三千界のアバター

鬼斬刀の眠る山 第1話

リアクション公開中!

鬼斬刀の眠る山 第1話
基本情報

マスター:藤村 悠生
ワールド:大和
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2018年03月16日公開!

シナリオガイド

穢れた刀と攫われた巫女――村人を襲う妖一門を撃退せよ!

シナリオ名:鬼斬刀の眠る山 第1話 / 担当マスター:藤村 悠生




「やっぱり――穢れはこのから漏れ出してるアル」

 大和の東部に位置するとある村――。
 その社に祀られている一振りの刀へと、流野 美琴(ながれの みこと)が険しい視線を向けました。

 美琴はまだ新人の特異者ですが、特異者になって以降はそのほとんどを、大和で過ごしています。
 妖魔が出てから駆けつけるのではなく、妖魔による悲劇を未然に防ぐためには
 穢れの兆候のあるものは早めに浄化していくことが大切だと考え、大八洲のあちこちを流れ巫女として旅しながら、
 浄化浄化また浄化の日々を送っていました。

 そんな旅路の途中で美琴は今回も、この人里で穢れのある品を発見したのです。

「周辺の山々にも妖魔が頻繁に出てる聞いたネ。ひょっとすると、それもこの刀の穢れが原因かもしれないヨ」
「そ、そんな……、何かの間違いでは……」

 美琴の言葉に、村の巫女である月子(つきこ)はその小さな唇を青くします。

「ああ……、どうしましょう……。妥門様よりお預かりした、大切な刀ですのに……」

 月子はそのまま膝から崩れ落ちそうになりましたが、美琴がそれを支えました。
 妥門というのは、この辺りの地域を治めている貴族、楠木 妥門(くすのき だもん)のことです。
 両目を隠すように包帯で覆っている月子を、美琴はひとまず境内の端に座らせます。

「まだ妖魔になってしまったわけじゃないアル。いまのうちに、しっかりと浄化するネ」

 美琴が言い聞かせるように言うと、月子はどうにか頷いて返しました。

 ――数年前、近隣の山に現れたという鬼によって、月子は顔を横一線に裂かれ、両目の視力を失いました。
 いえ、失ったのは視力だけではありません。
 鬼と遭遇する以前までの記憶も、巫女としての力も、月子はすべてそのときに失いました。

 けれども、周辺の村々には巫女の素質のある者が月子しかいなかったことから、月子はあくまで巫女として、
 もう二度と鬼が出ることのないようにと預かった刀へ祈りを捧げる日々を送っていたのです。

 元より、周辺の山々は妖魔山と呼ばれるほど昔から多くの妖魔が出没しており、
 山裾の村々の人々は穢れに怯えながら毎日を暮らしています。
 力を失くした月子に、それ以降も巫女として働くようにと言い含めたのは妥門ですが、
 鬼に襲われても生き残った月子という巫女の存在は、村の人々にとっても心の拠り所でした。

 そんな月子が祈りを捧げていた刀が穢れていたと知ったら、
 そして月子にはもう、穢れを感じる力もないのだということが知れたら、村人たちは動揺し、不安を募らせてしまうでしょう。
 記憶がないながらもいま現在の村人たちの想いを理解している月子は、せめて彼等に無用な心配をかけまいと、
 村人たちには内密のまま刀の浄化にあたることにしました。

「見届け人は、わたくしが務めさせて頂きます」

 浄化の儀式にあたり準備を進める美琴の様子を、妥門の世話人でもあるという忍――久野 市子(くの いちこ)
 言葉の通り、境内の外より見届けています。
 刀は妥門からの預かり物であるため、儀式より前に美琴たちは楠木邸に赴いて、
 穢れの報告をすると同時に妥門より浄化の許可を得ていました。

 そしていま、月子は村人を刀に近寄らせないよう、社がある場所とは離れた場所にある寄合所に人を集め、
 普段より月に数度行っているという鎮魂の会を開いています。
 大切な刀の浄化の儀式を、余所者である美琴のみで執り行うことになってしまうため、
 儀式のお目付け役として、世話人の市子が遣わされることになったのです。

「少々の手際の悪さは許容致しましょう。
 ですがその刀は、月子殿と同様に村人たちの心の寄る辺でもある」
「市子ちゃん、大丈夫ヨ。これでも三度の飯より浄化の毎日、ワタシずっと続けてきたネ。
 このくらいの穢れ、ぱぱっと綺麗にできるアル」
「ではくれぐれも、浄化以外のことをしようなどとは考えぬよう。
 怪しい素振りを見せれば、お命はないと思って頂きたく」

