クリエイティブRPG

籠の中の鳥:前編

リアクション公開中!

 131

籠の中の鳥:前編
基本情報

マスター:三田村 薫
ワールド:常陸
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:不可

スケジュール

2024年10月21日公開!

【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
シナリオガイド

「おねえちゃん、帰ってきてくれたんだね」

シナリオ名:籠の中の鳥:前編 / 担当マスター:三田村 薫



 常陸のとある村にて。

「プロク、制圧は完了した。感情を失うのも時間の問題だ」
「ありがとう。思ったより手こずりましたね」

 この村の乗っ取りの為にやってきた殺王闘士集団のリーダーであるプロクは、チームメイトから報告を受け、微笑みながら頷きました。

「しかし、一つ問題が」
「あら、なにかしら」
「やだやだ! 離して!」
「子供が一人抵抗している」
「まあ、可愛らしい。お嬢ちゃん、お顔をよく見せて」

 殺王闘士に連れてこられた女児、おみよは、じたばたと暴れました。闘士のすね当てを蹴っ飛ばしたり、噛みついたりしていますが、武装した大人相手では文字通り歯が立ちません。おみよはプロクをきっとにらみつけ、

「悪いやつ! あんたたちなんか、きっと渚おねえちゃんがやっつけるんだから」
「渚おねえちゃんと言うのは、御魂闘士か何か?」
「そうだよ! おねえちゃんが帰ってきたらあんたたちなんて!」
おみよちゃんは、おねえちゃんに帰ってきて欲しいの?」

 プロクは優しい声を出しました。すると、おみよは傷ついたような顔になります。

「……」

 じっと見つめ合う二人。
 これが、事件の発端なのでした。


 数日後、砂浜座の荒魂である渚の元に、故郷の村が殺王闘士に乗っ取られたと言う知らせがはいります。一人の少女、おみよだけがどういうわけか自由にされていると。

「故郷の村も心配なのは間違いないんだけど、おみよちゃんだけ自由って言うのも気がかりで。殺王闘士の気まぐれでそうされているんだとしたら、いつ気まぐれで酷い目に遭わされるか」

 彼女は、特異者の甲斐千雪、綾取はしごたちに相談を持ちかけていました。細身ながらキリッとした芯の強さを感じさせる、十代後半の少女です。

「それは、心配だよね……子供だと思って舐められてるのかな」
「それならそれで良いんだけど……」

 そんな女子二人のやりとりを聞きながら、綾取は首を傾げていました。

(一人だけ自我を許されているって何らかのフラグじゃないですかね)

 しかし、憶測でものを言うのも失礼です。綾取は表面上、心を痛めたような顔をしながら、顔も知らないおみよに対して警戒心を募らせていました。


 まずは内情を探りましょう、と言う綾取の提案で、御魂闘士たちは件の村を訪れました。

「やっぱり乗っ取られた村って不気味な静かさがあるよね……」

 千雪がそんなことを言っていると、そこにひょっこり人影が。

「あっ、おねえちゃん!?」
「おみよちゃん!」

 渚が声を上げます。そこにいたのは、可愛らしい女の子でした。

「おねえちゃん! 帰ってきてくれたんだね!」
「うん……! おみよちゃん、殺王闘士っていう、悪い奴の居場所を知らない?」
「知ってるよ!」

 おみよは明るく言いました。千雪は「無邪気だなぁ」くらいに思っていますが、綾取の顔は険しくなっていきます。

(この子、やっぱり……)

「連れていってくれる?」
「うん!」

 おみよの先導で、一行はプロクという殺王闘士のリーダーの元へ向かいます。しかし、その道すがら、

「来ましたね、御魂闘士たち。闘士の故郷であるから、誰かしらが来ると思いましたよ」

 複数の殺王闘士がやってきました。彼女たちが従えているのは……感情を失った村人たちではありませんか!

「村長……! みんな、そんな……!」

 渚が狼狽えます。千雪は前に出て、

「ここは私たちが! 渚ちゃんはおみよちゃんと一緒にプロクのところに!」
「自分もプロクの方に」

 綾取がいつになく真剣な表情で言いました。

「え? う、うん……?」

 その声音に千雪は戸惑いますが、問い質している暇はありません。


 渚たちはおみよについてプロクの元へ辿り着きます。

「おねえちゃん連れてきたよ!」

 おみよは嬉しそうに報告して、プロクへ駆け寄りました。その姿を見て、渚は戸惑います。

「おみよちゃん……?」
「渚さんこっちへ! 殺王闘士プロク、あなた、渚さんを慕うおみよちゃんの気持ちを利用しましたね?」
「あら、こんな可愛い子から会いたい人がいるって言われたら叶えてあげたくなるのが人情では?」
「おみよちゃんを利用するなんて!」

