クリエイティブRPG

　とある世界の、大きな屋敷。
　１人の特異者がこの屋敷の『家庭教師』として招かれました。

「まあ、先生。ようこそいらっしゃいました」

　気立ての良さそうな女性、ザビーネ・シェン・ヴェレット。
　彼女が特異者を迎え入れると、どうぞこちらに、とある部屋へと連れていきます。
　相当な広さを誇る屋敷は彼女がいなければ迷ってしまうほど、部屋の数が多く、少しでも離れるとわからなくなってしまうでしょう。

「フェルゼン、キーゼル、入りますよ」

　コンコンと扉をノックした女性。
　中にいる人々の反応を待つことなく、扉を開きました。

「……」
「あ、母上……」

　青いくせっ毛の子供が２人。
　１人は右目を髪で隠し、１人はざっくりとした短髪の少年達。
　彼等はどうやら双子のようで、目を隠した少年がフェルゼン・ガグ・ヴェレット、短髪の少年がキーゼル・ルナ・ヴェレットという名前だそうです。

「今日から数人ほど、家庭教師を入れます。ご挨拶なさい、２人とも」
「……はい。よろしくお願いします」
「よろしくお願いしまーす」

　小さく、特異者にお辞儀をしたフェルゼンとキーゼルは母親に促されるままにそれぞれの勉強机に向かいます。
　フェルゼンは積まれた教科書を広げ、キーゼルはノートをいくつも広げ。
　それぞれがそれぞれの勉強方法を行い、特異者の話に耳を傾けます。



　********



「……ねえ、先生」

　ふと、フェルゼンが特異者に問いかけます。
　その問いかけは、ただひとつ。

「先生は、世界の外ってあると思う？」

　何やら不思議な問いかけをしてきたフェルゼン。
　色んな本を読み漁った結果が、この問いかけに繋がったと彼は言います。

　特異者はその問いかけにこう反応しました。
　『キミにとっての世界の外は、この屋敷の外なんじゃないかな』と。

「……そっか」

　少しだけ寂しそうな表情を浮かべたフェルゼンは、再び積まれた本を手にとって読み始めます。
　世界の外に対する答えが納得行くような答えではなかったと、口にせず表情に現しています。

　しかし、その瞬間。
　特異者は屋敷……否、この小世界から弾き出されてしまいました。

　特異者はフェルゼンの問いかけに間違えた答えを出したからだろう、ともう一度世界に入りますが……。
　どうやらこの屋敷にも円環現象が起こり、繰り返しの世界となってしまっているようです。


　世界の外を知りたい少年フェルゼン。
　彼は何故こんなにも『世界の外』を知りたがっているのか？
　そして、何故ループが起きてしまっているのか？

　その謎を解くためには、屋敷の内部を調査することが必要なようです。

初めましての方は初めまして、御影イズミです。

新たな小世界でのシリーズシナリオとなります。
こちらのシナリオの最終的な目標は「ループを解除する」ことになります。
少しでも楽しんでいただけると幸いです。

***今作のルール***

■ループ発生時について
「フェルゼン」「キーゼル」の２名だけ、特異者（先生）に対する好感度が引き継がれます。
それ以外（記憶、母親の好感度など）は全て最初からになります。

■情報について
使用するスキルとアクションの内容によって出てくる情報は変わります。
例えば同じ「フレンドリー」スキルを持っていても、アクションの内容次第で出てくる情報は変わってきます。
事前のすり合わせが大事になってきますので、ぜひとも皆様で協力して情報を集めてください。

■時間軸について
基本的に「昼」「夕暮れ」が活動時間です。
それ以外の時間帯はフェルゼンやキーゼルに呼ばれるなどしない限り、入ることが出来ません。

***会話できる人物***

・フェルゼン・ガグ・ヴェレット
皆さんが今回受け持つことになった「生徒」。キーゼルとは双子であり、彼が兄です。
『世界の外』について知りたい様子。
とても物静かですが、好きなことを語る時は早口になります。

・キーゼル・ルナ・ヴェレット
皆さんが今回受け持つことになった「生徒」。フェルゼンとは双子の弟にあたります。
双子だからか、フェルゼンには色々と共感しやすいタイプのようです。
とてもハツラツとした少年で、時々机に向かうのが嫌で部屋の中でストレッチすることも。

・ザビーネ・シェン・ヴェレット
フェルゼンとキーゼルの母親。彼等に良い勉学を、と家庭教師を何人も呼び込んでいるようです。
しかし彼等の部屋に娯楽関係のものを置かないようにしている様子……。

■シナリオの参加報酬について
本シナリオに参加されるともれなく、
・ヨルム技能経験パスＰ
が参加アカウントごとにプレゼントされます。
課題より受け取ることが可能です。
課題は抽選参加締切後2営業日以内に実装されます。