シナリオガイド
痺れちゃったお魚ようせいさんたちを救え。
シナリオ名:青の島ビリビリ / 担当マスター:篠崎砂美
「ついに、青の島よ!」
新たな島に降りたって、友麻真央が気勢をあげました。
赤の島と緑の島のボスを倒して、二つの島を開放したことによって、ついに青の島へと虹の架け橋が復活したのです。
「ここにいるようせいさんたちは……」
パックンさんぜんねこが偉そうに説明しようとしたときです。
ポーンと飛んできた水玉風船のような物が、パックンさんぜんねこの顔に飛んできました。
ばっしゃん!
破裂した水玉の中身が飛び散って、パックンさんぜんねこがびしょ濡れになりました。
「ああ、ごめんなさい。でも、その格好……♪」
空中を尾ビレで器用に歩きながらやってきたイルカのようせいさんが、鼻の上で水玉風船をポンポンと弾ませながら謝りました。でも、なんだか、全然反省しているようには見えません。ずらっと並んだ歯を見せながら、甲高い声で笑っています。
「それにしても、なぜ魚が空中に……」
目の前をふよふよ漂っている鯛やヒラメを見て、友麻真央が目を点にしました。
虹の橋を渡ってやってきた青の島は、空飛ぶ魚のようせいさんたちの住む不思議な島だったのです。
まるで水中を泳ぐように、魚の姿をしたようせいさんたちが空中を自由に泳いでいます。
地面には、珊瑚の木が生え、イソギンチャクの花が咲き、昆布の草がゆらめいています。
魚のようせいさんたちは、水がなくても呼吸に困るようなことはないようでした。
「なんだか、こっちが息苦しくなりそう」
うっかりすると、ここが地上ではなく、水中であるかのように錯覚してしまいそうです。
空中には、泡粒のような水玉が、ときおりフワフワと漂っています。どうやら、特定の珊瑚樹の枝先から生まれだしているようです。シャボン玉のようにも見えますが、中身は空気ではなくて、色とりどりのそれぞれ違った液体のようです。
なんとものんびりしている島のように見えますが、やはりこの島にも闇がやってきているのでした。
「実は、電気くらげが大繁殖してしまったんだ」
イルカのようせいさんが、この島の窮状を説明しました。
闇に取り憑かれた巨大クラゲが、この島のあちこちに触手を伸ばし、それに触れた者を痺れさせていたのです。
手下には、小型の電気クラゲたちが多数います。これらに触れても、電撃を喰らってしまいます。
「その上……」
イルカさんがさらに説明を続けようとしたとき、何かがもの凄いスピードで飛んできました。
「あおおっ!?」
危うく、パックンさんぜんねこが串刺しにされそうになりましたが、かろうじて避けることができました。見ると、地面には、細長い魚が突き刺さってピチピチしています。ダツという魚です。そして、その頭には、小型の黒いクラゲが取り憑いていました。
「ていっ!」
ぱっくんさんぜんねこが、クラゲに肉球爆弾をくっつけました。
ちゅどーん!
爆発でクラゲが吹き飛び、バタンキューしたダツが地面にひっくり返りました。
「こら、やり過ぎ!」
パックンさんぜんねこの頭をペシッと叩くと、友麻真央がダツを介抱します。
「実は、このクラゲに取り憑かれると、でんきで操られてしまうんだ」
困ったように、イルカのようせいさんが言いました。
このままでは、青の島はクラゲだらけになって、みんな取り憑かれて乗っ取られてしまいます。
びりびりと電光を発するクラゲによって、青の島は雷の島になってしまいそうです。
操られたようせいさんたちは、何かを捜しているようです。
「というわけで助けろ」
またまた、パックンさんぜんねこが偉そうに言いました。蜜柑ジュースの水玉にストローを突っ込んで、チューチューしています。自分はここでバカンス気分を満喫する気満々です。
いいかげん見捨てたくもなりますが、そういうわけにもいきません。
この島を取り戻せば、ついに中央の闇の島への架け橋が架かるはずです。
「しかたないなあ……。みんな行くわよ」
友麻真央は、仲間たちの方を振り返って言いました。
担当マスターより
青の島は、お魚のようせいさんの世界です。見た目は魚ですが、言うほどにぬめぬめしてはいません。中には、ぬいぐるみのさかなさんや、アジの開きのような変わり種がいる……かもしれません。バリエーションとしては、海の生物であれば、貝類、甲殻類、軟体動物など、変わった種類のようせいさんでも存在するとします。
人魚のようなようせいさんはいませんが、コスプレとしてはありです。まあ、あくまで地上ですから、人型のようせいさんは、羽で飛んでいます。魚型のようせいさんは、多分体内の浮き袋にヘリウムでも入っているのでしょう。羽がついていたり、人の身体がついていたりしてもかまいませんが、ちょっとSAN値が削られそうです。
他に空中を水の玉が漂っていますが、中身は海水ということはなく、真水やジュースの玉だったりします。中には、アルコールや、タバスコなど、とんでもない物もあります。基本的に、液体であれば、どんな物でも可能性があります。
ボスは巨大電気くらげです。とても長い触手を周囲に張り巡らせています。
