シナリオガイド
「楽しい番組の途中だろうが、少し私の話に付き合ってほしい」
シナリオ名:摩天楼 -Astronomical Tower- / 担当マスター:鳥海きりう
『カディヤックヒルの諸君。初めまして。私はドクター・スカル。こんな見てくれだが科学者だ。今日には君達にお願いがあって、こうして放送電波をジャックさせてもらった。楽しい番組の途中だろうが、少し私の話に付き合ってほしい。私の要求は簡単だ。時間は取らせない。
私は――いや、私達は現在、カディヤックヒル・プラチナプレートに位置する、ハラ機械工業の本社ビルをお借りしている。物的、あるいは人的被害は最小限に留めたつもりだ。このビルを破壊するのは我々の本意ではない。不要な争いを避けるため、訪問時間も今の時間帯、午後20時を選ばせてもらった。
私の要求を伝える。只今より明朝七時までの間、君達に外出禁止と通信機器使用禁止を申し渡す。テレビ、パソコン、携帯電話、その他通信機器に該当するもの全ての電源を切り、決して使わないこと。ゲームもダメだぞ。そして外に出てはならない。車は使わず、公共交通機関も全て止めて頂く。飛行機などはもっての外だ。私を逮捕するために警察を出動させることもしてはならない。ごく簡単な要求だ。君達がいくらバカで狭量でも、このくらいは出来るだろう。君達が要求に従ってくれれば、我々は期限が過ぎた後に直ちにこの場から撤収する。
ああ、あまり重要ではないが、一つ言っておこう。このビルを占拠する際、私の部下が常駐していた警備員二名と、こんな時間まで働いていた哀れな社員二名を拘束している。先程も言ったが被害は最小限に留めている。これも、期限が過ぎた後に直ちに解放すると約束しよう。
あまり重要ではないと言ったのは、君達が約束を守ってくれればの話だ。もしそうでなければ――お互いにとって、残念な結末になるだろうな』
午後二十時三十分、カディヤックヒル・プラチナプレート。ハラ機械工業本社ビル周辺は、すでにアーマーとライフルで武装したドクター・スカルの部下達によって占拠されていました。
そしてその中央、本社ビルの入り口付近には、とても人とは思えぬ異形の巨漢が仁王立ちになっていました。全身を覆う緑の鱗、常人ではとても実現できないほどの筋骨隆々の肉体、耳まで大きく避けた口に生え揃う長く鋭い牙、そして、腰から生えた長く太い、尻尾。
「静かなもんだ。スカルの放送を真に受けたとも思えんがな……」
その、どうみても爬虫類にしか見えない巨漢、バスタード・ドレイクはそう呟きました。今のところ興味本位でやって来る愚かな民衆や、スカルやドレイクを検挙しようという警察の姿は見当たりません。
「――ドレイク、来ました!」
部下の声が響き、ドレイクはそちらを見ました。サイレンを鳴らすパトカーが数台、本社ビルの正面駐車場に乗り込んできます。「やっぱりいたな、馬鹿どもが! 一台は俺がやる! あとは殺せ!」ドレイクの声に部下達が一斉にライフルを構えます。斉射。パトカーやそこから出てきた警官・刑事達に一斉に銃弾が突き刺さり、その動きを止めます。
ドレイクは残った一台のパトカーに近づき、片手を突き入れて窓を叩き割り、そのままドアを掴んで引き剥がしました。剥がしたドアを投げ棄て、中にいた警官を引き摺り出します。
「あ、ああ……!」
「運が良かったな。お前は帰らせてやる。戻って仲間に伝えろ。外出禁止だとな。さあ行け! ぐずぐずするな! 無能なゴミめ!」
言って、ドレイクは警官を運転席に戻しました。パトカーは堰を切ったように走り出し、本社ビルから逃げていきます。ドレイクはそれを見て鼻を鳴らし、また本社ビルの入口に戻っていきました。
「ドクター・スカル……! 狂気の天才科学者め!」
アンダープレート、イマジンレガリア。セイヴァーズの本拠地で、光牙影路郎長官はそう呟きました。「知ってるんですか?」居合わせたセイヴァーズの一人が尋ねます。
