クリエイティブRPG

櫻の樹に眠るもの

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櫻の樹に眠るもの
基本情報

マスター:常葉ゆら
ワールド:神州扶桑国
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2020年04月13日公開!

シナリオガイド

取り戻せ。桜に攫われた、大切な相手を。

シナリオ名:櫻の樹に眠るもの / 担当マスター:常葉ゆら

 
「櫻の樹の下には、死体が埋まっているそうだな」

 帝都の北、歩いても半日ほどの距離の山あいに、小さな村がありました。
 その村で、「神隠し」が相次いでいる。そう報告を受けた六明館学苑は、マガカミによる事件の可能性を視野に入れ、調査のために修祓隊を数名派遣したのでした。
 

「それはお前、この間出た、なんとかという小説の話しじゃあないか」
「なんだ、お前も読んだのか」

 派遣された隊士たちの中に、そんな話をする者たちがありました。
 片方は杠葉 頼(ゆずりは・らい)。愛想のない顔をして、村の中央に根を下ろしている立派な桜の樹を見上げております。
 丁度見頃を迎えた桜はずいぶんと賑々しく、枝枝を透かしてみれば空までも桜色に見えようかという景色。村の至る所に桜は植わっておりますが、この桜はその中でもひときわ大きく、花の色も濃いのでした。
 頼と行動を共にしている鳴神 秋(なるがみ・あき)は、おどけたような表情で、その桜の樹に近づいていきます。幹に注連縄の張られたその樹は、この村の御神木なのだそうです。

「確かに、桜の樹というやつは、どこか妖しい美しさがあるからな。死体の一つも埋まっていると、考えたくもなるか――」

 秋はそう言うと、御神木の幹にそっと触れます。
 さあっ、と、桜の枝を揺らす音が響きわたりました。突然の強い風に、頼は瞼を伏せます。

 村は小さいながらも宿場になっており、住人自体はそれほど多くないものの、人の往来は多く、よそ者に対しても開放的でした。
 しかしそれゆえに、「人間が、ある日突然消えてしまう」ことについて、あまり気に留めるものがおらず、それが「神隠し」であるという噂が広まったのは、「目の前で知り合いが消えてしまった」、という者が現れてからだったのでした。

 ――そう、今の頼のように。

「秋?」

 目を開けた頼の視界のなかに、秋の姿はどこにも無かったのです。


*****

「おおい、頼い」

 秋が目を開けると、そこはどこでもない場所でした。
 辺りは薄ぼんやりと桜色で、上も下もなく、遠くの方にいくつかの人影が見えます。かと思うと人影は消え、次の瞬間には目の前に見知らぬ誰かが立ち、しかしそれもすぐに揺らいで消える。空間自体が、酷く不安定になっているようでした。

「おにいちゃん、まいご?」

 突然聞こえた小さな声に秋が振り向くと、彼の背後には、小さな女の子が立っていました。女の子は、とても遠くにいたかと思うとすぐ目の前に現れ、気づくとまた背後にいます。
 けれど、その声だけははっきり、秋の目の前から聞こえていました。

「どこを見ているの? ここだよ。しっかり見れば、迷わないんだよ」
「そんなことを云ったって」

 女の子の声に、秋は「しっかり」見ようとします――しかし、どうにも視界はぐにゃぐにゃと歪んだままでした。

「なあ、ここから出るにはどうしたらいいか、知っていやしないかい?」

 秋は女の子に問いかけます。
 しかし、女の子はふふふと笑うばかりでした。


*****

「確かに、あれはマガカミの気配だった」

 秋が消えた後、頼は秋と同じように桜の幹に触れてみました。しかし、何も起こりません。
 ですが確かに、秋が消えたその瞬間、頼はマガカミの気配を感じたのでした。

「秋ッ!」

 頼は拳で御神木の幹を殴りつけました。すると。

――痛ッたいじゃあない! 御神木相手に、何てことをするのさ!

