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【八賢士伝】最終決戦【最終話/全6話】

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【八賢士伝】最終決戦【最終話/全6話】
基本情報

マスター:北織 翼
ワールド:千国
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2019年09月30日公開!

シナリオガイド

戦いの先にあるのは希望の未来か、絶望の支配か

シナリオ名:【八賢士伝】最終決戦【最終話/全6話】 / 担当マスター:北織 翼



※これまでの簡単なあらすじを当ガイド下部マスターコメント冒頭に記載しましたので、【八賢士伝】の世界に初めて触れられる方は先にマスターコメント冒頭をお読みになる事をお勧めします。

* * *


 尾俵城支城のひとつ、山中城
 北条 氏政になりすましていた海陵王が、遂にその化けの皮を剥がし天守の高欄に姿を現しました。
 その絶対零度の視線は、山中城天守を囲む堀に向けられています。
「……来るが良い、里見の坊主」

 その頃、崩れかけの尾俵城では里見 義重が「異国の英傑」と呼ばれる特異者たちとともに最後の軍議を行っていました。
 義重のみならず、下宇佐から後れて駆けつけた斎藤 実盛も、八王子の支城を異国の英傑たちと共に落としてきた岡本 随縁斎も、そして……終始どこか浮かない顔の正木 時茂も、一様に疲労の色を濃くしています。
 それでも、義重の口調は落ち着いていました。
 それは、覚悟を決めた者が漂わせる風格にも思えます。
「周辺の探索を行っていた兵からの報告によりますと、海陵王が布陣したのは山中城で間違いないとの事です」
 そう言いながら、義重は僅かに顔をしかめました。
「ただ、山中城の堀はかなり特殊でして……『障子堀』と呼ばれるのですが、これがあるせいで山中城は尾俵本城よりも堅固と言われています」
 義重の説明によると、障子堀とは通常の堀の中に格子状の畝がある極めて特殊な形状をした空堀で、攻略は簡単ではないというのです。
「加えて、海陵王は法正に『蜂天外祖』という術を教え込んだ師でもあります。あらゆるものを意のままに動かすという蜂天外祖、その師となれば法正以上の使い手と考えるべきです。山中城の地の利と、蜂天外祖……これらの力を最大限に生かすとしたら、海陵王は……」
 義重は結論を導き出しました。
「私たちを確実に殲滅しようとするならば、まず間違い無く野戦を仕掛けてくるでしょう。障子堀で私たちの足場を制し、蜂天外祖で更に動きを制し、迎撃する……小さな天守に籠城するよりも、これが最も効率的で、確実でしょうから。正面からぶつかっただけでは勝ち目はありません。障子堀に阻まれながらも海陵王と対峙する方法を考えなくては……」

 義重が頭を巡らせ始めた、まさにその時です。
「義重様っ、いっ、一大事にございます!」
 伝令兵が2人、血相を変えて飛び込んできました。
「大事の前じゃというのに、如何した?」
 実盛が促すと、伝令兵のひとりが口を開きます。
「お、おお……忍城(おしじょう)にて蜂起の動きあり!」
「忍城……尾俵支城のひとつか。八王子を落とした事で牽制出来たとばかり思っていたが……」
 随縁斎は困ったように唇を噛みました。
 すると、もうひとりの伝令兵が顔を真っ青にして続けます。
「ほ、蜂起した軍の総大将ですが……その……う、ううう、瓜二つなのです……っ、な、亡き先君・里見 義頼様にっ!」
 これにはさすがに義重の顔色が変わりました。
「義頼様……が!?」
 聡明な義重には、義頼の遺体が久留里城に無かった理由がこれで分かりました。
 滅多な事では感情を昂ぶらせない義重が、怒りを露わにします。
「英傑の方が尾俵城の敷地内で見つけた巨大な印、印に描かれた矢印が示す方角には忍城……これで全て繋がった。法正は、義頼様を縛魂兵にしていたのか……っ! 誰よりも平和を望み、命を懸けられた義頼様を……っ」
 すると、時茂が義重の前に進み出ました。
「殿、落ち着けよ。あんたの判断力を狂わせるのが狙いだって事くらい、分かるだろ? 義頼様に思い入れの深い斎藤のジジイを向かわせちゃ『義頼様と一緒に死ぬ』だの何だのめんどくせぇ事になりかねねぇからな、忍城はあたしが引き受ける。縛魂兵になっちまったからには遺髪ってわけにはいかねぇけど、『遺灰』くらいは持って帰ってきてやる。全てが終わったら、ちゃんと弔ってやんなよ」
 時茂の言葉で義重は冷静さを取り戻しますが、その瞳は揺れ、声は震えています。
「時茂さん……頼みます」
「ああ、その代わり異国の英傑を少し貸してくれ。相手は一国を率いていた傑物だ、あたしだけじゃ返り討ちにされちまう」
「そっ、それと……っ」
 伝令兵が気まずそうに口を挟んできました。
「蜂起した忍城の軍勢の一部が、既に城下に……っ」
「それはつまり、城下の領民を死兵にして戦力にするという腹か……捨て置けぬな。殿、この岡本が城下を死守してまいります」
 義重が頷くのを確認すると、随縁斎は兜の紐を縛り直し出陣していきました。