「ろくでもない研究ばかりしてる科学者だ。ハラ機械工業はカディヤックヒルでも最先端の重機械工業を扱ってる。あそこにあるものをスカルが悪用したら、いずれとんでもないことになる!」
言って、影路郎はセイヴァーズ達を振り返りました。「イマジナリィセイヴァーズ、出動!」
担当マスターより
皆様こんにちは。鳥海きりうです。よろしくお願いします。
なんか電波を受信したので作ってみました。ハラ機械工業ビルをヴィランから取り戻す戦闘シナリオです。ビルを占拠したヴィラン及びその部下を撃退してください。
いつものご説明の前に、一つお知らせです。
別のシナリオも同時進行しているため、今回は締め切りに大幅な余裕を頂いております。納品予定日をご確認、ご理解の上ご参加頂ければと思います。よろしくお願い致します。
敵キャラクターのご紹介です。
・ドクター・スカル
骸骨のような姿のサイボーグ科学者。ビルの最上階を占拠している。
・バスタード・ドレイク
恐竜のような姿の巨漢ミュータント。ドクター・スカルの用心棒的存在。ビルの正面入口を防衛している。
・スカルの部下 ×??
読んでそのまま。防弾アーマーとアサルトライフルで武装。入口付近を含むビルの各所を防衛している。
外出禁止令が出ていますが、悪党の指示に従うわけにはいきません。どのように本社ビルへ向かうかはお任せします。
また、警察は第一陣が撃退されてからは行動を起こしていません。協力を要請しても態度は消極的であるとお考え下さい。
バスタード・ドレイクは部下達と共にビルの入口を防衛しています。いわゆる脳筋ですがそれなりに強いので十分注意して挑んでください。
ビル入口付近は駐車場を含む広いスペースがあり、戦闘・行動には難渋しません。また、多くはありませんが車や柱もあり、遮蔽物として利用することも出来ます。
ビルを登ってドクター・スカルと戦う方は、入り口付近を他の味方に任せてビルに侵入することになります。そのまま突入しても構いませんが、あまりにそのまんまだと多少流れ弾に当たる可能性もあります。また、エレベーターは止められていますので、雑魚を散らしつつ自力で最上階まで登るしかありません。
雑魚と言ってもスカルの部下達は結構いい装備で武装していますので、しっかり対策を考えてください。
また、人質についても対処が必要かと存じます。必然的にスカルのもとへ辿り着くには回り道にはなりますが、放置するとかなり困ったことになるでしょう。
簡単ですが、説明は以上です。
皆様のご参加をお待ちしております。
・ドレイクと戦う 【現在のMC参加人数:3】
外出禁止と言うが、どうやって監視してるんだ? 通信機器も使用禁止ってことは、自分達も使えないんじゃないのか?
……とりあえず、あまり目立たないように本社ビルまで行ってみよう。着いたら早速戦闘だ
「お前ら、実は悪党じゃない系だな? でも残念だな。お前らはすでに警官を殺した。同情の余地は無え。死ね」
(これは例文です。また、ここに書いてあることが正解とは限りません。実際にどうするかは皆様でお考え下さい。より多く、より細かいアクションを頂ければ、より大きな戦果が期待できるでしょう)
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・ビルを登り、スカルと戦う 【現在のMC参加人数:7】
人質の救出に専念します
警備員室を襲撃し、監視カメラの映像で人質の居場所を確認します
倒したスカルの部下の身体を調べ、鍵か何か持ってないか確認します
救出できたら全力攻撃でエレベーターのドアを破壊、シャフトを伝って安全に一階へ脱出します
(これは例文です。また、ここに書いてあることが正解とは限りません。実際にどうするかは皆様でお考え下さい。より多く、より細かいアクションを頂ければ、より大きな戦果が期待できるでしょう)
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