クリエイティブRPG

幽霊屋敷に花束を

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幽霊屋敷に花束を
基本情報

マスター:常葉ゆら
ワールド:蒼空Re
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2020年02月04日公開!

シナリオガイド

相続したのは幽霊屋敷?!必要なのは幽霊退治と…大掃除!

シナリオ名:幽霊屋敷に花束を / 担当マスター:常葉ゆら


「ねえ、パトリック・エイベル氏」
「なんだね、桜坂のの女史」
 二人の、高校生くらいの男女が、立ち尽くしていました。
 ツァンダの、郊外――と、ギリギリ呼んで差し支えないかどうか心配になるくらい外れの、森の中です。
 二人とも、まだ着慣れていない様子の蒼空学園の制服に身を包み、大きな荷物を携えています。
 桜坂のの、と呼ばれた黒いお下げ髪の少女は、じっとりと半分伏せた眼を隣に立つ少年へと向けます。
 パトリック・エイベルと呼ばれた黒い短髪の青年は、頬を伝う一筋の汗に気づかない振りをしながら、ののの反対方向へと視線を泳がせます。
「親戚の遺産が転がり込んで、閑静な郊外の、メイドさん付き豪邸が、なんとあなたの物になった……のよね?」
「そのように聞いているが」
 パトリックの視線の先に回り込みながら、ののは地を這うような声で問いかけます。パトリックはさらに反対方向に視線を逃がします。
「だから、パートナーであるこの私も一緒に、お引っ越ししてきたのよね、今日。下宿も引き払って
「ああ、そうだな」
「確かに郊外ね。それに、閑静よ」
 ののはぐるりとあたりを見渡します。
 森です。確かに静かです。……不気味なほどに。
「確かに豪邸ね。大きいわ」
 ののは頷きます。
 二人の眼前には立派な建物が聳えています。それは確かに、個人の邸宅としては破格の大きさです。なんでも、大元は貴族の別荘だったとかなんとか。
「でもね?!」
 ののはそこで、声を裏返して、パトリックの頭をむんずと掴むと、目の前の建物の方へ向けさせました。現実と向き合えとでも言いたげに。

「どう見ても! これは! 幽! 霊! 屋! 敷!」

 そう。二人が地図を頼りにやってきた先にあったのは、鬱蒼とした森の中に建つ、ぼろぼろにくたびれた、庭には雑草生え放題、窓ガラスが何枚か割れている、近所に子供が住んでいたなら間違いなく肝試しの名所――でも子供が夜中に歩いてこれるような距離に人家はなし――という、どこからどう見ても完璧な、幽霊屋敷なのでした。

「し、知らなかったんだ! 会ったこともない親戚が亡くなって、唯一の相続人が俺だとかで! 両親を事故でなくして、お前の下宿にさらに居候なんて肩身の狭い思いをしていた俺に、メイドさんつきの豪邸くれるなんて言われたら! 乗るだろ!」
「そんな怪しさ大爆発な話、せめて現物確認してからにしなさいよ! こんなん貰っちゃってどーするの! 遺産どころか負債じゃない!」
「いやいや待て、もしかして掃除すればちゃんと住めるかもしれないだろ?」
「掃除ィ?!」
 その場しのぎのパトリックの言葉に、のののこめかみあたりで血管が切れるような音がしました。パトリックの気のせいかもしれませんが。
「二人で?! これを?!」
 ののは、これ、のところにたっぷりのアクセントを置いて叫びます。プロの清掃業者だって、この規模の、しかもここまでボロボロになった建物を掃除するには、もう少し人数を送ってくるでしょう。しかも、この庭の広さなら、確実に庭師も必要です。あちこち塗装が剥がれたり、窓枠が傾いたりもしていますから、塗装工も、大工さんも。
 しかし、無理でもなんでも、下宿は引き払ってしまいました。数日程度なら宿を取るとか、友人を頼るとかもできますが、遠からず資金が尽きます。何とかするほかありません。
 二人が、あーだこーだ侃々諤々の議論――或いは口喧嘩――をしていると。

「ぉ…………おお…………ぉ………」

 屋敷の方から、重苦しい呻き声のようなものが聞こえてきました。
 パトリックが、ぎぎぎ、と軋んだ動きで屋敷の方へ顔を向けます。
「なあ、今……」
「……たち………さ……れ……」
 しかし、パトリックが最後まで言い終える前に、低く掠れた声ははっきりと聞こえてきたのです。
 ここでののが悲鳴を上げました。
「あ、あの、二階の窓……っ……!」
 恐ろしいものでも見たかのようなその声に、パトリックも二階の窓へと視線を遣ります。
 するとそこには――仄かに白く光る、人影のようなものが在ったのでした……



 二人が即座に、友人知人頼れる先全てに向けて、幽霊退治の依頼を流したのは、当然のことだったのでした。
 
担当マスターより

▼担当マスター:常葉ゆら

マスターコメント

皆様こんにちは、常葉です。今回は、幽霊屋敷ですったもんだをお届けします。

本シナリオの最大の目的は、「この屋敷を住める状態にすること」です。
そのためには、住み着いているらしい幽霊を退治することがなによりも優先です。
どうやら屋敷にはゴーストが住み着いてしまっているようです。が、それだけではなさそうな気配も……?
また、お掃除、修繕のお手伝いも大歓迎です。皆様のお力で、暫定宿無しになってしまった二人をお助け下さい!

登場人物::

桜坂のの(さくらざか・のの)……(蒼空Re世界の地球出身の)地球人。最近パトリックとパートナー契約して、パラミタにやってきたばかりの蒼空学園生です。

パトリック・エイベル……平々凡々としたシャンバラ人で、ののとおなじく蒼空学園生です。地球の文化に興味を持って、ののとパートナー契約したばかり。今回相続した屋敷については、「遠い親戚の持ち物だった。元は貴族の別荘だという、メイド付きの豪邸を譲って貰えるという話だった」という事以外、ほぼ何も聞いていないようです。

・二人とも契約者ではありますが戦闘経験はほぼなく、戦力としては当てになりません。ただし、自発的に安全なところに退避しますので、特別守る必要もありません。
・ののやパトリックと、顔見知りである、知人であるものとして頂いても大丈夫です。(親友、恋人等の深い関係であるものとする設定は採用できません)

お屋敷について::
森の中の、二階建てのお屋敷です。内部の探索は自由に行え、特に隠し部屋などはありませんので、以下の構造は全員が簡単に知り得るものとします。
・一階には広い玄関ホール、厨房、客間がいくつか、食堂兼パーティーホールがあります。
・厨房から地下室へ行けます。
・玄関ホールは吹き抜けになっており、二階に上がる大階段があります。
・二階には書斎だったような部屋や、寝室らしい部屋がいくつかあります。その一部には、屋根裏部屋へ上がれる部屋もあります。
・広い庭がありますが、荒れ放題です。
・備え付けの家具などはほとんどがそのまま残っていますので、掃除さえすればひとまずは住めそうです。ただ、カーテンなどはずたぼろです。
・なお、ゴーストが数体住み着いているようです。ここに住み着いているゴーストに意志はなく、残留思念のようなものです。物理攻撃は有効ではありません。魔法での攻撃が有効ですが、肝心のお屋敷が燃えたり崩れたりするような戦い方は推奨できません。

ゴーストを退治する! 【現在のMC参加人数:5】

2

「幽霊」の正体を突き止める 【現在のMC参加人数:6】

3

屋敷の掃除・修繕をする 【現在のMC参加人数:6】

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