皆様、本シナリオガイドをご覧くださり、ありがとうございます。
本シナリオは、4回程度を予定している小世界シリーズ<スカイドレイク>の、第1話となります。本シナリオは序章である『
雲龍世界探訪』終了後の状況から始まりますが、お楽しみいただくにあたり『探訪』をご存知である必要はありません。
今回の舞台は、序章で訪れた
“冒険の島”ニュートラファルガー、
“学究の島”シテ・ヌーヴェルに加えて、部分的に
“鉄壁の島”ノイエスアイゼンが加わります。
▼“雲竜世界”スカイドレイクについて
スカイドレイクは、約300年前の
大沈降と呼ばれる天変地異により地上が全て雲に覆われて、人類の版図が
石龍島と呼ばれる空中島に限られてしまった世界です。
現時点では、先述した3つの島を含む幾つかの島々の存在が知られています。
いずれの石龍島も高空に浮かぶため、本来は人類文明が発展できる環境ではないのですが、人類はマナとギアの技術により強制的な環境改造を行なうことで問題を克服しています。
もっとも、そのためには大量のマナストーンを使用する必要があります。石龍島は「ドラゴンが石化した」と伝えられるだけあって、それ自体が巨大な高純度マナストーンの塊ですが、自身の足元を採掘しすぎればいつ島が崩壊してしまうかは判りません。
そこで人々(特に社会に馴染めない荒くれ者たち)はマナのエネルギーで空を飛ぶ船
飛空船に乗り、無人の小型石龍島を探す冒険を始めました。彼ら
ドラゴンシーカーは、新たな石龍島を発見して一攫千金を手にすることを夢見て、激しい雷雨が続く雲や、その中に潜む飛行モンスターなどに命を奪われる危険も顧みずに冒険を続けるのです。
この世界には、
ニビル彗星と呼ばれる大彗星が近づいています。その軌道要素は不確定で、彗星が落下するかどうかは天文学者たちの間でも意見が分かれていますが、古くより
「箒星とともに地上に『魔』が現れる」なる伝承が伝わることと、
地上教団と呼ばれる邪教が世界滅亡を吹聴してテロを起こしていることから、彗星の落下が人類を滅亡させると信じている者も少なくはありません。
そのため、人々はニビル彗星のことを、
終末の大彗星と呼んでいます。
以上の情報は、特異者たちに協力を申し出た現地の探検家、
ジャックから聞くことのできた情報です。
彼のことは信頼できますが、当然ながら、彼がこの世界の全てを知っているわけではありません。重要な情報を手に入れるためには、世界のさまざまな場所に足を運んでみる必要があるでしょう。
皆様は、ジャックの口利きにより
ドラゴンシーカー・ギルドに登録した、という前提で行動を始めてかまいません。
ギルド登録者は、望むのであれば中古のオンボロ小型飛空船(Lサイズ・2人乗り)を入手し、パートを無視して冒険することも可能です……が、
航路から外れた冒険は極めて危険とだけは申しあげておきましょう。
本シナリオでは、無謀または非常に危険な行為に対してはアバター死亡判定が行なわれます。以降、スカイドレイク世界を舞台としたシナリオでは、死亡アバターと同一アバターでの参加はできなくなりますのでご注意ください。また、行動次第では他にも特殊な行動制限が課せられる可能性がございます。
▼スカイドレイクとアバター
スカイドレイクのアバターはガイアのアバターと共通ですが、一部、ガイアとは設定や社会的地位に違いがあります:
・バウンティハンター
特に違いはありません。せいぜい、所属がギアーズ・ギルドではなくドラゴンシーカー・ギルドになる程度です。
・セージ
冒険の結果人体の一部をギア化する羽目になった者は、ドラゴンシーカーには珍しくはありません。しかし、一般人からはやくざ者と見なされ、畏怖されがちです。
完全な汽人は、石龍島では貴重な食料を消費しない労働力として、さまざまな場所で活用されています。ただ、通常彼らは誰かの所有物であり、自由意志を持つものは極めてまれです。
・アーティフィサー
バウンティハンター同様、特にガイアとの違いはありません。
・ピースメーカー
スカイドレイクでは、特別な意味があるアバターではありません。しかし、優秀なドラゴンシーカーとして名声を得るための条件は整っているでしょう。
・ストレンジャー
石龍島の濃密なマナは、一部の人類を変質させ、過酷な環境に適応させました。スカイドレイクにおけるストレンジャーは、全てそのような人物かその子孫です。
彼らはある種の疾患者と見なされ敬遠されがちではありますが、特に迫害されることもありません……ただ、環境耐性のために危険な状況での労働を期待されることも多いため、それを差別と取る者もいるようです。
・マージナル
スカイドレイクでは、存在を知られていません。通常は気にする必要はないでしょうが、状況次第では異世界スキルと同様に扱われるスキルもあるかもしれません。
なお、いずれのアバターであっても、ガイアのウィザード・ライセンスはスカイドレイクでは通用しません。とはいえアクション中に階級のアピールがあれば、GMが皆様の実力を判断する際の一助にはいたします。
【1】ニュートラファルガー島でテロに対処する 難易度:3
ニュートラファルガー島内で、地上教団の大規模な活動が察知されました。彼らは政府庁舎周辺の路地や庁舎前の
中央広場で同時多発的に爆弾テロを起こす計画のようです。
