クリエイティブRPG

夕顔の花の咲く頃のこと

リアクション公開中!

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夕顔の花の咲く頃のこと
基本情報

マスター:片桐 夕鶴
ワールド:大和
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2018年09月15日公開!

シナリオガイド

その名を汚さぬために。

シナリオ名:夕顔の花の咲く頃のこと / 担当マスター:片桐 夕鶴

 

 ――月の明るい、夜でした。

 京の少々入り組んだ小路を入っていったところにある宿屋兼小料理屋から、若い男が一人、出てきました。
 その男の表情は暗く、酷く憔悴した面持ちで大きく一つ息を吐くと、気を取り直したように月の下を歩き始めました。

(さて、姉上には何と言えば良いのやら……)

 とぼとぼと歩く男の影が、長く伸びます。
 俯き、思案しながら歩いていた所為か男は道を間違えたようで、いつの間にか見慣れない小路に迷い込んでいました。

(何だ、これは……?)

 男は、黒い筒状のものが足元に落ちているのに気付き、それを拾い上げました。
 手にとって見ると、それは刀の鞘で、訝しく思いながら視線を上げると、すぐ近くには抜身の刀が無造作に捨てられているのを見つけます。男がそれを手にした途端、近くで「ひぃっ!!」と短く息を呑むような声が聞こえました。

「ひ、人殺しィ〜〜〜〜〜!!」

 叫び声に男がそちらを見やると、中年の男が青ざめた顔をさらし腰を抜かさんばかりに、少し離れた場所に血だまりの中にうつ伏せで倒れる人影と抜身の刀を手にした男を見比べながら、ただただ喚いていました。
 抜身の刀には、血糊がべったりと貼り付いていました。

「ち、違う! この刀は今ここで拾ったものなのだ!」

 慌てて男が弁明するも、時すでに遅し。
 騒ぎにより駆けつけた検非違使により、召し捕られておりました。

 すぐ傍らの垣根には、夕顔の花が白く月の光を受けて咲いていました――。





「――下手人と目される男は三浦吉成(みうら・よしなり)という名の侍で、いい月夜だった為に夜風に当たろうと歩いていたところ、打ち捨てられた男が倒れており、傍らに捨てられた刀を拾い上げるのを偶然見た町人に誤解を受けたと申しておりまする」

 橘朝直(たちばな・ともなお)は、相変わらずおっとりとした様子で、上役である日野(ひの・たけみつ)に報告をしました。

「ただ何分にも状況の証拠のみで、斬りつけたとしても三浦は返り血一つ浴びた様子もないものの、その夜の足取りが皆目掴めず、本人も『夜風に当たっていただけ』と述べるのみで、その他は頑なに口を噤んでいる状態で御座います故」

 武光は書類を載せた文机を指でコンコンと苛立たしげに鳴らしながら、朝直を見やります。
 ほとほと困っておりますると口では言いながらも、焦りの様子は全く見られない朝直に、武光は頭を抱えます。

「状況的には三浦が下手人ではないものの、申し開きなど一切ないということは、下手人と関係があり庇い立てしていると取られても仕方あるまい」

 武光は胡乱げに朝直に目をやりました。

「もしくは他に知られてはならないような、秘匿すべき行動をその夜にとっていて、それを隠す目的があるのやも知れんな」

 朝直はその武光の言葉に頷くと、「調べてまいりまする」と告げて軽やかな足取りで立ち去りました。


 
担当マスターより

▼担当マスター:片桐 夕鶴

マスターコメント

 

 皆様ごきげんよう、片桐デス。
 何となく、朝直の調書作成スキルを向上させてやるべきなのかと思い、ガイドを書いてみました。

 今回の目的は「三浦吉成の無実を証明するための証言をする」コトです。
 月夜の晩に起きた殺人事件で、吉成は明らかに下手人ではないとされるものの、黙秘したままでは何らかの形で罰せられるコトになります。それを事件当日の夜の吉成の足取りや彼の交友関係を証言することによって、回避して下さい。


 *現時点で判明していること。
・被害者は今は飛ぶ鳥を落とす勢いの武家に仕える使用人で、使いを終え邸に戻る途中で事件にあったという。
・第一発見者となってしまった町人は、酒を飲んだ帰りにほろ酔い加減で通りかかっただけであり、全く関係ないことが判明している。
・下手人は未だに不明で、現場に落ちていた刀や鞘も銘品というわけではなく、持ち主を調べるのには困難な状況である。
・とある小料理屋より、背格好からその夜に待ち合わせの客として来ていた男に似ている、という話はあった。酒宴が入っていたので忙しくしておりあまり印象に残っていない上、偽名を使っていたようで本人かどうかははっきりと断定できない。ただ、待ち合わせていた相手方が時間をかなり過ぎても現れなかったため、悄然とした様子で立ち去ったのだと情報提供があった。
・現在、吉成は検非違使の詰め所にある牢にて、堅く口を閉ざしたままでいる模様。


 上司の命令により、情報をまとめた調書を作成しなければならなくなった朝直に、皆さんは「知りうる限りの情報」を伝えて下さい。朝直はそれを元に調書を作成します。
 皆さんの証言により、事件の全容が明らかになります。
 朝直から聴取を受ける際、所謂「5W1H」にポイントを置いた質問をされますので、それを盛り込んで頂ければ幸いです。
 「事件以前から吉成を知っており、交流があった」という内容のアクションも、全く以って問題ありません。
 どういったリアクションになるのか不安だという方は、『藪柑子飾る前のこと』をご一読頂ければ雰囲気が掴めるかと思います。


 *本シナリオにおける特別なルールについて。
・基本的にリアクションは「調書」の形式を取りますが、朝直とPCの前後のやり取りや調書を元にした事件の結末などは、別途通常どおりに記述します。
・調書という特性上、MC・LC別々に聞き取りを行います。よって、GAを組んだ場合にも同様の処理となります。(GAについてはきちんと反映した内容になります。)
・以上に記載された設定やルールは、本シナリオにのみ適用されます。






*とりあえずのNPC紹介。

・日野武光
 検非違使。40歳。無骨で仕事一徹の叩き上げの苦労人。今はどうしようもない新人に手を焼いている。
 現場が好きなのに、役職が上がるにつれて書類の取りまとめなどの仕事が増えるわ部下は頼りないわで、近頃は胃薬の世話になることしばしば。

・橘朝直
 新米検非違使。20歳。やる気はあるのだが、おっとり具合にそうは見られないのがちょっと残念。
 「ええとこのぼんぼん」らしく、丁寧な言葉遣いと柔らかな物腰の優男だが、剣の腕を見込まれて検非違使に配属されたので、武光の見立てでは将来大化けする可能性もありそうとのこと。

・三浦吉成
 とある武家の四男。20歳。そこそこ裕福であるため気楽に生きているが、侍としての気概はある。
 姉と呼び慕っている従姉の春日より夫の様子が可怪しいとの相談を受け、宴の開かれるという小料理屋に赴いた帰り、事件に巻き込まれる。

・春日(かすが)
 吉成の従姉。25歳。母を早くに亡くして祖母に引き取られたため、嫁ぐまで吉成と同じ邸で姉弟のように育てられた。
 夫が宴があると言っては頻繁に家を空けるようになり、不安を感じたため吉成に相談した。



 それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

事件当夜の様子を証言する。 【現在のMC参加人数:4】

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三浦吉成についての証言する。 【現在のMC参加人数:0】

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