 渚も憤りますが、思わぬ人から反論が飛んできました。

「やめてよ! この人はおみよのおはなし聞いてくれたんだから!」
「お、おみよちゃん……」

 怒るに怒れなくなってしまった渚。

「私、気になるの。可愛い妹分から裏切られたら、御魂闘士ってどんな顔をするのかしらって」

 プロクはおみよを下がらせて自分の杖を掲げます。

「その可愛いお顔、もっと見せてくださる?」

担当マスターより

▼担当マスター:三田村 薫

マスターコメント

●解説
こんにちは三田村です。先にシナリオの解説を記載します。ご挨拶はその後で。

■シナリオの目的
本シナリオの目的は、
・敵の威力偵察
・渚の無事な撤収
・後編に繋がる情報の収集
です。

メタ的なことを言えば、敵とのやりとりで後編の決着に役に立つ情報、ロールプレイのために相手の人となりを知る、と言ったところになります。

■アクションパートについて
【1】妨害対応
【2】プロク対応


■アクションパート詳細
【1】妨害対応
御魂闘士たちを分断するためにけしかけられた殺王闘士たちとの戦闘です。
しかし、殺王闘士たちは感情を失った村人たちを戦闘に参加させており、更に自分たちの能力で御魂闘士たちの攻撃を彼らに反射させようとしています。
よって求められるのは位置関係の把握や、村人を敵から離すなどの行動、あるいはいっそ防戦を徹底するなどの工夫です。
NPCは甲斐千雪が同行します。

【2】プロク対応
殺王闘士のリーダー・プロクとの戦闘です。
プロクは渚の無力化を狙ってくるのですが、渚の方が動揺しており非常に危険です。
渚が倒されると実質ゲームオーバーなので、撤退するために一旦相手を圧倒する必要があります。
おみよは戦闘開始直前に安全圏へ離脱させられるので、彼女が巻き込まれることはありません。
NPCは綾取はしご、渚が同好します。

■敵情報
【1】【2】配下の殺王闘士
魔法使い系が多い。妨害スキルを駆使して攻撃自体は普通に魔法撃ってくるだけ、みたいな戦い方をしてきます。
特別なスキルとして、
ブロンズシールド:敵からのスキル攻撃を反射し別の対象にぶつけます。【1】の敵はこれを操られた村人に当てることともありますが、威力は軽減されているので当たっても一発で死ぬことはありません。レンジがそのまま対応するので射程の短い攻撃がベターです。
幻惑:命中を下げます。
ヒーリング:自分や他者のHPを回復します。

【2】プロク
渚が絶望する様に興味があり、みよを利用するために自由にさせています。
今はみよからの信用を一部勝ち取っているようでもあります。
動機からして渚に興味があるので渚を狙ってくるでしょう。
また、渚を無力化して回収できれば、おみよ共々感情を奪って使役するつもりでいます。

特別なスキルとして、
蝶の舞い:複数対象を取れる光属性の魔法攻撃。範囲ではなく数が対象となります。
水の柱:障害物を出現させます。移動や遠距離攻撃の邪魔になります。数ターンで消滅します。
ブロンズシールド:配下と同じ物です。
幻惑:配下と同じ物です。

■「殺王闘士が苦手とするもの」のプロクへの効果
錫の金剛鈴など、殺王闘士が苦手とすると明記されているものについて、プロクに対して使用した場合、「ないよりマシ」程度の効果になります。
ただ他のモブ殺王闘士には有効な場合もありますので持ち込みが無意味と言う訳ではありません。
また、プロクに対しても、拮抗状態の時に使用すれば若干こちらの有利になる可能性はあります。
どうしようもないピンチをひっくり返すような効果はありませんが、お守りくらいの効果、もうちょっとで届くのに! と言うときの最後の一押しにはなるかもしれません。
他にも、プロクは「強い相手には効かない場合がある」とされているものが効かないことがあります。


■NPC
甲斐千雪(鎖座の和魂)
近接戦闘一辺倒の特異者。
流石に一般人を殴れないので防戦気味。

綾取はしご(宝箱座の荒魂)
射撃を得手とする特異者。
その世界の文明や文化などに興味を持っている。
今回はシリアスモードで渚を気に掛けている。

渚(砂浜座の荒魂)
投擲で戦う現地の御魂闘士。
故郷は若干の閉塞性を感じていて息苦しく感じており、御魂闘士になってからしばらく帰っていなかった。
みよが自分に会いたいが為にプロクに協力したと知って、狼狽えている。

■おまけ:敵キャラクターへのアクションについて
敵キャラクターは皆さんの敵です。

なので皆さんの話はこれっぽっちも受け入れる気がありません。悪ですね~。
なので、皆さんがその悪行や思想の誤謬を指摘しようものなら全力で逆張りしてきます。何故なら、彼女たちにも思想や矜持があるからです。ある程度の正当性があると思ってなければこんなことはやっていません。悪ですね~。

と言うことで、敵NPCに何か言うなら「わかってもらえない」「聞き入れてもらえない」ことは想定しておいてください。
突っぱねられたら嫌だな……と思うなら「言わないけど内心ではこう思う」と言うことにしておきましょう。

敵NPCは皆さんを描写するための触媒です。ガイドなどを読んでいただき、上手く使ってください。


■マスターより
こんにちは三田村です。

今回初めてネームド敵を出すのでドッキドキです。

ご参加お待ちしています。

妨害対応 【現在のMC参加人数:4】

4

プロク対応 【現在のMC参加人数:3】

5