 義重は異国の英傑たちを見つめながら声を上げます。
「これを、最後の戦にしましょう……皆さん、どうか今一度力をお貸し下さい!」

担当マスターより

▼担当マスター:北織 翼

マスターコメント

【八賢士伝】あらすじ

 千国に新たに見つかった小世界・亜羽和瑳(あわかずさ)は、恐怖の独裁政権を復活させようとする海陵王とその配下「海陵四天王」の謀略にこれまで苦しめられてきました。
 領国存亡の危機を救うと言い伝えられている「八賢士の遺品」を使いこなせる者が領国内におらず滅亡の危機に追い込まれていた亜羽和瑳でしたが、「異国の英傑」と呼ばれる特異者たちの命懸けの働きに呼応し次々と遺品が目覚め、ようやく8人の英傑が遺品の所持者として認められます。
 これまで「淳泰」という名で一介の僧侶として生きてきた里見義重でしたが、その実は先君・里見義頼の異母弟と判明し、義頼の死を受け亜羽和瑳の領主となると、英傑たちの力を借りて海陵王の懐刀とも言える知将・法正と尾俵城で壮絶な戦いを繰り広げ、勝利しました。
 義重は、異国の英傑たちと共にいよいよ海陵王に挑もうとしています。

 ※より詳細な内容を把握したい方は、
【八賢士伝】第1話
【八賢士伝】第2話
【八賢士伝】第3話
【八賢士伝】第4話
【八賢士伝】第5話
をご覧になって頂ければ幸いです。


* * *



マスターの北織です。

義重は総力を結集して海陵王打倒に挑もうとしています。
しかし、尾俵城で散った法正が遺した「謀略」――縛魂兵化した里見義頼――が忍城で蜂起し、更に城下の領民を襲おうとしています。
詳細については後述いたしますので、まずは皆様に達成して頂きたい事を先に申し上げます。

最終話となる今回は、皆様に

 1,忍城城下の領民を保護する
 2,縛魂義頼を撃破する
 3,海陵王を倒す

の3点をお願いします。

それぞれのアクションパートと周辺環境、登場するNPCについて、これから詳細を補足説明させて頂きます。

なお、【八賢士伝】では、第3話以降難易度5以上の高難度のアクションパートが登場しています。
あまりに無謀なアクションを掛けられた場合や、アクションパートが示す適正レベルに著しく及ばないアバターレベルで参加し無茶な動きをされた場合などは、アバター死亡もあり得ますので、くれぐれもご注意下さい。

◇ご注意◇
最終話では、尾俵領主となっているPC様はアクションパート1に、「八賢士の遺品」を持つPC様はアクションパート3にそれぞれ行き先を限定させて頂きます。
指定されたアクションパートと異なる行き先を選択された場合、マスターの裁量でパートを移動させて頂きますのでご注意下さい。

