クリエイティブRPG

　ガイアと呼ばれる世界に存在するコロンビア合衆国の中の小さな街ラルフィアで、傍を通るものがつい何事か覗きたくなるほどの口喧嘩が起きていました。

「さっさとマナストーンを返しやがれ！」

　髭を生やした中年の男性が怒号を飛ばします。

「ワ、ワタシじゃありまセン！」

　それに負けないくらい大きな声で、相対する少女が答えます。

「嘘おっしゃい！　あんたのとこには、くたばりかけの汽人が何人もいるじゃないか！！」

　今度は男性の隣のふくよかな女性が少女に向かって怒鳴りました。

「確かに、ウチはそういった弱った方タチの、お世話をしていマスが、それとこれとはなんの関係もナイはずでショウ？」

　少女は負けじと答えます。

「関係ないはずないだろう！！　毎夜毎夜、盗みやがって！！　どうせ加工して挿げ替えるつもりなんだろう！？」

　男性が言います。

「そんなことしまセン！！　証拠だってないでショウ？！」

　反論する少女に今度は女性がたたみかけようと口を開きました。

「証拠なんざ、あんたが汽人ってだけで充分さ！　観念おし！！」

「……そんな……」

　その言葉にショックを受けたのか少女の勢いが急激に落ち込みます。するとそこへ

「ハイハイ、ちょっとごめんあそばせ」

　ゴスロリチックな服装の女が人込みをかき分けて前へ進み出できました。

「なんだいアンタ！　今は取り込み中だよ！！」
　
　女性が言外にさっさと去りな、と言います。
　それを気にした様子もなくゴスロリ女はフリフリの傘をくるくると回しながらこう言いました。

「この謎は、名探偵ノンが解決してみせましてよ。ですので捜査の時間をくださいな」

「アンタ、名探偵なのかい？　聞いたことない名だけど」

　女性が尋ねます。

「えぇ！　探偵ですわ！」

　そう自信満々にゴスロリ女もといノンが口元に笑みを浮かべます。
　
　……心の中で

（……今日から、ですけれど）

　そう付け加えながら。　

　今回のシナリオの目的は「犯人を捕まえること」となっております。
　ノンを名探偵にするも迷探偵にするも協力してくださる助手達次第。


　以下、自称名探偵のノンからの調査ファイルです。

　舞台はコロンビア合衆国の中の小さな街、ラルフィアでマナストーンの出荷を生業とする中年夫婦のおうちですわ。
　お二人の話によると、どうやら毎夜毎夜、マナストーンを保管している倉庫から数十個ずつマナストーンを盗み出している者が居るとのこと。
　毎夜となれば、当然現行犯逮捕が望ましいでしょう。
　ですが相手は一人とは限りません。どんな種族にでも勝てるよう戦闘準備をしましょう。
　大きな倉庫で出入口は手前・左右の三方向、どんな種族であろうと足止めできそうな罠を張りたいところですわね。

　是非、罠作り、捕獲戦闘を皆様にご協力願いますわ。
　一緒に事件を解決しましょう！



◆マナストーン保管庫
　マナストーンが保管されている場所は木でできた倉庫ですわ。
　とても大きな倉庫で、出入口が３方向にありますわね。
　中には５０個入りの箱が所せましと並べられています。
　夫婦は出荷の際、再度数を数えるので今回の事件が分かったそうです。
　

◆夫婦について
　髭の男性、お名前はダンさん。ふくよかな女性、お名前はクレアさん。
　お二人は夜はすぐ近くの家で過ごされて、早朝から出荷作業を始めるそうです。

　
◆少女について
　感情豊かな少女、ツバキ。実は汽人だそうです。
　弱ってきた汽人のお世話を仕事にしながら暮らしているそうですわ。
　力仕事を得意としているらしく、彼女はおそらく近接の格闘系（殴るなど）でしょう。


◆ノンについて
　わたくしですの？　今日から探偵を始めましたの。
　今助手を募集してますわ。

　種族は人間。
　罠作りもある程度参加できます。戦闘はこのお気に入りの日傘で殴ることはできますが得意ではありませんわ。ですが機転は聞く方ですので、危なそうなら逃げますわ。

　

◆ウィザードについて
　夫婦に聞いただけなのですが、最近この街にふらふらと現れる方がいるそうですわ。
　新参者こそ怪しむべきなのかもしれません。
　もちろんウィザードですから、いろんな属性のギアを使ってくるでしょう。