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【怪異狩りの(グリームハンター)アリス】その頁(しんじつ)の名は

リアクション公開中!

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【怪異狩りの(グリームハンター)アリス】その頁(しんじつ)の名は
基本情報

マスター:秋みかん
ワールド:蒼空Re
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年05月24日公開!

シナリオガイド

三者三様の捜索、ついに現す黒き頁

シナリオ名:【怪異狩りの(グリームハンター)アリス】その頁(しんじつ)の名は / 担当マスター:秋みかん


■前回までのあらすじ
 イルミンスール魔法学校に通いながらも、ホームタウンであるナーサリィ近辺に出没する白き害敵・“怪異(グリーム)”を退治する依頼をこなしている地球人、“アリス・テニエル”とそのパートナーである剣の花嫁、“エシラ・リーディル”。
 彼女たちの現在の保護者に当たるヴァルキリー、“先生”から怪異の存在とそれを退治する依頼――『狂ったお茶会事件』を発端として、アリスとエシラは怪異狩りを続けていた。
 そんな中、屋敷の執事長的存在であるゆる族、ラビィ・クロックが所用でナーサリィの隣街であるパルクァへ赴いた際に怪異事件が発生してしまう。
 街一つを巨大な白亜の城へと上書きするほどの強大な力を持った怪異を、アリスとエシラは契約者と特異者たちの力を借りて討伐する。ラビィも無事に救出され、大掛かりな事後処理を終えた後にこの事件は『心臓の城事件』……別名『心臓の城攻略戦』として語られることになる。

 ――それからしばらく。『心臓の城事件』からいくつかの季節が過ぎようとしていたほどの刻を経たパルクァ近郊では……

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かちり、かちりと針は刻み続ける。

とめどなく溢れる狂気と闘い続ける二人。

彼女たちはいつまで強くなればいい?

そんなのは決まってる、世界を征服できるまで!

けたけたと嘲笑うのは、歪で真っ黒な頁群――



◆◆◆


「――エシラ、そっちにいったわ!」
「了解です、そのまま合わせましょう、アリス!」
「もちろん……よッ!!」

 ――まるで獣を追い込むかのように、アリスは今回のターゲットである中型の怪異・白トカゲのビルの後方を追いかけます。その前方にはエシラが自身の得物を構えており、いわゆる挟撃の状態になっていました。
 横へ逃げようとする白トカゲでしたが、アリスとエシラのまるで長年連れ添ったおしどり夫婦のような息の合ったコンビネーション攻撃で白トカゲの四つ足をすべて切断。続けて、頭と胴体をそれぞれで分断するように切り捨てます。
 移動手段を切断され、とどめを刺されてしまった白トカゲは、そのまま音もなく――まるでそこに最初からいなかったように消えていきます。怪異独特の消滅方法であり、怪異へ確実なとどめとなった確たる証拠でもありました。

「よし、これで依頼達成ね」
「お疲れ様です。……だいぶ強くなりましたね。今回の怪異、あのような姿でも狂ったお茶会の分裂体クラスの被害を出していたはずなのですが」
「ふふーん、あたしの手にかかればこんなものよ。エシラと一緒だからって言うのもあるけどね」

 アリスの言葉に、若干照れの様子を見せるエシラ。二人は確実に、自身たちの力の強まりを感じていました。
 ――『心臓の城事件』以降、アリスとエシラは怪異狩りを中心に積極的な活動を見せていました。基本はコンビのみで、時折は他の契約者や特異者たちと一緒に依頼をこなしていたようです。
 その甲斐もあってか、今やアリスとエシラはすっかり一人前となっており、その実力としてはアリスはヴェローチェとしての戦闘適性を大きく凌駕し、テンペストとしての戦闘適性に。エシラは元々のヴェローチェとしての戦闘適性の拡大に合わせて、デディカーレとしての可能性も見出し、お互いの役割がより明確に色づいた雰囲気を見せていました。

「――さて、と。おそらく今回も無駄足になりそうだとは思うけど、周辺捜索だけやって屋敷に戻りましょうか」
「わかりました。……この前は西区近辺でしたから、今回は北区を見てみましょう」

 依頼の後片付けはほどほどに、アリスたちの表情が引き締まります。……彼女たちには、このゴーストタウンとなった街でまだやらなくてはならないことがありました。――季節をいくつか過ぎた彼女たちにのしかかる、いくつかの問題解決に向けた行動を。


