クリエイティブRPG

朽ちた夢、その残骸(第1回/全2回)

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朽ちた夢、その残骸(第1回/全2回)
基本情報

マスター:寺岡志乃
ワールド:蒼空Re
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2021年03月29日公開!

シナリオガイド

超重力虚空爆撃砲の発射を阻止すべく、遺跡へ急げ!

シナリオ名:朽ちた夢、その残骸(第1回/全2回) / 担当マスター:寺岡志乃


 
●アストー

 深い深い森の奥。
 今となっては誰も知る者のいない、古代の巨大遺跡にアストーはいました。
 生まれながらにしてその身を構成するの大半が不活性で、声を発することができず、両足も動かない彼女はこの遺跡周辺から離れたことはなく、ずっと車椅子に座って、誰かが彼女の元を訪れるか、その帰りを待つだけの日々でした。

 あの日もそうだった……。
 アストーは回顧します。
 5000年を経て目覚めたと知った彼女の夫アエーシュマは、こんなことは嘘だと、あり得ないと現実を受け入れることを拒否し、この地を去り。息子のドゥルジの手で連れ返されたときには、わずか数個の石片になっていました。

『泣かないで、母さん。必ず全部のを集めて、おれがあいつを元に戻してやるから』

 声に出して泣けない彼女を後から抱き締め、ドゥルジは約束しました。

 1つ、1つと積み上げられた小さなたち。途方もない時間をかけて集められたその数は、とうに百を超えましたがまだ足りません。
 そうして、ついにドゥルジも戻らなくなりました。


 昔、人間に体を砕かれて崩壊死しかけた彼を救うために分け与えた自分のによって、アストーはドゥルジがどこにいるか、大まかな位置を感じることができます。
 その力を今ほど弱く感じたことはありません。
 何度心話を飛ばしても返答はなく。
 きっとドゥルジは崩壊死しかけているのだとアストーは結論づけました。
 かつてのときのように、また機能停止しかけているのだと……。

 アストーの頬を、静かに涙が伝います。

(……もう、いいわ。
 わたしたちを生み出した博士たち。ここにいた大勢の人間たち。みんな、みんな、消えて、遠い過去となってしまった。
 今のこの世界ならわたしたちも生きられると考えたことが間違いだったの)

 だからアエーシュマはわたしから去り、今またドゥルジまでも失った。

 アストーは疲れ切った面を上げ、暗く沈んだ目で、自ら封印した遺跡の制御室へと向かいます。
 全てを終わらせるために……。



●ヒラニプラ

 戦いの後、石化したドゥルジが運び込まれたのは、教導団敷地内地下にある戦技調査研究室でした。
 保管先としてここが選ばれたのは、重要施設からは離れた位置にあり、万が一のことが起こったとしても武に長けた教導団員ならば対処可能と判断されたからです。
 一見、のような不思議な物質で構成された体やその高い戦闘能力から、古代に造られた人型兵器と解釈されたドゥルジは、そこで半身を砕かれ、サンプルを抽出され、分析されていました。
「やっと生きていそうな部位が見つかったわ。全部死滅しているのではないかと思い始めていたところよ」
 チームリーダーの分析官、キアラ・ウォーレス少尉はうれしそうに計測機のレンズを顔から離してドゥルジの胸部に開けた穴から小さな石片を抜き取ると、手袋をした指でつまんでR-M12-230と書かれたサンプルケースに入れます。そしてドゥルジをあらためて見ました。

「ねえハンサムさん。あなた、ほんとは話せるんでしょう? ずっとだんまりを決め込んでいるけど。もう少し協力的になってくれてもいいんじゃない? どうせバラバラにされることは決まっているんだから。時間の無駄よ」
 ククッと笑い。たわむれに、ひびの入った頬を指でなぞったときでした。

