シナリオガイド
恋に種族は関係ない!? ふたりの障害を取り除こう!
シナリオ名:ゴブリンの恋人 / 担当マスター:佐倉衣織
一匹のゴブリンが、花の咲く丘で立っていました。
「グエル!」
そこへ駆け寄ってきたのは、金髪碧眼の少女。ソフィーでした。
グエルと呼ばれたゴブリンは、背中に何かを隠しながら振り向きます。
「ソフィー、来てくれないかと思った」
「ごめんなさい。遅れちゃった」
ソフィーはゴブリンを恐れることなく笑います。
醜い姿と凶暴性で忌避されているゴブリン。そのゴブリンと人間がこんなに親しく話しているのはありえないことです。
「それで、話っていうのはなに?」
ソフィーが尋ねると、グエルは背中に隠したものを差し出しました。
それは花かんむりでした。
「好きなんだ、ソフィー。僕と一生を共にしてくれないか」
ソフィーは目を丸くして、それでも頬を染めて花かんむりを受け取りました。
「……私でよければ、よろしくお願いします」
グエルは顔を上げて、驚いた顔をしました。
「ぼ、僕はゴブリンだ。人里で暮らすことはできない。僕と一緒にいることで、ソフィーが嫌な思いをするかもしれない。それでも、いいのか?」
つっかえつっかえの言葉に、ソフィーは微笑みます。
「全部、グエルと一緒にいられるなら耐えられるわ」
ふたりは手を取り合い、口付けを交わそうとしました。
その時。
「グエル、お前人間なんかと何してやがる」
ふたりがハッとして振り向くと、そこにはグエルの群れのゴブリンたちの姿がありました。
グエルはとっさにソフィーをかばうように前に出ました。
「群れは抜けると言ったはずだ、ダンバ」
ダンバと呼ばれたゴブリンはニヤニヤと笑います。
「抜けて人間を独り占めしようってか? そりゃあまりにも寂しいぜ」
「独り占めとかじゃない。僕は彼女を愛してる」
「愛ぃ?」
ダンバは笑いました。
「ゴブリンが人間の女に抱くのは性欲だけだ。種付けして、次のゴブリンを産ませる。ただそれだけの存在だろう?」
あまりの言いように、グエルは眉をしかめます。
「……下衆が」
「なんとでも言うがいいさ。お前の愛とやらはまやかし。獲物を独り占めしたいっていうゴブリンの欲がそうさせてるんだ。……やれ」
ダンバが命じると、グエルとソフィーをゴブリンたちが取り囲みました。
グエルは石槍で応戦しますが、多勢に無勢、グエルは追い詰められていきます。
「グエル!!」
ソフィーの声に振り向くと、彼女はゴブリンに抱え上げられていました。
ソフィーに駆け寄ろうとしたグエルでしたが、他のゴブリンに阻まれます。
「ソフィー!! くそ、彼女を放せ!」
ダンバが高笑いします。
「グエル、この女を返してほしくば、群れを壊滅させるんだな。群れを抜けたいなら実力で示せ。それが群れの掟だろう?」
「くそ……ソフィー……」
グエルの目の前で、愛するソフィーは連れ去られてしまったのです。
*****
グエルは街の人間に、ソフィーが連れ去られたことを訴えようとしました。
ですが人々はグエルの姿を見ただけで悲鳴を上げて逃げていきます。
それはまだいい方で、蹴飛ばされたり石を投げられたりもしました。
結局、ソフィーの両親が心配して届けを出すまでは、ソフィーがゴブリンに連れ去られたことを知る者はいませんでした。
その届けを見て、あなたたちはグエルに協力することになったのです。
担当マスターより
はじめまして。あるいは、こんにちは。
佐倉衣織です。
今回はゴブリンと人間の禁断の恋を実らせて欲しいというシナリオです。
そのためにゴブリンの群れと戦わなければなりません。
ゴブリンの巣へはグエルが案内してくれます。
ダンバというボス級のゴブリンとの戦闘もあります。
■アクションパートについて
【1】巣の中で戦闘
高さ2メートルほどの洞穴が戦闘の舞台となります。
かなり狭いので、振り回せる武器に限りがあります。
槍や大振りの剣はおすすめしません。
【2】ダンバと戦う
ダンバは洞穴の一番奥で待ち構えています。
ボスの居住区ともあり広めの空間ですので、【1】で使えなかったような武器も使用可能です。
■敵情報
・モブゴブリン
石槍とナイフで武装しています。
特に、ナイフには神経毒が塗ってあり危険です。
モブゴブリンはダンバの周囲にもおり、ダンバとの戦闘を邪魔してきます。
LV2〜3のスキル・装備であれば簡単に倒せるでしょう。
・ダンバ
細い剣と木の鎧を身につけています。
死んだモブゴブリンの武装を奪って使うことも想定されるため、ナイフの毒には引き続き注意が必要です。
モブゴブリンよりは格段に強く、LV7〜8のスキル・装備があれば渡り合えるでしょう。
■NPC情報
・グエル
グエルは石槍を持っており、アクションパート【2】でダンバと戦っています。
基本的に放置で問題ないのですが、最終的にダンバを倒す役目はグエルに譲ってください。
・ソフィー
ダンバが作った牢屋に閉じ込められています。
戦闘を行う場所からは離れているので、遠慮なく大技を使ってください。
■マスターから
改めましてこんにちは。
佐倉衣織です。
禁断の恋的なものを形にしようとしたらこうなりました。
ゴブリンも意思疎通ができるなら、人間と恋に落ちることもあるのではないかと。
ふたりの出会いは……とか、ひっそりデートして……とか、妄想してはふふふとなっています。禁断の恋大好きなので。
皆様のご参加をお待ちしております。
・【1】巣の中で戦闘 【現在のMC参加人数:1】
【目的】
グエルを巣の奥まで送り届けるよ!
【動機】
ふたりの恋が実って欲しいから。
【手段】
ダガーを使って戦闘すれば、狭くても問題ないでしょ?
|
|
・【2】ダンバと戦う 【現在のMC参加人数:3】
【目的】
グエルの手伝いをする。
【動機】
ダンバの横暴が許せない。
【手段】
天技を使ってダンバを押さえ込むから、その隙にグエルにはトドメを刺してほしい。
|
|