クリエイティブRPG

西部共和国の中ほどに、ウワ村という葡萄の生産が盛んな村がありました。
その村では収穫したブドウの半分以上を自分たちの手でワインに加工しています。

ウワ村で作られたワインは質がよく、近隣の街から非常に高い評価を受けていました。

「……ううっ、どうすればいいのじゃ」

そんなウワ村は、とある問題に直面していました。
それは村から街へと向かう道にゴブリンが多く出るようになってしまい、自分たちでの運搬が難しくなってしまったということです。

一部の顧客は「代金が高くなってもいいから」と、自分たちで護衛を付けた商隊を派遣しワインを引き取りに来ています。
しかしそれでは運搬できる数は限られてしまい、出荷量は以前の四分の一にまで下がってしまいました。

自棄になった村人たちは、蔵のワインを勝手に開けて飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをしています。

「楽しそうなのはいいことじゃが……このままでは村が破産してしまう」

困った村長は、藁にもすがる思いで街の冒険者ギルドに依頼の手紙を送りました。

ＧＭの上条パウチです。

本シナリオの目的は、村から街までの道に出るゴブリンを一網打尽に退治し、ウワ村の日常を取り戻すことです。

ゴブリンたちの多くは木製の棍棒LV1～3程度を所持しています。高度な戦闘技術は持っていないため単純な殴打による攻撃が大半となりますが、とにかく数が多いため村人たちはてこずっている状態です。

尚、中には村人などが落としてしまった弓矢などを用いて遠距離攻撃を仕掛けてくる個体も確認しています。
しかし現時点では、周辺地帯でLV5以上の武器を紛失したという報告は上がっていません。

≪１≫『ウワ村へ向かう』（難易度４）

皆さんは街のギルドで依頼を受けその足でウワ村へと向かいます。
村に物資などを運搬する場合は、皆様の私物か、街の屋台などで買い集めてください。

道中にはゴブリンが点在しており、人間を見つけると獰猛に襲い掛かっています。
決して油断せず気を引き締めて行動してください。


≪２≫『飲み比べ大会』（難易度２）

村の中は、お祭り騒ぎです。
大人たちは商品の酒だけでなく、保存食まで引っ張り出してきて好き放題盛り上がっています。
もしゴブリンの問題が解決しても、この騒ぎを止めないことには酒を町やほかの村に運ぶことはできません。
　
村人たちの説得は必須の課題ですが……一つ困ったことがあります。
この村の人たちは昔からお酒を飲むのが大好きで、揉め事や争いごとがあった時には飲み比べによって解決してきた、ということです。
ですが、唯一冷静な村長はもう高齢のためあまりお酒を飲むことができません。

ヤケクソとはいえそれなりに楽しく盛り上がっている村人たちを止めるには、皆さんが酒の飲み比べで彼らの飲みっぷりを上回る必要があります。

村の屈強な男たちだけでなく、若い女性たちや老人、おかみさん方も好き放題に飲み歩いています。
好きな村人に声をかけて、飲み比べ勝負を挑んでください。
向こうから挑まれるときもありますが、その場合勝負を受けるか断るかも自由です。

どんな手段を用いても構いませんので、村人たちに『まいった！』と言わせましょう。


なお、村の子供たちも大人の真似をしてぶどうジュースを飲んで騒いでいます。
未成年の冒険者の方は、その子供たちとぶどうジュースの飲み比べを行ってもいいでしょう。
ぶどうジュースにはもちろんアルコールが入っていません。

ですが村は耳が痛いくらいの大熱狂の中に包まれています。たとえジュースしか飲んでいなくても、雰囲気に飲まれて酔っぱらってしまう方も出るかもしれません。

※酔った村人が「この冒険者はまだ未成年だな」と判断した場合、成人済みの方でもワインではなくジュースを渡される可能性があります。
　
　
≪３≫『再発防止』（難易度３）

冒険者たちの到着から一晩が空けました。
飲み比べ大会に勝利してれば、（二日酔いは免れないとはいえ）村人たちも冷静さを取り戻していることでしょう。

彼らの協力を得ながら、今後安全にワインの出荷ができるようになる術を考え対応してください。
村人たちの多くは好奇心旺盛で働き者なので、よほどのことでなければ素直に応じてくれるはずです。

もちろん、特に村人の協力が必要ないという場合には、冒険者の方一人で行動していただいても構いません。

※≪２≫で飲み比べに敗北し村人を止めることができなかった場合、村の協力者は村長だけになります