※当初、尾俵領主にはパート制限を掛ける予定はございませんでしたが、シナリオの展開に伴い尾俵領主の力が必要とされる事態が発生いたしました。何とぞご了承下さい。


■周辺環境

 ・時間帯:昼間

 ・気温及び天候
 天候は曇り、気温は「体温調節に苦労しない快適な温度」です。
 風はほぼ無風です。

 ・活動場所
 アクションパートにより異なりますので、後述の各アクションパートに関する記載内容をご確認下さい。
 ただし、各パート共通で「それぞれの戦闘場所に布陣または到着した所からスタートする」という認識で大丈夫です。
 ※尾俵領主と遺品所持者の参加パートは限定されておりますので、尾俵領主の方と遺品をお持ちの方は参加されるパートの選択にくれぐれもご注意下さい。


■最終話に登場するNPC

〈里見軍〉
 ・里見 義重(25歳)
 これまでは長安寺の住職・淳泰として、過去の戦で家族を失った子供たちを引き取り共に暮らしていました。
 自身もまた孤児であると聞かされてきていましたが、その正体は実は亡くなった前領主・里見義頼の異母弟でした。
 将にはそぐわない温和で寛容な性格ですが、領主として国と民の将来を背負う覚悟を決め、今回皆様と共に海陵王との最終決戦に挑みます。
 なお、里見家当主は陣羽織を羽織れば里見軍の総大将として幻遊兵の召喚が可能となりますが、戦場での経験が少ない彼は召喚した幻遊兵の扱いが不得手です。
 ・正木 時茂(23歳)
 里見家家臣のひとりで、内海に近い峰上城を任されている女性です。
 「槍大膳」の異名を取る槍の名手で、非常に勇猛果敢です。
 里見家家臣の中では最も戦闘能力の高い武将ですが、第5話で法正に指摘された「迷い」を柄にもなく気に病んでいる様子です。
 今回は、まるでその「迷い」を無理やり払うかのように縛魂義頼と戦おうとしています。
 ・斎藤 実盛(64歳)
 里見家に長く仕える老将で、過去の戦以降ここ数年は下宇佐との国境にある砦で警戒任務に就いていました。
 忍城で蜂起したという縛魂義頼が気になって仕方がないものの、今回は戦働きの経験に乏しい状態で敵の総大将に挑もうとする義重を支えるべく、共に山中城に行きます。
 ・岡本 随縁斎(32歳)
 代々里見家に仕えている古参の家臣です。
 一度は法正に唆され寝返りましたが、特異者たちのお陰で本来の気概を取り戻し里見軍武将として再出発、第5話では特異者たちと共に八王子城を落城させました。
 今回は忍城城下の領民たちを縛魂義頼軍から守るべく忍城の城下に向かいます。