 ――しばしの間、アリスとエシラは別行動でパルクァ北区を重点的に捜索していましたが、結果は芳しくなかったようです。

「ったく……捜索してるだけでも怪異の奴ら、ちっこいのが何匹も襲ってくるなんて。まだまだ疎開した人たちに戻ってもらうわけにもいかないわね……」

 彼女たちが抱える問題は三つほどあり、一つは怪異の数が日々増加していること。幸い、怪異はナーサリィ近辺とパルクァの街全域のみにて確認されており、特にパルクァは発生源がどこかで生まれたかのように、街のいたるところに小型の怪異たちが跋扈している始末です。そのおかげで依頼には困らない様子のアリスとエシラですが、やはりというかあまりいい顔ではありません。

「事後処理をしていた時点ではそれほどでもなかったのですが……何か要因があるのでしょうか」
「さぁ……さすがにそれはわからないわ。――エシラ、そっちに痕跡とかあった?」
「いえ、ありません。……どこにいったのでしょうか」

 ――問題の二つ目は、彼女たちが探しているものでした。
 『心臓の城事件』解決後、事件の事後処理でしばらくこのゴーストタウンと化したパルクァの街に滞在していたアリスたちでしたが、その際に“街が蹂躙された際に逃げ遅れたと思われる少女がいまだ発見されていない”ことが判明しました。
 事後処理自体は長期に行われていたため、他の安否不明者と同様に捜索されたのですが――捜索が打ち切られるまで、その少女のみがいまだ安否不明のままでした。
 捜索が打ち切られることをよしとしなかったアリスは個人でその問題を引き継ぎ、今日まで捜索を続けていた……という次第です。
 しかし今現在でもその痕跡すら見つけられず、代わりに唯一得られた情報……というより噂として、“パルクァ近辺に銃使いの怪異狩りが出没しているらしい”ということを知った程度でした。

「……はぁ、進展なし。噂の銃使いもいまだ遭遇してないし、何がいて何がいないのかさっぱりね」
「少なくとも、怪異はいますね」
「あいつらが喋ってくれれば少しは役に立つんだろうけど……無駄なこと考えちゃった、そろそろ戻る?」
「はい、そうしましょう。……次は『先生』のほうですね」

 エシラのその言葉に、アリスもまたため息をつきます。……三つ目の問題、それこそが『先生』に関わりのある事でした。

「『先生』も行方不明……本当、あたしたちの周りどうなってるのかしら」


◆◆◆



 ――アリスたちの住む、図書館併設の屋敷の主である『先生』。彼が行方不明になったのは、『心臓の城事件』から季節を一つ過ぎたあたりの頃。
 いつも通りにナーサリィ内での様々な書類仕事をこなした『先生』でしたが、所用とのことで屋敷を出て、それを機に屋敷に戻ってくることはありませんでした。
 『先生』捜索のため書斎を調べようとしたラビィたちでしたが、書斎関係の鍵はラビィの手から離れて『先生』が管理していたためか、特殊な錠前で施錠されたままの書斎への進入はいまだなされないままでいました。
 ナーサリィ警察の方々も捜索に参加してくれましたが、結局成果は無し。捜索に進展のないまま、今に至っている次第です……。

「そういえば『先生』、なんか相当げっそりしていたような気がしたんだけど……エシラ、そういうの見た?」
「普段より覇気……というより、生気がないように感じられました。お食事は普通に食べていましたが……うーん」

 指を自身の顎に当てて、当時の『先生』の様子を思い出しているエシラ。アリスも、『先生』と交わした最後の会話を思い出しているようです。

「……屋敷を出る時、あたしたちに「もっと強くなってくださいね。どんな敵にも負けないような……」って言ってたわよね、確か。――あたしたちに実力付けさせようとしてた節は感じてたけど、何か目的があるのかしら……」

 謎と疑問。深まるその二つを感じながら、ナーサリィにある屋敷へと戻ってきたアリスとエシラ。扉を開けて中に入るなり、帰宅人を感じ取っていたのか奥からラビィが小走りにアリスたちの所へ走ってきました。

「あらラビィ、随分慌ててどうしたのよ」
「あぁアリスさん、エシラさん……お帰りなさいませ。あの、実はですね――」

 ――アリスたちと同様に、『先生』の行方を捜していたラビィ。こちらも二人同様に手がかりは見つからなかったものの、他の手がかり……というより、一つの“悪寒”を口にしていきます。

