クリエイティブRPG

枯井戸の子猫とミイラ取り

リアクション公開中!

枯井戸の子猫とミイラ取り
基本情報

マスター:常葉ゆら
ワールド:蒼空Re
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2021年01月26日公開!

シナリオガイド

井戸に迷い込んだ子猫を救え!ついでに人間も助けてください!

シナリオ名:枯井戸の子猫とミイラ取り / 担当マスター:常葉ゆら



 ……みーぃ……みーぃ……みゃーぉ……

 どこからともなく聞こえてきた子猫の声に、庭仕事をしていた桜坂ののは顔を上げました。

 ツァンダの外れも外れ、「閑静な郊外」というよりはもう「ツァンダの近くの森の中」と言った方がふさわしいくらいの外れに立つ、立派ながら古ぼけたお屋敷の、その庭です。
 特にやることもない週末、ののはパートナーであるパトリック・エイベルと共に、日課の庭仕事に精を出していました。
 ――パトリックが親戚から譲り受けたこのお屋敷、長いこと放置されていたお陰であちらもこちらもズタボロ。引っ越し当時にはゴーストまで棲み着いていましたが、友人達の助力を得てなんとか住めるようになり、屋敷付きメイドとして備え付けられていた機晶姫・アルテナと三人、少しずつ修繕を進めているところです。室内は随分綺麗になりましたが、広い庭はまだまだ手入れが必要です。
 というわけで、週末ごとに少しずつ庭仕事をしていた二人の元に、それは聞こえてきたのです。

「猫……この声の細さだと、子猫かしら」
 ののが首を傾げながらも、期待を隠しきれない様子で瞳を輝かせて、立ち上がります。一方でパトリックは、「面倒ごとは勘弁してくれ」とでも言いたそうにため息を吐きました。しかし、そんなことを気にするののではありません。
「ねこちゃーん、にゃーん、みゃーお」
 早速声の正体を探るべく、猫の鳴き真似なんかしながら、庭中をうろうろし始めます。
 微かに聞こえてくる声を頼りに、しばらくあっちへ行き、こっちへ行きした結果――ののは、屋敷の裏手に残されていた古井戸にたどり着いたのでした。
「……えっ、嘘、この中?!」
 声の聞こえてくる方向が解ったののは、少し青ざめて、慌てて古井戸に駆け寄ります。引っ越しの際に見つかったこの古井戸は、頑丈な石造りで、古いながらも崩れそうな気配もなく、また枯井戸であったので、取り敢えず雑にその辺に転がっていた板で蓋をして放置していたのでした。しかし、人間が落ちないようにするための蓋だったので、当然隙間だらけ。子猫なら簡単に隙間から潜り込んでしまうでしょう。
 よいしょとその板を外して中をのぞき込むと、果たしてそこには、小さな白いもふもふの子猫が三匹、集まってうずくまり、みぃみぃ鳴いていたのでした。
 井戸は、辛うじて外からの光がそこまで届く程度の深さ。奈落の底というわけではありませんが、子猫が壁をよじ登って登ってくるのは難しそうです。
「待っててね子猫ちゃんたち! 今助けてあげるから!」
 ののは勇み足に、物置からロープを持ってくると、近くの木にその片方の端を結びつけ、反対の端を井戸の中へと垂らし、単身、暗い井戸の中へと降りていきました。
 運動の心得はこれっぽっちもないののでしたが、一応これでも契約者です。ロープを掴んで降下するくらいは余裕です。背中を井戸の壁に預け、足先で壁を蹴り、速度を殺しながら、ののは順調に、井戸の一番下までたどり着きました。

 ――そこまでは、良かったのです。

「さあ、もう大丈夫……よ……? ……あれ?」
 井戸の底までたどり着いたののが、子猫たちを抱きかかえようと振り向きます。
 しかしその視線の先には、くろぐろと広がった横穴の入口しか映っていなかったのです。
「えっ、ちょっと、ねこちゃーん、嘘でしょ、そっち入っちゃったの?!」
 流石に、真っ黒な横穴に突入できるだけの装備はしてきていません。
 おそらく古い水路だったのでしょう、よく見れば反対側の壁にも穴が空いています。壁を伝い降りる間、子猫たちからは目を離していたので、これでは子猫たちがどちらに行ったのかもわかりません。
「えー、もう、しょうがないなぁ、出直してこないと………………よい、しょ」
 ののは肩を落としながらも、このまま子猫たちを放ってはおけないと、ロープに手を掛けます。子供の頃にアスレチックでロープを掴んで坂を登ったその要領で、井戸の壁を登って――いこうと――しました――が。
「…………んっ……?」
 井戸が狭く、思うように壁に足を掛けられません。降りてきた時は速度を殺すだけで良かったのですが、これを昇ろうとすると、膝を思うように伸縮させられないのです。
 ロープを登り棒のように使ってよじ登れば昇れるでしょうが――契約者の身体能力があるからといって、それを自在に操れる技術があるかどうかはまた別です。
 空を飛ぶ類いのスキルや装備を身につけている訳でもありません。

