クリエイティブRPG

塵(ゴミ)街の<騎士>

リアクション公開中!

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塵(ゴミ)街の<騎士>
基本情報

マスター:日下智
ワールド:アーク
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2021年08月02日公開!

シナリオガイド

<Refugee /Refused /Refuse town> omnibus #1

シナリオ名:塵(ゴミ)街の<騎士> / 担当マスター:日下智



 <塵(ゴミ)街>。

 王城から然程遠からぬ、しかし、丁度、山の裏側になって見えない位置にある<街>です。
 いや、より正確には、テントや差掛け屋根、掘っ立て小屋よりはマシという程度のものから、むりやりでっち上げたような雑な家屋などで構成された、仮設居留地、とでも言うべき所でしょうか。

 実は、その歴史は、そう古いものではありません。
 具体的には、アーク離脱の際に王国各所から逃れてきた避難民の内、王都などに伝もなく住まいを得るような財産もなく、いやむしろ、脛に傷持つ者であったり、何らかの理由で忌避される身分であったり、そういったマージナルな人々が、押し込められた難民キャンプのようなものでした。
 とは言え、さすがに王国としてもこの危機にあって全く放ったらかしであったわけでなく、そもそも、山裏の宜しからぬ立地だとはいえ王領の一角に居留地を指定したのは『忝くも、王女殿下のお慈悲(と言う名目での官令)』でありますし、その始めにおいては最低限の食料や建材も下賜はされたのです。
 ですが、彼らの生活がともかく形になりだすと、行政府は急速に手を引いていきました。王都内だけでもごったがえしているのですから、無理も無いとも言えますが……。

 とまれ、そんなこの街の人々が寄る辺にした生活の術とは、その多くが<遺跡漁り>となります。
 もともと、何処かの領邦民であることが前提であったアーク社会から、何らかの理由で外れた漂泊民が就くことの多い職種でありましたし、望む望まずに関わらず、既存の地縁関係をその在所ごと破壊されてしまった避難民達には馴染みやすいと言えば言えます。また、昨今の戦乱によって発掘兵器などの需要が急激に伸びていること、加えて、あたかも情勢に合わせたかのごとく、遺跡の発見も増えていることなどから、これにまつわる仕事は、小はジャンク品や空薬莢とかの拾い集めから、大はアーマーやガレオンの発見回収修理改造に至るまで、いくらでもあるといった様相だったからです。

 ですから、そんな彼らが住まうこの居留地についたあだ名が<塵街>。
 確かに、ジャンクヤードやら解体場やら廃棄品の山やら改修工房やらがバラックの軒先に入混じる姿はその名に相応しくも見えますが……しかし本来その名は、現状に先立って発生したものでした。
 元はと言えば勅では流石に「避難民街」と称されていたのですが、難民達がその境遇にルサンチマンを籠めて「拒否された者の街」と、そして更にそれに乗ずるかの如く、旧来の王都民が蔑称として、アーク語の音韻の似た所に引っ掛けて、そう呼ぶようになったものだったのです。

 そんな場末た街ではありますが、先にも言ったように遺跡景気とでも言うべき空気のせいで、活気だけはあります。流れ込んできた者の中にはマシーナリーやトルバドール、時にはジオマンサー等の技能持ちも多く、そのそれぞれが、何らかの形で生計につなげて暮らしています。
 流石に騎士は、このご時世に取り立ての口がいくらでもありますので少ないですが、それでも宮仕えに染まないものや、できない者、させて貰えない者などの姿も無いわけではありません。いや、その伝で言うなら、他の因子持ち達もこんなところに住まわざるを得ないからには、おっつかっつの理由持ちでは、あるのでしょうが。

 ともあれ、まず一義的には、遺跡漁り、その用心棒、ジャンク屋などとして。
 そういったジャンク品類が集積する所に目をつけて、改修や研究の工房など。
 更には、それらに携わるもの達の生活を支える者らとして。
 加えて、元からの避難民、あとから来たヤクザ者、その両方である者、等々。
 様々な生業立場素性の者達が、錯綜する中でこの今を精一杯に生きている街でもあります。

