クリエイティブRPG

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　カディヤックヒルでは、最近恐竜が目撃されるようになった……その噂を聞いて、地元の高校生ルーシー・ヘインズは唇を尖らせました。
「異邦人の仕業かな」
「やだね、本当に。いつになったらいなくなってくれるんだろう」
　友達のそんな声を聞きながら、ルーシーは食事しているフリをして口をつぐんでいました。
　彼女には、その異邦人……デーモンの友人がいるからです。

「困ったな……」
　夕暮れの町を、一人のデーモンの青年がアンニュイな顔で彷徨っていました。彼の名前はドロフェイ。呪いか何かか？　と思うほどの方向音痴で、これまでに幾度となく道に迷い、カディヤックヒルの人に助けて貰ったデーモンです。異邦人なので、本来町の人からしたら「やばいやつ」でしかないのですが、彼が超方向音痴の比較的無害なデーモンであることは有名なので助けて貰っています。
　そしてこの日も、何に困っているかと言うと当然の様に迷子です。「ドロフェイ」に「迷子」とルビを振っても構わない程度に方向音痴です。
「あ、ドロフェイの兄ちゃんだ！」
「やーい！　また道に迷ったんだろー？」
　通りすがりの子供たちが彼の顔を見るや囃し立てます。
「そうなんですよ。助けてください。駅まで連れて行ってくれませんか？」
「異邦人にはついて行っちゃ駄目って言われてるから。でもそこの道真っ直ぐ行ったらすぐだよ。ドロフェイでも行けるって」
「そうでしたか。ありがとう」
　ドロフェイはお礼を言って子供たちと別れます。
「なんだ。一本道だったら僕でも行けるじゃないか。これくらいだったら余裕余裕」
　フラグ以外の何物でもないことを言いながら、ドロフェイはその道を歩き……何故か細い脇道に入りました。お前の一本の定義はなんだ。
「また迷ってしまった……」
　頭を抱えています。と、その時でした。
『ギャー！』
『ギエー！』
「ん？」
　空から合成音の雄叫びが聞こえます。何事かと思って見上げると……。
「……………………プテラノドン……………？」
　がちゃがちゃ言いながらプテラノドンに似た怪獣の姿をしたロボが飛んでいます。なんで？
「またサイボーグか！」
　前にもこんなことがあったなぁ！　巨大ロボが暴れてるとき！
　ドロフェイは空に上がると、その方向に飛んで行きます。するとどうでしょう、プテラノドンが旋回しているのは、駅前広場のロータリーでした。
「あ、ラッキー。駅に着けた」
　とか言っている場合ではありません。逃げ惑う群衆の中に、知った顔を見て目を丸くします。
「ルーシー！」
　初めて自分を助けてくれたロディニアの女の子、ルーシーです。
「お、落ち着いて！　ひとまず建物の中に……って、うわっ！」
　ルーシーが建物の中に近くの人を誘導しようとすると、大通りから大型肉食恐竜に似た姿の、これまたロボットがドスドスと道路にでかい足跡を付けながら走って来るではありませんか。後ろには何故かコンテナを乗せたトレーラーを引いています。
『ギャオー！』
　ガシャーン！　バーン！　バキー！　すんごい音を立てて建物を壊し、木の枝をへし折っています。
「ルーシー！」
「ドロフェイ！　どうしたの？　また道に迷ったの？」
「いえ、今回はちゃんと着きましたよ。駅に来たかったので」
　偶然ですけどね！
「多分、もうすぐセイヴァーがきます。安全な所に誘導してくれるはずです。それまでなんとか頑張ってください」
「ドロフェイはどうするの？」
「セイヴァーが来るまで時間稼ぎを……だってほら、僕が避難誘導したら……」
「そうだね！　こっちは任せて、ドロフェイも気を付けてね！」
「もちろんです」
　ドロフェイは空へ飛び立ちました。

　そこへ、セイヴァーたちが駆けつけました。ルーシーはその内一人の袖を掴んで、ドロフェイを指します。
「あの人、悪いデーモンじゃないから！　助けてあげて！」

こんにちは三田村です。先にシナリオの解説を記載します。ご挨拶はその後で。

■シナリオの目的
サイボーグが作った恐竜型のロボットを撃破し、駅前広場の安全を取り戻します。
飛べるプテラノドン、飛べないティラノサウルス、飛べない一般人に対応する必要があります。
状況としては、プテラノドンが次々人を攫ってティラノサウルス型が引っ張っているトレーラーに放り込んでいる状態です。
ティラノサウルスはほぼ混乱を起こすために暴れている状態です。
そのため、駅前広場の木が折れたり建造物が壊れたりして大変危険な状態になっており、逃げるに逃げられない人もいます。

