三千界のアバター

生きててよかった

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生きててよかった
基本情報

マスター:井坂津小津
ワールド:テルス
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2017年11月06日公開!

シナリオガイド

滅ぼされた村の生き残りの少女と侵攻を受ける都市を救え

シナリオ名:生きててよかった / 担当マスター:井坂津小津


 
 夜。連合と共和国勢力のちょうど境目にある村が滅びました。共和国に地域一帯を制圧されたにもかかわらず、その村は共和国に組することを拒否したからです。
 
  共和国の女性士官、イルマは轟々と燃えていく村を一人、自身の隊から離れたところで眺めていました。
 
 (……生存者は無し)
 
 彼女は、月の淵をチロチロと舐める火の粉を見上げながら、今日、自分たちが亡ぼした、名も知らぬような村のことに思いを馳せていました。
  
 『見せしめのためだ。村の建造物をすべて焼き払った後、井戸に毒を入れろ。生存者は残すな。だが、原型は残せ』
 
 村を亡ぼす際、彼女が上官に言われた言葉でした。その言葉が、建物が燃える音と混じり合って、彼女の脳を揺さぶり続けています。なぜ、この村が滅んだか。それを問われれば、ただこちらの指示に従わなかったからだ、としか答えようがありません。誰かがこの村に恨みを持っていたり、ここが戦略上重要な地点であるというわけではありません。
 
 意味がまったくないわけではないけれど、なにか深い意味があるわけでもない。戦争の犠牲者はそんな理由で、戦死者という統計上の数字に変えられていくのでした。
  
 彼女も、共和国の軍人ですから、いまさら人の死に対して思い悩むことはありません。ただ、今のこの状況を快いと思えるほどではありません。しかし、自分から軍人をやめる決意もありません。
 
 明日もまた、同じようにメタルキャヴァルリィを操縦し、戦死者を増やし続けるのです。自分がその数字に加わるまで。
 
 「誰かいないのか」
 
 村に向かって、意味のない言葉を投げかけます。居るはずがありません。自分がそうしたのですから。しかし、彼女は何か「きっかけ」を切望していました。この状況から抜け出せる、自分の罪をそそぐために、自らにそう決意させるための何かを。
 
 その時です。彼女のすぐ後ろで草むらが、ガサゴソと動きました。その音に反応してイルマは振り向きます。そこには、一人の少女が居ました。
 
 「お前は?」
 
 イルマが話しかけようとすると、女の子はおびえて森の中へ逃げようとします。しかし、逃げる少女はものの一分もかからずにイルマに捉えられてしまいました。
 恐怖におののく少女を、力ずくで押さえイルマは問い詰めます。
 
 「この村の生き残りか?」
 
 女の子は首を縦にも横にも振らず、ただがくがくと震えるのみです。イルマは自分の服装に気が付くと、言い聞かせるように女の子に話しかけました。
 
 「私は、連合の者だ。いまスパイとしてこの村の生存者を保護している。お前のほかに生存者はいるか?」
 
 「もう、だれもいない……」
 
 「そうか。お前、生きたいか?」
 
 少女は、だまって首を縦に振ります。
 
 「名前は?」
 
 「……アンナ」
 
 勿論、イルマがスパイというのは真っ赤な嘘です。しかし、彼女にとって、このアンナこそ「きっかけ」にほかなりません。横暴かもしれません、エゴイズムかもしれませんが、イルマはアンナを救いたいと考えました。
 
 その夜、皆が寝静まった時、イルマは自身のメタルキャヴァルリィと共に、アンナを連れて連合の方面へと逃げ出しました。彼女は一晩で森を超え、森を抜けた先にある連合の小都市<アノマラス>へと行きつきました。<アノマラス>についたイルマは、アンナと共に町長の元へ向かいます。
 
