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ユグドラシル

【シグトゥーナ】世界喰い 第一話

リアクション公開中!

【シグトゥーナ】世界喰い 第一話
基本情報

マスター:九道雷
ワールド:ユグドラシル
 
 

料金

MC参加:150ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2017年10月03日公開!

シナリオガイド

そこは、浸食され、崩壊して行く世界

シナリオ名:【シグトゥーナ】世界喰い 第一話 / 担当マスター:九道雷


 
「『世界喰い』か……」

 窓から空を見上げて、国王ユングヴィは顰めた眉を更に寄せました。
「これまで世界が闇で覆われていたのはもしかすれば、これを人々の目から隠す為だったのやもしれませんね」
 傍らに控えていた臣下の言葉に王は、深い溜息をつきました。

 青空は、所々が虫食いのように黒く抜けていました。
 黒い斑点はそこに“在る”のではなく、それは浸食であり“無”でした。

 ゲヴンによる闇が祓われ、明るさを取り戻したシグトゥーナ。
 この世界は、虚無の浸食によって崩壊しようとしていたのです。


◇ ◇ ◇



「クヴァシルに話が聞ければよかったのだが」
「世界がこの有様では、クヴァシルも相当苦しんでいるでしょう。瀕死くらいになっているかもしれません。
 せめて、一人ではないといいのですが」
 王の言葉に、臣下がそう答えました。
 シグトゥーナの地祇、クヴァシルはずっと、国の有力なセイズコナの召喚に応じていません。
 その理由が、闇が晴れた今、明らかとなっていました。
「王のご指示に従い、ビッグヴィルとベイラが帰還致しました。
 ブロウズは現地で死亡、亡骸を発見し、そのまま荒野に埋葬してきたそうです。
 ただ、魔剣は何者かに持ち去られていたとのこと」
「仕方がない。彼に託した時点であの剣については彼の裁量だ」
「……姫様が悲しまれますね。ヘルヴェル様はブロウズに懐いておられましたから……」
「……」

 報告する臣下とそれを聞く王の耳に、バタバタと慌ただしい駆け足の音が近付いてきました。
「ちょっとどーいうことっ!? 何かいきなり一人で旅に出ろとか言われたんだけど!」
 少女は困惑と興奮で真っ赤な顔に涙ぐみながら、荒々しく扉を開くなり、王の執務室に飛び込んできて叫びました。
「年頃の娘が何という有様だ、ヘルヴェル。
 言葉の通りだ、ことは一刻を争う、さっさと行け」
「ワケわかんない! 説明して!」
 喚くヘルヴェルに、王は傍らの臣下をちらりと見ました。臣下は黙って肩を竦めます。
「王族なら王族らしく、もう少し冷静に振るまえ。
 お前の残念な頭は、聞いたことは全部右から左なのか?」
 混乱して取り乱しているヘルヴェルを前に、王は辛辣に言い放ちました。
「ユンちゃん私に対してちょっと厳しすぎない!?」
「馬鹿を甘やかしていられるか。あれが何だか解るな?」
 窓の外、示された空を見上げてヘルヴェルは言葉を詰まらせました。
「……何かヤバいやつ」
「そうだ。放っておけばあの“無”はどんどん広がって世界が滅びる。どうしてか解るな?」
「ど、どうして?」
 じいっと見下ろされて、ヘルヴェルはきょろきょろと視線を彷徨わせ、臣下に助けを求めましたが、彼は苦笑して「説明したはずですが」と答えました。
「え、えーと、何だっけ……せ、世界に穴をあけてるんだったかな? あっそうだった、そうよね!」
「その通りだよく憶えていたな。
 お前の頭でも解りやすく例えるなら、この世界は卵で、今その殻を少しずつ剥かれているような状態だ。
 今はまだ、全体の形を崩す程には至っていない……或いは薄皮が張っているので何とかもっている、という考え方もある。
 例えは悪いかもしれないが、表面張力のようなものが働いていると考えてもいい。
 だがこのまま殻が剥かれ続ければ、卵は割れる。解るな?」
「う……うん」
「ではどうすればいい」
「えっ……ど、どうすればいいの?」
「人の力ではどうにもしようがない」
「えっ、それじゃどうするの!?」
「そうだな。もう神様に頼むしかない」
「は? えーとでもこの世界には神様いない……のよね?」
「その通りだ、よく知っていたな」
「ユンちゃん私のことすごい馬鹿だと思ってない?」
「その通りだ、よく解ったな。
 神はいないが何とか見つけ出すしかない。見つからなければ世界は滅びる。
 そういうわけでヘルヴェル、探しに行け。すぐにだ」
「無理。いないのどうやって探すの!? ていうか何で私!? 無理無理無理! 絶対無理!
 私が馬鹿だってユンちゃんだって言ってんじゃん! 何で私!?」
「それはな、今この城で暇なのが、お前しかいないからだ」
「ぐっ」
 半眼で見据えた王に、ヘルヴェルは思わず目を逸らしました。
「この事態に、王族は総出で民を護る為に働いている。
 この空を見て民は皆混乱し、怯えている。彼等が暴動など起こさないようにせねばならないし、王都ならば何とかなるかもと避難して来る者もあるだろう。だが護らなければならないのは都の民だけではない。その他挙げるのも面倒な程だ。
 皆ものすごく忙しい。暇なのは、馬鹿で無能なお前だけだ」
「ユンちゃん私に対して辛辣すぎない!? ていうかそれで何で私なの!?」
「ああ忘れていた。これを持って行け」
 王は、机の上に置いてあった本を手に取り、ヘルヴェルに渡しました。
「……? 何これ、童話じゃん」
「お前の頭の程度に合わせた。これでも門外不出の代物だ、せいぜい勿体ぶって開くのだな」
「童話じゃん」
「では行け。
 成し得なければ世界が滅びる。任せたぞ」
 王はちらりと臣下を見るとくい、と顎を向けました。
「さあ姫様、行きましょう。一刻も早く!」
 臣下はむんずとヘルヴェルの肩を捕まえ、ズルズルと引っ張って行きます。
 執務室の外に引っ張り出すと、廊下に控えていた騎士にヘルヴェルを預け、ヘルヴェルは騎士に引っ張られて行きました。
「ちょ、ちょっとー! 横暴だー! 横暴国王ー! ユンちゃんの馬鹿馬鹿ーっ!!
 うわあぁぁぁん、ユンちゃんは私のことが嫌いなんだーっ
 私が馬鹿だから王になれなかったし私だけ竜いないのに龍騎士とかやってるし
 私が…………」
 悲鳴はどんどん遠くなって行き、王は溜息をひとつつきました。