警察も警戒態勢を敷いてはいますが、十分に手が回りそうにないためドラゴンシーカー・ギルドに極秘裏の協力要請を出しています。怪しい人影を探す、逃げる教団員の身柄を確保する、人々に避難を呼びかける、捕らえた教団員を尋問する、等々、事件の解決に力をお貸しください。
なお地上教団員らは、政府庁舎内へ避難する人々の流れに乗じて政府庁舎を襲撃しようとします。
この情報はプレイヤー情報ですが、ちょうどその場に居あわせたなどの理由をつけてアクションに活用してくださってかまいません。
地上教団のテロと関わらずにニュートラファルガー島で活動する方も、便宜上、こちらのパートをお選びください。
依頼窓口や資料室などを擁する
ドラゴンシーカー・ギルド本部、ギルド向かいの市民憩いの酒場
フライヤーズあたりが主な活動の場になると思われますが、デートスポット
盆の窪広場、軍民共用で唯一大型飛空船が停泊できる
ニュートラファルガー空港、マナストーン採掘を行なう
鉱山地区、ギアによる木材や食用植物の栽培を行なう
農業地区など、島内にはさまざまな施設が存在します。詳しくは『
雲龍世界探訪』もご確認ください。
【2】シテ・ヌーヴェルで情報収集する 難易度:1
シテ・ヌーヴェルにもさまざまな施設がありますが、特筆すべきはなんと言ってもスカイドレイク世界最大の大学
シテ大学でしょう。調査することで、この世界を襲う危機の正体が見えてきたり、この世界の秘密に迫れるかもしれません。もちろん、研究者とのつながりを作っておくだけでも、何かあった時に役に立つかもしれません。
シテ大学には、ニビル彗星の観測も行なう
天文学部、マナ理論研究の最先端である
物理学部、伝承・芸術・その他の人類文化一般を扱う
人文学部、ギアの新設計や石龍島の構造計算を行なう
工学部、人類史だけでなく世界そのものの歴史も研究する
歴史学部など、9つの学部が存在します(他に数理学部、医学部、法学部、哲学部)。
大学関連以外でシテ島で活動する方も、便宜上、こちらのパートをお選びください。
本国同様依頼窓口や資料室のある
ドラゴンシーカー・ギルド支部、大学の影に隠れてあまりぱっとしない
シテ政府庁舎、さまざまな学部の学生たちが集まって夜な夜な大騒ぎする下町の一角
学生窟などの施設が存在します。
【3】ノイエスアイゼン行きの船団に同行する 難易度:4
こちらのパートでは、シテ・ヌーヴェルから“鉄壁の島”ノイエスアイゼンに向かう船団内と、ノイエスアイゼン港での入国審査を扱います。
ノイエスアイゼンは謎めいた独自技術、
マナバリア技術によって守られた石龍島ですが、それゆえに島民たちはマナバリアを失うことを多かれ少なかれ恐れています。このためノイエスアイゼンには強力な軍隊が存在し、内外の破壊工作に対して神経質なまでの警戒をしています……たとえ、それが自らを軍国主義的生活に押しこめたとしても。
その結果、彼らはマナバリアがなくとも間違いなくスカイドレイク最強と言える軍事国家に上りつめたわけですが……そんな彼らは皆様の船団の目の前で、空賊たちと交戦中です。空賊たちの戦力はドラゴンシーカー並ですが、空軍戦力はそれすら圧倒しており、戦いの結果は火を見るより明らかです、とはいえここで空軍に加勢して恩を売っておけば、今後のノイエスアイゼンにおける活動がスムーズになるかもしれません。
空賊と戦う以外にも、このパートでは船団の乗客や現地軍との交流を行なうことができます。
客船の一等船室には、シテ・ヌーヴェルから赴任する外交官
ジャン・セヴラン氏の一行が搭乗しています。シテ・ヌーヴェルとノイエスアイゼンの双方に詳しい彼とは、ドレスコードのある船内サロンや船内遊技場で出会うことができるでしょう。
また、空賊との戦闘の後、現地軍の事情聴取に応じるという形で現地軍人に情報交換を求めることも可能です。ただし、深い情報を得ようと思うのであれば、今回は空軍への加勢で目ざましい活躍をしておいて、次回改めて情報収集するほうが効果的かもしれません。
なお本シナリオでは、『雲龍世界探訪』の参加者の皆様に招待を行なっております。
また、今回の参加者の方で次回に繋がる重要な情報を成果を入手なさった方へは、第2回シナリオへのご招待を差し上げる予定です。それ以外にも、特別な立場や情報を入手できる可能性もございます。
皆様のご参加をお待ちしております。
▼参考1:プレイヤー情報の扱いについて
スカイドレイク世界には、現代ほど安価・高速ではないものの、ある程度発達した交通網と情報網が存在します。このため本シリーズでは、リアクション等で提示された情報は「次のシナリオ開始までに、何らかの方法で共有された」ものとしてくださってかまいません。また、どなたかに個別コメントにてお伝えした情報をプレイヤー的に入手なさった場合も、アクション中で改めて入手アクションを行なう必要はありません。
もしも皆様が調査結果を共有したくないような場合、アクションにその旨をご記載いただければ個別コメントにてお伝えする形式といたします。ただし、調査方法次第では秘匿できず、リアクション本編中に描写されてしまう可能性はありますことをご了承ください。
▼参考2:参加パートの変更について
以前のシナリオで特定の場所に向かった方が、今回のシナリオで別の場所で参加することは、原則として自由です(たとえば、前回ニュートラファルガーで行動したのに今回はノイエスアイゼンで行動する、など)。
ただし、特殊なケース(たとえば『単独行動してどこかに囚われた』等)ではGMより次回参加パートの指示がある場合があります。