シナリオガイド
暴走したライカンスロープや魔獣を処理しつつ、様々な秘密を探れ!
シナリオ名:魔獣大量発生地区と隠された秘密 / 担当マスター:イヴェール
突然の壁により仮初めの平和と情報を探り合う戦いとなった世界「バイナリア」
エージェントたちはA機関東トリス支部のアジトに招集されていました。
大きなモニターに電源が入ると同時に目の前に女性が立ちました。
「諸君、この度は集まってくれて感謝する。今回のリーダーを務めさせてもらうガブリエラ・アンダーソンだ」
彼女がコンピュータを操作すると、モニターには東トリスの地図といくつかの写真が表示されます。
「今回向かうのはこの東トリスの境目にある地区だ。魔素汚染が進み、魔獣が大量発生する危険地区だ。ここまでなら建物ごと処理すればいいだけの話だが、問題はこの地区の付近で暴走したライカンスロープが発見されたこと、そして、この地区内に人間がいるということだ」
写真には数体のライカンスロープと廃墟のように見える建物内にいる人の姿がありました。
「このうち1体のライカンスロープはすでに捕獲・治療中だが、かなりの時間変身していたせいか『銀の弾』の効きが悪い。投薬した履歴はおろか、身元すらハッキリしない。まぁ、国家保安局でも魔素汚染と大量の魔獣を理由に手を付けてないんだからな」
ガブリエラが少し嘲笑すると、話を続けます。
「この危険地区では投薬なしに変身可能なライカンスロープが生まれやすいという説もあるが、それはあまりに不自然だ。おそらく外側からは見えない『秘密』が隠されているはず」
そして、今回の任務について書かれている画面に切り替わりました。
「君たちには調査するグループと魔獣を処理するグループに分かれてもらう。詳細は画面を見てくれ。私は目撃されている2体のライカンスロープを探し、捕獲する」
雑にくくった髪と軽装備な服、そして敵にやられたであろう腹部の傷。
しかし、美しい顔立ちと気丈な性格、素手でも十分に渡り歩ける強さに心を奪われたエージェントも少なくありませんでした。
新米エージェントのヘンリー・ルイスもその一人です。彼の首にはクチバシ型のマスクがかけられていました。
「ガブリエラさん、ウワサには聞いてたけどすごい人だなぁ、色々と」
一目惚れに近い感情を見抜いたのか、隣にいたエージェントが話しかけてきます。
「やめとけ、あの人は『ライカンハンター』なんて異名を持つライカンスロープへの執着が凄まじい人だ。基本戦うときは単独だし閃光を放つような技を使うらしいし、あと捕獲した奴が再会すると酷く怯えるらしい」
「それ、関係ある?」
「つまり言いたいのは、ライカンスロープですら怯えるヤバいことをする人がただのエージェントを相手にするかってこと」
いかに無謀か話したがヘンリーは気にもとめず、説明を終えたガブリエラの元へ向かいました。
「はじめまして。ぼく、ヘンリーっていいます。ずっとあこがれていました。今回は調査するグループですけど、いっしょに任務ができて光栄です」
目の前に現れた新米エージェントに表情一つ変わることなく、ガブリエラはその場を後にしようとしました。
その後ろをヘンリーが追いかける。
「ぼくがあこがれてるのは強いっていう意味です。もちろん美人でもありますけど。特に悪いライカンスロープをボッコボコにやっつけて。ああいうのは暴走するとメーワクですよね」
次の瞬間、ヘンリーはガブリエラに腕を捻られると同時に足をかけられ、その場に転がされました。
そして、倒れる彼をガブリエラが覗き込きました。
「君は『メナシ』だったか。プロフィールに詳細不明が、魔素に弱いと記述があった。その上経験の浅い君にライカンスロープを語る資格はない」
その言葉を言い残し、部屋を後にしました。他のエージェントたちが任務内容を確認する中、ヘンリーは起き上がりました。
「やっぱりきらいなのかな。ライカンスロープ」
担当マスターより
本シナリオはA機関から依頼された任務をこなすものとなっております。