■アクションパートについて
【1】プテラノドン撃墜
【2】ティラノサウルス撃破
【3】避難誘導

■アクションパート詳細
【1】プテラノドン撃墜（難易度5）
空を自由に飛ぶプテラノドン型ロボを撃墜します。
プテラノドン型ロボは飛べる上にスピードも頑張って漕いでいる自転車程度はあり、一般人が走って逃げているくらいではすぐに追いついてしまいます。
また、既に一般人を捕まえているプテラノドンもおり、これらの行き先は一律してティラノサウルス型に牽引されているコンテナです。
そのためアクションパート【2】と一部戦域が重複しますが、ティラノサウルスへの干渉はダブルアクションとなり行えません。
駅前広場から離れようとしている人を追い掛ける個体もいるので、これらを先んじて撃破する必要があります。
また、飛んでいるものを落とすため、場合によっては一般人にとって大変危険になります。
撃墜する場所を選んだり、判断の助けになるスキルも活きるでしょう。
このパートの成功度によって、【2】【3】に登場するプテラノドンの数が変わります。
シナリオをクリアできれば人々は自動的に助け出されるので、コンテナから救出する人員は不要です。逆に言うと、掴まっているのを無理に取り返すよりは、コンテナに行かせてから戻って来たのを撃破した方が安全の可能性もあります。
こちらにはNPCドロフェイが登場します。

【2】ティラノサウルス撃破（難易度6）
駅前を破壊しまくっているティラノサウルス型を撃破します。
すぐ後ろに人の入ったトレーラーが牽引されている都合上、爆発を起こしたり、派手に大きな部品が飛ぶ壊し方は避けた方が良いでしょう。
一例ですが、安全を確認した上で足を破壊し、コンテナを巻き込まない方向に倒す、等の工夫が要ります。
こちらにはティラノサウルス型の他に、セイヴァーの邪魔をするプテラノドンも登場します。
【1】や【3】から戻って来るプテラノドンには手を出せません（と言うか登場しない扱いです）。戦闘に参加するプテラノドンへのアクションだけあればOKです。
また、ティラノサウルス型が破壊した木の太い枝や建造物の瓦礫などが落ちてくることもあり、そちらにも注意を配る必要があります。
こちらでティラノサウルス型の破壊をどれだけ止められるかで【3】の難易度が変わります。

【3】避難誘導（難易度3）
逃げる一般人を誘導します。その一般人たちを狙ってプテラノドン型が突っ込んで来ることもあり、それを迎撃する必要もあります。
こちらも【1】と同じく、飛んでいるプテラノドン型を落とすのであれば、一般人に当たらない工夫が必要です。
また、瓦礫などが落ちてくるため逃げられずにいる一般人を見つけて助け出す必要もあるでしょう。落ちてくる瓦礫や木の枝を撃ち落とす行動も有効かもしれません。安全なルートを探すスキルなども活きるでしょう。
こちらでプテラノドンを迎撃し、一般人が攫われなければ【1】の難易度が下がります。
ロボットに一般人とセイヴァーの区別はつかないので、セイヴァーが囮になることも可能です。
こちらにはNPCルーシーが登場します。


■敵情報
【1】【2】【3】プテラノドン型
飛んでいる高さはレンジLくらい。
自転車を頑張って漕いでるくらいのスピードを出せます。
つついたり、内部に搭載されている機銃を撃ちまくってくるのが攻撃手段です。
その他の特徴はアクションパート【1】の詳細にもあります。

【2】ティラノサウルス型
サイズL。「戦闘」ではなく「破壊」に特化しているロボット。
戦略的な動きはしませんが、とにかく「建造物」など大きいものを壊すことに特化しています。これにより逃げ遅れを出す目的の様です。
そのため、サイズがL以上になる装備品があると優先的に狙われる、攻撃が当たりやすいなどのデメリットが生じますが、当たっても倒れにくいなどのメリットがあります。
生身であれば攻撃が当たりにくい、狙われにくいなどのメリットがありますが、当たるとダメージが大きい、吹き飛ばされるなどのデメリットはあります。

■NPC
ドロフェイ（デーモン）
以前セイヴァーに助けてもらって好意的なデーモン。
超がつくほどの方向音痴。
ひとまず飛行しながら魔法攻撃を行ないます。

ルーシー
カディヤックヒル現地の高校生。
方向音痴のドロフェイに道を教えてからなんとなく交流があります。
お互いに恋愛というかなんかゆるい友情という感じ。

※ドロフェイやルーシーは三田村のロディニアシナリオに登場したNPCですが、書いてある通りなので別に2人を知らなくてもOKです。
とりあえずドロフェイは方向音痴でセイヴァーに協力するデーモン、ルーシーは現地の女の子だと思ってください。

■マスターより
こんにちは三田村です。
マスターになってから初めて作ったシナリオのワールドがロディニアでした。またロディニアのシナリオを出せて嬉しいです。
前もこんなシナリオ書かなかった……？　と言う感じですが、クエストでプテラノドンが突っ込んで来たのが衝撃的過ぎて。やっぱりこう怪獣型ロボットはロマン。

ご参加お待ちしています。