〈敵軍〉
 ・海陵王(かいりょうおう)
 これまでは北条 氏政(ほうじょう うじまさ)になりすましていましたが、第5話で倒した法正の言動からも、この小世界での一連の戦いの黒幕で敵軍総大将である事が判明しました。
 海陵王は、亜羽和瑳がまだ「金」という国家の一部であった頃の皇帝でしたが、問答無用の粛正による恐怖政治を行い、国中を疲弊させ混乱に陥れたため、義重の父で当時亜羽和瑳領主であった里見義弘を中心とした軍勢によって失脚させられ、消息不明となっていました。
 そのため、里見家への憎悪は深く、激しく恨んでいます。
 死んだと思われていたものの生き延びていた海陵王は、腹心の部下である「海陵四天王」と共にしぶとく金国再興の機を窺っており、里見義弘と共に金国を滅ぼした千葉・北条の両氏を手に掛け乗っ取って里見家をじわじわと追い詰めてきていたのです。
 海陵王は「蜂天外祖」という術の使い手で、これを極めています。
 ・呪幻死獣(じゅげんしじゅう)
 既に死んだ獣がまるで生きているかのように動き人々に襲い掛かります。
 大きさは狸や狐程度から馬や熊程度まで様々で、動きも緩慢だったり素早かったりまちまちです。
 当初は獣だけでしたが、ここまでの間に、虫や鳥、魚の呪幻死獣も確認されています。
 単独でいる場合もあれば何匹かまとまっている場合もあり、これはその死獣を操る者の戦術にもよるようです。
 牙や爪に毒を持ち、何の術も持たない人間が傷を負うと患部から壊死し、程なく死に至ります。
 防御力がとても弱いため大抵の攻撃はヒットしますが、足をもがれようが腹を裂かれようが動きを止めずに襲い掛かってくる所が難点です。
 特異者たちの調査により、体のどこかに印のようなものが刻まれており、浄化系のスキルや光属性の攻撃を食らうとこの印が消えて完全に動きを止める事が分かっています。
 ただし、海陵王は印を消された死獣に再度印を施し使役する事も可能です。
 また、火属性の攻撃やスキルも有効と判明しておりますが、こちらは火力に左右され、強い火力であればすぐに真っ黒に炭化して印も消せますが、そうでないと炭化するまで時間が掛かり、その間火だるま状態で襲い掛かってくるので余計に厄介な敵になる場合もあります。
 ちなみに、物理攻撃で完全に撃破するには悉く粉砕するより他無いようで、中途半端に肉体が残っているといつまでも攻撃してきます。
・呪幻死兵(じゅげんしへい)
 既に死んだ人間が落ち武者風の格好で襲ってきます。
 知能はほぼ無く、会話なども不可能です。
 イメージとしては亡霊兵に近いですが、呪幻死兵は本当に「死体」が動いているので、地球で言う所の「ゾンビ」に近いかと思われます。
 こちらも呪幻死獣同様に動きの素早さや武装には個体差がありますが、元々死体ですので大きさは生前のサイズそのままです。
 武装は、獣と違い剣や槍、弓や鉄砲等を所持しており、刃や弾丸の部分には呪幻死獣と同様の毒が仕込まれています。
 こちらも撃破の方法は呪幻死獣と全く同一で、体のどこかに印がある事も防御が極端に弱い事も一緒です。
・縛魂兵(ばくこんへい)
 呪幻死兵の上位種のような存在で、「意思と高い知能を持つ死兵」です。
 呪幻死兵が足軽程度の武装であるのに対し、縛魂兵は一端の武将レベルの武装をしており、会話も可能です。
 縛魂兵は呪幻死兵と同じ「毒と不死の能力」を持つだけでなく、呪幻死兵の部隊を率いて操る事が出来、防御や回避に対する心得もあります。
 縛魂兵の能力には個人差があり、その差は生前の知力や体力、身分などといったものも影響しているようです。
 生前に有能且つ勇猛果敢な将であった者程強い縛魂兵になるようですが、法正はその理由を「有能且つ勇猛果敢な将ほど縛魂兵になるに欠かせないある『資格』を有している」からだと言っていました。
 逆を言いますと、戦に無縁の子供であってもその「資格」を有していた場合、死後縛魂兵になり得ます。
 その「資格」が何かまでは明かされていませんが、答えと言っても過言ではない「キーワード」は第5話〈八王子戦(14)〉内にございます。
 興味のある方は是非探してみて下さい。
 なお、縛魂兵にも呪幻死兵と同様に体のどこかに印があり、それを消されると灰のような粉になります。

 ※敵情報については、味方NPCや皆様のPC様がまだ知り得ない情報(いわゆるPL情報)に該当する事項もあります。
 PL情報はアクションを掛けられる際の参考情報としては効果的に活用出来ますが、PC様が既に知っているという前提での動きや言動としては採用出来ませんので、ご了承下さい。


■「八賢士の遺品」について

 過去の戦で亜羽和瑳を守った一騎当千の8人の忠臣「八賢士」が愛用していた武器や得意としていた術を封じた物品です。
 非常に強い力を秘めているため、使いこなせる素質と亜羽和瑳や里見家を思う強い心があるかどうかを遺品自ら見極め、認めた者に自らの意思で飛んでいきます。
 第5話までに全ての遺品が新たな使用者である異国の英傑と出会いましたが、「八賢士の遺品」を付与された場合次のような「制限」が掛かってしまいますので、ご了承下さい。

