クリエイティブRPG

夢と野望の残滓~狙われたマラソン大会

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夢と野望の残滓~狙われたマラソン大会
基本情報

マスター:高菜
ワールド:蒼空Re
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2020年03月02日公開!

シナリオガイド

爆弾テロ! 「鏖殺寺院」残党の悪足掻きを阻止せよ

シナリオ名:夢と野望の残滓~狙われたマラソン大会 / 担当マスター:高菜



~とある小屋~

「神の復活は阻まれた。仲間たちの多くが捕まり、鏖殺寺院は壊滅……」

 背中を強張らせた男たちが、暗く狭い小屋の一角で膝を突き合わせていました。
 リーダー格の男がとつとつと語ることに、他のものたちは無言で耳を傾けています。
 それぞれの胸から上は闇に溶けこんでいて見えません。
 寒風がひょうひょうと音を立てて吹き込むたびに、天井から差し込む薄い光の筋のなかで埃が揺らぎ、地図のヴァイシャリー湖が波打ちます。

「以上だ。この先どうなろうと『金』は絶対に必要になる。生き残るためにはやるしかない」

 義足の膝を手で叩くと、リーダーは木箱の上から腰をあげました。
 野良犬のように痩せた男が、左右異なる色の目でリーダーの動きを追います。

「そ、そういうが、本当に成功するのか。爆弾は一つしかないんだぞ」
「さっき説明したぞ。爆弾はおとりだって。ライフルと銃があれば……なあ、やるしかないんだよ。犯行予告だって出した。もう、大会本部に届いている」

 ため息を落としたリーダーに、首にホクロがある別の男が言いました。

「いまならただのイタズラで済まされる。このまま黙って消えることだって可能だ」
「ああ、消えよう。また何年か後に集まって同志とともに神の復活を目指すもよし、過去を隠して名もなき人の一人として生きるもよし。どうするかは個人で考えればいい。だけど、それはこれを成し遂げてからの話だ」

 リーダーは脇の下に吊られたホルダーから銃を抜き出し、殺気だった眼差しをホクロの男に向けました。



~百合園女学院~

「わたくし、ずっと楽しみにしていましたのよ」
「本当にたのしみですね、お姉さま」
「私もしっかり目の保養をさせていただきますわ」

 おほほほ、と可憐な笑い声がエントランスの吹き抜けに響きます。
 百合園女学院の生徒たちが、市民マラソン大会のポスターが張られた掲示板の前で会話をしていました。
 縦巻ロールがぱっちり決まっている上級生と、その取り巻きの下級生でしょうか。
 全員、一日で高級な生地と分かるお洒落なデザインの制服に、A4フルカラーのパンフレットを抱いています。
 黒の表紙には大きなダイヤをあしらった首飾りと、「永遠を貫く輝き。時を封じ込めた王家の宝石たち」というキャッチコピーが
 先日から市内の有名百貨店の催事場で開かれている展覧会のパンフレットです。
 下界から運び込まれてきた宝石は、それ自体の価値もさることながら、考古学品、美術品としても大変貴重なものです。
 盗まれでもしたら大変! とんでもないことになるでしょう。
 どうやら百合園女学院の生徒たちはこれから、ヴァイシャリー湖を一周する市民マラソンではなく、宝石の展示会に向かうことにしたようです。
 ちなみに、市民マラソンにはイケメン揃いのアイドルグループや有名俳優、男前で将来有望な若手政治家が参加しますが、彼女たちは沿道で彼らを応援するよりも、空調の利いた室内で美しく輝く宝石を愛でることを選んだみたいですね。
 
「あら、お姉さま。迎えの車が来ましてよ」
「はやく行きましょう。マラソン大会が始まれば、交通規制がかかって道が混んでしまいますわ」
「ええ、参りましょう」

 百合園女学院の生徒たちはスカートの裾を揺らして、車へ向かいました。



~市民マラソン大会・本部~

 白地に黒で「大会本部」と大きくかかれた大テントの下に契約者たちが集まっていました。
 沿道で警備の手伝いをするためです。
 特に難しい仕事ではなく、昨年末に鏖殺寺院が壊滅したこともあり、契約者たちは和気あいあいとお喋りしながら警備責任者を待っていました。
 
「遅くなってすみません」

 ようやく警備責任者が現れましたが、それっきり口を開きません。
 不審に思った契約者がよく見ると、顔が真っ青です。
 落ち着きなく体の前で両手を揉みしだく警備責任者を見て、契約者たちは何か異常な事態が起こっている、と気づきました。
 