 突然、立っていられないほどの強い揺れが研究室を揺さぶります。
 揺れは続けざま、3度連続して起きました。
 あきらかにただの地震とは違う揺れ方に、きゃっと声をあげ、尻もちをついたキアラは急ぎ隔離室を飛び出て、助手を呼び寄せました。

「今の揺れは何!? 一体何があったの!?」
「は、はい。それが――」

 足早に遠ざかる靴音と会話を、ドゥルジは聞いていました。
 戦闘により大半のエネルギーを失った彼の体は、自動的にパワーセービング・モードに移りました。そして意識も一定のサイクルで停止と半覚醒を繰り返していたのです。
 つい先ほどまで停止していたドゥルジの意識は、揺れと同時に強烈なシグナルを受けて完全覚醒します。
 自分の中に入っているアストーの石のおかげで、先ほどの不自然な揺れが何か、彼は瞬時に悟りました。
 アストーが遺跡を――ダフマを動かしたからだということを。

(だめだ、母さん……そんことをすれば、あいつが目覚めてしまう)

 必死にアストーに心話を飛ばしますが、微弱過ぎて届かないようでした。
 あせりと恐怖に心臓をわしづかみにされたような感覚に陥りながらも、ドゥルジは必死に考えます。
 彼女もそれがどんなに危険なことか知っている。だからやつに気付かれないように時間をかけて、自分とアエーシュマを再起動させられるだけのエネルギーをかき集めたのだから、と。

 長距離型である彼女の最大火力、超重力虚空爆撃砲(グラビトン砲)は、すぐには使えない。
 もし使っていたならあんな揺れなどではすまず、一瞬で半径数十キロが消失していたはずだ。
 今のはドゥルジという座標未知点の正確な位置を把握するため、測位棒を打ち込んだにすぎない。
 エネルギーを集積し次第、正確なピンポイント攻撃がくるだろう。
 ドゥルジを完全消滅させるために……。

 かつて試射したとき。アストーにかかる負担が大きすぎて、彼女は崩壊死しかけました。
 それを食い止めてエネルギーを補充してくれる者たちはもういないのです。
 今度こそ、アストーも崩壊死するかもしれない。
 彼女はそれを望んでいるのでしょうが……。


(だめ、だ……死んじゃ、いけない。あなただけは……生きて……)

「誰か――頼む。母さんを止めてくれ……」
 そのためなら、何を引き替えにしてもいい。俺はどうなってもいいから!


 ドゥルジは動かない体でもがきながら、必死に心話を飛ばしました。
 誰かに届いてくれることを願って。
  
担当マスターより

▼担当マスター:寺岡志乃

マスターコメント

 こんにちは、またははじめまして。寺岡志乃といいます。
 こちらのシナリオは『死したる龍との遭遇』、『迎神祭へ行こう』、『酷薄たる陥穽』から続くシナリオとなっています。
 ですが、今回のガイドの内容だけで問題なく参加できます。よろしくお願いいたします。
 今回は前・後編の前編となります。そのつもりでご参加ください。


【今回の目的】
 遺跡ダフマにいるアストーの超重力虚空爆撃砲攻撃を阻止すること。
 この兵器は都市攻撃を目的として設計されたもので、ピンポイントでも火力が強すぎて、ドゥルジが収容されている地下施設だけでなく、ヒラニプラの教導団施設の3分の1が消滅することになりかねません。人的被害は災害級となるでしょう。


【遺跡について】
 ドゥルジの拠点の遺跡の場所はこれまでわかっていませんでした。しかし、今回アストーが行った測位棒の打ち込みによって、大体の位置が把握できました。
 ドゥルジの心話を受け取った人は、遺跡内部にアストーという女性がいて、ヒラニプラを攻撃しようとしている、と知っています。
 また、前回の戦闘のこともあり、遺跡はドルグワントが守っていておかしくない、との推測が立っています。
 空から遺跡に近づく場合、見つかる可能性はかなり高いです。遺跡内外にいるドルグワントからエネルギー弾などで攻撃されますし、不可視の障壁(バリア)が張られています。
 地上から近付く場合、森の中にいるドルグワントと直接戦闘になります。周囲は木々の密集地ということを考慮してアクションを組んでください。
 遺跡は台形型です。下階へ行くほど広くなっています。
 『遺跡攻略・空パート』は上階に侵入して下階へ、『遺跡攻略・地上パート』は1階から侵入して地下あるいは上階へ向かうことになります。