「……悪寒を感じた、と?」
「ええ。ただかなり遠い位置からの悪寒……おそらくは私の故郷の方から感じたのです。こんな事初めてで……」

 ラビィの一族は危険や悪意などを“悪寒”という形で感じ取れる力を持っており、『心臓の城事件』の際にはその力が契約者たちの役に立ったこともありました。

「その悪寒能力、ずいぶん遠くの位置まで感知できるのね。そんな便利な能力だっけ?」
「普段はそんなことないんですけどね……おそらく、故郷方面で起こった悪寒だからでしょうか」
「ラビィの故郷……“獣隠れの里”ですね。私もそこで発見されたんでしたよね」

 “獣隠れの里”。そこはラビィとチーシャのゆる族組の故郷であり、眠るエシラがラビィたちによって発見された場所です。
 ザンスカールから西にあるベッドタウン、ナーサリィから南西方向。サルヴィン川を越えてさらに南西にある巨大火山……“アトラスの傷痕”と呼ばれるその火山の麓にあるとされている隠れ里です。

「エシラの眠ってた場所も相当な場所よね……」
「それでラビィ……獣隠れの里のある方向で悪寒を感じたのでしたよね。何かあるのでしょうか?」
「悪寒、というからには少しばかり嫌な予感がするのですが……それとは別に、故郷にいきたい理由がありまして」

 そう言葉にしたラビィは、続けて口にしていきます。

「――私の故郷にいる長老に会おうと思います。長老の占いで、『先生』やアリスさんたちが探している少女の行方を占ってもらいましょう」
「う、占いって……それ、信用できるの?」
「失敬な! 長老の占い、すごいんですよ?」

 占い、というスピリチュアルなものに頼ろうとするラビィに対し、アリスは想わず怪訝な顔を浮かべます。しかし、長老の占いは特別なものなんですよ! と強い熱意で力説するラビィにアリスは苦笑いを浮かべるほかありませんでした。

「今までは屋敷の管理が忙しくて故郷のことも忘れかけていましたが、『先生』がいない今なら長距離移動をしても大丈夫なはず! さすがに全員出ると留守番がいないのでチーシャは置いていきます!」
「おいおい、本人が後ろにいるのにずいぶんなアレじゃないか。里帰りできることに気合入りすぎではないかね?」

 ラビィの帰郷宣言に、いつの間にかラビィの後ろにいたチーシャはにへらと笑います。とはいえ、チーシャ自身はそれを受け入れて留守番態勢万全の様子でした。

「……まぁ我は長老とは犬猿の仲、もとい犬猫の仲だからな。あいつの捜索ならこっちで一時的に引き継いでやるから、お前さんはあの爺様どもに会ってこい」

 どうやら、ラビィが離れている間の『先生』捜索はチーシャがやってくれるとのこと。それに対し、ラビィは信じられないかのように妙な顔をしてチーシャを見ていました。

「――アリス、提案があります。……皆様の力を借りましょう。そしてアリスは少女の捜索を、私とラビィが獣隠れの里へ向かいます」
「……どういうこと?」

 エシラからの提案に、首を傾げるアリス。別行動は少女捜索の時によくやっているので問題はなさそうですが、自ら別行動を申し出ることに少し驚いているようです。

「分担作業、というのもありますが……今日のパルクァ捜索、あと少しで何かが得られそうな感じがしたのです。もしよろしければ、アリスと契約者の皆さんで確認してきていただきたいのです」

 剣の花嫁の勘、なのかもしれません。普段はアリスに付き従うエシラが、分担してでもその勘を信じたい気持ちになったのか……力強い瞳で、アリスを見つめてそう頼みました。

「わかった。エシラがそういうなら、パルクァの方はあたしに任せて」

 アリスもまた、エシラの勘を信じたくなったのでしょうか。エシラの提案を力強い頷きで返し、分担策を了承していきました。

「あたし、エシラとラビィ、あとは……チーシャ。それぞれであたしたちの問題を一歩でも解決できるように……頑張りましょうか!」

 アリスのその言葉に、それぞれの掛け声で返答していきます。そして――契約者たちへの連絡、長距離移動の準備、屋敷内の再捜索とそれぞれ行動を開始します。


 ――少しでも、先に進むため。今抱えてる問題を、少しでも解決するため。
 彼女たちは久しぶりに大きく動き出したのでした……。


担当マスターより

▼担当マスター:秋みかん

マスターコメント

 初めまして、もしくはお久しぶりです。柑橘類系マスター・秋みかんと申します。
 シリーズ物である【怪異狩りの(グリームハンター)アリス】の3回目となります。……シリーズ物の割に、話と話の間でかなり時間が空いてますので、過去2作の話をあらすじから閲覧できるようになっていますので、ご覧いただけましたらだいぶ話が理解できると思います。

 今回は3チームに分かれての交流と捜索編。先に伝えておきますが、今回はPCの戦闘がアリスチーム以外ありません。また、その戦闘もほぼ薄めの感じなので、あくまでも捜索や交流がメインとなりますことをご了承ください。
 それでもいい! という方がおりましたら、初参加でも過去に参加してくださった方もどなたでもご参加できます。ぜひどうぞ!


