クリエイティブRPG

元社畜令嬢、クセが抜けず逆に恨まれるの巻

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元社畜令嬢、クセが抜けず逆に恨まれるの巻
基本情報

マスター:イヴェール
ワールド:ローランド
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年09月06日公開!

シナリオガイド

酒場で暴れる冒険者?たちを対処し、サソリの機械族を倒せ!

シナリオ名:元社畜令嬢、クセが抜けず逆に恨まれるの巻 / 担当マスター:イヴェール



 人が闇に抗う世界、ローランド。
 かつて魔王に支配されていた国もありましたが、
 他国や他の世界の人間が協力することで魔王を滅ぼし、国を取り戻すことができました。
 現在では、ある者は落ち着いた世界を享受し、ある者は探求心のままに行動していました。
 
 一方、砂漠地方には「ヴュステラント連合国」には加わっていない小国や自治体がありました。
 そのある自治体を治める貴族の屋敷内では、娘が一人泣いていました。

「デザトリアンお姉様の嘘つき。『アナタが舞踏会に行けば小国の王子様と結ばれる』だなんて
 顔だけチラッと会わせて終わってしまったじゃない」

 彼女が泣いていると、ローブに身を包んだ人物が現れました。
 その人物がローブを広げると、怪しい光を放つ様々な宝石を身につけられていました。

「可哀想なサンドリオン。それはとても辛かったね。そんな君にはこれは相応しい」

 そう言って渡してきたのは一足の靴でした。
 まるでガラスのように透明でありながら、紫水晶のように美しく怪しい光を放つ靴
 魅了されたサンドリオンは、それに手を伸ばしました。



 *     *     * 



 ヴュステラント連合国首都、ザンテンブルク。
 そこの中心街にある酒場では、客のほとんどがカウンターに座る女性を見ていました。
 彼女の特徴的な前髪まで縦に巻かれた髪型と、意地悪そうな吊り目に覚えがあったからです。

「あ、あの、デザトリアンお嬢様だよね? なぜ、こんな古びた酒場に」

 見かねたマスターが小声で問いかけました。すると、彼女は立ち上がり語り始めました。

「よくぞ聞いてくれましたわね! そんなに聞きたいのならお話して差し上げてもよろしくてよ?」
「あ、いや、そこまで」
「ワタクシはあのトルネール家の娘として生まれましたわ。トルネール家はお父様もお母様も猫ですら
 とっても意地わ・・・・・・ハッキリ言ったり大きく振る舞うのが得意で、いつも召使いたちに色々考えさせていたの」
「もっと違うこと言おうとしてたよね?」
「一番考えさせられていたのは、妹のサンドリオンですわ。
 彼女は前の父の子どもで今の父になってからは、召使いの10人分くらい色んな仕事をしてもらっていますの」
「なんて、かわいそうなサンドリオン」
「召使い10人でやる仕事、しかも段取りも悪いしテキパキ動かないし。なので、ワタクシがその仕事を奪ってやりましたの!」
「え、奪ったって言ってるけど、優しいじゃん」
「ワタクシ、人が仕事をしていると自分がやった方が早く終わると思って、
 代わりたくなる性分なんですの。社畜だったからでしょうか」
「シャ、シャチク?」

 酒場の皆、首を傾げました。彼女の発したその言葉はローランドにありません。
 デザトリアンは実は転生者で、前世はブラック企業の会社員、いわゆる社畜でした。

「ですが、何度もそんなことをしているうちにワタクシは追放されましたの。
 『令嬢が情けないことをするな』『サンドリオンが仕事できないのはお前のせいだ』と」
「なんて、かわいそうなデザトリアン」
「ワタクシは仕方なく砂漠を旅していた冒険者のパーティーに加わりましたの。
 そのパーティーはとても規模が大きく豪快で、
 魔獣を討伐していたというより討伐しにきた別のパーティーを襲っていましたわ」
「それ、たぶん盗賊団だよ」
「戦う術を知らないワタクシの仕事は主に雑用。
 強奪した金品の仕分けや武器や食料の在庫管理や調達、あとはメンバーの肩もみなど」
「令嬢が盗賊団の雑用なんて」
「いいんですの、慣れていますから。ですが、それもすぐに追放されてしまいますわ。
 『やっぱり自分たちだけでもできる雑用にわざわざ人を割きたくない』と。それで今に至りますの」

