クリエイティブRPG

虹色びいどろ~たそがれ夜祭り2~

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虹色びいどろ~たそがれ夜祭り2~
基本情報

マスター:寺岡志乃
ワールド:大和
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2017年09月07日公開!

シナリオガイド

そこでは、決して『約束』を破ることなかれ

シナリオ名:虹色びいどろ~たそがれ夜祭り2~ / 担当マスター:寺岡志乃


 

※※本シナリオはMC参加ポイント200ポイントのシナリオとなっております※※



 今から大変お恥ずかしい話をいたします。それでも、どうか最後までお付き合いいただけましたらと存じます。

 あれは15年も昔になりましょうか。わたしがまだほんの童であったころの出来事です。
 わたしが生まれたのは、小さな村のごくごく平凡な農家でした。父がお寺に雇われて原野を開墾し、報酬としていただいたわずかな土地を農地として作物を育て、そこで取れた収穫物を祖父がお寺へ運び、買い取っていただくことで糊口を凌いでおりました。
 決して豊かではありませんが、優しい祖父母に両親、兄にかわいがられ、貧しくとも日々楽しく暮らしでした。
 そんなある日、いつものように畑仕事をして戻った直後に突然わたしが倒れたのだそうです。
 当時の記憶はほとんど定かでありませんが、わたしはそのまま3日3晩高熱に苦しみました。
 ――あの子は小さい。これが続けば7日ともたぬだろう。覚悟が必要だよ。
 となりの部屋で、そう言った祖母の声をぼんやりと覚えています。泣き伏せた母をなだめるように、丸い背中を撫でる祖母の干からびた手が、ふすまの隙間から小さく見えていました。
 わたしは心苦しく、親不孝をすることがただただ申し訳なく、ひっそりと涙をこぼしました。
 決して祖母が薄情だったわけではありません。貧しいわが家では、医者に見せられるような余裕はなかっただけなのです。そのため、どこそこではこれが効いたなどという、半ばあやしげな植物の根や葉を持ち帰ってはすり下ろし、わたしに飲ませ、神様に祈るだけの日々でした。
 そして4日目の朝。熱が急速に下がって、わたしの命は助かりました。
 どれが効いたのか、何が良かったのか、このときは分かりませんでした。ただすなおに命が助かったことを喜びました。
 わたしの両の目が失われていることに気づくまでは。

 そのころ、わたしの家の近くには1匹の野良猫がよく出没していました。
 白と黒のぶち模様の、少しうす汚れた、やせっぽちの猫です。日の当たる加減によって、七色に光るきれいな目をしていました。
 わが家では猫を飼う余裕はありませんでしたが、よく桜の木の下にいたことから兄が「さくら」と名付けて、食べ物を分けてあげるなどしてかわいがっていました。
 目が見えなくなって家の手伝いが何もできなくなり、手の届く範囲でしか外へ出られなくなってからは、さくらだけがわたしの遊び相手だったのです。
 ところがある日、さくらは突然いなくなってしまいました。
 呼べばにゃあと鳴き、あたたかな体を押しつけてきたかわいい子。ですがいくら呼んでも、さくらは現れませんでした。
 ――野良だからね。どこかへ行ってしまったのだろう。同じように、またふらりと戻ってくるかもしれないね。
 兄はそう言って、わたしを慰めました。

 そしてその夜、わたしはまたもや原因不明の高熱に悩まされました。高い熱と、目の痛みにひと晩苦しんで朝を迎えたとき。失われていた目がよみがえり、わたしは再び見えるようになっていました。
 ですがそれは、新たな苦しみの始まりでした。
 なぜなら、新しい両目として穴にはまっていましたのは、虹色に輝く妖の目だったのですから……。