 この世ならざる声が、桜の枝枝の隙間から響いてきました。
 禍神の気配が濃くなります。

「御神木が聞いてあきれる――マガカミめ」

 頼は腰の刀を抜き、御神木に――いえ、御神木に憑いたマガカミに向けて構えます。

「攫った連中を返せ」

――うふふふふ、それはだめよ。彼らはみんな、私がもらうんだから。

 頼はくっと唇を噛むと――学苑に報告すべく、踵を返したのでした。

 
担当マスターより

▼担当マスター:常葉ゆら

マスターコメント

皆様こんにちは、常葉です。

大切な人のために戦う誰かは好きですか。私は大好きです。

というわけで今回は、桜に攫われた大切な相手を取り戻し、ついでに神隠し事件も解決して頂こうというシナリオとなっております。もちろん、純粋に事件解決を目指していただいても構いません。
MCとLCの別行動について、特別ルールを設けております。マスターコメントをよく読んでご参加ください。

さて、本シナリオの目的は、「村の御神木周辺で発生している神隠し事件を解決すること」です。

そのためには、
・「異界」に閉じこめられてしまった神隠し被害者を助け出すこと
・事件の元凶である、御神木に取り憑いたマガカミを倒すこと
が必要です。


●「異界」について
マガカミの力で生み出された、「どこでもない場所」です。霊力を感知したり、目に見えないものを見定めるスキル、道具などがない場合、秋のような目に遭います。
「異界」内には鳴神秋と、秋に声をかけた女の子、他の神隠し被害者たちが居ます。

●桜のマガカミについて
村の中央にあるご神木に取り憑いたマガカミです。根が深く張っているため移動をすることは出来ないようですが、枝を伸ばしたりして攻撃してきます。また、こちらの感覚を狂わせたり、幻を見せるようなこともしてきます。
また、周囲には霊力にひきよせられてマガカミが集まってきています。まだ実体を持たない低級のものですが、桜のマガカミを相手にしている間に横やりを入れられると厄介です。
ご神木の周りは、戦闘をするのに十分な広さがあります。ただし、あまりにも広範囲に影響のあるスキルや爆弾の類などを使用すると、村に影響が出る恐れがあります。

●行動パートについて
1:「異界」の内部を調査する(難易度1)
こちらのパートを選ぶ場合、行動開始は「異界」内となり、活動は「異界」内に限られます。
「異界」を破る・救出されるなどで異界から脱出した後は、他者に情報を伝える・助けてくれた相手との再会を喜ぶ以外の行動を取ることはできません。
こちらのパートでは、秋と一緒に調査隊として派遣されてきたものとして行動できます。その他の理由で参加を希望する場合、偶々村に立ち寄ったものとなります。

情報を集める、脱出できる場所を探す、内部からの異界の破壊を試みる、等の行動がとれますが、異界の破壊を試みる場合、難易度はかなり上がる(およそ難易度5相当)のでご注意ください。

2:桜の周囲のマガカミを討伐する(難易度2)
3:桜のマガカミを討伐する(難易度4)
マガカミを討伐する場合、調査隊として頼と一緒に派遣されてきたか、頼の要請を受けた六明館から増援として派遣されてきたものとして参加できます(調査隊としての参加であっても、増援が到着してから討伐を始めたという扱いになります)。
頼や他の調査隊から、マガカミの特徴は伝えられているものとして構いません。

●MCとLCの別行動、およびグループアクションについて
今回は、「異界に囚われる側」と「囚われた相手を助け出す側」に分かれる場合に限り、MCとLCの別パートへの参加(および、パートまたぎでのグループアクション)が可能です。
MCが捕まって、LCみんなで助ける、LCが一人捕まって、MCと残りのLCで助ける、というようことも可能です。
「囚われた」側は、「異界」内で自由に行動できます。なんとか自力で脱出しようと情報を集めたり「異界」を破壊しようとしても良いですし、相手を信じて大人しく待つのも有りです。
「助ける」側の行動は「マガカミの討伐」となります。討伐対象は、周囲のマガカミ(パート2)でも、桜のマガカミ(パート3)でも構いませんが、LCとMCがパート2と3に分かれての参加はできません。

MCとLCで別パートに参加する場合:
パート選択はMCの行動パートを選んでください。LCの行動パートはアクション欄に明記してください。明記が無い場合は同じパートへ登場します。

パートまたぎでグループアクションを掛ける場合:
それぞれが自分の参加するパートを選んだ上で、グループアクションを設定してください。
さらにアクション欄に、「助ける相手」「助けてもらう相手」の明記があれば安心です。
なお、グループアクションに参加する場合は、MCとLCの別行動ができません。ご了承ください。

●頼と秋について
二人とも、先日戊の階位に上がったばかりの新入隊士です。
頼は血刀士、秋は符術士で、基礎的な戦闘は十分行えますが、まだまだ経験は浅く、機転が利かないところがあります。
前回の常葉シナリオ「魔鏡の神社」にも登場しています。

「異界」の調査をする 【現在のMC参加人数:9】

1

桜の周囲のマガカミを討伐する 【現在のMC参加人数:3】

2

桜に憑いたマガカミを討伐する 【現在のMC参加人数:8】

4