■いつもの大前提
『さてさて、こちらにもお久しぶり――と言ったところだろうか。我たちを動かす存在がしばらく動いていなかったからか心配をかけた奴もいるかもしれないが、今まで通りよろしくしてやってくれるとありがたい。
 お前は誰だ? という質問が出てるだろうが、我は我。毎度この場においてそちらへ情報を流す紫縞の猫に過ぎない。過去の物語でも同様に語っているが、我がこうやって第四の壁を越えて話しかけるのはここでのみ。本編中ではそのようなことは一切ないので留意されたし。――あとは、いつもの前置きをしておかなくてはな。

 この物語は、三千界のアバターで過去に紡がれた物語を初めとした、古今東西様々な媒体において語られている『不思議の国(ワンダーランド)』の物語とはまったくもっての無関係である。この物語との接点は、絶対に存在しない。

 ――有名税のかかる素を使っているのだ、あらゆる対応は大事なのだ。猫にはわからぬことであるが。
 それにしても……今回はやたらと胸騒ぎがする。どういうことであろうな?』


■獣隠れの里へ向かう
 こちらのチームはラビィとエシラの二人と共に、ラビィの故郷である“獣隠れの里”へ向かうことになります。
 道中はナーサリィから出発し、南西を行きながらサルヴィン川を越えてさらに進み、アトラスの傷痕の麓へと向かうルートとなります。その道中では特に大きな危険もないので、ラビィやエシラと交流しながら気楽に進んでいただけると幸いです。


 ――さて、獣隠れの里の方ですが……ラビィたちの到着を心待ちにしているのでしょうか、サプライズ歓迎をするかのように里内に人気はまるであらず。広場と思わしき里の中央部には彼らに振舞うつもりなのか、大きなテーブルの上に乗っているこれまた大きなホールケーキと紅茶のポットとカップが一緒に鎮座しており、里の地面にはちらほらと蟻らしきものが蠢いているようです。

 また、これから向かう方角はラビィが強い悪寒を常に感じている状態です。警戒するに越したことはないでしょう……。
 皆様のご来訪、お待ちしていますよ――くへへへへ……


■『先生』の行方を捜す
 こちらのチームはチーシャと共に、行方不明となっている『先生』の捜索を行います。ただし、チーシャはあくまでも勝手に付いていっているだけ……とのこと。話をすることはできます。
 『先生』の行方を捜すため、書斎を調べることになりますが……問題がいくつかあります。
 まず最初の問題となるのが書斎に入るための出入り口ドアをどうにかしなくてはいけないこと。書斎への出入りはこの出入口のみからであり、出入りを制するドアには専用の施錠がされている状態です。
 この鍵を何かしらの方法で開錠することができれば、書斎への出入りが可能となります。……なんでしたら、力ずくでの開錠も一応は可能です。

 書斎へ侵入することで色々な場所を調べることができますが、“書斎の机”“隣の書庫”“書斎奥の部屋への扉”が主な調査対象となります。特に重要となりそうなのが“書斎奥への扉”、並びに“書斎奥の部屋”です。
 書斎奥の部屋は『先生』の私室となっているのですが、やはりというべきかそこへ至るための扉にも鍵がかかっている模様。開けるための鍵は出入口同様に『先生』が管理していたためか無し。出入口扉よりも強固なこの施錠をなんとかして開錠しないことには私室に入ることはできないでしょう。……場合によっては扉破壊(マスターキー)の使用も考慮しましょう。


『……まったく、ラビィがやすやすと『先生』に書斎の鍵を渡すから面倒なことになってしまったみたいだな。とりあえず……調査は契約者たちに任せるとして、我はかもしれない運動でもするとしようか。
 ――私室に入るなり、罠が待ち構えてるかもしれないな。どんな罠かはわからないが……『先生』も入り浸るのだ、ひとまず危険なものではないかもしれない。しかし入られた先でそのまま我らを逃がすだろうか。逃がすまいと何かしら仕掛けてくるはずかもしれんな。……ところで、今日の我の運勢は水難の相、並びに赤子に延々と泣かれるらしいのだが回避方法はあるのか? ないのならば相手にするほどでもない、とっととすたこらさっさを決めてしまうのがいいのかもしれないぞ』


