クリエイティブRPG

　とある日のローランドにて、冒険者となったばかりのクレーエ・サージュはどの依頼を受けたら良いのか困ってました。
　色々と手ほどきを受けながらこれはどうだろうか、あれはどうですか、と先輩達に教えてもらうものの……本当に初めてなクレーエにはどれも危険そうで、怖くなっていました。

「う、うう……あたし、ホントのホントに初心者だからぁ……！」
「でもねぇ、そういうこと言われても冒険者としてはやってけないよ？」
「じゃ、じゃあ、せめて誰か一緒に出来るものを……！」
「ふーむ、そうなると……ああ、これどうかな？」

　そう言って教会の人が出したのは、薬草『砂吐き草』を集めるだけの簡単な依頼。
　簡単とは言っても砂吐き草に似た薬草はたくさん見つかってしまうため、ある程度先輩達の知識を借りての収集作業が必要になってくるものでした。

　クレーエは悩みました。
　他の冒険者さんに迷惑をかけないだろうか。
　ちゃんと集めきれなかったらどうしよう。
　そもそも薬草って種類がたくさんあるからわからない……。

　どうしたらいいのかわからないクレーエは依頼書を片手に、ずーっと悩んでいました。

　そんな中、とある２人の冒険者が悩みに悩んでいるクレーエに手を差し伸べます。

「大丈夫？　怖いなら、俺が一緒に行こうか？」
「えっ……」

　顔を上げてみると、そこにいたのは蒼の等級を持つ冒険者ライアー・シェルシェールと、最近冒険者になったばかりのアルデア・クェイジトルの２人がいました。
　どうやらアルデアが初めての冒険に出たい！　と言ったのがきっかけで、２人はこれから依頼探しをしようとしていたようです。

「俺も初めての冒険なんだけど、よくわかんないからさー。兄貴と一緒に行けそうなのないかなーって思って探してたんだ」
「見たところ、アンタもアルデアと同じ冒険者になったばかりのようだな。どうだ、俺と他冒険者にサポートされながら、冒険してみないか？」
「えっ、あ、えっと……あの、お２人はどんな依頼を……？」
「ん？　だから、一緒に行こうかなーって。いいよね、兄貴」
「そうだな。この薬草収集なら俺じゃなくて２人で向かってみたほうが良さそうだし、他の冒険者達にも一緒に出てもらえないか声をかけてみるさ」

　今日はアルデアとクレーエのみの、初めての冒険。
　それなら等級の高い自分が出るよりは、他の冒険者と一緒に出向いてみるほうが良さそうだと判断したライアーは、教会の人にいろんなことをお任せしてそのまま２人を冒険登録していきました。

　さて、初めての冒険でよくある薬草収集。
　果たして２人はきちんと目的の薬草を持って帰ってこれるのでしょうか……？

　初めましての方は初めまして、御影イズミです。
　シナリオ「兄を探して！」ではお世話になりました。
　こちらはその続編シナリオ、アルデアの初冒険となります。
　困ってる人を見捨てられなかったアルデアは、新たな冒険者クレーエ・サージュに声をかけて一緒に依頼を行うようです。

◆依頼について
　砂漠の岩陰に咲くという『砂吐き草』を集める簡単なお仕事となっております。
　街から出てすぐの岩場で見つかったりしていたのですが、現在は少し遠くに出てから集めなくてはなりません。
　そのため砂船を使って少し遠くの岩場へと出向く形になります。

◆アルデアとクレーエについて
　２人は揃って、これが初めての冒険となります。
　アルデアは兄と呼んでる冒険者ライアーから話を聞いたりしているので知識は持っていますが、クレーエは家系柄冒険者にならざるを得なかったため知識は殆どありません。
　戦闘もしたことがないため、突然の戦闘行為では冒険者の皆様におまかせする形になるでしょう。

◆事前情報
・砂吐き草は類似種が多く、初見では毒草の砂棘草とも間違えやすい。
・見分ける方法は手で草を潰し、汁が白くなければ砂吐き草だと断定できる。
・砂棘草は抜いた瞬間に有害物質を発生するため、処理しづらい。
・今回出向いた先にはサンドワームの住処もあるが、刺激しなければこちらを襲いかかることはない。
・なおサンドワームは砂棘草が大好き。もらえると冒険者を敵と認定しなくなる。