 制限1:亡霊兵を出来るだけ多く装備する必要がある
 亡霊兵の数が遺品の強さに直結します。
 触媒で数倍に増やすとそれも反映されます。
 【五虎大将軍】などのような人数固定の触媒を装備した場合は、亡霊兵の数としては人数が固定されてしまいますがある程度の補正はさせて頂きますのでそれなりに強力です。(【五虎大将軍】の場合では解説に「一騎当千」とあっても単純に亡霊兵5千人分の強さとまではいきません。他の装備なども確認した上で妥当と判断される程度に補正いたします)
 アバターの都合で亡霊兵を召喚出来ない場合は、可能な限り人数の多い領地を複数装備する事でなるべく補って下さい。

 制限2:装備する必要はあるのに、亡霊兵の召喚は出来ない
 亡霊兵の数を遺品の力とする以上、亡霊兵は遺品の攻撃力として消費されてしまいます。
 そのため、沢山装備しなければならないのに召喚が出来ない、という状態になります。

 制限3:場合によっては参加するアクションパートが限定される
 八賢士の遺品は敵にとっては脅威です。
 法正や海陵王といった「金国再興」つまり「亜羽和瑳の滅亡」を目論む者を、遺品に認められた者として打倒しなければなりません。
 その場合、そういった敵を直接打倒するアクションパートもしくはそれに関連するパートしか選べなくなる可能性がございます。


■「領主」について

 第3話で撃破した敵軍総大将が下宇佐領主であったため、領主不在となり国が混乱するのを案じた里見義頼によって特異者の中から新たに下宇佐領主が選ばれました。
 また、第5話でも法正撃破と海陵王の山中城退避により尾俵城主不在の状態となったため、特異者の中から尾俵領主が選ばれました。
 領主には遺品がありませんが、領主ならではの能力「幻遊兵」が使えるようになります。
 ただし、幻遊兵を使役すると亡霊兵の召喚は出来なくなってしまいますので、ご注意下さい。
 幻遊兵の使用方法や能力などについては個別にお知らせ済みですので、領主の方はアクションを掛けられる際に再度ご確認をお願いいたします。
 なお、今回尾俵領主の方は選択出来るアクションパートに制限が掛かってしまっていますが、どうぞご了承下さい。


■1,忍城城下の領民を保護する

 忍城の城下には、北条氏政こと海陵王の圧政で困窮した領民がいまだ大勢暮らしています。
 逃げ出せば死罪になる事を恐れ逃げるに逃げられず、日々の食べ物にも事欠き、生きるだけで精一杯、心身共に余裕の無い者ばかりです。
 中には重度の抑鬱状態でまともな判断能力さえ失いかけている者や、病で動けない者もいます。
 基本的に暴れたりはしません、と言うより「暴れるだけの気力体力が無い」と言った方が正しいでしょう。
 まさに「生きながらにして死んでいる」ような状態です。
 そのような状況ですので領民が皆さんを襲ったりする事はまずありませんが、皆さんの言動ひとつで強い恐怖を感じ自暴自棄になって自害したり、逃げ出したりという危険性はとても高いです。
 そうした領民たちの命をいかに守れるかがこのパートで求められている事です。

 城下は痩せた田畑と今にも崩れそうな民家が点在しているような環境で、城の方から死兵が近付いてきています。
 領民が死兵に見つかり捕らえられると、即座に殺され死兵化させられます。
 死兵に遭遇した場合は速やかに撃破し、領民を守って下さい。
 また、死兵を指揮する縛魂兵も出現する可能性がありますので、ある程度はしっかりと武装される事をおすすめします。

 このパートでは、城下をうろつく死兵(縛魂兵含む)を全て撃破出来れば任務成功となりますが、撃破出来なくても領民の安全を確保出来れば立派に任務達成です。
 忍城城下からどこか別の場所に全員連れ出す、連れ出せなくても城下の比較的丈夫そうな建物に集めてそこを警備するなど、やりようはいくらでもあります。
 皆様が最良と判断される方法で、これぞという装備があればそれを駆使して挑んで下さい。

 こちらのパートには岡本随縁斎が向かいます。
 随縁斎は幻遊兵を最大200名召喚可能ですが、その使役方法についてはいまだ思案しているようです。
 ただ、彼は極度の優柔不断ですので、場合によっては思案するばかりで日が暮れてしまう恐れも絶対に無いとは言えません。
 ちなみに、随縁斎は今回も小姓として宮川 勝太を連れていく予定です。