 そして、こんな街に更に最近、また、毛色の違う漂泊者たちの姿が現れました。
 所謂<外法の者>。異世界からの召還者です。
 彼らも何せ、王女様の肝煎りですので、そうと思いさえすえば、こんな所に居る必要はありません。
 でも、中には性分だとか考え方だとかで、王都王城の空気に馴染まぬ者達も、あるいは何らかの心算を持って敢えてここに足場を置くような輩もあるようで、態々にもこの街に足を止めている者も、居なくは無いそうです。

 これは、そんなこの王国の、この<塵街>に住まう人々と、異邦人たちとの間の、様々なエピソード集になります。

 ***** 

 そう。
 例えば、それは……

  ◇

 新進気鋭の内務官僚、リッター伯のメッセンジャー、ザカー・ファーウォッチャー女準男爵は言います。

「王宮に詰める騎士の方々は、まず第一に<武人>でらっしゃる。封領をお持ちであった方もその統治は基本的に代官任せであり、元より自らの領土領民という意識は薄かった。むろん中には惻隠の情の豊かな方もおいではありますが、あくまでそれはその考える所の<騎士道>という、美意識と価値観の中のことでしかない。特に武張った向きに至っては、ご自身の尊き血と戦場の名誉、騎士団での地位以外には、何も御気になされはしませんよ」

 王国貴族には基本、ガバナンスという概念はありません。
 この国の「貴族」とは、統治者であるよりも、まず「騎士」、もしくは支援因子持ちの「騎士団員」なのです。
 故に……その当然の帰結として、彼女は更に、こうも言うのです。

「まして、いずこの領民でもない、良民ですらない、この街の者らことなどなら……なおさらに」

  ◇

 また、最近何かと外来者達、アーク一般に呼ばれるところの<外法の者>達とよくつるんでいる<遺跡漁り>、レベッカ・レイダースは、こう言いました。

「めぼしい発掘品は、全部、王家かお貴族様のお買い上げになるのよ。まあ、お貴族様の力の象徴みたいなもんだから、見つけたもん勝ちってコトにゃできないのね。けど、あなたたち外来者は何てったって王女殿下の肝煎り。一言「仕える」と申し出さえすれば、各種資機材も然程の手間なくご下賜頂けてるでしょ? その場で即、準貴族扱い、ってコトよ。私ら地下のモンにしてみりゃ破格の扱いといっていいくらい。ま、このご時世じゃ、その分は血と戦果で、ってコトなんでしょうけど、ね……」
 しかし、数多の世界を戦い渡って来た彼らは今更、そんな程度の世界事情なんぞ歯牙にもかけていません。
「ふん。そんな風に言うあなたも、すっかり一端の<遺跡漁り>っぷりよね。<レベッカ・スミス>さん?」
 <外法の者>呼ばわりもいい加減慣れてしまった彼らは、揶揄するようにもこう言い返すのです。
「だから<レイダース>名乗りなんだ、って言ったしょ?。確かに因子持ちではあるけど、トンカンやるばかりが<マシーナリー>のあり方でもないって、あなたたちが、教えてくれたんじゃない」
 軽く言っていますが、因子を見出された時に与えられる職能に基づいた名というのは、アークの社会秩序です。まあ、こんな街に住い、外来人たちとも親しく交わっている時点で、これも今更に言うべきことではないのかもしれませんが。

 ともあれ。
 そんな世界で「騎士」「騎士団員」になる、されてしまう、
 あるいは、自分のために、はたまた、他の誰かのために、
 望んでそうならんとする、為に、そうあらんと選択する、

 <外法の者>たち。

  ◇

 あるいは……

 街の酒場で管を巻く老騎士、ドーン・ドラグナー世襲準男爵が喚いています。

「何だよ……! 『ドラグナーって姓、何か、かっこいいな』って言っただけだろうが!」
「貴様ら外来人に……いや、外法の者に何が分かるッ! 騎士であって騎士で無い者の怨嗟の、何が!」
「……まぁたやってるよ、あの<塵街の騎士>サマ」
「そりゃま、外来人にゃ、分かるはずもないよなあ」

