三千界のアバター

穢れの人形師

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穢れの人形師
基本情報

マスター:るう
ワールド:大和
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:不可

スケジュール

2018年05月07日公開!

シナリオガイド

かつての高名な人形師は今や死を呼ぶ――

シナリオ名:穢れの人形師 / 担当マスター:るう


 奈張にほど近い山奥に、その庵はありました。

 庵の主は、影雪斎という名の人形師です。彼の作る人形はまるで生きているようだと言われ、奈張近辺のみならず、京はもちろん、遠くは坂西から求めに来る者もいるほどです。
 しかしその人気にもかかわらず、影雪斎はここしばらく、頑として誰の依頼も受けようとしておりませんでした。京の貴族は天を仰いで嘆き、坂西の武士は烈火のごとく怒るのですが、影雪斎は彼らを追いだすばかりです。

 夕、今日の最後の客を追いはらった後に、影雪斎は行灯を点そうと火種を手に取りました。しかしその手は小刻みに震え、行灯を畳に倒してしまいます。
「いかん……!」
 炎は行灯を呑みこんで、さらに畳の上を広がらんとしていました。影雪斎が慌てて布団を押しつけ幾度も叩けば、炎はようやくくすぶるのをやめますが……行灯が燃えつきた庵の中は、朝まで暗闇に包まれることでしょう。
「今やこの儂も、齢七十の耄碌した老いぼれに過ぎんということか」
 妻も娶らず、弟子入りも断りつづけて人形作りに没頭してきた人生を、影雪斎は今まで満ちたりていたとばかり思っていました。しかし、避けがたき老いが彼から生き甲斐たる人形作りを奪うとき、影雪斎は自らの生がいかに無為であったかという念に囚われるのです――ところが、その夜。

「――もし。影雪斎殿はこちらにおいでか?」
 庵の戸の向こうから呼びかけるのは、鈴のごとき女の声でした。
(こんな夜更けに、女じゃと?)
 影雪斎は訝しみます。忍の者か、はたまた妖か。しかし、いずれにせよ彼の人形を求める者に違いありません。
 お前さんに作ってやる人形はない……影雪斎はそうあしらおうと思ったのですが、彼は自分でも思いもよらないことに、こんな考えを浮かべてしまいます。
(思えば、寂しい人生じゃった。身寄りもおらず、これ以上は何も遺せず、このまま朽ちてゆくばかり。人形作りを通じてあれほど多くの者たちを喜ばせた人間の最期としては、あんまりではないか。
 そうじゃ……儂も最後に一度くらい、良い目を願ったとしても罰は当たるまい。なぁに、嫌と言われれば諦めるまでのことよ。ただ一度、「哀れな老人に女というものを教えてくれ」と頼むだけの話じゃ)
「入れ」
 老人は戸の向こうへと呼びかけました。すると現れた女の姿は……色白の整った顔立ちに漆黒の髪……この世のものとは思えぬ美しさではありませんか。
 一目ですっかり虜になってしまった影雪斎は、思わず正直に語ってしまいます。
「儂はすっかり老いてしまって、お前さんに作ってやれる人形はない。そんな儂が頼むのも可笑しいが……儂は、お前さんの美しさに惚れてしまった。お前さんさえよければ……儂を一夜だけ、お前さんと過ごさせては貰えんか?」
「無論、喜んで」
 女は嬉しそうに目を細め、影雪斎の布団に招かれます。そして、影雪斎をそっと抱きよせると……その背がめりめりと音を立てて割れ、そこから8本の蜘蛛の足が伸びたのです。



 数日後。奈張の町の市には、影雪斎作とされる人形たちが並んでいました。
 その出来はかつての彼の作品に劣らぬ見事さで、見る者全てに溜め息を吐かせます。

 しかし……見る者が見れば気づいたことでしょう。
 人形をたちの周囲には、おびただしいまでの禍々しい瘴気が渦巻いていることに。
担当マスターより

▼担当マスター:るう

マスターコメント

 どうも皆様、るうでございます。
 人形師の老人の身に、はたして何が起こったのでしょうか? 彼の人形を放置していれば、何が起こるかは判りません。世に出てしまった人形を回収し、また人形を生んだ穢れを祓えるのは、特異者の皆様だけなのです。



●基本的な状況

 人形師影雪斎は、訪れた女妖蜘蛛女と一夜を過ごしたことにより霊力を得、禍々しい穢れを孕んだ人形を作るようになりました。一方で蜘蛛女は、影雪斎の庵にわだかまっていた穢れに当てられ、力に呑まれてしまっています。
 人形の瘴気を放置すれば、人形の持ち主や周辺にまで穢れは広がってゆくでしょう。その結果、何が起こるかまでは判っていませんが、決して良いことにならないのは確かです。
 一方で、庵の穢れをとり除かなければ、今後も新たに瘴気を孕んだ人形が生みだされ続けます。事件を終わらせるには、庵の瘴気と人形の瘴気、両方を浄化する必要があります。



【1】市の人形を処分する 難易度:1

 瘴気にまみれた人形たちは、偶然通りかかったがめつい商人に発見されました。商人はすぐにその価値を見抜き、拾って高い値段をつけて市に並べています。
 商人を説得し、それが上手くいかなかった時には無理やりにでも手放させ、燃やすなどしてしまえば、人形の瘴気は失われるでしょう。
 もちろん、商人に手放さることなく人形を浄化することはできます。が……市に不浄な人形が持ちこまれていることが明らかになれば、混乱は避けられません。その点、ご注意ください。



【2】売られた人形を回収する 難易度:3

 ほとんどの人形は今も市に並べられたままです。が……問題は、1体だけ売れてしまった人形です。
 人形を買ったのは、そのために坂西からはるばるやってきた武士の頭領とその一党です。彼らは人形の瘴気を恐れず、また長旅を徒労にしたくもないため、説得に応じる可能性は極めて低いでしょう。
 彼らに人形を手放させるには、無関係な人々も多く泊まっている宿に乗りこんで、人形を奪ってしまうほかはなさそうです……しかし、彼らは苦労して手に入れた人形を守るため、宿にいる時も常に見張りを立てています。



【3】蜘蛛女と戦う 難易度:3

 影雪斎の庵では、禍々しい人形を作りつづける影雪斎を、蜘蛛女が守っています。彼女は正気を失っており、影雪斎以外の人間を見かければ毒の牙と粘着性の糸で攻撃してくるでしょう。
 蜘蛛女の穢れを祓うことができれば、庵の瘴気は全て消えます。穢れを祓うための最も単純な方法は、蜘蛛女の意識を失わせてしまうことです。

 必須ではありませんが、影雪斎の心の隙間を皆様が埋めてやることができれば、蜘蛛女の霊力を乱す瘴気は力を弱めるでしょう。蜘蛛女は弱体化し、戦いを有利に進めらるようになります。



 ……以上です。
 それでは、皆様が全ての穢れを祓い、事件に終止符を打てることを願っております!

【1】市の人形を処分する

1

【2】売られた人形を回収する

3

【3】蜘蛛女と戦う

3