「……上手く行くでしょうか?」
 力ずくで門の外に放り出されたヘルヴェルは、暫くの間閉ざされた門にしがみついて色々と喚いていましたが、やがてトボトボと城を後にして歩き出しました。
 王は、難しい顔をして窓からそれを見送っています。
 臣下の言葉に、王は目を伏せました。
「出せるカードがこれしかない」
「……はい」
「あれが、一番血が濃い。……そんなものが、何かの役に立つことがあるとすればな。
 ……“闇”を祓ったのは、在野の冒険者達という話だったな」
「二人が戻る前に、
『情報を探すなら、この国の首都に向かうより、隣国に向かった方が距離的に近い』
 という話を流してありますので、興味を持った者は向かって来るでしょう。
 国境の町で姫様と出会うタイミングになるかと思います。
 姫様は、国境の町まではつつがなく行けるよう、私の部下に密かに護らせます」
「世間知らずな娘だからな。
 一人旅も大した苦労はないと図に乗りそうだが……。
 あとは、あれの無能ぶりに冒険者達が絆されてくれることを願うのみか」

◇ ◇ ◇


 国境の町近くの道を、フラフラとした足取りで歩く子供の姿がありました。
「ここ、どこ……?
 おナカ、すいた……」
 その子供は、自分が誰なのか、自分がどうしてこの道を歩いているのか、全く憶えていませんでした。
 ただ、誰かを呼んでこなくてはなりませんでした。自分を助けてくれる人を。

 やがてぱたりと子供は倒れてしまいました。
 その姿を目撃した者もありましたが、誰もが遠巻きにして、その子供に近寄り、助けようとする者がありません。

 その子供は人ではなく、狼のような姿をした獣人だったのです。

 ウルヴヘズナルと呼ばれる獣人族は、とても野蛮なことで知られていました。
 主に南の大陸に生息していますが、南の海を航海する船舶に対して略奪行為を働き、恐れられています。
 闇が祓われたのを機としてなのか、最近国境の町付近では恐ろしい魔物に襲撃される被害が相次いでいて、そこへ来て獣人の出現に、すっかり戦々恐々としてしまっているのでした。
 
担当マスターより

▼担当マスター:九道雷

マスターコメント

 
 シグトゥーナシナリオ第三部をお届けいたします。
 シリーズとしては最終シナリオとなりますが、ここからご参加くださる皆様も勿論歓迎いたします。

 第二部のエピローグと第三部のプロローグを含めた、長いシナリオガイドとなってしまいましたが、
 第一回目の舞台は、第二部より移動して隣国に向かいます。
 王とヘルヴェルの会話は現時点でPL情報となります。
 何か情報があるかも……という噂に乗せられて隣国に向かった皆さんは、国境の町にてヘルヴェルを見かけることになるでしょう。偶然を装って出会いを演出してください。
 国境の町は、領地的には隣国側にあります。
 辺境ですが、人の行き交う商業の町としてそこそこ大きな町です。
 また、町の外には獣人の子供が倒れています。
 町の人達は、起きてきても怖いしこのまま死なれても寝ざめが悪いので、誰かを雇って遠くに連れて行って貰おうか、という話し合いが成されているようです。