■行方不明の少女を捜す
 こちらのチームはアリスと共に、『心臓の城事件』で行方不明になったとされる少女の捜索を行います。
 ……とはいえ、少女の捜索はアリスとエシラがしらみつぶしにやっていたそうですが成果はほぼ無し。今回の追加再捜索もエシラの勘を信じてのアリスの行動となります。
 探索人数が増えたことで、まずは少女捜索に関しての情報整理の機会を設けるとのことです。もしかしたらアリスの気づいてないことがあるかもしれないので、この際に色々と尋ねてみるのもいいでしょう。


 実際の捜索に合わせ、現状のパルクァの街のおさらいです。
 『心臓の城事件』によってパルクァの街は未曽有の危機にさらされていました。白亜の巨大城で上書きされていた街でしたが、契約者たちとアリスたちの活躍もあり城は崩壊。再びパルクァの街へと上書きされたのですが、その影響は非常に大きいものとなったのです。
 再上書き後にアリスたちが中心になって事後処理を進めて確認した結果、建物の崩落などは一切見られなかったのですが……城の上書きの際に逃げ遅れた住民が、まるで圧死されたかのような状態で様々な場所にて発見。さらに調査を進めたところ、行方不明者リストの人数と実際に数えた人数に差異があったことが、少女捜索の始まりとなりました。
 現在のパルクァは住民は誰一人としておらず、怪異が強く残っていたことが原因なのか……街全体に小型~中型の怪異が蔓延っている状態になっています。とはいえ、かつてアリスたちが倒したクラスのものはほとんどいないため、簡単に一蹴できるでしょう。
 しかし最近は“コーカス・レース”と呼ばれる小型の群れが多く発生するようになったため、注意が必要でしょう。

 ――そして、噂が一つ。どうやらこの街を中心に、アリスたち以外の怪異狩りがいるらしいとのことです……。


◆◆◆



■登場NPC
●アリス・テニエル
 蒼空のフロンティアRe世界での地球のイギリス出身。イルミンスール魔法学校に通うテンペスト適性の女の子。
 困った人を見捨てておけない、ぶっきらぼうだけど心優しい性格。
 エシラより託された細剣型の光条兵器『マスターキー』を扱い、高機動戦闘を得意としている。
 『心臓の城事件』以降、主にナーサリィ近辺とパルクァにて怪異狩りを続けていった結果、その戦闘能力にさらに磨きがかかる。エシラとのコンビネーションも完璧となり、怪異以外の相手にも一切の引けを取らなくなっている。

●エシラ・リーディル
 パラミタ出身の剣の花嫁。アリスが成長したような、またはアリスの姉のような容姿を持つ。
 アリスが現在住んでいる屋敷のハウスキーパーを務めながらも、アリスと共にイルミンスール魔法学校に通っている。
 ヴェローチェのほか、デディカーレの戦闘適性を開花させ、『マスターキー』と似た形の細剣・スペアキーを携えての高軌道戦闘を得意とする。アリスへのサポートはさらに手厚くなり、その絆はより深めている模様。
 『心臓の城事件』を経てアリスとの強い繫がりを感じながら、共に怪異討伐依頼をこなしており、すでにその戦闘能力は歴戦の戦士たちに瑞するものとなっている。

●ラビィ・クロック
 パラミタ出身のゆる族。ウサギモチーフの容姿をしており、アリスの住む屋敷の雑務全般を担っている。
 戦闘能力を持たない代わりに、“悪寒”という形で危険や悪意を感じ取れる力を持つ。これはラビィの一族全員が持っているので、チーシャも同様……らしい。
 獣隠れの里という集落出身。集落をまとめる長老の占いに強い憧れを持つ。

●チーシャ
 パラミタ出身のゆる族。紫色の縞々模様な毛並みを持つ猫モチーフの容姿。にへらとした笑みがチャームポイント。
 いないと思ったらいる、いると思ったらいない。神出鬼没で荒唐無稽な破天荒気まぐれ猫。
 獣隠れの里出身……なのだが、里に戻ってきたのはここ最近とかなんとか。

●『先生』
 ナーサリィの街にて、図書館併設の屋敷で書類仕事に勤しむヴァルキリーの男性。
 アリスたちに怪異討伐の依頼をした最初の依頼人であり、それ以降もアリスたちに何かしらの期待を寄せていた様子。
 しかし少し前にアリスたちへ言葉を残した後に行方不明となっている。




獣隠れの里へと向かう 【現在のMC参加人数:3】

1

『先生』の捜索をする 【現在のMC参加人数:2】

2

少女の捜索をする 【現在のMC参加人数:4】

2