■2,縛魂義頼を撃破する

 縛魂兵化した里見義頼を撃破して下さい。
 義頼は法正により縛魂兵化され、術者である法正の死後も動くよう尾俵城の敷地内には巨大な印が刻まれています。
 この巨大印を消す事が不可能である事は第5話エピローグにて実証されていますが、義頼の体のどこかには他の縛魂兵と同じ印が刻まれていますので、それを消せば撃破となります。
 第5話の状況から、縛魂兵は生前の記憶を持たない事が判明しており、縛魂義頼に過去の話を持ち出して情に訴えるという作戦は通用しないものと思われます。
 しかし、皆様と同程度の高い知能を有しており、性格も決して猪突猛進の戦闘狂ではありませんので、戦いの合間に多少会話などをするのは十分可能です。
 縛魂義頼に記憶はありませんが、「これまでに生前の義頼と関わりがあり、どうしても伝えたい事がある」という方は、遠慮なく叫んで大丈夫です。
 ただ、縛魂兵となった以上「里見軍と戦う」事が存在理由で、この前提は彼の意思では曲げられませんので、結局は倒すしかありません。
 生前の義頼は病弱で身体能力は破滅的に低かったですが、死している今はそれが全く関係ない状態です。
 俊敏な動きも力強い攻撃もお手の物、死んでいるのでスタミナ切れという事もありません。
 しかも、厄介な事に記憶はなくても生前優れた将であったために知略も武力も一流です。

 縛魂義頼は忍城天守を出て二の丸広場で皆様と対峙するつもりです。
 彼が用いるのは鉄砲と槍先が一体化したような、銃剣に近い特殊な武器です。
 地球の戦国時代には無かった武器ですが、その見た目と性能を例えるならば銃剣の走りとでも言えましょう。
 彼は単独ではなく、他の縛魂兵や呪幻死兵を巧みに操り、将らしく様々な陣形を駆使して皆様を迎え撃ちます。
 基本的に屋外戦闘となりますが、天守や周囲の櫓からは鉄砲死兵や弓死兵の攻撃が予想されます。
 なお、大筒の配置はありません。
 こちらは縛魂義頼の撃破が最優先となりますが、可能な限り他の死兵や縛魂兵も倒して下さい。
 と申しますのは、ここで倒されなかった死兵たちが城下に加勢していく危険性が非常に高いためです。
 そうなりますと、アクションパート【1】の難易度が上がってしまいます。
 領民保護に当たる方々のためにも、どうか頑張って下さい。

 こちらのパートには、正木時茂が向かいます。
 彼女は里見軍で最も戦闘能力の高い武将ではありますが、現在そのモチベーションにやや影が差しています。
 どうやら法正に「迷いがある」と言われた事を気に病んでいるようです。
 彼女はその迷いの原因と正体を自覚していますが、それが何かは誰にも明かしていません。
 皆様のアクション次第では明かす可能性もございますが、無理に聞き出さなくても大丈夫です。
 聞き出さなくても、彼女を鼓舞して本来の力を出せるようにしてあげると、皆様の心強い助っ人となるでしょう。



■3,海陵王を倒す

 海陵王を倒して下さい。
 海陵王は、義重の推測通り山中城天守の外で野戦を仕掛けるつもりです。

 山中城で注意すべきポイントは、ガイド本文でも出てきました障子堀です。
 従来の空堀の内部に格子状の畝のような起伏のある特殊な堀です。
 この堀を単純に攻略しようとする場合、
・空堀内を走って突破
・畝のような部分を走って突破
 の2つが考えられますが、堀の中を走る場合、畝の部分が壁となりますので上り下りで速度とスタミナを奪われているうちに城内の兵によって攻撃されたり、壁部分の向こうから伏兵が現れたりして危険です。
 畝の上を丸太渡りのように走って突破するのは最短最速ではありますが、城内からの攻撃に対し逃げ場がなくこちらも危険です。
 堀の向こうにいる海陵王を倒すには、この堀をいかにして攻略するかが最初の難関と言えましょう。
 ちなみに、大筒の配置はありませんが、城内から遠距離攻撃を仕掛けてくると思われる鉄砲死兵たちはいるものと思われ、こちらの中には通常の鉄砲よりも大火力のものを持つ死兵も配置されている模様です。