 酒場の皆がデザトリアンの話に聞き入っていると、乱暴にドアを開ける音がしました。

「デザトリアンという女はいないか! ヤツがいないと何がどこにあるか分からん!」
「それに肩もめちゃくちゃ凝ってイライラしとるんだ! この店に入っていったのは分かってる!」

 彼女がかつて所属していた冒険者のパーティー?が一斉に押しかけ、店内を荒らすように捜し始めました。
 デザトリアン自身は咄嗟に隠れ、打開策はないかと考えるしかありませんでした。


 *     *     * 



 その頃、サブラ砂漠では砂船に乗った人々があるものを指差し、声を上げています。
 それは数体の巨大なサソリの形をした機械族であり、一際大きなサソリの頭にはサンドリオンがいました。
 瞳には正気がなく、足元では靴が怪しげな光を放っていました。

「・・・・・・気づいたの。わたしはデザトリアンお姉様あってのわたしなの。
 わたしには絶対デザトリアンお姉様が必要なの。
 だから、早く出てきてちょうだい。でないと、まわりにあるもの全部めちゃくちゃにしちゃうかも」
 

担当マスターより

▼担当マスター:イヴェール

マスターコメント

本シナリオはザンテンブルクにある酒屋で暴れている冒険者パーティー?を対処すること、
砂漠に現れたサソリの機械族を倒し、デザトリアンの義妹サンドリオンを救い出す
、というものになっております。


●基本的な状況
 先ほど砂漠地方の教会(冒険者ギルド)で依頼書が提示されました。
 内容は
 ・ザンテンブルクにある酒屋で暴れている冒険者パーティー?の対処
 ・砂漠に現れたサソリの機械族の討伐

 とのことです。
 そして、その要因の一つにとある貴族の令嬢、デザトリアン・カルネールが関わっているようです。


【1】酒屋で暴れている冒険者パーティー?の対処 難易度3
 現在、ザンテンブルクにある酒屋では十数人の冒険者?たちがデザトリアンを探し暴れ回っているようです。
 人々はマスターやデザトリアンを含め、手が出せず隠れるので精一杯の状態です。
 冒険者?は主に}ナイフや弓で戦う手下が大半で、機導剣を扱うリーダー格が数人いるような状態です。
 なるべく酒場への被害を押さえつつ、冒険者?の勢力を弱め捕縛しましょう。


【2】砂漠に現れたサソリの機械族の討伐 難易度5
 現在、砂漠ではゾウほどの大きさのあるサソリの機械族が砂船に向かってきています。
 砂船には多くの乗客が乗っており、徐々にではありますがサソリに追いつかれそうになっています。
 サソリの機械族は「下位個体(ローエンド)」ですが、防御力が高く、魔法耐性を持っています。
 攻撃手段としては突進や尻尾をしならせぶつけてきたり、先端の針で刺してきます。
 また、サソリはデザトリアンの義妹であるサンドリオンの指示で動いているようです。
 サンドリオンはガラスの靴を履いており、さらに靴はサソリの身体とくっついているため、
 簡単に彼女とサソリを引き離すことはできません。
 迅速にサソリの機械族を倒し、サンドリオンを救い出しましょう。


デザトリアン・カルネールについて
 とある自治体の貴族令嬢。人々を召し使いのように扱う意地悪な家系と噂だが、
 彼女自身は前世から人の仕事もやってしまい、長時間労働もいとわないタイプ。
 自分で抱え込んでしまうため、デザトリアンがいなくなると大変なことになる。
 また、家系のせいで言動も意地悪く誤解されることも多い。
 現在は、冒険者?が暴れている酒屋のカウンターに隠れている。
 ちなみに、前髪すら縦に巻かれたような髪型は遺伝である。

サンドリオン・カルネールについて
 デザトリアンの義妹。前父の連れ子だったが、父が亡くなってから召し使いのような扱いを受けていた。
 しかし、デザトリアンが代わりに仕事を行い、追放されたせいで自堕落な生活を送っていた。
 渋々継母はサンドリオンを連れ舞踏会に行ったものの、おとぎ話のようには上手くいかなかった。
 何者かに怪しいガラスの靴を渡され、負の感情が暴走した結果、
 サソリの機械族を使い、デザトリアンを捜しつつ砂船を襲いそうな状態になっている。
 ちなみに、カルネール家で唯一ストレートヘアである。

【1】酒屋で暴れている冒険者パーティー?の対処 【現在のMC参加人数:4】

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【2】砂漠に現れたサソリの機械族の討伐 【現在のMC参加人数:4】

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