クリエイティブRPG

ゆうぐれくじら

リアクション公開中!

ゆうぐれくじら
基本情報

マスター:抹茶
ワールド:エデン
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:不可

スケジュール

2018年11月28日公開!

シナリオガイド

赤く染まる十字街を、巨大な恐怖が流れていく……。

シナリオ名:ゆうぐれくじら / 担当マスター:抹茶

 ――最初にそれに気づいたのは、どなただったのでしょうか。
ここ数日、夕暮れの赤い空に包まれる頃、十字街の広場や高いビルの壁に巨大な影が伸びる現象が続いています。
 影があまりに大きいこと、そしてそのフォルムを遠くから見た時、魚のように見えたことから、影はいつの間にか『ゆうぐれくじら』と呼ばれるようになりました。

そんな現象が続いていた、ある日の夕暮れのことです。


「ん……?」
 セクターEの隅になる道を歩いていたライオネル・ガルシアは、不意に偉能力を感じて立ち止まりました。
(ふん、ずいぶん弱い感覚だが……どこぞの敗者が決闘を挑みにきたか?)
 彼は警戒しながら周囲を見回しますが、すぐに気配の元を見つけて、その緊張を解きます。
「なんだ、こどもか……」
 彼の視線の先には、幼い子供が一人、高い壁にもたれかかって佇んでいました。夕日が逆光になって、その姿はよく見えません。
(あんな子供が偉能力を感じさせるとは……奇妙なことだな。敗者というのは、あんな幼くあっても栄具を所持しているものなのか)
 ふっと、その視界がわずかに暗くなりました。
「……ああ、『ゆうぐれくじら』か」
 その奇妙な現象のことはライオネルも知っていました。彼は自分を覆うように大きな影が伸びていることに気づき、ホッと胸を撫でおろします。
 ですが、その安堵も一瞬のことでした。
「え……」
 一度陰った視界が再び明るくなって、ライオネルは驚きました。あの大きな影に覆われて、こんなにすぐ視界が取り戻せたことなどありません。あらためて地面に目を向け『くじら』を見下ろし、ライオネルは改めて息を飲みます。
「……割れてる……」
 それは初めて観測された光景でした。
 『ゆうぐれくじら』が、花を咲かすように、大きく口を開けるように、がばりと二つに割れています。
 影は割れたまま進み、その隙間に子供を挟み込むような位置へ移動しました。
「……まさか」
 嫌な予感に見舞われて、ライオネルは腰にさげた剣を引き抜きました。しかし、ただ影が伸びている地面にそれを振り下ろすことに意味があるかどうかわからず、すぐに動くことができません。

――嫌な予感というものは、悲しく的中してしまうものです。

 次の瞬間、影は一つになっていました。
 開いた花がしおれるように、鯨が餌を食べるように。
 同時に子供の姿がかき消えたことに気づいて、ライオネルの背筋が震えました。もう躊躇はしません。彼は大きく剣を振りかぶり、ためらいなく地面に突き刺します。
 そして彼は聞いたのです。鯨らしき低い咆哮と同時に、子供の痛ましい悲鳴を。


「――つまり、影に対する攻撃は有効。しかし同時に、飲み込まれた少年を傷つけた可能性がある。そうおっしゃりたいわけですね」
「そうだ。だから俺は、その場を引かざるを得なかった」
 木戸 浩之の言葉に、ライオネルは大きく頷きました。
 自分が見た光景を一人では抱えきれないと感じたのでしょう。彼はなんらかの解決の糸口を求め、様々な人脈を持つ木戸を訪ねたのです。
「しかし、あの『ゆうぐれくじら』が人を襲うとは……正直に言いまして、初耳です」
「信じてくれ。俺は本当に見たんだ!」
「疑っているつもりはありません。私もあの鯨のことは奇妙な超常現象として、信頼できる方たちに調査を依頼しています。調査は現在進行形で行っていただいてますが、つい昨日、あれが偉能力の暴走を起こしている可能性があると報告を受けまして」
「偉能力? まさか、あれはフェイルか何かだっていうのか?」
「はい。その可能性は否めません」
「まさか! フェイルってのは、異形化した偉人だろう。それが人どころか、いくつも建物を覆うような大きさになるなどあり得ない」
「おっしゃる通りです。あの鯨も、おそらく本来は人間と変わらないサイズの個体なのでしょう」
「それが、偉能力によって膨れ上がったのか……」
「ライオネルさんの目撃情報が事実であるとするなら、おそらく『ゆうぐれくじら』は周囲の状況を知覚し、ひそかに人を襲撃するだけの知性があると考えられます。これまでにも同様の被害が出ている可能性は否めないでしょう。最早ゆっくり調査を続けるような余裕はありません」
 ですから、と木戸は言葉をつづけました。その瞳は真剣で、強い意志が感じられるものです。
「早期に対策を打つべく、協力者を募集するつもりです。――ライオネルさん、貴重な目撃者として、あなたにもご協力いただきたい」
「……いつの話だ」
「本日、夕刻のご予定はいかがですか」
「今日……」
 ライオネルが時計を気にすると、既に短針が2を指し示していました。
 十字街に夕暮れが訪れるまで――『ゆうぐれくじら』が姿を現すまで、あと、少しです。
「……わかった、いいだろう。俺が言い出したようなものだからな。それ相応の働きはしてやるさ」


担当マスターより

▼担当マスター:抹茶

マスターコメント

 こんにちは、お世話になります抹茶です。
 さて、今回は皆さまに、セクターEの十字街に現れた超常現象について関わっていただきたく思います。
 今回も僭越ながら、私の方からこの超常現象に関する補足をさせていただきますね。

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▽現状、『ゆうぐれくじら』は毎日日の入りからに十字街をゆっくり流れていく影と多くの住民が認識しています。絶えず移動し続けており、その速度も様々。雲のようにゆったり流れることもあれば、車のような速さで流れていくこともあると言います。影に直接対峙する予定の方は、移動手段に触れておいていただければ幸いです。

▽『ゆうぐれくじら』の出現場所、移動ルートなどもランダムですが、非常に大きく目立ちますので探すことは難しくないでしょう。

▽影が観測されてから数日経過しておりますが、今のところ影が人を襲撃したとの報告はライオネル・ガルシアによる目撃談のみです。このことから、木戸は影が周囲を知覚でき、知性をもっている可能性もあると考えているようです。

▽ライオネルは基本的に敗者に対する偏見を持っています。また、彼は感情をあらわにしやすく、他人に対して攻撃的な態度をとりがちです。

▽『ゆうぐれくじら』の活動時間帯は日が沈み始めた頃から日没まで。木戸やライオネルもその時間帯に活動します。街は賑わい、多くの人が行きかう時間になるでしょう。

▽ところで十字街には孤児院が存在します。
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 以上です。
 今回は夕暮れの十字街での戦い、市街地戦を想定しています。可能であれば街を広く使って、あちこち駆け回っていただけたらなと考えております。
 今のままでは、影はひそやかに襲撃を続け、徐々に被害を広げていくでしょう。それを止めることができるのは主人公たる皆さんのお力です。ぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

影を撃退する

5

影を回復する

2

本件に関して調査を行う

4