 次に気を付けなければならないのは海陵王の力です。
 蜂天外祖を極めている彼は、一言で言うなれば「あらゆるものを自在に操る」能力の持ち主です。
 これまでの蜂天外祖の使い手たち(賈充・鍾会・荀勗・法正)が使えた術は全て、しかも威力と精度を増した状態で使えるとお考え下さい。
 その中でも彼が最も得意とするのは重力操作です。
 飛行能力や跳躍力を著しく低下させたり、圧を掛けて動きを鈍らせたりします。
 原理は相手の心理に働きかけて個々に発動させるもののようで、法正の「恐怖を植え付ける」術と酷似していますが、先に申し上げましたように威力と精度は圧倒的に海陵王の方が上です。
 また、かつては一国の皇帝でもありましたので軍を動かす事にも長けており、死兵団を巧みに操り皆様にぶつけてくるでしょう。
 ただし、老齢の彼は消耗の激しい天候操作は使わない模様です。
 なお、彼の所持する武器は「槍」といたってシンプルではありますが、その武力は凄まじいものですので決して侮れません。

 もはやここまで来ると何でもありのとんでもない「ラスボス」のように思えて打つ手無しの八方塞がりに感じるかもしれませんが、どうにかして隙を作り出し、戦局をひっくり返すだけの強い心と熱い想いをぶつけて下さい。
 皆様ならきっと戦える筈です。

 こちらのパートには、里見義重と斎藤実盛が皆様と同行します。
 義重は里見軍の総大将として本体後方に位置しますが、今回は幻遊兵を召喚し使役するつもりのようです。
 実盛は義重を補佐すべくその付近に陣取る予定です。
 実盛は幻遊兵を最大200名召喚出来、今回は義重の補佐と彼への指南が目的なので遠距離攻撃に重きを置いて鉄砲隊として召喚する予定です。
 義重の方は気力体力を最大限に使えば5,000名もの幻遊兵を召喚出来ますが、精根尽き果て動けなくなっては危険なのでかなり抑えた数で召喚します。
 ただし、前述したようにその扱いは非常に不得手ですので、実盛に倣い鉄砲隊として召喚し、皆様の援護をする形になるかと思われます。



 ■お知らせ

 【八賢士伝】は全6話のシナリオで、今回はいよいよ最終話でございますが、これまでの参加の有無に関係なくどなたでもご参加頂けますので、参加ポイントが200ポイントのシナリオではございますがよろしければお気軽にお申し込み下さい。

 また、第2話から扉絵に本シナリオのNPCである里見義重(淳泰)が登場しております。
 こちらは、三千界のアバターでイラストレーター登録をされておりますカノユキ様にご制作頂きました。
 皆様には義重のイラストも一緒にお楽しみ頂ければ幸いです。

 更に、第5話リアクション公開時にお知らせいたしました「サプライズ」をここで発表させて頂きます。
 本最終話が見事大団円を迎えるに至りました暁には、後日談シナリオをリリースいたします。
 これまでと同様に参加ポイントは200ポイントのシナリオにはなってしまいますが、後日談シナリオには最終話にご参加下さったMC様全員に招待を出させて頂く予定でおります。
 もちろん、招待は出させて頂きますが参加は自由です。
 定員も僅かばかりですがこれまでよりも広めに設定する予定ですので、最終話には参加出来なくても後日談には興味があるという方も楽しみにして頂けますと幸いです。
 しかし、大団円を迎えられなければこの計画は水泡に帰してしまいますので、皆様どうか頑張って下さい。



それでは、この小世界の明るい未来のために、皆様のお力でこの最終決戦を制し、海陵王との戦いに終止符を打って下さい!

忍城城下の領民を保護する 【現在のMC参加人数:10】

5

縛魂義頼を撃破する 【現在のMC参加人数:6】

8

海陵王を倒す 【現在のMC参加人数:12】

9