【NPCについて】
・ドゥルジ
 『酷薄たる陥穽』の結果、少しましになってきていますが、過去実験体として切り刻まれ、感情を利用され、いいように扱われてきたことから人間不信が根強く残っています。
 外見は人と同じ姿をしていますが、根本的に人ではなくモンスターです。全身が不思議な石のような物で構成されています。
 現在、教導団敷地内にある地下研究室にいます。分析チームによってサンプル摘出されたりと、被験体として扱われた結果、半壊していて自力で動くことはできませんが、会話はかろうじてできます。
 アストーを止めてほしい、死なせないでほしいと思っています。

・ドルグワント
 男性体、女性体がいます。
 男性体はドゥルジそっくりの外見をしています。違いは頬に『D』のマークがあること。その下に個体ナンバーが刻印されています。
 自我はなく、しゃべりません。
 主に高密度エネルギーを、弾や風、真空波として使います。遠距離攻撃はできませんが、30メートル程度の距離でしたらエネルギー弾を撃ち込んできます。視認距離によって精度は変化します。
 威力は一度に撃ち出される個数によって変化します。数が多いだけ、力は分散されます。
 防御には不可視の防壁(バリア)を展開しますが、常時張っているわけではありません。
 張る大きさによって層の厚さが変わり、小さいほど厚く、大きいほど薄くなりますが、全身を覆うほど薄くても至近距離から撃たない限り拳銃程度の銃弾は貫通しません。また、張っているときは攻撃できません。攻撃か防御か、できるのは一方のみです。
 反射速度が並の人間以上にあり、高速攻撃をします。肉体的強度も相当あります。並の腕力で普通の剣を用いて斬りつけてもかすり傷程度しか負わせることはできません。携帯武器として剣あるいは短剣を持っています。
 全員が思念波でつながって常にフィードバックして学習しており、全体を把握して敵に対処しています。そのため、同じ攻撃は別のドルグワントには通用しないかもしれません。
 ドゥルジの最大の欠点、自己再生能力がありません。そのためフルパワーで長時間稼働が可能となっています。

・アストー
 長距離型兵器で、遺跡と結合して超重力虚空爆撃砲を撃つことができるほか、遺跡を操作して攻撃・防御をします。
 彼女はドゥルジを超重力虚空爆撃砲で消滅させるつもりで、それを行えば自身も崩壊死することも知っています。アエーシュマを失い、ドゥルジが戻らないことで絶望し、全てを諦めた彼女は、自分たちをこの世から消してしまうつもりです。つまり、絶望からの無理心中です。
 アストーが崩壊死すれば自動破壊装置が作動して、遺跡は崩れます。
 動かない足の代わりに車椅子型のレピテーター(反重力浮遊機)に座って移動しています。言葉は発することができないため、会話は心話のみです。
 本来は心優しい女性なのですが、今は絶望から心を閉ざしています。


【注意点】
1.ガイドにあることはPL情報です。アクションに組み込むことはできません。
  (※アクションで聞き出すことができたら、以後情報として扱えます)
2.ドゥルジの、生きた石に素手で触れると浸食されます。ナノ単位で媒体を埋め込まれ、以後は石に誘惑され、操られます。取り扱い注意。
3.ドルグワントの石には侵食作用はありません。
4.こちらのシナリオではイコンは持ち込めません。イコンを利用したアクションは不採用となります。




それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

遺跡攻略・空

7

遺跡攻略・地上

7

ドゥルジに会う

3

その他

1