 「頼みがある。この子をグローリア・ラディアへ逃がしてやってくれないか」
 
 イルマは、町長に事情を話しました。しかし、町長も初めは彼女たちのことを警戒していました。ただでさえ、イルマの素性が怪しい上に、次の共和国の進行地点は、ここであるという噂さえあります。言葉にはしませんが、町長はイルマが連れてきたアンナすらも、共和国のスパイではないかと疑っていました。
 
 「私は確かに、共和国軍人でしたが、もうその生き方は捨てました。身勝手な言い分に聞こえるかもしれません。私を牢に入れようが、尋問にかけようがかまいません。しかし、この子は別だ。この子は隣村の子供で連合の人間に間違いない。彼女だけでも助けてくれるのであれば、私はどうなっても構わん」
 
 イルマはそう啖呵を切ると、町長は急いで止めました。
 
 「まぁまぁ。そう焦る事ではない。そこまで言われてしまっては、こちらも軽く扱うことは出来ん。まだ、こちらもあなたを完全に信用したわけではないが、共和国の侵攻の情報と引き換えならば、責任をもってこの子をグローリア・ラディアへ送り届けるとしよう」
 
 「たやすいことだ」
 
 彼女はそういうと、自身が持っている命令書・計画書の類を町長に渡し、遅くとも次の朝には侵攻が始まるという事を伝えました。 
 町長は、彼女の言葉を聞くと、すぐに町中にいる腕利きに声をかけました。その腕利きとは、当然あなた達のことです。街の広場に集められたあなたたちは、町長から共和国の侵攻を防ぐための協力を要請されました。
 
 町長が作戦の概要を伝えている裏で、アンナは不安そうにイルマに話しかけます。
 
 「……また、戦いが始まるの?」
 
 イルマは、哀しいような、毅然としたような複雑な顔をしたまま、アンナに言葉を返します。
 
 「そうね……でも、安心して。私の命を懸けてでも、貴方は守るわ」
 
 イルマの冷たい手が、アンナの頭を撫でました。彼女は、なんとしてでもこの子だけは守ると、固く決意します。しかし、もう一つ。彼女は心の奥底に、ある冷たい思いを隠していました。それは、この戦いの中で、自分の罪を償うことでした。
 
 一方、共和国側は、脱走したイルマの確保と都市の占領に息巻いており、次の都市、つまり<アノマラス>挟み撃ちにする計画を練っていました。
 
 あなたたちが集められ、避難住民の準備が整ったところで、突然<アノマラス>は共和国による奇襲を受けます。
 
 あなたたちの物語は此処から始まります。
 
担当マスターより

▼担当マスター:井坂津小津

マスターコメント

 連合勢力の小都市<アノマラス>を舞台とした防衛と、少女<アンナ>の護衛に分かれて行動するシナリオとなっております。

 防衛は、都市を守るためにその前に位置する平原や森で行います。敵戦力はメタルキャヴァルリィ5体に、各機に従属する僚機が3,4体ほどついております。こちらの戦力は、余り頼りにならない街の常駐軍のみ。必然的に、本命は特異者ということになります。
 
 護衛は、アンナを乗せた馬車を含めた避難民全員の護衛となります。主な敵は、挟み撃ちのために出てきた共和国の別動隊であり、選抜された精鋭のメタルキャヴァルリィ2体とその僚機の8体、そして、<アノマラス>の物資を鹵獲するためのエアロシップが一体。計、11体を相手取ることとなります。また、イルマはアンナの護衛として、メタルキャヴァルリィで戦います。
 彼らは、避難する馬車の中にイルマが居るのを確認し、苛烈な攻撃を行います。避難民の守りを優先して、連合の強い影響下のある地点まで逃げきるか、先に敵勢力を全滅させるかは各自の判断や役割分担に任せます。しかし、もし、劣勢になり避難民まで攻撃が及ぶようになってしまうと、イルマは自身の命を懸けてでも、強引な手段をとってしまいます。それを防ぐこともある種の目標でしょう。
 
 イルマ、アンナ、そしてアノマラスを救えるのは、あなた達だけです。

都市を防衛する

3

避難民の護衛

5