内容は「東トリスの境にある危険地区の調査をしつつ、魔獣や暴走したライカンスロープを対処する」というミッションです。
●基本的な状況
・危険地区について
かつては戦争の最前線だったため、魔素汚染が酷い地区です。
停戦となったあと再整備していましたが、魔獣が大量発生し中断したまま長い時間が経過してしまいました。
近年、そこに住む人々の存在が確認されましたが、魔獣を原因に保安局も手が出せない状態です。
そして、地区の付近で投薬した履歴も身元も不明のライカンスロープが現れました。
そのことで内部に隠されている秘密があるのではないかと、A機関は判断しました。
現在、危険地区は魔素汚染で一般人はほとんど近づくことはなく、
中途半端な建物と瓦礫の中に人々や魔獣、暴走したライカンスロープが棲みついているような状態になっています。
1.危険地区へ潜入、調査をする【表】 難易度2
こちらは危険地区へ潜入し、様々なアプローチで調査するパートとなっております。
A機関からは以下のような報告がされました。
・地区内にある建物について
店⇒水や食べ物、衣服など基本的なものが売っています。
ただし、市街のものとより質は悪く見たことのない商品もあります。
出入りはあることから棲みついている人々が利用しているようです。
診療所⇒この危険地区の人々を診ているようです。
ただ、ボサボサ頭で汚れた白衣を着た医者が簡単に診察したあと、雑に薬をくれるようです。
明らかにヤブ医者そうなのに、人々は頻繁にここを利用してます。
・地区内にいる人々について
男女ともに少なくとも40代から50代以上で10人に満たないのですが、存在が確認されています。
皆みすぼらしい格好をしており、食事や睡眠以外はぼんやりしていることが多いそうです。
2.大量発生している魔獣を駆除する【裏】 難易度3
こちらは危険地区にいる大量の魔獣を駆除するパートとなっております。
対象となる魔獣は以下の通りです。
・野犬が凶暴化したもの⇒5、6匹いますが基本的な能力は大型犬と変わりません。
噛みつき攻撃が主で一度噛みつかれると簡単には離れられません。
・ハトが凶暴化したもの⇒数十羽が群れで行動しています。
つつき攻撃が主で食べ物に群がるように群れで襲ってきます。
3.暴走したライカンスロープを対処する【裏】 難易度4
こちらは危険地区近くに潜むライカンスロープ2体を対処するパートとなっております。
以前この地区付近で発見されたライカンスロープと同様、投薬した履歴や身元が不明です。
『銀の弾』の効きは悪く、理性がないことから交渉も難しいといえるでしょう。
また、ライカンスロープの詳細は以下の通りです。
・ミノタウロス型⇒人間より大柄で大きく鋭い角を向けて、まるで闘牛のように突進してきます。
真正面から受け止めるのは大変危険です。
・リザードマン型⇒壁や天井に張り付き、相手が隙を見せるまで様子を窺っています。
理性・知能はないはずですが、柔術のような技を使って締め上げてきます。
ヘンリー・ルイスについて
コードネームは『メナシ』。普段は学生として高校に通うスパイの少年で、
今回は危険地区の調査(1.危険地区へ潜入、調査をする【表】)に向かうことになっています。
エージェントリーダーの「ガブリエラ・アンダーソン」に憧れを抱いていましたが、彼女には軽くあしらわれてしまいました。
エージェントとしては新米で空回りから目立ってしまうことも多く、まだまだ知識や経験も不足しております。
また、魔素に弱く、魔素汚染した地区に行く際はクチバシのようなマスクをして行動しています。
ガブリエラ・アンダーソンについて
「ライカンハンター」という異名を持つ任務専門の女性ヒットマン。
今回のエージェントリーダーであり、ライカンスロープの対処(3.暴走したライカンスロープを対処する【裏】)に向かいます。
簡易的な武器はありますが、主に素手で戦います。また、ライカンスロープに異様な執着心を持ち、
対ライカンスロープは単独、閃光を放つような攻撃、彼女と再会したライカンスロープは怯えるなど、妙な噂が絶えません。