあります。そんな彼らと交わり情報を得ようと思うなら、どんな相手が信用できるかを探る調査能力だけでなく、それなりの実力も必要でしょう。
【3】新龍総督府について調査する 難易度:4
勇猛で強力な軍を擁するオルド・ハン国の新龍統治機関、新龍総督府ですが、彼らの得意分野は征服と略奪であり、統治と外交ではありません。本国から派遣された領事の
クドゥンもそのような典型的オルド人のひとりで、新龍を弾圧するのも本国の意向というよりも彼の支配欲から来るものではないか、と分析する新龍人もいます。
歯向かう者は力で屈服させ、へつらう者には蔑みつつも寛大さ見せつけるのを好むクドゥンは、特使艦隊が今後新龍と関わる方法を考えるにあたり、調査に値する相手でしょう。
なお、戦いは新龍総督府のオルド・ハン兵たちにとって娯楽でもありますが、今の新龍には好敵手がおらず、不満を溜めているようです。幸いにもこの島は総督府の管理がゆき届いておらず、皆様は新龍人のフリをして彼らに接触することができます。彼らに試合を申しこみ、実力を見せつけることができれば、彼らからの好感度が上がるだけではなく、彼らの強さの秘密を知ることもできるかもしれません……逆にこちらの手の内を明かすことにもなるかもしれませんが。
【4】カラ・ハン島へ向かう 難易度:6
植民島フワーリズムをオルド・ハン国に占領されているワハート・ジャディーダでは、オルド・ハン国に対抗するための活動が活発になっています。特異者たちは前回、オルド・ハン国との交易経験のある商人
カーリムをフワーリズム島から救出したことにより、フワーリズム島に軍を派遣しているオルド・ハン国の植民島、
カラ・ハン島への航路情報を獲得することに成功しました。
カラ・ハン島は総督
(ダルガチ)チャウスが統治する島で、数多くの飛竜兵や歩兵が駐留しています。とはいえ戦地ではないため、訪問は比較的容易ではありますが……もしも通行手形を持たずにいることが露見すれば、スパイとして処刑されてしまう危険性もあるでしょう。
現状、通行手形は入手できていないため、手形なしで不法入国する以外の手はありません。また、手形の形式は昨今改められたようなのですが新しい手形はカーリムも知らず、偽造することもできません。
クエスト『
急襲! オルド・ハン』で入手できる
騏竜鎧を装備していればオルド・ハン兵のフリもできるでしょうが……偽物だとバレてしまった際、言いのがれの余地はないでしょう。
それでも危険を冒したならば、もしかしたら何らかの有益な情報を得られるかもしれません。
【5】自由行動 難易度:1
上記【1】~【4】に当てはまらない行動をなさる場合、こちらのパートをお選びください(【1】~【4】と近い内容であれば、そちらをお選びくださってもかまいません)。
本パートの難易度は、便宜上のものです。実際の難易度は、アクション内容次第で大きく変わりますことをご了承ください。
なお本シナリオでは、『<スカイドレイクII>高空の神島』にて重要な情報や成果を入手なさった方々に招待を行なっております。
また、今回の参加者の方へも、同様の条件で第4回シナリオへのご招待を差し上げる予定です(同じ方が招待になるとは限りません)。それ以外にも、特別な立場や情報を入手できる可能性もございます。
皆様のご参加をお待ちしております。
▼参考1:プレイヤー情報の扱いについて
スカイドレイク世界には、現代ほど安価・高速ではないものの、ある程度発達した交通網と情報網が存在します。このため本シリーズでは、リアクション等で提示された情報は「次のシナリオ開始までに、何らかの方法で共有された」ものとしてくださってかまいません。また、どなたかに個別コメントにてお伝えした情報をプレイヤー的に入手なさった場合も、アクション中で改めて入手アクションを行なう必要はありません。
もしも皆様が調査結果の共有をお望みではない場合、アクションにその旨をご記載いただければ個別コメントにてお伝えする形式といたします。ただし、調査方法次第では秘匿できず、リアクション本編中に描写されてしまう可能性はありますことをご了承ください。
▼参考2:参加パートの変更について
以前のシナリオで特定の場所に向かった方が、今回のシナリオで別の場所で参加することは、原則として自由です(たとえば、前回五島連合で行動したのに今回は皆と合流して新龍で活動する、など)。
ただし、特殊なケース(たとえば『単独行動してどこかに囚われた』等)ではGMより次回参加パートの指示がある場合があります。