「……あれっ……」

 詰み、というやつですね。

「………………たーすーけーてー!」

 なんとも情けないののの悲鳴が、屋敷の庭に響き渡ります。
 やがてそれを聞きつけたパトリックが、やれやれとやってきて、状況を確認して――アルテナを連れてきました。パトリック一人の力では、深い井戸の底からののを救出するのは無理だと判断したためです。
 そして、二人がかりでの救出作戦が始まったのですが――
「ちょっ、待て、ストップ」
 みりっ、という音と共にパトリックが静止の合図を出しました。古びていたロープが、石造りの井戸に擦れて今にも千切れてしまいそうになっています。
「……ののー、これは無理だー、成仏してくれー」
「ちょっとパト! ふざけたこと言ってないで、ちゃんと助けてよぉ! 別のロープ探してくるとか、なんか、あるでしょ!」
「なんか、って簡単に言うけどなあ! これ、生半可なロープじゃ無理だぞー!」
「登山用のやつとかなら!」
「そんな本格的な装備なんて、うちにないだろー!」
「空飛べる人呼んでくるとかー! 救助を要請するとかー!」
「……まあ……そうするしかないんだろうけどなぁ……こんな……自分でロープも登れない、なっさけない契約者助けて下さいなんて言い辛い……」
「なんか言ったーっ!?」
「何もー! 仕方ない、誰か呼んでくるから、そっから動くなよ!」
「動こうにも動けないわ……よ……」
 ぽんぽんと怒鳴り合っていたののが、不意に声を潜めます。どうした、とパトリックが声を掛けようとした、その瞬間です。

「きぃいいいいいやぁあああああああああああああああっっ!」

 ののの悲鳴が響き渡りました。そして、目にも留まらぬ早さで真っ暗な水路へと飛び込んでいってしまったのです。
「なんかねっちょりしたぁあああああああ…………!」
 真っ暗な水路の向こうから、微かにののの叫び声が聞こえましたが――やがて、遠くなり、聞こえなくなりました。
「……スライムでも、棲んでたかな……」
 残されたパトリックはため息を吐きます。

「ま……これで『救出』を依頼する大義名分は立つ、か」

 パトリックはちょっぴり薄情な表情で遠くを見つめながら、友人達に連絡を取るのでした――

担当マスターより

▼担当マスター:常葉ゆら

マスターコメント

ご無沙汰しております、常葉です。
今回は大変ささやかな日常の事件をお送りします。枯井戸に迷い込んでしまった子猫ちゃん達をお助け下さい。あと、そのついでに、ののの救出も何卒お願いいたします。
無事救出の暁には、ののからのお礼として、屋敷の庭の片付いているところでちょっとしたお茶会などが行われるかも知れません。そのお手伝いも大歓迎です。

・井戸について
どうやら、古い時代には地下水路が整備されており、そこから水をくみ上げるための井戸だったようです。今では地下水路は使われなくなり、すっかり枯れています。
井戸はあまり大きくなく、一度に一人しか通れません。底の部分には少し空間があるので、二人くらいなら立てそうです。滑車は既に取り外されています。

・水路について
元水路、です。今はちょっと空気がジメジメしている程度で、足下はしっかり乾いており、移動に支障はありません。中は真っ暗ですので、光源の確保が各自必要です。
複雑に入り組んでいると言うほどではありませんが、あちこちに水を運ぶため、何カ所かで枝分かれしていますので、何らかの迷子防止策は欲しいところです。
天井の高さは人一人が立って余裕で歩けるくらい。幅は2、3人なら並んで歩けるくらい。石で舗装されています。床は平らで、天井はドーム状になっています。しっかりした作りなので普通に移動する分には壊れなさそうですが、何せ古いものなので、あまり派手に暴れるのはオススメできません。
どうやらスライムの類いが棲み着いているようですのでお気を付けて。

・NPCについて
桜坂のの/パトリック・エイベル
ツァンダの外れにあるお屋敷に住む、蒼空学園生の二人です。ののは地球人、パトリックはシャンバラ人で、パートナー関係にあります。(二人は蒼空Reのシナリオ「幽霊屋敷に花束を」「桜の杜でお花見パーティー!」にも登場しておりますので、雰囲気を知りたい方はそちらもどうぞ)
ののは水路をめちゃくちゃに走って逃げたあと、真っ暗で動けないことに気付いて、どこかで座り込んでいます。
契約者ではあるものの、日頃ろくろく鍛錬をしていないため、ののは自力でロープをよじ登ることができません。発見した後、地上に出る為のお手伝いも、何卒お願いします。

アルテナ
お屋敷を守っている機晶姫のメイドさんです。家事に特化した機能が搭載されています。

・猫ちゃんについて
白いふわふわした種類の子猫ちゃんです。親猫とはぐれて、井戸に落ちてしまった様子です。野良ちゃんか、飼い猫かは判明していません。三匹いることは確認されていますが、三匹一緒に居るとは限りません。

相変わらずお騒がせな二人ですが、どうぞ皆様のお力で猫ちゃんたちを……あと、ののも……救い出してやってください!

ののを助ける

2

子猫を探す

3

地上から支援する

1