 浄化の腕にだけはちょっとした自負のある美琴でしたが、市子は元々堅物らしい表情を崩そうとはしません。

「まあ見ていてヨ」

 そして、美琴が浄化の儀にとりかかろうとした、その時でした。
 村の中心部より、なにやら悲鳴があがります。
 一度だけではなく二度三度――そこにはやがて怒声までが混じりました。

「一体何事だ」
「あぁ、市子さん……! ――妖一門(あやかしいちもん)です! 奴らが襲ってきやがったんです!」

 浄化の儀式を中断し、騒ぎの聞こえる村の中心部へと駆けつけた美琴や市子の元に、村人たちが訴えます。
 妖一門とは、妖魔がはびこる近隣の山々を縄張りにしている妖集団で、
 行き来の難しい山々の中にあるといういくつかの人里を、妥門に代わって治めている一団です。
 話を聞くまでもなく、美琴たちの目の前でも妖たちが村人を襲い、作物庫を荒らし、女子供まで攫われていました。

「月子ちゃんも連れて行かれちまった――!」

 村の男たちは農具で抵抗していますが、力の差は歴然で、見る間に女性も子供も連れ去られて行きます。
 しかも、妖たちが先導したのか、それともつられて出てきたのか、妖魔までもが村に現れ始めました。
 ――これでは最早、刀の浄化どころではありません。

「みんな、こっちアル……!」

 美琴は、まだ残っている村人たちを楠木邸へと避難させることにしましたが、
 妖一門は周辺の村々にも同時に襲いかかっているようで、人手が足りません。
 浄化以外のことはほとんど何もできない美琴は、とにかく助けを呼ぶことにしたのでした――。


担当マスターより

▼担当マスター:藤村 悠生

マスターコメント

 プライベートシナリオでは大変お久しぶりです。藤村 悠生です。
 本シナリオは大和のとある地域、妖魔が常に闊歩している穢土のような山々とその周辺を舞台に、
 全五話を予定して展開して参ります。一度ご参加頂いた方には、以降のシナリオではご招待を出させて頂きます。

 お一人様ずつの文字数が多めになってしまうかと思いますが、まったりお付き合い頂けますと幸いです。

 第一話にあたる今回は、
 妖一門や妖魔と対峙しつつ村人を避難させ、攫われた女子供や月子を救い出すシナリオになります。
 妖たちは村人を殺害するなどの行為には及んでおらず、村々を襲っている目的などについても現時点では不明です。
 しかし出没している妖魔たちは容赦なく人々に襲いかかるため、まずは村人の安全を確保してあげてください。

 ・妖魔と戦う
 ・妖一門と戦う
 ・妥門の屋敷――楠木邸に村人を避難させる

 活動パートは以上の四つになります。
 以下に各情報をまとめます。


■妖魔と戦う■
 村に出没してしまっている妖魔と戦うパートです。

 妖魔は猪や熊、イタチなど、ほとんどは山に住まう獣たちですが、中には古びた刀の妖魔も混じっているようです。
 獣の妖魔は一対一ならばあまり強くはありません。屈強な村人ならば農具で対抗もできますが、囲まれれば危険です。
 元より妖魔の多い山が近くにあるため、一掃してしまわないと妖魔が妖魔を呼び村が潰されてしまいます。
 
 刀の妖魔は数が少なく、群を形成することもないようですが、獣の妖魔とは違い少々強力です。
 強さには個体差があるようですが、刀の妖魔が相手では村人では太刀打ちができません。

 村々は、東西南北の村・北東村・南西村・南東村・北西村、と円を描くように八つ存在しています。
 妖一門も妖魔も同時多発的に八つの村を襲っているので、各所の村を助けに行かなければなりません。
 なお、東に行くほど妖魔が多く、西に行くほど妖が多いという分布になっています。


■妖一門と戦う■
 各村を襲っている妖たちと戦うパートです。
 攫われた女性や子供、月子の居場所を探し、助け出すのもこちらのパートになります。

 妖たちは狐や狸の半妖から雪女郎など様々な者がいるようですが、妖一門の妖は皆、腰に刀を携えているのが特徴です。
 現在は村人を襲う他、女子供を連れ去り、村の作物庫に入り込むなどしています。
 浄化だけを目的としていた美琴は妖一門についてはあまり関知していなかったため、彼等についての情報はあまりありません。
 
 市子の調べによれば、妖一門は周辺の村々を襲い、その一部を占拠しているようです。
 村々は、東西南北の村・北東村・南西村・南東村・北西村、と円を描くように八つ存在しています。
 それぞれの村には寄合所が存在しており、妖一門は各村の寄合所を積極的に占拠しようとしているため、
 攫われた者たちもほとんどはそこに集められているはずです。
 月子も、どこかの村の寄合所にいると考えられますが、現段階でどの村の寄合所が占拠されているのかはわかりません。
 占拠された寄合所を取り戻し、防衛にあたってください。
 