 それ以来、わたしは家から一歩も出られずにいました。
 このような妖の目をしていることが村の者に知られたら、彼らは何と思うでしょう。石で打たれて殺されるか、村から追い出されることは分かりきっていました。
 これ以上家人に迷惑をかけないためにも、わたしは布を巻いて両目を隠し、ひっそりと生きてきました。
 そしてまったくの偶然で、家の裏で話し合っていた兄と両親の会話を聞いてしまったのです。
 兄には幼なじみの女性との結婚話が持ち上がっていたのですが、しかし兄は、「この家に他人を迎え入れるわけにはいかないから」との理由から、それを断っていたということでした。
 両親は考え直すことを勧めていましたが、兄の決意は固く、その女性とはもう付き合いをやめたと言っていました。
 わたしは大変情けなく、みじめな気持ちでした。
 すべてはわたしのせいです。わたしの存在が、優しい兄にさらなる迷惑をかけていたのです。
 たまらずわたしは家を飛び出し、駆け込んだ森で木の棒を探しました。
 まだ見えないほうがましだ、こんな呪われた目など棒でついて壊してしまおう、そう考えたのです。
 そのときです、あの者が現れたのは。
 そのサル顔の男は、顔の前で棒を握り締めたわたしに、暗がりから声をかけてきました。
 ――そんなきれいな目を壊してしまうのはもったいない。あんたがよければおれがもらってやるよ。
 その声を聞いたとたん、わたしは思い出していました。昔、高熱にうなされたわたしの枕元でひそひそとささやいた声です。そのときも、この声の主は言っていました。
 ――そのきれいな目をくれたら、熱を下げてやるよ。
 わたしはあのときと同じ言葉を叫んでいました。
 ――こんなもの、ほしいならあげるわ!
 と……。

 ふたたび両の目を失って、わたしは闇に取り残されました。
 ですが心は安堵していました。これできっと、兄は幸せを取り戻せるに違いないと。
 そのとき、暗闇のどこかから、何かが聞こえてきました。
 聞き覚えのあるそれは、フーフーと猫が毛を逆立てたときに出す声でした。
 ――さくら? さくらなの? 戻ってきてくれたのね!
 ――ばかな娘!
 喜ぶわたしに声の主は、今にも泣き出しそうな声で叫びました。
 ――せっかくあの子が命と引き替えにあげたものだったのに! あんなやつにあっさり渡してしまうなんて!
 ――!? 待って! どういうこと!?
 声の主は立ち去ったようで、それっきり返事は返ってきませんでした。

 わたしは遅まきながらこのときようやく理解したのです。あの虹色の妖の目は、さくらのものだったに違いないと……。


「――失ってしまうまでその大切さに気付けなかった、おろかなわたしの話はこれで終わりです。最後まで聞いていただきまして、ありがとうございました」
 そう言って、布団に仰向けになった盲目の女は、ゆっくりとまぶたを開きました。話を裏付けるかのように、両の眼窩に目玉ははまっておらず、ぽっかりと穴が開いているだけです。
「……それで、おれたちに何をしてほしいんだ? そういうことだっただろう?」
 枕元に座し、黙して話を聞いていた特異者松原 ハジメは動じず静かな声で訊きます。
「はい。あのサル顔の男は、妖だったのではないかと……。
 そして世の中には、妖の集まる夜祭りがあると、以前祖母から聞いたことがありました。そしてそこへは、人間も行くことができると……。
 今から3日後に開かれると風のうわさで聞き、旅を続けてきましたが、ここへきて無理がたたったのか、このとおり体を壊してしまいました。どうやらわたしには無理なようです。
 どうか、わたしの代わりに夜祭りへ行き、あのサルの妖からわたしの目を買い戻してきてはいただけないでしょうか……」
 盲目の女はやせ細った腕で、「これは買い戻すための代金です」と、懐から出した財布を差し出したのでした。


※               ※               ※


 そのころ、別の場所に、やはり妖の夜祭りを目指して旅する猫又の少女がいました。
 妖の夜祭りへ行き、あのサルの妖から何がなんでも、たとえ命に代えても、死んだ妹の両目を取り返すのだとの決意を秘めて。
 その懐には、少女の決意が具現化したように、固く冷たい刃をした小刀がひそやかに収まっていました。
 
