シナリオガイド
スライム大量発生!? ねちゃねちゃから村を守れ!
シナリオ名:ねちゃねちゃ騒動記 / 担当マスター:常葉ゆら
「もう、我慢がならんのです!」
「……お気持ちは、重々お察しします……」
蒼空学園があるツァンダ――シャンバラをざっくりいくつかに分けたとすれば、そのツァンダの「辺り」には分類される、森の近くの小さな村で、蒼空学園生である典子・ラージャードがため息を吐いていました。
典子の前で息巻いているのは、この村の村長です。困り果てた、と怒り心頭に発した、を足して二で割ったらこんな顔になるのだろうなあという顔で、足を踏みならします。
周囲には、同じような表情を浮かべた村人達と、典子と同じように村長の依頼を受けて村へとやってきた契約者や特異者達の姿もあります。
彼らは今、とんだトラブルに巻き込まれているのでした。
「あのスライム共をなんとかして頂きたい! 早急に!」
言いながら村長が指さした先には、ツァンダへと続く、森を抜ける街道――典子も先ほど、ここを通ってこの村へとやってきました――に、ずるずるべたべた這いずり回っているスライム達。その数……ちょっと、数えきれません。
スライム。決して強い魔物ではありません。特にこの辺りに生息している種類は弱いようで、契約者、あるいは特異者ならば、簡単にひとひねりにできる程度です。
ただし――やたらとねちゃねちゃします。
その、スライム大量発生中のずるべた地獄を抜けてきたので、典子の足元はべたべたのねちゃねちゃです。
「この有様では、ツァンダとの行き来もままならん! その上奴ら、水源にまで棲み着きよって、このままでは村の水までねちゃねちゃになりかねんのです!」
典子は、村長の怒りの言葉を聞きながら、数度その場で足踏みをしてみます。
ぺちょ、ぶちゅ、とあまり心地良くない音が響きました。
「……ええ、そうしないと私達も帰れそうにありませんしね……」
典子はげっそりと倦んだ声で答えます。
スライムの群ごとき、契約者たる典子たちの敵ではありません。ぷちぷち踏み潰して行くだけでも突破できるでしょう。実際そうやってここまで来ましたが――典子的には、出来ればもう二度とやりたくありません。
道中、契約者達がそれぞれ、通りがけに我が身に降りかかるスライムを退治し、あるいは踏み潰ししているので、街道沿いのスライムは多少数を減らしています。
しかし、街道はその残骸でねちゃねちゃのまま。しかもスライム達は次から次へと湧いてきます。
事態を根本的に解決しない限り、にちゃにちゃからは解放されないでしょう。契約者たちはお互いに顔を見合わせ、取りかかりますか、という表情で目配せし合います。
「ところで、これだけのスライムが自然発生するとは考えにくいんだけど、何か心あたりなんかはありませんか?」
その時、典子の隣で話を聞いていた、典子のパートナーであるキョウ・ユーウィルが村長に問いかけました。すると村長は少し考えてから、申し訳なさそうに首を振りました。
「あいにく私には心当たりがないが、もしかしたら村の中には、何か見聞きした者が居るかも知れんです」
「なるほど、わかりました。そしたら、村の聞き込みとスライム退治、両方が必要っぽいですね」
キョウの言葉を受けて、契約者たちはそれぞれに動き出したのでした――
担当マスターより
お久しぶりですの方も、初めましての方も、こんにちは。常葉ゆらです。
三千界に、そしてパラミタに戻ってまいりました。
まさか再びパラミタの地でみなさまと物語を紡げる日が来るなんて、思ってもいませんでした。
新たな歴史を紡ぐパラミタで、またみなさまと楽しく冒険できたら嬉しいです。
なんて、感傷的なコメントで始めてみましたが、シナリオはにちゃにちゃです。
おっかしいなあ、手元のメモにはね、「初期と言うことでオーソドックスな探索&バトルもの」って書いてあるんですよ……というわけで、本シナリオは極めてオーソドックスな探索&バトルものです。
本当ですってば。ちょっとにちゃにちゃしてるだけですってば。
初心者の方も、お久しぶりの方も、もちろんベテランの方も、楽しくにちゃ……冒険していきましょう!
さて、村はスライムの大量発生に悩まされています。
皆さんは、村長から「村を助けてくれ!」という依頼を受け、にちゃにちゃしながら村へやってきたところです。
どうにか大量発生したスライムを処理し、原因を究明して、村をにちゃにちゃから救ってください!
依頼は広く打たれていますので、どの学校・アバターの方でもご参加頂けます。
【地理と状況】
村・・・ツァンダの東の外れにある、小さな村です。素朴な家が建ち並び、主な産業は農業です。にちゃにちゃのせいでツァンダとの行き来が滞り、物資が不足気味です。周囲は森に囲まれており、西にはツァンダへ向かう街道が伸びています。
森・・・村の周囲を囲む森です。街道の周辺は手入れがされていますが、街道を外れると自然の鬱蒼とした森です。スライムが大量発生してにちゃにちゃしているせいで、いつも以上にジメジメした雰囲気です。湖があり、その周辺には洞穴のようなものがいくつかあります。
湖・・・村の水源です。元は周囲に花など咲く美しい湖でしたが、今ではスライムたちが棲み着いており、にちゃにちゃしています。放っておくと、湖の中にまでスライムが棲み着き、水が汚染されてしまうでしょう。
洞穴・・・湖の周囲にある洞穴です。洞窟と呼べるほどの深さはありませんが、外から中を全て見通せるほど浅くもないと言うところです。中を調べるには入ってみる必要があります。薄暗く湿っているので、スライム達が好む環境です。そのためか、この辺りに発生するスライムの中には、やや強力な個体もいるようです。
【NPCについて】
典子・ラージャード・・・蒼空学園生。17歳女。本来ははつらつとした行動的な性格だが、にちゃにちゃの前に気力を削がれ気味。黒いロングヘアをポニーテールにしている。
キョウ・ユーウィル・・・蒼空学園生のパラミタ人で、典子のパートナー。19歳男。柔らかな物腰だが、沈着冷静。にちゃにちゃにもめげていない。黒い短髪にメガネ。
(典子とキョウは主に村の中での聞き込みをしますが、原則単なる進行役ですので、彼らから何か情報を聞き出そうとしても、プレイヤーと同等の情報しか持っていません)
村長・・・村の村長です。本来は気の良いおじさんですが、今はにちゃにちゃに怒り狂っています。スライム大量発生の元凶については心当たりがなさそうですが、村人情報には詳しいです。
村人たち・・・スライムに悩む村の人々です。小さく内向的な村で、よそ者には本来冷たいのですが、にちゃにちゃをなんとかしてくれるならと、今なら何でも教えてくれます。
・村周辺でスライムを退治する 【現在のMC参加人数:5】
あんまり戦闘は得意じゃないんですけど、この辺のスライムなら僕でも倒せそうですので、スライムの数を少しでも減らします。ねちゃねちゃに足を取られないように注意しながら戦わないと。
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・水源周辺で調査・戦闘する 【現在のMC参加人数:9】
湖を守らないと、村の命綱である水源が汚染されてしまう。湖周辺に住み着いたスライムをなんとかしないと。俺は洞穴にいるらしい、手強いスライムを担当しよう。
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・村の調査をする 【現在のMC参加人数:6】
事態の根本解決のために、村で聞き込みをするよ! 怪しい人影を見た人とかいないかな。地道に聞いて回ろう。
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