クリエイティブRPG

　アトラ、新東京。
　一見平和に見える街も、シェルターという壁を越えてしまえば滅亡が目の前に広がる。
　大人たちはそれを知っているからこそ、外には出るな、と再三子供たちに言い含めているのだが、まだ外の地獄を知らない子供たちにとってしてみれば、それは理不尽に不自由な枷にしか過ぎなかった。
「外に出てみようよ」
　言い出したのは、誰だっただろうか。
　こっそり作った秘密基地、持ち寄ったおもちゃの銃。
　きっと自分たちにも、テレビの中のメディエーターたちのように戦う力があるのだと、無限の想像力が働いていた。

　こっそりと、冒険心のままに飛び出したシェルターの外。
　そこに広がる地獄に、でももう引き返せないとリーダー格の少年が足を踏み出した。
「――おい、そこに誰かいるのか？」
「！！」
　たまたま見回りに来ていたメディエーターの声に、一同はびくんと体を震え上がらせて、互いに顔を見合わせた。
　大人に見つかったら、連れ戻される。
「子供？　なんでこんなところに……」
「にげろっ！」
「あ、こら、待ちなさい！」
　一斉に逃げ出した子供たちは、その混沌の先に息を潜めて獲物を待つ獣を知らない。
　緊急事態だ、とメディエーターは本部に通信を飛ばしたのだった。

はじめまして、もしくは大変お久しぶりでございます。
星積　椿と申します。

今回の目的は、旧市街に飛び出してしまった子供たちを連れ戻すことです。
捜索はもちろん、旧市街はいつどこから獣が飛び出してくるかわかりません。
周囲には第三種「ラクシャス」が1～2体ほどうろついているのを目撃したという情報があります。
目撃されたラクシャスは植物型ですので、斬撃や炎が有効でしょう。
子供たちを無事に発見、保護し、護衛しながら新東京に連れ帰るまでがミッションです。
子供の人数は5人ほどです。リーダー格の男の子を中心に、男の子と女の子が混ざったやんちゃグループです。
子供の足ですからそう遠くまでは行っていないとは思いますが、物陰などに隠れて見つけづらい可能性があります。

迅速、かつ確実に。救助ミッションを開始してください。