担当マスターより

▼担当マスター:寺岡志乃

マスターコメント

 こんにちは、またははじめまして。寺岡志乃といいます。
 今回のシナリオは「たそがれ夜祭り2」となっていますが、場が同じというだけで内容的な関連は薄いものとなっています。
 前回の内容を知らなくても全く問題ありませんので、よろしくお願いいたします。


【今回の目的】
 サルの妖から目を取り戻すこと。
 猫又の少女を手伝って、サルの妖をこらしめること。
 あるいは、夜祭りを楽しむこと。


【妖の夜祭りとは】
 とある神社の神様が不定期に開いているお祭りです。そこでは妖が店を出して商売をしています。
 夜祭りへの参加方法は、ひと気のない道を歩くだけです。夜祭りを開いている神社の神様に導かれて、参加できます。
 屋台で買い物したり、食べたり、(妖アバターで)売ったりもできます。
 売り手が妖、客もほとんどが妖というだけで、『約束』を守れば特に危険はありません。
 ※ただしアイテムや所持金を増減させたり、目の色や髪の色、身長、性別、名前といった外見を変更することはできません。

【夜祭り参加者の約束】
1.けんかをしないこと
2.うそをついたりして、だまさないこと
3.何かを売ったり買ったりする場合は、等価交換(お金でもいいし、物でも、事象でも、記憶でもいい)

 約束を守らなかったときは、神様に夜祭りから放り出されて二度と参加できなくなる以外にも、何が起きるか分かりません。


【NPCについて】
提灯売り
 入り口にいて、好きな形の提灯をひとり1つ受け取ることができます。これがないと人間は夜祭りに参加することができません。
 祭りで買った物同様に持ち帰ることができます。

案内人
 入り口に立っていて、歓迎してくれます。背が高く痩身。年齢性別不明。物腰柔らかく、愛想がいいです。
 基本的に同行して、交渉など担当してくれますが、必要ないようでしたら同行しません。

サルの妖
 屋台では、人や妖をだまして手に入れた品を売っています。
 人間の目と猫又の目と、両方持っています。
 まんまとだまして両方手に入れたことが自慢。だれかれなく吹聴しています。
 自慢の品なので、滅多な取引では手放さないことが予想されます。

人間の娘
 盲目の身で慣れない旅をして、体を壊して宿の世話になっています。
 彼女は目を取り戻してほしい、とお願いをしましたが、はたして彼女が望んでいるのはどちらの目なのでしょうか。

猫又の少女
 サルの妖と取引をして、自分の命と引き替えに人間の娘に目を与えた猫又さくらの姉です。
 妹の気持ちを尊重して我慢していたのですが、今回娘があっさりとその目をサルの妖に渡してしまったことに腹を立てています。
 ずっと行方を追っていたサルの妖が夜祭りに屋台を出すことを知り、向かっています。
 『約束』については承知していますが、何が何でも妹の目を取り戻すのだと思い詰めています。

松原 ハジメ
 特異者。
 目を取り返しに行くPCたちは、彼から話を聞いて向かっていることになります。
 また、女性の財布はハジメが預かって持っています。
 中には彼女が按摩師として細々と稼いだお金が入っていますが、到底サルの妖の満足する額ではありません。こちらを使用するかどうかは皆さんで決めてください。


注意
・「特に危険はない」と先述しましたが、もちろん妖ですから、そこそこあやしい店はあります。『約束』がルールとして機能していますので命を落とす危険は低いですが、妖が妖用に作っている物ですから、何かを口に入れるときは、原材料についてはあえて聞かないか、聞いて、問題ないと判断してから口にする必要があるかもしれません(虫やカエルやネズミやらの可能性が……)。
・品揃えは、ここにないものはないというくらい多岐に渡っており、また売っているのは必ずしも「物」であるとは限りません。
・場合によっては「等価」と判断されず、断られる可能性があります。





それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

サルの妖と交渉する

5

猫又の少女と行動する

3

売り手として参加する

1

客として参加する

1

その他

1