クリエイティブRPG

　エルツベルムの魔導学院の女生徒達のあいだで、奇妙な噂話が出回っていた

「アヴォインにある黒い小屋から、夜になるとすすり泣くような声が聞こえるんだって」
「あの小屋の主に攫われて監禁された女の子が泣いてるらしいよ。帰りたい、帰りたいって」
「小屋は呪われてて、そこに住む幽霊に攫われたって聞いたよ」
「私は神竜の怒りに触れた女の子が閉じ込められてるって聞いた」

　冬の始まりに突如現れたその噂は、瞬く間にエルツベルム中に広まっていった。



　雪でも降りそうな寒いある日の夕方、冒険者ギルド内にかつてないほどの緊張が走っていた。

「はい……　そうなんです……　私が作った彫像がですね……　グスッ。……ああ、すみません。鼻炎でして。泣いてるわけじゃないんです」
　ボサボサの長い髪を頭から垂らし、真っ黒なローブを着た青白い肌の女性が、ゆらりゆらりと揺れながらギルドの受付に話をしていた。
「え、ええと……　つまり、ヴァルワリア様が作られた神竜の彫像をモンスターに奪われたので、取り返して欲しいという事ですね？」
「そうなんです……　水晶でできた高価な彫像でして、結婚式の際に恋人に贈る予定で……　式まであと７日しかないんです……　自宅で式を挙げる予定なんですけど、式場もモンスターに滅茶苦茶にされてしまって、もうどうしたら……　取り返すなんて私には無理ですし……お願いできますでしょうか……？　グスッ……」

　まるで黒魔術師の幽霊みたいな女性の不気味な喋り方に、仕事に来ていた冒険者たちはつい気を取られてしまった。
「なあ、あの人誰だ……？」
「アヴォインの彫刻家らしいよ。なんでも、水晶で作った神竜の彫像をカラスみたいなモンスターに盗まれて困ってるとか……」
「へえ……」

　依頼の受付を済ませたヴァルワリアは、自宅兼店舗である黒い小屋へゆらゆらと揺れながら帰って行った。

「……幽霊と話してる気分だったわ」
　その日の夜、冒険者ギルドの受付は一人で風呂に入れなかったという。

　こんにちは！　来栖彰です。
　今回は初のカルディネアのシナリオとなります。
　
　７日後に結婚式を控えているヴァルワリアは、結婚指輪の代わりに恋人に贈る予定だった水晶製の彫像をモンスターに盗まれてしまいました。
　巨大カラスを討伐し、巣の中から彫像を見つけ出してヴァルアリアに返してあげてください。
　
　そして、ヴァルアリアの結婚式のお手伝いをしてくれる人も探しています。
　結婚式はヴァルワリアの自宅で行う予定なのですが、侵入してきたモンスターによって部屋が荒らされており修復が必要な状態です。
　ヴァルアリアのために恋人が用意した漆黒のドレスに似合うヘアメイクなんかもしてあげると喜んでくれるかもしれません。
　
　それでは、よろしくお願いします！

　アクション解説
　【１】巨大カラス群討伐
　●アヴォイン郊外にいる巨大カラスの群れを退治してください
　　└１．巨大カラスの群れは夕方になると巣から出てきて大きな鳴き声をあげます
　　└２．巨大カラスの群れは基本的に巣の外では飛行しています
　　└３．巨大カラスはキラキラ光る物に目を奪われる傾向があります
　　└４．巣の中にはヒナが眠っていて、ヒナを攻撃すると親ガラスの戦闘力が数倍に上がり厄介ですので、巣に衝撃を与えないようにしましょう
　
　【２】モンスターの巣散策
　●巨大カラスの群れが作った巨大な巣の中にある神竜の彫像を見つけ出してください
　　└１．巣の大きさは床面積が体育館３つほど、高さは３メートルほどあります
　　└２．巣は主に大きな木の枝とゴミで作られています
　　└３．神竜の彫像は水晶でできていて、不思議な力が感じられるかも……？
　　└４．巨大カラスのヒナが眠っている事があるので起こさないように注意しましょう
　
　【３】結婚式のお手伝い
　●ヴァルワリアの結婚式の準備を手伝ってください
　　└１．ヴァルワリアの結婚式は黒い小屋の中で行います
　　└２．小屋の中は巨大カラスに荒らされて、壁や床が壊れている状態で修復が必要です
　　└３．恋人がくれた漆黒のウェディングドレスに似合うヘアメイクをしてあげると喜ぶかも
　　└４．ヴァルアリアと恋人の男性は家族だけで執り行う小さな結婚式を望んでいます