 妖たちは一門というだけあり、組織的な動きや連携を得意としているようですので、
 すべての寄合所を取り戻せばひとまず撤退するだろうというのが、市子の報告を受けた妥門の考えです。。

 美琴が浄化を行おうとした刀が祀られていたのは西村で、月子が村人たちを集めていたのも西村寄合所ですが、
 ここは現在、妖一門に抵抗する若い村人たちの砦のようになっています。
 村人は健闘していますが、妖との力の差は歴然です。寄合所の中には女性や子供の他、逃げ遅れた老人なども
 身を寄せ合っていますが、周囲の妖たちを追い払わなければそのまま占拠されてしまうでしょう。
 どの村の寄合所でも、中を調べるためには周囲の妖を追い払う必要があります。

 市子は妥門の命を受け、情報収集のために各村を駆け回っています。
 声をかければ情報の提供などはしてくれるはずですが、市子自身が自ら積極手的に手を貸してくれることはありません。

 なお、現在は東に行くほど妖魔が多く、西に行くほど妖が多いという分布になっています。


■楠木邸に村人を避難させる■
 周辺を治めている貴族・楠木妥門の屋敷に村人を避難させるパートです。
 また、村民が避難してくる楠木邸の防衛にあたるのも、こちらのパートになります。
 
 楠木邸は南村より更に南に位置する屋敷で、市子より事情を聞きつけた妥門は既に屋敷の門を開放し、
 避難してくる村人たちを待っています。
 村人数名を連れて楠木邸を目指している美琴は、屋敷の手前で妖魔と交戦中です。
 
 楠木邸は使用人が市子しかおらず、その市子も今は村々と屋敷を往復しています。
 屋敷の内部は避難後も人手が足りない状態にあります。
 なお、楠木邸は妥門の結界によって守られているため、中に逃げ込んでしまえば獣の妖魔が侵入してくる可能性は低いです。
 ですが、刀の妖魔が来た場合には、結界が破られる可能性もあります。
 
 
★NPC補足★

・流野 美琴(ながれの みこと)/巫女
 大和で浄化の日々を送っている特異者の少女です。身体年齢は15歳ですが、精神年齢は少々低めになります。
 浄化の力には自負があり、最低限の戦闘経験はありますがあまり強くありません。

・月子(つきこ)/巫女
 西村に住まう17歳の巫女です。14歳の頃に鬼と遭遇した際、視力・記憶を失っており、巫女としての力も発揮できません。
 鬼に襲われても生き残ったということで、村人たちの一種の信仰対象になっているようです。
 力もないのに村人や妥門に優遇され、後ろめたさを感じているのか常にすまなそうにしています。

・楠木 妥門(くすのき だもん)/貴族
 村人たちからの支持が特に厚いということもなく、しかし恨まれるほどの圧政を強いているわけでもない、
 可もなく不可もない目立たない貴族です。三十代半ば頃の男性で、妖魔山を中心とした西の僻地を治めています。
 結界が張れるなど、ある程度の戦闘の心得があるらしく、美琴の印象では、貴族の割には気さくな性格だったとのことです。
 
・久野 市子(くの いちこ)/忍
 妥門の唯一の世話人でもある、16~18歳程度のくノ一です。
 堅物で融通の利かなそうな印象ですが、主の妥門には信頼を寄せているようです。
 俊足で、情報収集や伝達に優れています。妥門の護衛も担っており戦闘力にも長けているようですが、
 妥門の身の危険に関わること以外での戦闘には、妥門に命じられなければ参加しません。


 ***

 以上になります。
 パートにとらわれ過ぎず、各NPCへの接触や情報収集、探索など自由にアクションをかけて頂ければと思います。

 美琴から助けを求められてのご参加以外にも、
 
 ・偶然この地域を訪れていて騒ぎに巻き込まれた
 ・騒ぎの前から妖魔山が気になっており、今回の騒動と関係なく妖魔山の調査に訪れている
 
 などでのご参加も可能です。
 ただし、調査で山や近隣を訪れる等、村の騒動に関わらないアクションをかけられたとしても時系列は同じとなるため、
 近隣での調査では妖魔や妖に遭遇することにはなります。

 それでは、皆様、楽しくご参加頂けましたら幸いです。

※パートに限らず、難易度は行動により上下いたします。

妖魔と戦う

3

妖一門と戦う

4

楠木邸に村人を避難させる

3