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アルテラ、
ゴダム、
大和、
界霊、
三千界管理委員会
特異者を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。
「特異者達にはもっと力を付けてもらわなければ……この三千界を救えるのは、彼ら、彼女達だけなのだから……」
ワールドホライゾンの市長、
紫藤明夜は、庁舎の市長室で、デスクの上で手を組んで顎を乗せ、思案していました。
しばらくして、デスクにある端末に手を伸ばしました。
「クロニカ、特異者を強化するために選抜訓練を行うわ。ジョニーと2人を呼んできてくれないかしら」
そう秘書の
クロニカ・グローリーに伝えました。
程なく、市長室にクロニカと
ジョニー・ハワード、そして2人の人物がやってきました。
1人は
リンシア、もう1人は
エミリア・バーレットです。それぞれ、アルテラとゴダムから特異者として迎えられています。
明夜は2人に特異者の選抜訓練を行うことを話し、アルテラとゴダムで適切な場所が無いか尋ねました。
「そういう事なら、リンシアに心当たりがあるよ! 港町ポルタの更に南なんだけど、
蜃気楼と濃霧で舟の墓場と言われる海峡があるんだ! 魔獣も出るし、そこならいいんじゃないかな!」
「私も心当たりがあるわ。バーレット農場の北東に、地元の者は滅多に立ち入らない、スポーンですら避けると言われる、
デスバレーと呼ばれる長く深い谷があるの。宇宙時代の宇宙船が墜落して出来た跡だと言われていて、未だにセラエノ達が宇宙船の残骸を守っているわ。そこを通り抜けるのはどうかしら?」
「レディー達の提示した場所は、選抜訓練としてなかなかいいんじゃないかな」
リンシアとエミリアが訓練場所の心当たりを告げると、ジョニーはそれらを素早く吟味し、問題ないことを明夜に伝えました。
明夜は深々と頷きました。
「それでは、リンシアとエミリアが提示してくれた場所で、特異者の選抜訓練を行うわ。
定員は各世界30名、ただし、パートナー達は連れて行ってもいいとするわ。各世界の訓練をこなした特異者の中から15名を選抜メンバーとし、合わせて選抜した30名にとある小世界で任務を達成してもらうわ」
「承知致しました。早速特異者達にお知らせします」
明夜の言葉を受けて、クロニカは特異者達の持つ携帯端末に今回の選抜訓練のことを一斉配信しました。
はたしてどの特異者が各世界の選抜訓練で選ばれるでしょうか?
それはあなたのアクション次第です!