クリエイティブRPG

　会談が終わると同時にローザ・ギガンティアは急速に萎み、宇宙の塵となりました。
　ローザ・ギガンティアから離脱したイェル・トゥ・シーズ及びウル＝ガ＝ム族の２人は、特異者達に一旦別れを告げると、ザグラスタスが空けた穴から宇宙ステーションＭ１４に潜りました。
「ザグラスタスが空けた穴から宇宙ステーションに潜り込む、か」
「外部から宇宙ステーションに入り込めそうな場所は見つかっていませんからね。結果論となりますが、王のレーザーがステーション外壁に当たって正解だったのでしょう」
　ライオネル・バンダービルトの呟きに、焔生　たまが険しい表情で返します。
　ライオネルは、頭上に浮かぶ宇宙船シーカー号を見上げました。
「だが、今は情報を纏める必要がある。一度シーカー号に戻るとしようや」



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　特異者達とクティーラは宇宙船シーカー号のコックピットブロックに戻り、作戦会議を行いました。
「今回の会談で感づいた方も多いだろうが、改めて説明したいと思う。ヴルトゥームには融合能力が備わっている可能性が高い」
「ヴルトゥームにも融合能力があるんですか？」
　ノナメ・ノバデがいつもよりテンション若干低め、好奇心抑えめの口調で問いかけます。クティーラは少々歯切れ悪く答えました。
「正しくは、融合と分離を制御する能力……と言った方がいいかもしれん。便宜的にだが、この能力を『水の力』と呼びたいと思う」
「融合と分離を制御する能力を、『水の力』と呼ぶんですね。分かりました」
　ノナメはクティーラの言葉を忘れないよう、しっかりと記憶しました。
（……水の力か）
　融合と分離。水の力。ライオネルの脳裏に小世界ゼルカディアでの出来事がよぎりました。ライオネルは一旦その考えを振り払うと、話を本題に移しました。
「さて。次は宇宙ステーションの奪還となるが、準備はいいか？」
「たまは構いませんよー」
　たまが答える傍ら、津久見　弥恵が若干不安げな表情で言います。
「ワールドホライゾンに救援を要請してもよろしいでしょうか？」
　前回の戦闘で重傷者が何名か出ているため、このまま事を進めては不利です。弥恵の判断はもっともな内容だったため、特異者達は首肯しました。
「感謝します。それでは、ワールドホライゾンに救援を要請しましょう」
　こうして、ワールドホライゾンの特異者達に救援要請が届きました。

　本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。【マーズ編】のシナリオガイドをお届けします。
　【マーズ編】のシナリオガイドは連続で公開されます。【マーズ編】の予定話数は全５話を予定しており、今回は３話となります。
　今回のシナリオの目的は「侵殻獣グ＝ラグル族に支配されている宇宙ステーションＭ１４の奪還」です。


■今回の状況について
　特異者達は、侵殻獣グ＝ラグル族に支配されている宇宙ステーションＭ１４を奪還することになります。
（前回登場したイェル・トゥ・シーズやウル＝ガ＝ム族は特異者達の行動を支援してくれますが、過度の期待は禁物です）
　宇宙ステーションＭ１４内には対邪神システムが備わっています。対邪神システムはスポーンを排除する機構なため、グ＝ラグル族は対邪神システムの乗っ取りに失敗しています。
　特異者達はステーション内に存在するグ＝ラグル族を排除しつつ、《対邪神機構制御室》に辿り着き、何らかの手段で対邪神システムを活性化させる必要があります。
　ただし、メインアバターがスポーンの特異者は対邪神システムの影響を受けるため、注意が必要です。どこからともなくフォトンが飛んでくる可能性があるため、万全の対策が必要となるでしょう。


■宇宙ステーションＭ１４について
　宇宙ステーションＭ１４は環状構造物です。３層のリングが重なった構造となっており、リングによって用途が異なります。
　ステーションの内周部に当たる１層リングは、エントランス（玄関）に当たります。１層リングの中心部には軌道エレベーターの出入り口が存在します。１層リングの西側には転送室や転送制御室があります。
　１層リングの外側には２層目のリングが存在し、２層リングの外側には３層目のリングが存在します。
　過去に特異者達がマーズに訪れた際に１層リングは調査しましたので、今回は２層リングと３層リングを調査することになります。勿論、１層リングを改めて調査しても構いません。
　なお、ステーション内では生命維持用の空気が常に供給されています。ステーション内は低重力（惑星ゴダムのおおよそ六分の一）ですので、ふわふわとした挙動となります。低重力ですので、銃器等を発砲した際の反動は増大します。


---注意事項---
　ＰＣが使用できる宇宙船《シーカー号》と、ＮＰＣのクティーラの扱いについては、ゲームマスターページ（http://s-avatar.jp/scenario/gamemaster/MAT9980286）をご参照頂けますと幸いです。
　【マーズ編】は全編に渡って『重傷判定』が存在します。重傷状態になると、次回シナリオが終了するまで著しく行動が制限されます。
　以下は、アクションの補足となります。


１……２層リングを調査する：
　宇宙ステーションＭ１４の２層リングを調査します。
　現在、宇宙ステーション内部の大半の機能はグ＝ラグル族が乗っ取っています。グ＝ラグル族を排除しつつ、２層リングを調査しましょう。
　なお、現時点ではグ＝ラグル族を殺害しても（良心の呵責はあるかもしれませんが）問題はありません。なぜかと言うと、この場でのグ＝ラグル族殺害は正当防衛に当たるためです。
　ＮＰＣのクティーラはこのパートに参加します。


２……３層リングを調査する：
　宇宙ステーションＭ１４の３層リングを調査します。
　現在、宇宙ステーション内部の大半の機能はグ＝ラグル族が乗っ取っています。グ＝ラグル族を排除しつつ、３層リングを調査しましょう。
　なお、現時点ではグ＝ラグル族を殺害しても（良心の呵責はあるかもしれませんが）問題はありません。なぜかと言うと、この場でのグ＝ラグル族殺害は正当防衛に当たるためです。
　ＮＰＣのイェル・トゥ・シーズとウル＝ガ＝ム族はこのパートに参加します。


３……シーカー号を使う：
　シーカー号を使って何かしらの行動をします。シーカー号は非常に高い移動能力と戦闘能力を持っていますので、アクション内容によっては王の側近２名を倒せるかもしれません。
　このパートは、メインアバターが【マギウス】か【アストロノーツ】のみ参加できます。
　このパートの難易度は３ですが、アクション内容によっては難易度５以上になる可能性があります。


４……その他：
　その他の行動を取ります。今回は宇宙が舞台ですので、このパートの難易度を【６】とさせて頂きます。
　１層リングを調査したい場合、このパートに参加する必要があります。
　前回のシナリオで重傷を負った方が今回のシナリオに参加した場合、このパートに参加する必要があります。




　今回は【黄金の蜂蜜酒】が全員に配布されますので、パート【１】～【３】の参加者に関しては最低限の行動が保証されているとします。
　また、マーズは禁酒法の対象外とし、未成年の特異者が【黄金の蜂蜜酒】を飲んでも問題は無いとします。
　配布された【黄金の蜂蜜酒】の効果がシナリオの途中で切れるという事態は起こりませんので、【黄金の蜂蜜酒】を改めて用意する必要はありません。