 ウルヴヘズナルとは、ガイアにおける「異人」のような、二足歩行する獣のような外見の種族です。
 彼等の国は南の大陸にあり、ウルヴヘズナルと会ったことのある人は稀です。
 人々は彼等を残忍で獰猛な種族、という認識を持っている程度です。
 狼等の犬系、豹等の猫系が殆どですが、熊等他の獣の獣人も稀にいます。



 また、このシナリオにはローカルルールが存在します。

■ローカルルール1/ローカルアバター・セイズコナ
 この世界には、セイズコナという巫女が存在します。
 この世界においては稀少な存在で、民の畏敬の対象とされています。
 希望するPCさんは、シグトゥーナにてセイズコナアバターを成長させることができます。
 この世界ではセイズコナは女性が殆どですが、男性がなることもできます。
 メインアバターをユグドラシルアバターに設定した場合に、付属アバターとして、セイズコナとなることができます。
 シナリオ第二部においてセイズコナアバターを所持している人はそのレベルから、今回から参加される方はレベル1からスタートします。

 毎回、下記セイズコナ一覧より、新しい魔法を一つ覚えることができます。(次の回から使用できます)
 セイズの詳しい説明は、マスターページも併せてご確認ください。
 レベル1、2がある魔法は、レベル1を覚えていないとレベル2を覚えることはできません。
 魔法を覚えず、通常1上がるセイズコナレベルを2段階上げることもできます。
 レベルを上げることによる違いは、例えば『精霊視レベル2』を持っている場合、低レベルでは視えない上位の精霊が高レベルだと視えるとか、そんな感じです。
 また、レベルが上がることによって覚えられるセイズが存在します。

 取得した魔法一覧は、マスターページより確認することができます。
 リアクション公開後、次回シナリオガイド公開前には更新されます。


■ローカルルール2/アバター死
 このシナリオには、アバター死する可能性が存在します。
 アバター死した場合、参加していたアバターでのご参加が以降できなくなり、参加された場合、シナリオ内では基本的に死亡しているものとして扱われます。



◆◆取得できるセイズ一覧◆◆

■精霊視■
・レベル1/夜の闇の中でも、夜明け前の朝のように、全体的に暗いが何処に何があるか等は問題なく見える。
・レベル2/夜の闇の中でも、くもりや雨の日の昼間のように、薄暗いが何処に何があるかははっきり見える。精霊を視覚的に捉えることができる。

■精霊伝心■(※要輝力石)
・輝力石を持っている者間で会話ができる(一対一限定)。片方が見ている光景を、相手の脳裏に映し出すこともできる。

■精霊託■
・レベル1/精霊の存在が感じとれ、言葉っぽいものを聞き取れたりできる。
・レベル2/精霊と会話っぽいことができる。

■精霊憑依■
・寒さや暑さを感じなくなり、水の中で呼吸することもできる。

■精霊感■
・レベル1/幻覚を見せることができる。
・レベル2/自分より弱い対象を操ることができる。

■精霊飛■
・精神を体から離脱させることができる。

■守護結界■
・自分の周囲に、任意のひとつのものを完全に遮断する結界を張る。

■精霊呪■(※要輝力石)
・レベル1/攻撃を身代わりで受けるセイズを輝力石に込める。
・レベル2/攻撃を反射して相手に返す。※攻撃が強力過ぎる時は、受け切れずに失敗することもある。

■猛霊憑依■
・戦闘能力が3倍になる。

■精霊伝身■
・訪れたことのある輝石柱の場所に転移できる。


※輝力石は、石英(水晶)等の宝石のように、岩の表面が変化したような岩から生えたような形態で存在しますが、通常自力でもぎ取ることは出来ません。
 精霊もしくはレベル5以上のセイズコナであれば可能です。



■主なNPC■
・ヘルヴェル/17歳(女)。龍騎士(自称)。元気で明るいがちょっと間が抜けている。ナンパに引っ掛かる。怪しげな壺を売りつけられたら買う。
・ウルヴヘズナルの子供/7~8歳くらい(女)。行き倒れている。どうして此処にいるのか思い出せない。行かなくてはならないところがある……
・ユングヴィ/40歳(男)。国王。ヘルヴェルのはとこ。




※このセイズコナルールは、特にものすごい魔法が使えるようになるわけではありません。
 公式で膨大な量の魔法が存在していますので、むしろそちらを使用する方が有利にアクションを掛けられるという場合もあります。
 小世界シグトゥーナの雰囲気を楽しむ為に、こちらのルールを活用していただければと思います。


 以上の解説をお読みの上、興味がありましたら是非参加をお願いします。


ヘルヴィルに関わる

1

獣人の子供に関わる

2

その他の行動

1