 掃き溜めのこの街に蹲る、<騎士であって、騎士で無い者>

  ◇

 そして、元難民にして<ジャンク・モンキー(細々とした物を拾い集めては何がしかの駄賃を得ている子供らをこう称する)>、ニコラス少年は、かつて憧れた筈の「騎士」を、憎しみの目で睨みつけます。

「あんただって……領民を見捨てたクセに!」


 *****

 破損し、擱座した、騎士甲冑。

「こいつは……<折れた矢>だ。俺と一緒で……この塵街の、ゴミだ」

 動けなくなる前ですら、累代遣い込まれてきたのが伺える、骨董品。
 <106型 フレシェットB>
 正規騎士団は無論、領邦騎士団でもまずは、見ることのない旧式機。
 まして、壊れているともなれば。

 動かない、動けない、騎士とその鎧は、塵芥の街に、ただ蹲るばかり。 
 


<Refugee /Refused /Refuse town> omnibus #1 塵(ゴミ)街の<騎士>
 
 これは、この錆色の舞台に相応しくも、およそ、華やかならざる……
 そんな、「騎士」物語になる、
 予定です。



担当マスターより

▼担当マスター:日下智

マスターコメント

 日下 智です。

 例によってどっしようもなく日下節ですが、とにかくも戦場に勲を求めるばっかりってえのもアレだと思いましたので、まあ、またもや境界線寄りのハナシでも、と。

 もちろん、戦時下でありますので、このシナリオだって戦ってもいいのですが、どちらかというとその戦いは等身大の、自分自身や身の回りの人々物事を巡ってのことになるのではないでしょうか。
 もしかしたら、その戦い方も、必ずしも武力武技によるものでも無いかもしれませんが。
 あるいは、その代わりと言っては何ですが、戦闘職じゃないキャラ単独でも(こういった場所、こんな状況下なりではありますが)、ごく普通に生活し、アクションできるようにもしていきたいと思います。
(なお、襲撃や戦闘とかが降りかかって来ない、とは言ってない。)

 とまれ……何しろこんな舞台ですので、王道の如くの「花咲ける騎士道」とは行かないかもしれませんが、逆に、緩くも、されど強かに、或いは、泥臭くも誠実には、生きられる、かも……? 
 ストレートに、キャラ性と想いでもってのアクション勝負と行きやしょうや!
 その辺のお持て成しは心がけますので、ロートルマスターの意地、ぜひ見てやってつかあさい(礼)。



■謹告 :エントリー・アクションをお決めになる前に、以下をご一読願います。

 このシナリオ中において、各種装備やアイテムを発掘、または見つけたり組み上げたりしたとしても、=PCの所持アイテムとはなりませんので、その旨、予め特にご了知願います。
 つまり、正直に言ってしまえば、個々のPCのゲーム直結的受益と言う意味では、下記のSAの内でも獲得物系に主眼を置いているものは、基本、完全成功とはなりません。
 ですので、発見などのリザルトがあったとしても、世界的に尤もらしく平仄の合う、かつ、PCの心情には響くような描写は心がけはしますが、回収されるなりシナリオ中に使い切られて失われるなりして、終了後のPCアイテム欄に反映されるということはないでしょう。
(ただし、今後、継続される予定の日下のシナリオにエントリーされた場合、話中では前回リアクションの経緯やエントリー回のアクションを尊重して、何らかの形で生かすようにはしたいと思います。)
 しかし、そんなゲーム的にはまったくもって1ポイントの得にもならないこのシナリオではありますが、それぞれのアクションの物語内での過程については、日下の力の及ぶ限り「その世界におけるPCの生き様、その断片」と言った意味において、精一杯の描写になるよう努力させて頂くことで、ご参加者の方々にはせめてお応えしたいと思っております。
 その辺を意気に感じてやろうというご奇特な方は、どうぞご縁と機会とをお与え下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。


遺跡漁りへと乗り出す 【現在のMC参加人数:6】

3

ジャンクを漁る・弄る 【現在のMC参加人数:5】

2

<塵街>に、生きてみる 【現在のMC参加人数:14】

2