この触手に触れると電撃を喰らいますので注意してください。痺れて麻痺します。特に、ロボット系のアバターの場合は、効果は絶大だになります。
また、触手にある刺胞からは、小さな針ミサイルを発射してきます。腫れます。
半透明なので、闇のコアの位置はよく見えますが、クラゲの中心にありますので、なんとか触手をかいくぐって攻撃してください。
なお、打撃系の攻撃は、クラゲが柔らかいのであまり効果がありません。
火系の攻撃も、水分が多いので効果が半減します。どうやってか、水を補給しているようですが……。
再生能力が高いので、切断系の攻撃はすぐに傷がふさがります。
ヘタすると巨大クラゲの身体の中に取り込まれてしまう可能性もあるので注意してください。
手下のクラゲたちは、電撃を放ってきます。
また、頭に乗っかられると、操られてしまいます。PCも操られてしまいますので、操られたい場合はアクションで指定してください。ただし、パンタシアですので、敵に回れば、多分酷い目に遭います。上級者プレイです。
それに伴って、操られている魚のようせいさんたちやPCと戦うか助けるかもポイントになります。本気で戦っても、どのみちちゅどーんですみますが、あまりクラゲのヘイトを稼ぐとクラゲに狙われますので、操られる側になる可能性があります。取り憑かれると、他の人のアクション優先で判定されます。あるいは、自分のアクションでの無双を、逆に自分自身の身で受けることになります。
特に、小型クラゲはボスクラゲが吐き出しているので、ボス戦は敵の特殊攻撃として取り憑かれる可能性が高くなります。ちゃんと判定を行いますので、くれぐれも、乱数の女神様へのお祈りをお忘れなきよう……。
クラゲに取り憑かれると、ボスと一部意識と記憶を共有することになります。ボスの端末化するという感じですね。本人の意識が戻っても、ボスの記憶は残りません。
水玉の中の液体は自由に設定できます。うまく利用することもできますが、PCができることは敵もやってきますので注意が必要です。玉の表面の皮膜につつまれていれば、重さに関係なく宙に浮かびます。皮膜の強さはつついた程度では穴は開きますが、破裂はしません。ビニール風船ほどの強度なので、思い切り投げようととたり、何かにぶつかればほぼ破裂します。
ローカルルールとして、PCとLCが別行動することができます。その場合、行動選択で「別行動する」を選択し、いずれかのキャラに「文字数追加」を行ってください。その上で、アクション冒頭に【】で行動グループを明記してください。
以上を満たさない場合は、「別行動をする」を選択していても、MCと同じ行動を取るとします。
キャラのグループ分けは、全員がすべて別行動でもかまいません。
世界観については、パンタシア関連のシナリオガイドなどを参照してください。
なお、アイテムなどのお喋りは、あくまでも効果音と言うことで、アクションでの指定はできないこととします。まさに、勝手に喋る形です。特に、会話となる台詞は登場しません。フェローの場合は台詞以外の地の文のみで会話は成立しますが、それ以下と言うことになります。
同様に、IFやリンドヴルムなども、あくまでもアイテムですので、極力キャラ扱いはしません。フェロー以下の扱いとなります。
行動も、PCが使用できる範囲での動きとなります。要は、一緒に行動して使ったり命令したりはできますが、自己判断や単独行動は、原則としてできないという感じですね。
・小型クラゲと戦う 【現在のMC参加人数:10】
雑魚を蹴散らして、仲間がボスへ辿り着けるようにする。
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・ボスを倒す 【現在のMC参加人数:21】
ボスと戦って、闇のコアを破壊する。
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・仲間を助ける 【現在のMC参加人数:1】
電撃で麻痺した仲間を治療したり、避難誘導する。
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・操られた仲間と戦う。 【現在のMC参加人数:6】
仲間を一時的に戦闘不能にするか、クラゲだけを倒して開放するかします。島全体でようせいさんや仲間を救い出すか、ボス戦で操られた仲間を救ってボスへの攻撃を補助するかを選択できます。
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・空気読まない 【現在のMC参加人数:23】
好き勝手な行動を取ります。反動で酷い目に遭う可能性が高まりますので気をつけてください。敵に取り憑かれるのもここです。
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・別行動を取る 【現在のMC参加人数:9】
キャラごとに別行動を取ります。
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