「実は先程……、大会本部に鏖殺寺院の残党からテロの予告書が届きました」
 
 警備責任者は契約者たちに予告状のコピーを見せました。本物の予告書は警察に渡したそうです。大急ぎで鑑識に回されたとか。
 契約者たちは警備責任者の周りに集まり、予告書のコピーを見ました。
 
 “マラソン中に社会的影響力のある人物を殺害する
  コースに爆弾をいくつか仕掛けておいた
  爆発すれば一般の市民にも被害が出るだろう
  最初にゴールするランナーがテープを切る前に
  我々の仲間を釈放しろ
  釈放したら水上花火をうちあげて知らせろ
  すぐに爆弾を解除する
  要求が受け入れられない場合は爆弾を爆発させる
  
  以上だ ”
 
「釈放は却下されました。警察は市内から増援を集め、爆弾探しを始めました。テロに屈することになるから、マラソン大会は中止するな、と言って。だけど、万が一があっては困るんです。だから、私たちからあなたたちに――」
 
 契約者たちは力強くうなずきました。
 
「任せてください。わたしたちで爆弾を見つけ出し、ターゲットを守ります。必ず、マラソン大会を成功させましょう」
 
担当マスターより

▼担当マスター:高菜

マスターコメント

高菜です。
2本目のシナリオです。よろしくお願いいたします。
皆さんの手で、犯行を未然に防ぎ、マラソン大会を成功させてください。
「鏖殺寺院」の残党を全員捕まえることができなくても、マラソン大会が無事に終われば成功です。

・市民マラソン
 ヴァイシャリー湖を一周(市内を一部走る)するフルマラソンです。
 プロのランナーは参加していません。
 過去の大会における男性ランナーの平均タイムは「4時間36分49秒」でした。
 大会の目玉として、

  >イケメン揃いのアイドルグループ……10代、5人。
  >有名俳優……60歳。
  >男前で将来有望な若手政治家……45歳。
  
 狙われるのは彼らのうちの誰か、あるいは全員かもしれません。
 アイドルグループは5人固まって仲良く走るようです。
 政治家にはボディーガードが2名、ランナーとして並走します。

・市内
 マラソン中は交通規制が敷かれます。
 ですが、テロ予告のせいで市内からほぼ警官がいなくなりました。
 ちなみにいま、市内では川沿いの百貨店で、宝石の展覧会が行われています。
 
・ヴァイシャリー湖
 湖から郊外に流れ出す川がいくつかあります。
 百合園女学院が蓮の船出し、多くの生徒や教師たちが湖上からマラソンを応援します。
 高原 瀬蓮(たかはら せれん)校長もいるようです。
 百合園女学院のもののほかにも、船が複数出ています。

・「鏖殺寺院」残党
事件を起こすテロリストは5人。
全員がライフルや拳銃、大型ナイフで武装しているものと思われます。
当日未明、郊外のボート小屋でテロリストらしき男性の死体が見つかっています。
小屋の中を調べた結果、ライフル弾の薬莢(複数)と通信機、死亡した男性とは異なる指紋が5種類発見されました。
データベースで指紋検索をかけたところ、5人の内3人が引っ掛かりました。

 >ジミー・高田/32歳/数年前、自ら起こしたテロ事件で負傷。左足が義足。
 >リョウヘン・ポー/41歳/小太り。右耳がない。
 >キム・タン/35歳/黒髪、黒目、一重。右頬にヘビの刺青。
 >他2名

・爆弾
 通信式のようです。
 小屋に残されていた通信機を調べた結果、通信範囲は半径500メートルでした。
 爆弾を起爆させるためには、爆弾から500メートル以内にいる必要があるでしょう。

・爆弾が仕掛けられていると思われる箇所
 >蓮の大船…………高原校長が乗っています。
 >川にかかる大橋…交通規制で車は走っていません。
 >給水所に指定されたカフェテリア

・その他
 狙撃や襲撃に適したポイントは、コース中に複数あります。
 これらを防ぐ場合は、ランナーとしてターゲットと並走するのが一番でしょう。
 誰かが襲われたり、爆発が起こった時点で、マラソン大会は中止になります。
 
 大会本部から契約者全員に、ワイヤレスヘッドフォン型の「高性能通信機」が貸しだされます。
 ヴァイシャリー湖周りだけでなく、市内全域で通信できます。

爆弾を探す 【現在のMC参加人数:4】

3

「鏖殺寺院」残党を探す 【現在のMC参加人数:5】

3

ターゲットたちと一緒に走る 【現在のMC参加人数:1】

2